プロフィール

コンテンツ

記事一覧

ジュネーブ市長から双葉町長を辞任した井戸川克隆さんへの手紙

ファイル 98-1.jpgファイル 98-2.jpg

山口県立大学教員の安渓遊地(あんけい・ゆうじ)さんのサイトより転載します
http://ankei.jp/yuji/?n=1841

私たちには世界中に理解者がいます。
私たちは決して日本国内だけで「放射能安全神話」と闘っているのではありません。
私たちの命は世界中の彼らの命、
彼らの命は私たちの命に直結しているのだと感じました。

ジュネーブの市長は以下のように手紙の中で述べています。

「政府に福島県民の皆さんがモルモットのように扱われている事態は許しがたいです。事実、政府はIAEAとWHOの協力のもと、福島県民の健康実態のデータを集めようとしています。これは人権侵害であり、即刻阻止しなくてはなりません。」

「井戸川さんが強調されていた通り、日本人はチェルノブイリから学ばなければなりません。」

全く同感です。

人が人として尊厳を尊重される
そんな世界を闘い取りましょう。

以下転載です。

====
放射能安全神話とたたかう
ジュネーブ市長から双葉町長を辞任した井戸川克隆さんへの手紙

井戸川克隆さんをご存じですか。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/56198

「今の双葉町の現状を見ても、簡単に環境回復できるものではない。復興のために中途半端な形で町民が戻って、放射能の片付けをやって寿命を迎えるような、そんなことはさせたくない。」
 この国は、あたりまえのことを実行するリーダーが引きずり下ろされる国です。

 以下は、
 スイスのジュネーブ市長の レミ・パガーニさんから、放射能安全神話をばらまく利権勢力によって双葉町長を不本意な形での辞任においこまれた、井戸川克隆さんにあてられた手紙の和訳です。

パガーニ市長の顔写真や経歴(仏文)は以下に載っています。
http://www.ville-geneve.ch/conseil-administratif/membres-conseil-administratif/remy-pagani/

井戸川克隆様 ジュネーブ         2013年2月13日

拝啓

 昨年のジュネーブご訪問に改めて感謝申し上げます。Palais Eynard(市庁舎)に井戸川さんをお迎えできたこと、大変光栄に存じます。2011年3月に発生した原発事故後、日本国民の皆さんが直面している問題の理解がより深まりました。

 去る1月23日に、辞職の申し出をされたと聞きました。苦渋の決断だったのではとお察しいたします。井戸川さんは、福島県の首長の中でただ一人、住民を県外に避難させ、原発事故の深刻な状況に対し無策、無責任な態度を取る政府、東電を公然と糾弾されてきました。放射能被害から町民の皆さんを守るために、あらゆる措置を講じられてきました。辞職されたことは残念に思います。

 昨年10月にお会いした際、チェルノブイリと日本の避難基準を比較した表を見せて下さいましたね。日本政府が、直ちに健康への影響はないとの見解から、年間の放射線許容量を20mSvまで引き上げたと知り驚きました。

 ご存知の通り、ICRPは一般公衆の年間被曝許容限度を1mSvと勧告しているほか(放射線取扱従事者の被曝許容限度は年間20mSv)、子供は大人よりも放射能に対する感受性がより高いことは周知の事実です。また、放射能が及ぼす健康被害についても幅広く論文化されており、最近ではニューヨーク・サイエンス・アカデミーが2009年に発行した研究書に詳細が述べられています(文献1)。そして、多くの独立した研究者が数十年来の研究結果から、被爆に安全なレベルはないと唱えています(ICRPも閾値なし直線仮説を認めています)。

 ICRPが勧告した年間被曝許容限度の引き上げ正当化の立証責任は、日本政府にあります。しかし、そんなことを実証できるのでしょうか。実際には、これ(1mSv)以下の低線量被爆による健康被害が認められていることから、許容限度など何の役にも立ちません。政府に福島県民の皆さんがモルモットのように扱われている事態は許しがたいです。事実、政府はIAEAとWHOの協力のもと、福島県民の健康実態のデータを集めようとしています。これは人権侵害であり、即刻阻止しなくてはなりません。

