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第48回広島2人デモ 5月10日報告

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みなさま

毎週お騒がせします。
第48回広島2人デモのご報告です。

参加者は5人
哲野、網野、じゃけえさん、原田さん、Kさんでした。
大歳さんとツナさんは事前に仕事で行けないと連絡がありました。

今日は雨です。
本通りアーケードの東端に哲野に行ってもらい、網野だけ元安橋へ。
警察の方と指令書の確認をして雑談していると音楽が鳴りました。
出発してアーケードで態勢立て直しです。

アーケードで一人時間待ちをしていた哲野。雨はうっとおしく気持ちを沈ませます。

”色んな人が歩いているが、今何人の人がこの瞬間原発や放射能の事を考えているだろうか?
そんな非日常を考えながら歩いている人なんかほとんどいないだろう。
毎日毎日原発や放射能をことを考えて暮している僕たちがやはり異常なのだろう。
もしかして騒ぎすぎなのかもしれない。
もしかして政府やICRP派の学者の言うように、あるいは、大手マスコミが報道するように
放射能の影響はたいしたことはない、こうやって街を日常として歩いている人のほうが
実は正解なのかもしれない。
しかし、やはり違う。
エビデンスが出てきている。
色んなところにエビデンスが出てきている。
どう考えてもこのエビデンスを元にすれば、どう考えても僕たちが事を大げさにしているとは言えない。
むしろ、これでもまだ過小評価している、放射能の危険をまだ甘くみている、と思う。
エビデンスがなければ良かった。でもエビデンスは目の前に厳然として存在している・・・・・。
街の人たちと僕との間の落差をどう埋めていくか・・・・”

とぼーっと考えていたら、目の前にじゃけえさんが立っていたそうです。

網野がアーケードにいくとちょうどじゃけえさんと哲野が立ち話をしていました。
「この人通りで原発とか放射能にどれだけの人が関心を持っているか?」と話をしていたそうです。
そこへ、別の警備課の方が。
警察「菓子博の警備で来てまして。終わって帰るところですがついでに久しぶりにデモの様子を見ようかと。」
この方は歩き初めから冬場の寒い時までよく警備についてくださった方です。
ということで、途中まで帰りがてら警備してくれました。

さて出発です。

チラシ(A4)
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20130510_A4.pdf

本通りアーケードの中は雨なので人が多いかと思いきや、今日は少なかったです。
肌寒いせいや、GWの後なので、街に出る人が少なかったのかもしれません。

哲野はチラシの内容をスピーチして歩きました。

哲野「チラシの中で扱っているのは、チェルノブイリ事故の避難者の方々の
    2008年の健康状態と1988年の健康状態の比較です。
    20歳以上の成人なんですが、おおざっぱに言って、約20年間の間に健康な人の割合は67%から21%に減りました。
    急激な変化だと言っていいかもしれません。
    逆になんらかの慢性疾患、これは非がん性疾患、がんを除いた慢性疾患を抱えている人の割合は、
    20年間で3割から8割近くまで増えています。
    放射能の影響というのは20年、30年の時間をかけてゆっくりと進行するものだ、ということをこのデータは示しています。
    繰り返しますが、福島原発事故でも同じようになるとは私は思いません。
    しかし10年、20年、30年の長さ、時間を取ってみれば、同じ傾向をたどることはまず間違いないと思います。」

   「私たちはチェルノブイリ事故に学ぶことができます。
    チェルノブイリで何が起こっているのか、人々にどんな健康被害が起こっているのか。
    お配りしているチラシに、ウクライナ政府の報告書のデータを一部引用しています。
    誰の目にも明らかなことは、5年、10年、20年と経っていくうちに健康な人の割合が減っているという事です。
    慢性疾患を持った人の割合がどんどん増えていく。
    慢性疾患の人は20年間で30%から80%に増えています。
    どうしてこうなるのか?それは放射能の影響で人間の細胞がゆっくり、ゆっくり破壊されていくからです。」

   「チェルノブイリ事故から遠く離れた地域でも子どもたちの被曝線量が結構高い。
    なぜこういうことになるのか?
    実はウクライナ政府の調査は、ミルク、酪農品、葉野菜、この3つに絞り、
    この3つを摂取することによって、どれくらいの被曝の影響があったかを調査したものでした。
    つまり、この調査の目的は食品摂取による被曝がウクライナ全土でどれくらい起こっていたものかを調べるデータでした。
    ウクライナ政府の予測は実は残念なことにぴったり当たっていて、
    実際に放射性降下物を呼吸したり触れたりする被曝よりも
    放射能に汚染された食品を食べる、摂取する、
    このことによる被曝の状態が深刻だったんだ、ということがわかっています。・・・」

