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第81回広島2人デモ 1月3日報告

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▼第81回チラシ A4版
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140103_A4.pdf
▼第81回チラシ A3版
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140103.pdf

▼トリチウム特集その2
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140103_tori_A4.pdf

みなさま

明けましておめでとうございます。
広島2人デモの報告です。

2013年12月20日及び27日の報告は、飛ばしました。
年末色々野暮用や雑用が続き、報告をついにさぼってしまいました。
当日のプラカードはそれぞれすでに2人デモのwebサイトに掲載しております。
中でも好きなプラカードは12月27日のプラカード1と3です。

本当に広域避難計画が必要な原発なら、動かすべきではないのです。
いったい、誰がこの社会の主人公だと思ってるんでしょうか。

プラカードと言えば、1月3日のプラカード作りの時のやりとり

哲野「やっぱり正月からごめんなさい、と言っておくべきじゃないかねぇ」
網野「それよりいつも通り内容を出した方がいいんじゃない?」
哲野「去年は1月4日だったから、正月ではないと。
    でも今年はさすがに3日だからねえ・・・」
網野「何が問題なの?」
哲野「ほら、要するにね、野暮なのよ、野暮。正月からさぁ。
    野暮でごめんなさいっていうプラカードを作っておこうよ」

というわけで今回のプラカードとなりました。

冬至からゆっくりとですが、日にちが重なって行っています。
出発の時に空を見上げると、とっぷりと暮れた感じではありません。
出発地点にはやや早めについて待っていました。

哲野「今日はさすがに2人だけだろうね。」
網野「ま、そうでしょうね、みんな忙しいだろうし」
と言った傍から、
哲野「おい、あれは原田さんじゃないか?」

原田さんが登場です。
しばらくすると、しゃなりしゃなりと現れたのがじゃけえさん。
正月らしく、着物姿。
また、訪問着ではなく渋い柄の和服。
原田「いい着物!」
哲野「この柄、自分で選んだの?渋いねえ。でも、お母さんのお下がりだろう?」
じゃけえ「失礼な。自分で選んで買ったんですよ。」
哲野「へええ~~驚いたね!若い女の子がこんな渋い柄を選ぶかね、いまどき・・・」
原田「これ、自分で着付けるの?」
じゃけえ「さすがにそれは・・・着付けてもらいました。」

と話をしていると、ゆっくり近づいてきた長身の男性
哲野「あれ?Sさん!どうしたの?てっきり例の東京の就職先、決めたんだと思った」
Sさん「ええ、迷ったんですけど、決めましたよ。
    今日正月休みなんで、こっちへ戻ってきました。
    女房は広島に残ってるもんで。」
哲野「不安でしょう。東京で就職するっていうのは。」
Sさん「元々、それで逃げてきたんですからね。
    でも専門職となると、やはり東京のほうが条件がいいのでね。
    今日は広島に戻ってるんで、やってきました。」

と話しているうちに、警備課の警察の方が登場。
指令書の確認をして、雑談しているうちに音楽が鳴り、結局5人で出発。
(途中合流もあり結局7人の参加になりました)

本日のチラシ

▼第81回チラシ A4版
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140103_A4.pdf
▼第81回チラシ A3版
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140103.pdf

▼トリチウム特集その2
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140103_tori_A4.pdf

トップバッターはじゃけえさんです。

じゃけえ「ご通行中の皆様、商店街の皆様、新年早々アーケードをお邪魔しております。
     毎週金曜日恒例の広島2人デモです。
     本日で81回目になりました・・・」

チラシの内容を簡単に紹介しながらウクライナやベラルーシの失敗を
日本が繰り返さないことが大事です、
チェルノブイリに学ぶことができます、
でも日本政府はそれをしようとしていません・・・と訴えました。
それから伊方原発再稼働が近いこと、
広島市議会に伊方原発3号機再稼働反対決議の請願をだしていること、
できれば共同請願人になってくださいと呼びかけました。

ここで本通り電停を渡ったのですが、合流してきたのが佐藤さんでした。
佐藤さんは歩き始めた初期のころに一度参加してくれています。
チラシ撒きに回ってくれました。

次にマイクは哲野に渡ります。
哲野は公表されたばかりの厚労省の人口動態統計の2013年推計の内容に触れて
死亡が増え、出生が減ったこと、
これをフクシマ放射能危機と関連付けて考えていること、
2012年の本統計の中身を詳細に検討すると
フクシマ放射能危機がまず超高齢者から影響を及ぼしていると見ることもできること、
まだ3年なのではっきりしたことが言えないが、
10年後にわかったとしても全く意味がない、
フクシマ放射能危機でウクライナやベラルーシと同じことになりました、と言ってみたところで
なんの意味もない。
それより、今から警戒をして対策を採っておかなければいけない、
とスピーチし、次のようにつづけました。