 井戸川さんは、今後も政府当局による非人道的な扱いから、町民の皆さんを守るための戦いを続けていかれると聞きました。より多くの人々が共闘することを心から望んでいます。人々が高濃度汚染地域での生活を強いられていることは到底受け入れられません。政府と福島県が、双葉町の皆さんを致死的なレベルに汚染された地域に帰還させようと画策していることは狂気の沙汰としか言いようがありません。

 また、福島県の約40%の子供達に甲状腺の異常が認められたことは恐るべき事態です。福島県外でも、甲状腺異常の発生件数が増えていると聞きました。このような非常事態の中、保健当局は真実を隠蔽し、被曝の影響を否定しています。(昨年)お会いした時に井戸川さんが強調されていた通り、日本人はチェルノブイリから学ばなければなりません。福島の状況は、住民の皆さんの全体的な健康被害の発生頻度を見る限り、チェルノブイリよりもはるかに深刻に思えます。ご存知かと思いますが、チェルノブイリ周辺における甲状腺がんの発生件数は、1990年代に入ってから増加し始めました。双葉町では約300人の住民の皆さんが、福島第一原発の第1号機爆発後、高濃度の放射性降下物を浴びたと仰っていましたね。にもかかわらず、政府や保健当局は、被害者の皆さんに対して健康調査を実施しなかったとのこと。(昨年の)会合時にお約束した通り、ジュネーブ市は、医療関係者やIndependentWHOなどをはじめとする団体と協同して、適切な健康調査が実施されるよう、最大限サポートしていく所存です。他に何か協力できることがありましたら、遠慮なく仰って下さい。

今後益々のご活躍をお祈りするとともに、正義を勝ち取るための戦いに多くの皆さんが団結することを望んでやみません。くれぐれも健康に留意され、またジュネーブでお目にかかれることを楽しみにしております。

敬具

レミー・パガーニ

引用文献1
A.ヤブロコフ、A.ネステレンコ、V.ネステレンコ『チェルノブイリ:事故が人々と環境に与えた影響』
Yablokov, A., Nesterenko, V., and Nesterenko, A.
Chernobyl: Consequences of the Catastrophe for
 People and the Environment.
 Annals of the New York Academy of Sciences,
 Vol. 1181. Wiley, New York, 2009.

=====以上転載終わり
尚、井戸川町長が在職中チェルノブイリ避難基準と比較した表はこちら
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/zatsukan/041/nihon_hinan_souba-cho.pdf

第35回広島2人デモ 2月15日報告

ファイル 97-1.jpgファイル 97-2.jpgファイル 97-3.jpgファイル 97-4.jpgファイル 97-5.jpg

◆画像説明
1.第35回チラシ1-4P
2.第35回チラシ2-3P
3.プラカード1・2
4.プラカード3・4
5.本日の天気

みなさま
(いくつかのメールにご案内いたします)

毎度毎週お騒がせします。
第35回広島2人デモ2月15日の報告をいたします。
参加者は4人、哲野、網野、シュウトさん、じゃけえさんでした。

▼本日の空。週ごとに明るくなってます。
本日の天気

ぽつぽつと雨粒があたります。
昼は晴れていたのに・・・

警察の方が来て指令書を確認します。チラシを渡して・・・
警察「雪になるかもしれませんよ。」
網野・哲野「ええっ!!」
警察「天気予報だと6時~9時にちょうど雪マークが・・・」
携帯から天気予報のサイトを表示して見せてくれました。
6~9時に狙ったようにしっかり雪マークがついているじゃないですか。
警察「南部はないと思いますが、北部は降るでしょうね、この冷え込みだと」

じゃけえさん登場。

しばらくすると音楽が鳴りました。
3人で出発です。

▼本日のチラシ
※告知板の誤植を修正しています。
▼A3
http://inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20130215.pdf
▼A4版
http://inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20130215_A4.pdf

▼本日のプラカード
1-2
3-4

最初のスピーチは哲野です。
哲野はほとんどチラシの内容の要約スピーチでした。
(哲野:・・・・この話題は歩きながらじゃ無理なんだけど、いつかはやらなきゃいけないからね。)

1.2013年2月13日福島県「県民健康管理調査」第10回目の会合が開かれ様々な資料が公開されました。
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=24809#9kentouiinkai

2.県民健康管理調査と銘打ってはいますが、その基本調査は事故から4か月間の外部被曝線量推計作業です。
  この推計データがどれほど信頼性の高いものか、それ自体疑問ですが、データを見て、「これは大変な事になっている」と思いました。
  外部被曝線量だけですが、それに数倍する内部被曝があるだろうと容易に推定できます。