そして繰り返し、チェルノブイリに学ぼう、放射能や内部被曝の知識を深めることが
自分たちを護ることになる、と訴えました。

このスピーチの間に原田さんとKさん合流。

次にじゃけえさんにマイクが渡ります。

じゃけえ「どんな厳しい基準が出来ても、その基準にかなう原発があっても、再稼働は容認できません。
      ひとたび事故が起ればどんな被害がもたらされるか、
      福島第一原発事故の現状を見る限りそれは明らかです。
      放射能は目に見えないくらい小さくて風に吹かれて飛んで来たり、
      水に入って流れてきたり、食べものについて流通してきたり、完全に避けることは困難です。
      だからこそ出来る限りリスクを避けなければなりません。
      口にしたり呼吸することで体内に摂りこんだ放射能は蓄積され、その間放射線を発し続け、体内で被曝します。
      何を信じるかは個人の自由です。
      国の政策を信用できないと多くの人が感じているのではないでしょうか?
      テレビ、新聞で言っていることは偏りがあり、それだけを信じることは危険です。
      テレビ、新聞以外からも情報を集め、多面的に事実を見て、
      違和感や疑問を感じたら、それについて調べ、自分で考え判断し選択してください。
      後悔しないためにも命に係わる問題は他人任せにしないでください。」
と訴えました。

この時だったと思います。
Kさんによると、今まで絶対チラシを取りに来なかったサラリーマン集団の層があります。
特に金座街を超えて八丁堀はオフィス街、大手企業の支店が固まっています。
本通りはサラリーマンたちの移動通路でもあるんですが、集団でよく歩いていることもあります。
そういう集団の場合は仕事仲間と話が弾むのか一切関心をこちらに示してはくれませんでした。
が。今日はじめてその集団から50歳代の男性がツカツカと寄ってきて、
Kさんに「くれ」とばかりに手を差出し、Kさんが逆にびっくりしたそうです。
Kさん「初めて!今まで一切関心を示さなかったサラリーマン集団の層がチラシを取りに来た!」と
びっくりぶりを後で教えてくれました。

哲野「じゃけえさんは情報を自分のものにして自分の言葉にしてるよな。凄いな」
網野「うん、いつも感心する。自分の言葉にしてるから、スピーチがすっと胸に入ってくる。」

次にKさんにマイクが渡ります。
Kさんはいつものように福島集団疎開裁判に触れました。

Kさん「甲状腺がんが見つかった子、急性白血病になった子、そういう子もいます。
    通常ならば子どもの甲状腺がんは100万人に一人の割合にも関わらずです。
    子どもたちは被曝線量を計るための機械を首から下げさせられています。
    これは記録を取るためのものであって子どもや周りの大人に危険を知らせるものではありません。
    汚染されているとわかっている福島産のコメを、給食で食べさせられています。」
そして宮城にいる友人に触れ
Kさん「先月お父さんが心臓病で入院、お母さんは転んだだけで骨折したそうです。
    明らかに放射能の影響が身体に出てきているんです。」
さらに堆肥工場が稼働した話に触れました。
Kさん「福島県鮫川村では堆肥工場を再稼働させました。
    福島原発から出る水で、海も汚染されています。
    畑の肥料には海で捕れた魚を粉にして使っています。
    汚染された材料で作った堆肥に放射性物質は濃縮され濃度が高まります。
    そしてその堆肥を使った畑は汚染され、汚染された農作物が育ちます。
    汚染された畑で育った作物、その作物を食べて育った家畜の肉。
    汚染された堆肥を使えば西日本の野菜であっても汚染されてしまいます。
    家畜も同じです。
    自分たちが食べている、野菜、肉が西日本で作られたものであっても汚染されていないとは限らないんです。」

この話をきいて私は「え?」と思いました。
ちょっと待て、あの放射能で汚染された海で捕れた魚を堆肥に使っていると?
あまりの放射能に対する無知・無警戒ぶりに唖然としました。

次に原田さんにマイクが渡りました。

原田「そして福島では放射線管理区域の中で人々が普通に暮らしています。
    放射線管理区域の中では本当は、そこに留まる事も、モノを食べることも出来ないということになっています。
    そういう決まりになっています。
    しかしそれよりも高い放射線レベルの中で、子どもも妊婦も赤ちゃんも含む人々が普通に生活している、言語道断です。
    これは当たり前のことではありません。
    そういう状況が今福島では起こっています。
    それは広島市の明日の姿かもしれません。
    そして広島はどうか、というと広島は原発に囲まれています。
    広島市から100キロ、愛媛県の佐田岬半島には四国電力の伊方発電所があります。
    ここには広島原爆で使われた放射能のざっと1万倍の放射性物質があります。
    管理されているから大丈夫と思われるかもしれません。
    しかし、伊方原発だっていつ災害に襲われるか、その可能性がゼロということは絶対に言えません。 
    原子力規制委員会も原発苛酷事故は起こるのだということを前提にしています。」

