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第20回伊方原発再稼働を止めよう! 5月25日報告

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▽主催の原田様の報告です。▽

みなさま

5月25日第20回目の広島 元安橋東詰めー本通りー金座街往復コース 伊方原発再稼働反対ウォークの報告です。

5月25日(土)15:00にスタート。4人で歩きました(参加者は4人+1人)。

今回のチラシのタイトルは、「広島から一番近い原発 愛媛の四電・伊方原発」。
「伊方原発5つの危険」として、
・四国電力にも巣食う安全軽視の思想
・「加圧水型炉」に「プルサーマル」の危険
・瀬戸内海に放出するトリチウムの危険
・敷地内に大量に貯蔵される高レベル放射性物質の危険
・南海トラフ・中央構造線(伊方原発敷地前面海域断層群)の危険
を挙げています。
 ↓
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20130525_ikata_A4.pdf

広島市から最短(100km)、愛媛県の佐田岬半島の中ほどにある四国電力伊方原発が、再稼働に最短距離にあります。
今回は、伊方原発の「5つの危険」について、次のようなことを話しました。

◆安全軽視の思想◆
22日、福井県にある日本原電の敦賀原発の下を通る断層が活断層であることを原子力規制委員会が認めました。
これに対して、こともあろうに、日本原電の浜田社長が「到底受け入れられない」などと言って公開質問状を原子力規制委員会に提出しています。福井県の西川知事も、「公平な結論を求める」などと批判的なことを言っています。
「盗人猛々しい(ぬすっとたけだけしい)」とはこのことです。
危険なものを安全だと言い張って、挙句の果て、フクシマ事態をもたらしたのは、電力会社や、原発から落ちる金で良識の麻痺した原発地元自治体に共通する「安全軽視の思想」です。

四国電力もこの「安全軽視の思想」に染まっています。
例えば1988年、伊方原発からわずか800メートルのところに米軍ヘリコプターが墜落するという事故が起きましたが、四国電力は事故直後、「原発は飛行機が墜落しても安全だ。今後特に対策を取るようなことはない。」と言い放ちました。
1996年、伊方原発沖に四国電力が見落としていたA級活断層が発見されましたが、その後四国電力が取った対応は、「最大200ガルの地震動を想定して建設した伊方原発1、2号機の耐震設計は、検討してみると、敷地前面海域に大地震が起きても余裕がある。」という報告を県と伊方町に提出する、というものでした。
(斉間満さんの『原発の来た町』には、四国電力が犯罪に等しいやり方で用地を取得し、漁業権を奪い、伊方原発を建設し、安全性を無視して稼働しつづけてきた過程が生々しく記録されています。)

◆「加圧水型炉」に「プルサーマル」◆
原発は、核分裂で発生する熱を利用して水蒸気をつくり、水蒸気でタービンを回して発電する仕組みになっています。
伊方原発は「加圧水型」と呼ばれる型の原発です。
「加圧水型」原発では、原子炉内で発生した放射能を帯びた水蒸気でそのままタービンを回すのではなく、別系統の冷却水(2次冷却水)に熱を移して水蒸気を発生させ、タービンを回すしくみになっています(チラシ3ページ)。
この2次冷却水に熱を移して蒸気を発生させるのが、「蒸気発生器」です。蒸気発生器は、チラシにあるとおり、細管のお化けのようなグロテスクな形をしています。
肉厚わずか1mm程度、直系2cm程度、長さ約20mの細管が1万本以上、その中を、放射能を帯びた高温・高圧の水蒸気が細管を揺らしながら駆け巡っています。
金属疲労が容易に起きます。現に、1991年には、同じ「加圧水型」の関電美浜原発で、蒸気発生器の細管がギロチン破断するという事故が起こっています。

さらに、伊方原発3号機では、燃料にプルトニウムを使用することになっています。
プルトニウムは、通常の原発の燃料であるウランに比べて、熱エネルギーが40倍も高く、溶融点は70℃も低い物質です。それだけ制御がむずかしく、事故の危険も高まるということです。