3.さらにこのデータは事故後4か月間のデータであり、その後も福島第一原発からは放射能が出続けています。
  1時間に1000万ベクレルのレベルに達したのは、事故後1年も経った2012年2月ごろからであり、
  2011年7月~12月の間は1時間に10億ベクレルから5000万ベクレルの範囲で放出し続けていたのです。
  しかも、これらは1号炉~3号炉から大気中に放出されるセシウム核種のみの数字で、
  汚染水や使用済み燃料プール、共用プール、などからの放出は現在に至るまで全く評価されていません。
  これらの評価を含んでいなくて、4か月間のみの外部被曝データが推定されているのです。

4.にも関わらず、評価会合では、
  「これまでの疫学調査により100ミリシーベルト以下での明らかな健康への影響は確認されていないことから
  4か月間の積算実効線量推計値ではあるが、放射線による健康影響があるとは考えにくい、と評価される」
  と簡単に書かれています。

5.同じデータを見て、なぜこうも評価が違うのでしょうか?

6.これまでの疫学調査とは、ABCC=放影研のLSS、すなわち広島長崎の原爆生存者寿命調査なのです。
  このLSSは詳しくはチラシをみていただきたいのですが
  低線量被曝、特に内部被曝の影響を極端に過小評価しています。
  最大の問題は、内部被曝のリスクも外部被曝のリスクも同じとしている点です。

7.ヨーロッパやアメリカの一部の学者たちはすでにこの問題に決着をつけています。
  核実験放射性降下物の影響や、チェルノブイリ事故の降下物の影響を研究した
  学者グループは、内部被曝は外部被曝と比べて100倍から1000倍のオーダーでリスクが高いと結論しています。
  私も100倍なのか、1000倍なのか、は別として恐らくこの範囲で内部被曝は外部被曝に対してリスクが高いものだと考えています。

8.ヨーロッパ一部の諸国では、すでにこの問題は議論の対象ですらなくなっています。
  例えば欧州原子力共同体は公衆の被曝線量の上限を年間0.35mSvと推奨していますし
  「KiKK研究」など子どもや幼児に対する放射線被害の研究を行ったドイツでは
  すでに独自のリスクモデルをつくり、ドイツ放射線防護令で年間0.3mSvを上限と定めています。
  また、内部被曝問題を重視する科学者グループ、欧州放射線リスク委員会は年間0.1mSvとすべきである、と主張しています。
  これらはすべて内部被曝のリスクが外部被曝に比べてはるかに高いことを踏まえて定められたものです。

9.こうした目で福島県民健康管理調査のデータを見てください。
  しかも、これらは外部被曝のみ(おそらくは過小推定されていると思います)のデータです。
  空恐ろしくなります。

10.まず、子どもや若い女性、おあかさん、乳児、幼児、などこれから日本の将来を担うひとたちだけでも
   危険な地域から避難させておくことが必要だと考えます。

11.さらにチェルノブイリで起こった内部被曝の実情を見ると、その90%以上は汚染食品摂取で起こっています。
   このことは福島で起こっていることが、時間差とともに日本全国に広まっていくことを意味しています。

12.今、私たちは相当な危機感を持ってこの問題に対処しなければなりません。
   「フクシマ」の問題は、「福島」だけの問題ではなく、私たち全体の問題です。

本通りのアンデルセンを過ぎてからシュウトさんが参加してきてくれました。
シュウトさん、チラシまきに回ってくれました。

今回、プラカードは結構よくみてくれたように思います。

今回、スピーチばっかりしていた哲野と私は街の反応について
全く正反対の印象を持ったようです。
私はプラカードの注目度も高かったし、チラシも差し向ければ受け取るだろうと
思われる人を結構みかけたと思います。
それに対して哲野は、反応はさっぱりだった、と言う印象を持っているようです。

金座街に入ってある老舗のお店のオーナーが2人ほど明らかに店前にわざわざ出てきているのに気が付き、
チラシを持って行くように促すと、シュウトさんが持っていって案の定受け取ってくれました。
私は反応もよく、関心は高い、と感じましたが哲野はもう一つ納得していません。