そして私たちは非常に危険な状態にあるというのだという事を知って欲しい、と訴えました。
ここでまた哲野にマイクが渡りました。

哲野「これだけ放射能被害が出、これだけ原発に反対の人が多いのになぜ原発ビジネスは止まらないのでしょうか?
    それは原発ビジネスがおいしい仕事だからです。
    今原発一基を作るのにどれくらいのお金がかかるでしょうか?
    中国電力の決算書、有価証券報告書を見てみると、この3号機にどれだけお金をかけたかの数字が出ています。
    今から1年前の決算ですが一基作るのに約4300億円。
    この時期完成比率が93.6%でしたから、完成したら恐らく4600億円。

    今ここに歩いている方の中には営業マンの方も多いと思いますが、
    一発の契約で4600億円の売り上げ、これは誰でも飛びつきますよね?
    しかし、4600億円をかけて、そのビジネスがおいしいからといって、他の事を犠牲にすべきではありません。
    私たちは大企業の利益のために生きているのではありません。
    大企業は自分たちの利益をあげる、これは自由です。勝手です。どんどんやっていただいたらよろしい。
    しかしそのために我々の生活や、安全や命を脅かすようであれば、これは大企業側のルール違反です。
    法律の問題ではありません。ビジネス倫理の問題です。
    人の健康を侵す、人の安全を侵す、子どもたちの健康や生活を脅かす、そういうビジネスに手を出してはいけません。
    いかにおいしいビジネスでも、それは我慢しなければなりません。
    歩いておられる方の中に三菱重工業、東芝、日立製作所、IHI、その関係者の方はいらっしゃると思います。
    みなさん、いかに原発ビジネスがおいしいからといって、子どもたちの健康を損なってまで利益を追求すべきではありません。
    これは健全な資本主義の考え方からも外れています。
    三菱重工業、日立製作所、東芝の社員の方々。
    どうか自分の足元をしっかり見つめて考えてください。」
と訴えました。
歩いているサラリーマンが耳をこちらにむけているのがわかりました。

最後に網野にマイクが渡り

網野「トリチウムは現在福島原発から大量に放出されております。
    原子力業界の人たちはトリチウムは安全な物質だと言うんですけども、
    これは危険な物質でして、カナダのピカリング原発、ここは重水炉なんで大量のトリチウムが出るんですが、
    液体だけでなく実はトリチウムは気体にもなりやすい物質で、液体の1.5倍から2倍、気体で排出されています。
    このトリチウムで健康被害が出ました。社会問題化しました。
    社会問題化して今トリチウムに規制がかかっています、摂取規制がかかっています。
    日本では摂取に関して全く無規制です。
    私たちは非常に危険な状態だということをお知らせしたいと思います。
    トリチウムは安全な物質ではありません。危険な物質です。」

とスピーチし、元安橋までいかず、アーケードの東端でデモを終了しました。
警察にお礼を言ってお別れし、しばし立ち話に。
Kさんの例のサラリーマンが取りに来た!という感想が一番でした。
これは哲野もぼんやり感じていたことで、今まで無関心だった中高年の男性層が
関心を示し始めたことは確かです。
網野も毎回先頭を歩いてみて思うのは、中高年の男性はプラカードを見るのですが
デモなんかやっているのか、そういう話もあるのか、というような反応から
異変や危険を実感しはじめてきている関心の示し方ではないかと想像しています。
チラシは30部用意していました。雨だし肌寒いのであまり売れないだろうと思っていましたが
予想に反して、早々と売り切れました。
街の反応は意外に良く、プラカードはよく見られていました。