◆瀬戸内海に放出するトリチウム◆
伊方原発からは、事故が起こらなくても、放射性物質が放出され続けています。トリチウムという放射性物質です。
核燃料を水で冷却しつづけているかぎり、トリチウムの放出は続きます。(核燃料が冷却できなくなったら、それはそれで、それこそ大変なことです。)

◆敷地内に大量に貯蔵される高レベル放射性物質◆
伊方原発の敷地内には、2011年度末時点で、1408体の使用済み核燃料が溜め込まれています。(現在はもっと増えている可能性があります。)重量にして、広島原爆のざっと1万倍の放射性物質が溜め込まれているということです。
もし苛酷事故が起これば、これらの放射性物質が放出され、潮に乗り、風に乗って広島市にも直にやってきます。

◆南海トラフ・中央構造線(伊方原発敷地前面海域断層群)◆
地球の表面は一枚の安定した岩板から成っているのではなく、何枚かの岩板から成っていて、日本列島は「太平洋プレート」「フィリピン海プレート」「ユーラシアプレート」「北米プレート」という4つの岩板が接する場所にあります。地震は、プレートとプレートが接するところで頻発します。
「南海トラフ」は、「フィリピン海プレート」が「ユーラシアプレート」の下にもぐりこんでいるところにできている海溝(チラシの地図をご覧ください)です。政府の地震調査委員会は24日、この「南海トラフ」を震源とするM8~9クラスの地震が今後30年以内に起こる確率を60%~70%と発表しました。

伊方原発の前には、「伊方原発敷地前面海域断層群」と呼ばれる活断層群があります。世界最大級の活断層である中央構造線の一部を成しています。
安土・桃山時代には、大分県の別府湾内(伊方原発から約80km、原発前の活断層の線を延長していくと別府湾に至る)にあった島(瓜生島)が地震と津波で一日にして海底に没したという伝承もあります。
揺れ動き、隆起したり陥没したりする地面の上に、原発が建っています。


☆トリチウムについては、大歳さんが詳しく話してくださいました。
トリチウムは、無害な放射性物質であると電力会社などは言ってきたが、それは事実ではなく、危険な放射性物質であること。
水素の同位体であるトリチウムは、水や水蒸気の形でも存在するが、炭素と結合して「有機結合型トリチウム」という形でも存在するということ。
そして、特に危険なのは、「有機結合型トリチウム」が食べ物として生物の体に入ってきて、濃縮されることであること。等々。
(大歳さんの詳しいお話の内容は、改めて送らせていただきたいと思っています。)


☆森本さんは、父親としての思いをこめて、街の人たちに語りかけていました。
「子どもたちに、原発、残しましょうか?」
「負の遺産を、次の世代に残しましょうか?」
「みなさんは、どう考えますか? ぼくが聞きたいのは、それだけです。」…


☆網野さんは、広島から一番近い原発は、中国電力の島根原発ではなく、広島市から100kmの愛媛県の佐田岬半島の中ほどに「瀬戸内海に面して建っている」四国電力伊方原発であることを、重ねて強調。
伊方原発からは今もトリチウムが出ていること、
伊方原発から放出されたトリチウムの量については『原子力施設運転管理年報』という公的な年報に掲載されているのでぜひ自分で調べてみてほしいということ、
トリチウムの害については40年も前にカナダの研究者が明らかにしていたこと、
などを訴えてくださいました。


☆最後に大歳さんは、これまで原発を推進しつづけ、今も再稼働に積極的な「原発戦犯政党」には投票してはダメだ、と訴えました。

原発を推進する側は、フクシマ事故前は、「原発はCO2を出さないので環境にやさしい」(地球規模の放射能汚染をもたらしている原発のどこが「環境にやさしい」???????)などと言い、
事故後は、「原発が動かないと電力が足りなくなる」(今原発は大飯以外動いていないが電力は足りている。設備容量は十分。)と言い、
それが通用しづらくなると、「原発が動かないと、電気料金が上がる。」(電力会社の火力発電の単価が高くなるのは、わざわざ旧財閥系商社から世界一高い燃料を買っているから。電力会社の経営が圧迫されているのは、動かさなくても運営費が無茶苦茶にかかる原発を抱えているから。)と言って、国民をだましてきたことも指摘。