次にマイクがじゃけえさんに渡ります。

じゃけえ「福島では原発事故の影響を調べるために事故時に18歳以下の子供たちを対象に
     「県民健康管理調査」を行っています。
     (※基本調査に対して、詳細調査のひとつが、18歳以下の甲状腺検査)
      今月13日に3人の方が甲状腺がんですでに手術を終えており、
      7人の方に甲状腺がんの疑いがあると発表されました。
      今のところ発表されたのは対象となる18万人のうち
      3万8千人分の検査結果で、
      残り14万2千人分の方の検査結果はまだ発表されていません。

      チェルノブイリでは事故後に子供の甲状腺がんが大幅に増えたことがよく知られていますが、
      この検査結果について福島県は「被爆による影響は考えにくい」としています。
      しかし、通常こどもに甲状腺がんが見つかるのは100万人1人と言われており、
      3万8千人のうち3人に見つかるのは多いのではないでしょうか?
      放射能に対する感受性は人によりバラバラで、病気の原因を追求すること自体難しいことです。
      原発事故による放射能が原因であると断定は出来なくても、可能性が全くないとは言い切れません。
      なぜ放射能で甲状腺がんになるのかというと、
      甲状腺はヨウ素を取り込む性質があるため、
      放射性ヨウ素が体内に入ると甲状腺に集まります。
      そして放射性ヨウ素が発する放射線により甲状腺が被曝します。
      甲状腺が放射能を浴びるとがんになる可能性が高くなるとされおり、
      チェルノブイリでは50ミリシーベルトの被曝でがんのリスクが上がると報告されています。
      福島原発事故後の2011年3月下旬に原子力委員会が
      15歳までの子供を対象に調査した結果45%の子供が甲状腺被曝していました。
      原発事故によう放射能が原因だと断定はできません。
      しかしそうではないとも言い切れません。
      事実を追って見ているだけでも原因は原発事故による放射能である可能性は高いと言えます。」

哲野「・・・今ので終わり?」
じゃけえ「はい。」
哲野「重要なことをちゃんと言って締めて」
というわけで再びじゃけえさんはマイクを握り、

じゃけえ「原発事故は過去にも海外で起きています。
      歴史を学ぶ上で最も有意義なことは同じ過ちを繰り返さないという事ではないでしょうか?
      海外の学者さんたちが言っていることに国は耳を傾けるべきなのではないでしょうか?」

哲野は驚いてこの締めを「その通りだ!」と言っていました。
私も同感です。

次はシュウトさんです。
シュウトさんは今回、調べたことをスピーチしてくれました。

シュウト「ICRP (国際放射線防護委員会)ってご存知でしょうか。
     そのICRPの勧告の影響は絶大で、日本の法律やIAEA の基本安全基準にもなっています。
     日本以外にも、主要国は法律のモトとしています。
     いわば世界基準なんです。

     一般市民の線量限度は1mSv/年というのは、ICRPの勧告です。
     ちなみにシーベルトというのも、ICRPが定義した単位です。
     一年に浴びていい量の何分の一だから安心してください。
     という類の文章は、全てICRP の勧告に基づいていたわけです。
     しかしこのICRP の勧告にも欠陥があるかも知れません。

     最近でもアメリカが湾岸戦争やイラク戦争で劣化ウラン弾を用いました。
     この原爆以来の残虐非道な爆弾を落とすことを正当化たらしめたのはICRP の勧告です。
     もちろんアメリカはICRP の重要なスポンサーです。
     何が欠陥なのかは、琉球大学の矢ケ崎教授の報告書「内部被爆についての考察」に詳しく載っています。
     僕も素人なのですが、簡単に言うと、内部被曝と外部被曝が、ごちゃ混ぜになっているのが問題です。
     実際に放射性物質が、内部被曝によりα線を放出した場合α線が例えば半径40マイクロメートルまで飛びます。
     この間に420万eV(電子ボルト) ものエネルギーを放出していくのですから、細胞は極小範囲でものすごい影響を受けます。
     一方で、ICRP モデルでは局所的な影響を認めていません。
     必ず臓器、組織単位になります。
     ですから、α線が一ヶ所に強い影響を及ぼしたとしても、ICRP モデルでは1Kg中にどれだけの線量が出たか、しか考えません。
     これはエックス線のような放射線を一様に照射する場合には適用できますが、
     内部被曝のα線の場合では1Kg の臓器で同じ量のエネルギーを受けた場合、
     質量あたりのエネルギーeV /kgを比べると、ICRP モデルより現実の被曝モデルの方が、なんと10億倍も高くなります。
     現実とICRPのモデルでは、被曝による線量は変わりませんが、被曝の密度が変わる事が分かりました。
     放射線の影響は主にイオン化(※電離化とも言う)です。
     放射線が分子にエネルギーを与え、イオン化を促すのです。
     このイオン化作用はDNA を傷つけます。
     傷つけられたDNA は、生物学的、物理学的に修復されます。
     放射線はゆっくり浴びれば問題ないとたびたびテレビでいってますが、これはDNA 修復作用を考えての事でしょう。
     では局所的に、あるいは急速に大量の放射線を浴びたら、どうなるのか?DNA は高密度で損傷を受けます。
     そしてDNA の修復が起きるのですが、人体はこのような緊急事態に対応しきれません。
     このとき同様に傷つけられたDNA とくっついて、異常なDNA が発生する危険性があります。
     このDNA が増殖した場合、ガンのモトとなることがあるのです。