今日は参加しなかったツナさんのツイートを引用します。

ツナ「上手く言えないけど、原発止めるには「恥」の文化は越えなきゃいけない壁だと思う。」

このツイートに哲野が

哲野「全く同感。核問題以前に、同じような人類史的課題が2つあった。
    一つは奴隷制度。ギリシャの昔、デモクラシーの故郷と言われる古代ギリシャ市民社会は
    一人の自由人に10人の奴隷が支えた社会だった。
    奴隷制度はその後も永く当たり前の仕組みとして続いてきた。
    たとえばアメリカの独立革命の名士たちの中で
    奴隷所有者ではなかった人は一人しかいない。
    19世紀の半ばになってやっと奴隷制度が反社会的なしくみだという考え方が出てきた。
    南北戦争は東部資本家の仕掛けた戦争で自由な労働力を手に入れたかった、
    という動機はあるにせよ、奴隷解放の思想は正しかった。
    現在奴隷労働にしろ、性奴隷にしろ、奴隷ビジネスに手を染める人間は
    人間のクズだとみなされている。
    もう一つは麻薬。
    麻薬ビジネスは長い間、真っ当な仕事だと考えられてきた。
    たとえば1840年のアヘン戦争は清政府の国民を守るためのアヘン廃棄がきっかけだった。
    このアヘンはほとんどイギリスのビジネスが手掛けていたものだった。
    自由なビジネスを野蛮にも踏みにじる行為として
    当時のイギリス内閣はアヘン戦争を仕掛けて中国を侵略した。
    この時、この戦争に対する批判はあったものの、アヘン貿易は
    真っ当なビジネスとしてみなされ、多くのイギリスの名士たちがこの戦争を支持した。
    だいたい、アヘン貿易を手掛けていたのは当時のイギリスの上流階級の人たちだ。
    しかし20世紀に入ると、麻薬ビジネスはもっとも唾棄すべき仕事とみなされ
    今日では奴隷ビジネスを手掛ける人間同様、人間のクズ中のクズしか手をださない、
    と、見なされるようになった。
    ついここ、200年くらいだろうな。
    核ビジネスも同じことだと僕は思う。
    核ビジネスは今現在、日本でも世界でも一流中の一流企業しか手掛けられない、
    特権・独占ビジネスだ。
    日本の総理大臣が外国に行って原発のセールスマンをやってもさして道義的な批判は起こっていない。
    それどころか安倍さんは得々として自分の成果を誇っている。
    しかし、奴隷制度や麻薬ビジネス同様、核ビジネスは本来恥ずべき仕事だ。
    奴隷も麻薬も人間の存在や尊厳を根底から否定する。
    核も同様だ。
    核も人間の生存を根底から否定する。
    このような仕事は本来人類の自己保存本能からして恥ずべき仕事とみなさなければならない。
    ただ、この文化が19世紀半ばまでの奴隷制度に対する文化、
    20世紀までの麻薬ビジネスに対する文化同様
    21世紀初頭の我々の文化ではまだ恥ずかしい仕事と見なされていないだけだ。
    しかし、21世紀半ばには核ビジネスはもっとも唾棄すべき汚れた仕事だとみなされるようになるだろうし
    それでも核を扱う人たちは恐らく反社会的なマフィアや自暴自棄のテロリスト集団くらいしか
    いなくなるだろうと僕は思う。
    全くツナさんの意見に同感だ。」

と言っていました。
以上ご報告いたします。

======以下各人のスピーチ全文です。==========

◆哲野
金曜日の夕方毎週1回関西電力大飯原発の再稼働に反対して歩いております、広島2人デモです。
今現在は3人で歩いております。
今、街をこうやって歩いておられる方の中で原発や放射能の事を考えておられるか、とさっきチラッと思いました。
今月の売り上げどうしようか、資金繰りどうしようか、今晩の晩飯どうしようか、そんな日常の事をみなさんは考えておられると思います。
私も同じです。
原発とか放射能は日常の世界の出来事とは思えません。
20年、30年も経ってはっきりとした結果が出てくるような問題です。
今日用意してお配りしているチラシ、そのチラシの中にチェルノブイリ事故の影響のデータを2つ入れています。
ひとつは、チェルノブイリ事故の避難者のデータです。
チェルノブイリ原発事故の時は、年間予測被曝線量5mSvの人が避難させられました。
福島原発事故は予測被曝線量20mSv以上の人が避難の対象になっています。
チェルノブイリ事故と福島原発事故の避難対象者は同じではありません。
チラシでウクライナと日本の比較をしていますが、人口密度から言えば日本の方が4倍も大きい。
チェルノブイリ事故と福島原発事故は同じになるとは言えません。
条件が違いますから。
しかし全体の傾向は同じではないかと思います。
チラシの中で扱っているのは、チェルノブイリ事故の避難者の方々の2008年の健康状態と1988年の健康状態の比較です。
20歳以上の成人なんですが、おおざっぱに言って、約20年間の間に健康な人の割合は67%から21%に減りました。
急激な変化だと言っていいかもしれません。
逆になんらかの慢性疾患、これは非がん性疾患、がんを除いた慢性疾患を抱えている人の割合は、20年間で3割から8割近くまで増えています。
放射能の影響というのは20年、30年の時間をかけてゆっくりと進行するものだ、ということをこのデータは示しています。
繰り返しますが、福島原発事故でも同じようになるとは私は思いません。
しかし10年、20年、30年の長さ、時間を取ってみれば、同じ傾向をたどることはまず間違いないと思います。
前々回、チラシでは14歳以下の子どもの健康データをみなさんに報告しました。