原発メーカーである日立、三菱、東芝の製品はボイコットしよう、
原発に融資している銀行の預金を引き上げよう、とも呼びかけました。


☆真夏に等しい暑さの中、集まった4人の気持ちにも熱いものがありました。
子どもを抱いたお父さんが、子どもの手にチラシを持たせてくれる場面もありました。
50枚用意したチラシは、復路の中ほどで無くなりました。

◆大歳さん

 毎度お騒がせしております。2週間に一度、土曜日午後三時から行なっております、伊方原発の再稼働を止めるデモを本日も開始したいと思います。今日で第20回目となります。

 私たちの住むこの広島から最も近い原発は中国電力島根原発ではなく、実は四国間力伊方原発になります。愛媛県の佐田岬の付け根部分に位置する伊方原発から広島市街中心部までは直線距離で約100キロしかなくこの間にあるのは、海と点在する島々だけです。私たちの住むこの地域は意識するしないにかかわらず豊かで穏やかな瀬戸内海の恩恵を受けています。例えば特産品である牡蠣、大長みかんやデコポンなど柑橘類、そして多種多様な海産物です。もし伊方原発で過酷事故が起これば、瀬戸内海のように外洋に面していない狭い海域、そして狭いが故に大きな潮汐力と速い潮流が生まれる海域ではあっという間に放射能汚染が瀬戸内海の端から端まで広まってしまうでしょう。
 もしよろしければ現在お配りしているチラシに示されている地図をご覧になっていただきたいと思います。海流の向きを矢印で表していますが西は上関半島から東は尾道沖のしまなみ海道までのエリアは島嶼部がかなり多いことが分かります。音戸大橋や安芸灘大橋の下の流れを見ればわかりますが、海峡部ではかなり速く潮が流れ、満潮干潮時刻に関係なく潮の方向が変わります。瀬戸内海の潮流は、親潮や黒潮が流れる外洋のような一方向の流れではなくもっと複雑な流れです。ここに汚染物質が流出すればどうなるかをイメージしてもらうためには、ぐるぐる回転している洗濯機の蓋を開けた状態で上から墨汁をゆっくり注ぐ様子を想像してもらえればわかりやすいと思います。これを考えたとき、伊方原発がどれほど我々の共通の財産である瀬戸内海の食の安全を脅かすものであるかがわかります。さらに詳しく見ていきますと、仮に伊方原発で重大な放射能漏れが生じたとき瀬戸内海の地域でまっさきに影響が出るのが予想されるのは祝島、長島、八島、上関半島と平郡島そして周防大島の南側です。この辺りは広島からも釣りやレジャーに行かれる方の多い、人気の高い地域であると同時に良質なひじきが採れる地域です。これらの島々から伊方原発までの距離は50km以内になります。
広島市内沿岸部に放射能影響が出るルートは周防大島の東端もしくは大畠の海峡部を経由して、能美島と宮島の間の海域を通って到達する経路です。宮島と能美島の近辺は言わずと知れた牡蠣養殖の盛んなエリアです。伊方原発で過酷事故が起これば、これら全ては壊滅的な影響が出ます。
 ―「福島の事故は特別であり、そのような事故は滅多に起こらない」
そう考える方も大勢いらっしゃると思います。実は原発は事故を起こさなくても十分に有害であるという例をこれから説明していきたいと思います。
トリチウムという物質があります。三重水素とも言います。通常の水素と異なるのは原子核の中に中性子を二つ含むために不安定であるということです。ただし自然界にも存在し、電離エネルギーが非常に小さいためこれまでは無害とされてきました。しかし近年の研究によって濃度の高いトリチウムは非常に危険であるとことが次第に分かってきました。
トリチウムという物質は通常トリチウム水という形で存在しています。これの化学的物理的特性はマクロで見ると通常の水と全く同じものです。したがって液体の状態にもなれば蒸発して水蒸気の状態にもなります。
私たちは野菜、穀物、肉や魚を摂取することで生きることができます。高濃度のトリチウム水がそうした野菜、穀物、動物や魚に接触した場合、物理的特性が普通の水と同じですから、植物や生物が水分を常に吸収しているように全く同じようにトリチウム水を内部に取り込んでしまいます。植物、生物は有機物なので取り込まれたトリチウム水は次に有機結合型トリチウムへと変化します。
この有機結合型トリチウムというものが大変厄介なものです。まずトリチウム水そのものを取り込んだとりこんだ場合よりも何十倍も排出されにくくなり、有機結合しているということはつまりDNAや細胞といった有機物を超至近距離でダメージを与えることができるようになります。カナダの研究者は有機結合型トリチウムについて以下のように報告しています。