     貴方はきっと大量に被曝すると危ないんだなと思ったでしょう。
     これはある意味で正しく、ある意味で正しくありません。
     少量の被曝だからこそ悪影響を及ぼす場合があるからです。
     被曝し、分子を傷つけられた細胞は、二通りの反応を起こします。
     損傷が小さい場合は先ほどのように修復する事で生き延びようとします。
     一方で大量の放射能で著しく損傷した場合、細胞はアポトーシス(細胞死)を起こします。
     ガンに成るくらいなら死んでしまえ、という細胞の自殺です。
     少量の被曝では異常再結合が起こり、発ガンを引き起こすのです。
     さて、微弱にα粒子を放出し続ける放射性物質には、劣化ウランがあります。
     先ほどアメリカで劣化ウラン弾が用いられたといいました。
     気になるのはWHO の発言です。
     劣化ウランはほんの弱い放射能だから、大量の劣化ウランのホコリを吸い込まないならば、
     肺癌の危険は高まらないだろうとWHO は見解をしめし、劣化ウラン弾の使用を正当としました。
     これはICRP の基準を根拠とした意見です。

     しかし現実はどうでしょうか?現地では奇形児、白血病などの発症が増加し、発ガン率が10倍にもなったのです。
     何より恐ろしいのは、全てのメディア、そして国、東電がICRP の勧告を元に安全基準を語っている事なんです。
     考えてみれば、どのテレビでも口を揃えて同じことを言います。
     エックス線より小さいから…一年に浴びていい値より小さいから…だから安心しろと言うわけですけど、これらの大元は全てICRP だったんです。
     あるニュースサイトでアメリカの教授までもが日本の専門家と全く同じ回答をしているのには驚きました。
     政府が口封じしている、というよりはICRP の影響が絶大なのが理由だったのかも知れません。

     ではICRP の勧告が間違っていたら…?と考えるととても恐ろしい事です。
     この不完全なICRP の勧告にもっとも忠実な国はどこでしょうか?
     クリーンな爆弾として原爆を落とし、方々を劣化ウラン弾で汚染したアメリカでしょうか?
     福島原発事故まで原発回帰の流れの強かったヨーロッパでしょうか?
     答えは全く逆で、原爆を落とされた日本の方なんです。
     日本はICRP の最優等生と国際的に評価されているんです。

     全く馬鹿げた皮肉な話だと思いませんか?
     じゃあなぜ私達は従うのか、それは従うしかないからです、だって分かりませんもの、科学者じゃないし、目の前で被曝したわけじゃない し。
     そうです、今スピーチしてる僕だって本当の事なんて分かりません、一般人ですから。
     でも、もし、日ごろ当たり前だと思っている事、若しくは信じているモノが間違っていたらとても怖いことですよね。
     ICRP は世界の基準になっている組織ですから、学校で言えば校長先生です、校長先生がいってる事が間違っているとしたらと考えるとゾッとしますよね。
     戦時中の思想と現在の思想は違いますよね、天皇の為に死ねるのなら嬉しいとさえ思っていたのですから。
     もちろん僕は戦後生まれなのでその感覚は理解できませんが、要するに、「常識」というものは必ずしも「真実」とは言えないという事で す。」