1986年、旧ソ連、現在のウクライナで事故が起りました。
操作ミスから火災が起こり、火災が起こったところに減速材の黒鉛を入れたもんですから、爆発を起こしました。
その爆発の熱のために核燃料が核暴走し、大きな火柱を上げて放射能を飛び散らせました。
これがチェルノブイリ事故です。今年でちょうど27年目になります。
チェルノブイリ事故で放出した放射能と、福島原発事故で放出した放射能はどれくらいなのか、いろんな議論があります。
同じだと言う議論から7分の1という議論まで様々にありますが、現在たいして大きな問題ではありません。
大きな問題なのは、チェルノブイリでもフクシマでも大量の放射能が出たということです。
私たちはチェルノブイリ事故に学ぶことができます。
チェルノブイリで何が起こっているのか、人々にどんな健康被害が起こっているのか。
お配りしているチラシに、ウクライナ政府の報告書のデータを一部引用しています。
誰の目にも明らかなことは、5年、10年、20年と経っていくうちに健康な人の割合が減っているという事です。
慢性疾患を持った人の割合がどんどん増えていく。
慢性疾患の人は20年間で30%から80%に増えています。
どうしてこうなるのか?それは放射能の影響で人間の細胞がゆっくり、ゆっくり破壊されていくからです。
政府や厚生労働省の人たちはICRP国際放射線防護委員会の説を全面的に引用して低いレベルの放射能ではがんしか起こらない、がん以外の疾患はな い、そういう事を言っています。
しかしチェルノブイリ事故で放射能被害に遭った人やウクライナ政府の報告を読んでみると
がんではなくてがん以外の疾患、特に心臓病、圧倒的に心臓病と血管の病気が多いですね。
死因でも心臓病と血管系の病気が多い。
それから肺を中心にした呼吸系の病気、こういう病気が数多く出ています。
しかも時間が経つにつれてどんどん増えている、これが一つ大きな特徴です。
お配りしているチラシのデータにはウクライナ全土の未成年の被曝線量データが入っています。
ウクライナの一番南のクリミア半島のクリミア自治共和国はチェルノブイリ原発から500km離れています。
福島原発から東京の皇居までは直線で約230km、500kmというとだいたい静岡県あたりでしょうか。
クリミア自治共和国は被曝線量は小さかったというデータが出ていますが、7歳以下の子ども乳児、幼児の被曝線量は他の世代に比べると突出して高 い。
チェルノブイリ事故から遠く離れた地域でも子どもたちの被曝線量が結構高い。
なぜこういうことになるのか?
実はウクライナ政府の調査は、ミルク、酪農品、葉野菜、この3つに絞り、この3つを摂取することによって、どれくらいの被曝の影響があったかを調 査したものでした。
つまり、この調査の目的は食品摂取による被曝がウクライナ全土でどれくらい起こっていたものかを調べるデータでした。
ウクライナ政府の予測は実は残念なことにぴったり当たっていて、実際に放射性降下物を呼吸したり触れたりする被曝よりも放射能に汚染された食品を 食べる、摂取する、このことによる被曝の状態が深刻だったんだ、ということがわかっています。
このことは恐らく、福島原発事故後の日本の私たちにも当てはまるのではないかと思います。
チェルノブイリ事故で、ウクライナ、ベラルーシなどのほとんどの大衆の人たちは放射能については全く何も知りませんでした。
放射能が人間の身体を壊していくものだという認識はほとんどありませんでした。
ですから当初無警戒に放射能に汚染された食品や飲料を摂取して、そのことがウクライナでの内部被曝の大きな原因になっていました。
しかしながら、日本では、当時のウクライナやベラルーシの人たちに比べれば私たちの放射能についてはるかによく理解をしている。これは広島・長崎 原爆の被害、覚えていますでしょうか?ビキニ環礁で行われた水爆実験による第5福竜丸事件、アメリカのスリーマイル島原発事故、それからチェルノ ブイリ事故、こうした事件を通じて、私たちは知らないうちにある程度の放射能に対する知識、理解を深めました。
これがウクライナやベラルーシやロシアの人たちとの決定的な違いです。
放射能に対する、或いは内部被曝に対する深い理解が結果的に、放射能から私たちの健康を守るものだと私は思います。