―「組織内の有機結合型トリチウムの濃度は、トリチウム水の摂取後よりも、有機結合型トリチウムの摂取後のほうが1桁以上も大きい」―イアン・フェアリー

これが意味するところはトリチウム水自体を摂取することよりも、トリチウムに汚染された食品を摂取するほうがより危険が高く、さらに食物連鎖を重ねることで個体内の有機結合型トリチウムの濃度が濃縮される危険性があるということです。
話を伊方原発に戻します。伊方原発は加圧水型の原子炉を採用しておりますが、これは沸騰水型の原子炉に比べ、より多くのトリチウムを排出してしまいます。もちろん瀬戸内海は潮流が速いため、原発から離れればトリチウム濃度も希釈、拡散はされていますが排水口付近では高いトリチウム濃度となります。ここにおける海草、バクテリア、小魚などの有機体はすぐさま組織内に有機結合型トリチウムを形成し、これらはその他の中型、大型の魚に食べられていくことでさらに有機結合型トリチウムの濃度を濃縮させていきます。こうした魚を私たちが食べるとどうなるか?伊方原発を再稼働させて本当にいいのか?どうかよくお考えください。
現在でも、東北の復興支援で『食べて応援』キャンペーンが広く行われています。テレビ、ラジオなどでも石巻のワカメを食べようとかやっていますが、汚染水の大規模な流失と、この有機結合型トリチウムのことを考えるとこれらが非常に無責任なものであるのが分かります。トリチウムはその電離エネルギーが小さくとも、セシウムとは全く異なるかたちで細胞を破壊し、有機結合型トリチウムに変化することで何十倍も排出されにくくなります。何も知らずに『食べて応援』キャンペーンを実施しているマスコミ連中は、なんの責任も取ることはありません。

 スピーチの最後に私からのお願いがございます。この地震だらけの日本において54基もの原発を作ってしまったのですが、一体どこの政党がこれを推進してきたかというとこれは自由民主党です。
正力松太郎原子力委員会初代委員長や中曽根康弘元首相を筆頭に自民党のほとんどの議員は原発を推進してきました。自民党こそが原発A級戦犯政党であり、現在ではベトナム、インド、サウジ、トルコに必死に原発輸出しようとしている現在進行形の犯罪的な組織です。だから脱原発をするのにまず何をしてはいけないかというと、これは自民党に票を入れてはいけないということになります。そしてこの7月に参議院選挙がありますがこの広島の選挙区において自民党から出るのはだれかといえば、溝手顕正さんになります。溝手さんに票を入れてしまうと脱原発はできなくなります。
アベノミクスとか何とかで自民党の支持率が上がっているとマスコミはでっち上げていますが、こんなのも全部ウソです。所得の増加が伴わないインフレなどむしり取られているに等しいのです。さらにいえば、アベノミクスなどなんの裏付けもない人為的な金融バブルに過ぎず危なっかしいこと、この上ありません。実際に日本国債の価格は下がってきています。
最近のニュースではやたらと待機児童増加の解消と保育所を増やす計画を宣伝していますが、これらは選挙対策用の自民党の点数稼ぎです。いくらイメージを作り上げようとしても安倍晋三ファシスト政権の子育て支援のその先には、徴兵制と国防軍が待っています。
自民党と同様、悪質な世論の誘導を行なう大手のマスコミからの決別もいたしましょう。