網野は「すごい!いいスピーチだ!」と思わず口に出しました。

この時ちょうどさよなら原発ヒロシマのデモ隊が本通りアーケードの入っていったので
警察の方と相談して1回信号を待つことにしました。
時間調整で哲野がマイクを握ります。

哲野「福島健康管理調査の一環として、子どもたちの甲状腺検査が行われました。
    これは、ヨウ素131は甲状腺に溜まりやすい、そしてがんを起こすことがあるという
    ICRPの臓器標的説を実証しようという検査です。
    実際には、ヨウ素131は呼吸器系がまだしっかり出来上がっていない乳児を襲います。
    乳児の呼吸器系疾患、それが原因での死亡が実は最も恐ろしい事態です。
    チェルノブイリ事故では胎児・乳児を襲ったこうした非がん性疾患を「ヨウ素ショック」と呼んでいます。
    実際に低線量放射線の影響は”がん”だけではありません。
    たとえば2010年、ウクライナでの死因の第一位は心臓疾患、要するに心臓が機能不全になってしまう病気でした。
    これだけで死因の約50%を占めます。
    次に多かったのが呼吸器系の疾患の死亡です。
    これで15%を占めます。
    がんや白血病など、氷山の一角にすぎません。
    福島県の甲状腺検査はこうした目的を持って放射能の影響が甲状腺がんだけだと、見せかける一種のトリックですが
    それはそれでデータを見ると、恐ろしい結果が出ています。
    2011年甲状腺検査の結果で36%の子どもに結節や嚢胞が認められました。
    ところが2012年の検査では、この比率が43%に上がっています。
    検査した甲状腺の細胞が異常を起こしているためです。
    年とともに、健康な影響の比率が下がっている、ウクライナの調査結果とも一部一致します。
    怖いのは内部被曝による慢性被曝です。
    これを脱するには、被曝環境から早く抜け出さなくてはなりません。
    ところが、国も、県も、子どもたちを危険な被曝環境に縛り付けようとしています。
    これが、最大の問題です。
    放射線被曝そのものよりも、もっともっと大きな問題です。」

本通りアーケードを抜けて、もうすぐ元安橋というくらいになって
網野にマイクが渡ります。

網野はいつも通り自分で調べて自分で考えましょうと呼びかけました。

さよなら原発ヒロシマのデモに参加した皆さんが「ご苦労さん!」と声をかけてきてくれるので
「お疲れ様です」と声を返しました。

元安橋に帰ってデモが終わり、時計と見るとジャスト19時。
警察にお礼を言ってお別れしました。

恒例の立ち話ですが、今日それぞれ喋った内容をみんなで吟味しました。
あとでじゃけえさんが、ツイートに今日の感想を次のように上げていました。
======
今回も他の方たちのスピーチを聞きながら「へぇ~!そうなんだ~!」と思いながら歩いていました。毎回勉強になります。
シュウトさんのスピーチで
「ICRPに忠実に従っている国は皮肉なことに原爆を落とされた日本。」
「ICRPの影響力は絶大で学校でいう校長先生のようなもの。」
という部分を聞いて驚き、ますます危機感が募りました。
おそろしいですね~。
デモ後の立ち話でも話題にあがりましたが、権威ある人の言うことを全て鵜呑みするのは怖いことです。
ちょっと前の自分に教えてあげたいです。(苦笑)
事実を知ること・知ろうとすること、そして自分の頭で理解できるまで納得できるまで考えることが大事なんだとまた改めて痛感させられました。
私は事前知識が全くなくほんとにちょっとづつですが勉強を始めました。
最初から無理だと思ったら何も知れずに終わってしまう。
命にかかわる問題です。これから生まれる命に関わる問題です。必死で考えていこうと思います。
========

そうです。私にはわからない、と思ったとたんに敵のドツボにはまります。
敵さんは、みんなに知って欲しくない、考えてほしくないのです。
ただただ、自分たちのいう事を盲目的に信じていて欲しいのです。

哲野「これって、古代奴隷制社会だね」
網野「古代奴隷制社会はよくしらんが、民主主義社会じゃないことは確かだな。
    シュウトさんも言ってたけど、・・・戦前ってこんな感じだったんだろうなぁ・・・」

チラシは、40枚用意して、20枚はけました。
多いのか少ないのかわかりません。
Kさんがいたら全部なくなってたと思います。

以上報告を終わります。

広島2人デモwebサイト
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/