===2回目====

これだけ放射能被害が出、これだけ原発に反対の人が多いのになぜ原発ビジネスは止まらないのでしょうか?
それは原発ビジネスがおいしい仕事だからです。
今原発一基を作るのにどれくらいのお金がかかるでしょうか?
これを知るには格好の材料があります。
中国電力島根原発3号機です。
中国電力島根原発3号機は物理的にはもう完成しています。
しかしながらまだ稼働はできません。
中国電力の決算書、有価証券報告書を見てみると、この3号機にどれだけお金をかけたかの数字が出ています。
今から1年前の決算ですが一基作るのに約4300億円。
この時期完成比率が93.6%でしたから、完成したら恐らく4600億円。
原発一基を作るのに今4600億円の金が必要だということです。
これは原発メーカーからすれば非常においしいビジネスです。
今ここに歩いている方の中には営業マンの方も多いと思いますが、一発の契約で4600億円の売り上げ、これは誰でも飛びつきますよね?
しかし、4600億円をかけて、そのビジネスがおいしいからといって、他の事を犠牲にすべきではありません。
私たちは大企業の利益のために生きているのではありません。
大企業は自分たちの利益をあげる、これは自由です。勝手です。どんどんやっていただいたらよろしい。
しかしそのために我々の生活や、安全や命を脅かすようであれば、これは大企業側のルール違反です。
法律の問題ではありません。ビジネス倫理の問題です。
人の健康を侵す、人の安全を侵す、子どもたちの健康や生活を脅かす、そういうビジネスに手を出してはいけません。
いかにおいしいビジネスでも、それは我慢しなければなりません。
歩いておられる方の中に三菱重工業、東芝、日立製作所、IHI、その関係者の方はいらっしゃると思います。
みなさん、いかに原発ビジネスがおいしいからといって、子どもたちの健康を損なってまで利益を追求すべきではありません。
これは健全な資本主義の考え方からも外れています。
三菱重工業、日立製作所、東芝の社員の方々。
どうか自分の足元をしっかり見つめて考えてください。

◆じゃけえさん

毎度お騒がせしております。
毎週金曜日恒例の広島2人デモです。
原発に反対するために皆さんに知っていただきたいことをスピーチしながら歩いております。

今回のチラシでは現在唯一稼働している大飯原発についてと原子力規制委員会について、水と区別がつかないためほぼそのまま放出されている危険な放 射性物質のトリチウムについて、放射能汚染地域で生活するだけでなく、放射能汚染された食品が流通することによって放射能による健康被害について 書いてあります。
是非お手に取って読んでみてください。

2011年に福島原発事故が起きました。
人類史上最悪の事故です。まだ収束していません。
放射線量が高すぎて危険なため人が近寄れず、収束する目処すら立っていません。
その間、放射性物質は崩壊した原子力発電所から漏れ続けています。
原発事故が起り、日本の原発は一端止まりましたが、2012年に政治的判断により、福井県にある関西電力の大飯原発は再稼働されました。
2012年9月、原子力発電所が及ぼす被害から国民を守るために原子力規制委員会がつくられ、原子力発電所を厳しく規制することになりました。
そのため規制基準をつくることになりました。
規制基準が出来る前に大飯原発は再稼働しました。
9月に規制委員会は政治判断による再稼働を理由に大飯原発を例外扱いしました。
そして規制基準の骨組みが出来上がる直前の今年1月には規制基準が出来れば大飯原発は例外扱いしないと発言しました。
今年の2月に規制基準の骨子案が出来ました。
規制委員会は新しい規制基準施行後も大飯原発はとめない、理由はバックフィット制度定着のためです。
新基準が出来るたびに原発を停止するわけにはいかないそうです。
どんな厳しい基準が出来ても、その基準にかなう原発があっても、再稼働は容認できません。
ひとたび事故が起ればどんな被害がもたらされるか、福島第一原発事故の現状を見る限りそれは明らかです。
放射能は目に見えないくらい小さくて風に吹かれて飛んで来たり、水に入って流れてきたり、食べものについて流通してきたり、完全に避けることは困 難です。
だからこそ出来る限りリスクを避けなければなりません。
口にしたり呼吸することで体内に摂りこんだ放射能は蓄積され、その間放射線を発し続け、体内で被曝します。
何を信じるかは個人の自由です。
国の政策を信用できないと多くの人が感じているのではないでしょうか?
テレビ、新聞で言っていることは偏りがあり、それだけを信じることは危険です。
テレビ、新聞以外からも情報を集め、多面的に事実を見て、違和感や疑問を感じたら、それについて調べ、自分で考え判断し選択してください。
後悔しないためにも命に係わる問題は他人任せにしないでください。

トリチウムは核崩壊して発する放射線のエネルギーは弱く、人の皮膚も通過できないので外部被曝の心配はありませんが、体内に摂りこまれて体内で核 崩壊するとDNAを傷つけます。
また人体はトリチウムを水素と区別することができず、DNAの構成に取りこまれ、核崩壊すると元素転換を起こしヘリウムに変わってしまいます。す ると、DNAは成り立たず、破壊されます。
DNAは細胞の組み立て図です。DNAが破壊されると正常な細胞は作れません。
日本は放射線の知識が今までの経験から他の国よりもあるはずです。
私たちはチェルノブイリに学ぶことができます。
命に係わる問題ですので、後悔しないためにも自分で考え、判断して、選択してください。

◆Kさん

いつもお騒がせしております。
広島2人デモです。
原発の再稼働に反対して歩いております。

みなさんに知っておいて欲しいことがあります。
今福島で起きていることです。
福島県郡山市の小中学生が、年間1mSv以下の安全な場所で教育を受けられるようにと裁判を起こしました。
テレビや新聞などの大手メディアは、この裁判を報道しません。
政府、東電、東電の株主である企業がスポンサーだからです。
スポンサーにとって都合の悪い事は報道しないんです。
震災以前、子どもの甲状腺異常は1%未満でした。
しかし2012年4月に発表された甲状腺検査の結果、福島の13市町村3万8千人の子どもの35%、そして福島市の4万2千人の43%に嚢胞が見 つかっています。
甲状腺がんが見つかった子、急性白血病になった子、そういう子もいます。
通常ならば子どもの甲状腺がんは100万人に一人の割合にも関わらずです。

子どもたちは被曝線量を計るための機械を首から下げさせられています。
これは記録を取るためのものであって子どもや周りの大人に危険を知らせるものではありません。
汚染されているとわかっている福島産のコメを、給食で食べさせられています。

手抜き除染がニュースになっていましたが
国や県が中間貯施設を決めないまま、ただ除染を進めた結果、汚染土壌はあちこちに野積みされたままです。
汚染土壌を積み上げてホットスポットを作っているようなものです。
家を除染しても庭に袋に詰めた汚染土壌を置いていたら、そこから放射能は出続けています。
友人は宮城に住んでいます。
津波で家を失いました。
その友人の住んでいる仮設住宅の近くの一般廃棄物焼却施設で、
家庭ゴミに放射能で汚染された牧草を混ぜて燃やされたそうです。
牧草についた放射能は燃やされることで灰にも濃縮され、気化して空気中にも放出されます。
先月お父さんが心臓病で入院、お母さんは転んだだけで骨折したそうです。
明らかに放射能の影響が身体に出てきているんです。

東北・関東の人々は、福島原発から今も放出され続けている放射能、
汚染された食品、水、汚染物質を燃やした煙、それらで毎日被曝し続けています。
ここ広島は福島から離れているから大丈夫、そう思っていませんか?
広島市が子どもたちに学校で食べさせている給食が、放射能で汚染されていないかをどのように検査しているかご存知ですか?
給食を作る前に食材を調べるのではなく、食べ終わった分を検査しているんです。
そして去年1年間検査した結果、汚染されたものは含まれていなかったので今年はもう検査をやめるそうです。

福島県鮫川村では堆肥工場を再稼働させました。
福島原発から出る水で、海も汚染されています。
畑の肥料には海で捕れた魚を粉にして使っています。
汚染された材料で作った堆肥に放射性物質は濃縮され濃度が高まります。
そしてその堆肥を使った畑は汚染され、汚染された農作物が育ちます。
汚染された畑で育った作物、その作物を食べて育った家畜の肉。
汚染された堆肥を使えば西日本の野菜であっても汚染されてしまいます。
家畜も同じです。
自分たちが食べている、野菜、肉が西日本で作られたものであっても汚染されていないとは限らないんです。

テレビや新聞は本当に大切なことを言いません。
それでも隠しきれずに色んな情報を出してきています。
東京では眼科の手術が数年待ちの状態になっているそうです。
スポーツ選手の怪我、芸能人の病気や訃報、テレビ局の女子アナが何人も続けて留学。
放射能とは言いませんが、そういう小さなニュースで少しづつ、色んなことが考えられます。
ニュースにはならない他の沢山の人々が病気になっていることが想像されませんか?

色もにおいもなく、味もしない、息苦しさもない、それでも確実に体は蝕まれていくんです。
症状が現れた時にはもう間に合わないんです。
食事のたびに放射能の心配をする、地震のたびに原発の心配をする、それをこれから先死ぬまで、そして自分が死んだ後も子ども孫、これから生まれて くる子どもたちみんなに続けさせるのはおかしいと思います。
どうか本当に原発が必要か考えてみてください。
どうか情報を探して、そして考えて下さい。宜しくお願いします。

◆原田さん

私たちは大飯原発に反対する2人デモ、今日は5人で歩いています。
私は今の危機的状況を少しでも皆さんに知っていただきたいと思います。
出来ることならこの危機を避けたいと思っています。
そのために皆さんに今起こっていることを共有していただきたいと思っています。

福島原発からは今もセシウムだけで1000万Bqの放射能が出続けています。
福島原発にはたくさんの溶けだした核燃料や、使用済み核燃料がむき出しになっています。
それらは水をかけて冷やし続けるしかない、と言う状況です。
事故の前には曲がりなりにも原子炉の中に閉じ込められていましたけれども、今はむき出しの状態で、水をかけて冷やしているという状態です。
もしこのような状態のままで、大きな地震や、台風や、火災や、そういう災害が福島原発を襲ったら、もう日本は終わりになってしまうかもしれませ ん。
今そういう状況にあります。
東電だけの力ではもうどうしようも出来ません。
日本中が総力をあげてこの福島原発事故の危機的状況をなんとか収めていかなければいけない、そういう状態に今あるんです。
でも、マスコミではそのようなことは滅多に取り上げられません。
景気が良くなったと騒いでいますけども、本当に景気が良くなったという感覚をみなさんお持ちですか?
株をする人、投機をする人はそう感じてらっしゃるかもしれませんけども実際には生活は苦しくなるばかりではありませんか?
ま、それは横道ですが・・・。

そして福島では放射線管理区域の中で人々が普通に暮らしています。
放射線管理区域の中では本当は、そこに留まる事も、モノを食べることも出来ないということになっています。
そういう決まりになっています。
しかしそれよりも高い放射線レベルの中で、子どもも妊婦も赤ちゃんも含む人々が普通に生活している、言語道断です。
これは当たり前のことではありません。
そういう状況が今福島では起こっています。
それは広島市の明日の姿かもしれません。

そして広島はどうか、というと広島は原発に囲まれています。
広島市から100キロ、愛媛県の佐田岬半島には四国電力の伊方発電所があります。
ここには広島原爆で使われた放射能のざっと1万倍の放射性物質があります。
管理されているから大丈夫と思われるかもしれません。
しかし、伊方原発だっていつ災害に襲われるか、その可能性がゼロということは絶対に言えません。
原子力規制委員会も原発苛酷事故は起こるのだということを前提にしています。
原発事故は起こるということを前提にしています。
それを一つの原発あたり100万年に1度の確率にすることを目標に規制基準を作ろうとしています。
しかし実際、これまで世界の核事故の出来事を見てみると、だいたい10年から20年に一度は原発苛酷事故が起っています。
1979年にはアメリカのスリーマイル島でスリーマイル原発事故が起り、周辺で異常にがんが増加したとそういう結果も報告されています。
1986年には当時ソ連のウクライナ共和国でチェルノブイリ原発事故が起りました。
そして2011年には日本の福島原発事故が起りました。
だいたい10年から20年の周期で原発事故は起こっています。
原発の苛酷事故は起こるんです。
原子力規制委員会もそのことを前提にしています。
そして広島は原発に囲まれています。
遠い福島だけのことではありません。
広島から100キロのところには四国電力の伊方発電所、130キロのところには中国電力の島根発電所があります。
そこには例えば伊方であれば、広島原爆で使われた放射性物質のざっと1万倍の放射性物質が存在しています。
そして伊方原発が建てられているのは中央構造線という大きな活断層のすぐそばです。
私たちは非常に危険な状態にあるというのだという事を知って欲しいと思います。
私は本当に非常に危機的状態だと思います。
この危機を何とか回避したいと思います。

◆網野

毎週お騒がせしてすみません。
大飯原発反対して歩き始めたデモですが、今は原発反対、被曝したくない、そういう政治意思を示したい方と一緒に歩いております。
今回で48回目になります。

原子力規制委員会、トリチウムの話をチラシにまとめてお配りしました。

トリチウムは現在福島原発から大量に放出されております。
原子力業界の人たちはトリチウムは安全な物質だと言うんですけども、これは危険な物質でして、カナダのピカリング原発、ここは重水炉なんで大量の トリチウムが出るんですが、液体だけでなく実はトリチウムは気体にもなりやすい物質で、液体の1.5倍から2倍、気体で排出されています。
このトリチウムで健康被害が出ました。社会問題化しました。
社会問題化して今トリチウムに規制がかかっています、摂取規制がかかっています。
日本では摂取に関して全く無規制です。
私たちは非常に危険な状態だということをお知らせしたいと思います。
トリチウムは安全な物質ではありません。危険な物質です。
今日はここで終わります、ありがとうございました。