哲野「被曝を最小化する、こうした政策を採らなければならないところに
    安倍自民党政権はアベノミクスと称して全く逆のことをやっている
    私はあの人は、10年後、20年後の日本は、もう、全然考えていないんじゃないかと思います。
    これが日本の首相であれば、日本の、我々の大きな不幸です。
    なんであんな人を選んじゃったんでしょうねえ。
    みなさん反省しないといけないと思います。
    ま、とりあえず、今私たちが10年後、20年後のことを考えてやんなきゃいけないことは
    反被曝の色んな対策です。
    もちろん、これ以上社会に放射能を付け加えない、
    こういうバカげたことは一切やめなければなりません。」

次にマイクが渡ったのが原田さんです。
原田さんは玄海原発周辺の地域、とくに唐津市と玄海町における白血病死の
突出した発生頻度についてチラシの中身を説明するようにスピーチしました。

原田「トリチウムの放射線エネルギーは決して大きくないので
   電力会社などは無害であると人々に説明してきました。
   しかしそれは事実ではありません。
   イギリスやカナダなど、海外でトリチウムと新生児死亡率や白血病などに
   有意な相関関係があることが確かめられています。」

向こうからやってくる女性の姿、やっぱりKさんでした。

哲野「よく来れたねえ。正月で書き入れ時だったでしょう?」
澄ました顔で、
Kさん「凄い人出だった。でもどんなに忙しくたって、お店5時で閉めちゃうもん。」
哲野「客商売なんだから、初詣客のために時間延長して、店を開けておけばいいのに。」
Kさん「そしたらここに来れないでしょ!」

街の様子はやはり正月ムード。
でもあちこちでたむろしている若い人たちが、けっこう物珍しそうにプラカードを見ているのがわかります。
着いたばかりのKさんが10人くらいの一見ヤンキー風の男の子たちに、チラシを差し向けると
なんと、その1人はチラシを受け取りました。
Kさんが別な男の子に「あなたもどう?」と差し向けると
チラシを受け取った男の子を指さして、「あいつが貰ったから、僕、もういいです。」
しっかり読んで原発や放射能、伊方3号機の稼働に関心を高めて行ってほしいものだと思います。

彼らがチラシを受け取ってくれただけでも正月から歩いた甲斐があるというものです。

次にマイクを佐藤さんに差し向けたのですが
佐藤「いや、僕は今日はいいです。
    でも、明日からこの内容で僕もがんがんやりますよ。」
佐藤さんは、広島市の北に位置する安佐南区が地元で
時々最寄りのJR駅前で一人で街頭宣伝をしているのを知っていますので
恐らく土日に街宣をするつもりなのだと思います。
それでまた、哲野にマイクが渡りました。

哲野はトリチウムの解説を当日チラシに沿って始めました。

哲野「かつてヨウ素131は人体にほとんど害がない、とアメリカでは宣伝されていました。
    その当時放出していたヨウ素131の量は
    今でいうと、レベル7をはるかに上回る量でした。
    当然、様々な健康被害が起こり、ヨウ素131の放出はだんだん規制されるようになりました。
    危険な放射性物質であるという認識が40年かけて定着してきたのです。
    今安全だと言われるトリチウムのことを考えると、
    かつてヨウ素131が辿ってきた道をトリチウムもまた辿っているように思います。」

次にじゃけえさんに再度マイクが渡り、伊方原発の再稼働が近いこと
原子力規制委員会のシミュレーションによると広島は一時移転の対象になることなどを
スピーチしました。

次に網野にマイクが渡ります。
網野は今、規制委員会で行われている審査は『安全審査』ではない、
規制基準適合性審査、略して『適合審査』と呼ぶのが正しい、
なぜなら規制委は原発の安全については審査してない
審査してるのは安全目標に基ずく性能標準、その性能標準を基準化した
規制基準に適合してるかどうかを審査している、と説明しました。
マスコミは揃って、テレビも新聞も『安全審査』だと言っていますが
念のために規制委員会に電話で確認しました。
そうすると「違います。安全審査は不適切な表現です。」と回答がありました。
それは当然のことです・・・・と説明しました。

網野「マスコミが判で押したように、安全基準、安全審査と呼んでいるのは何故でしょうか。
    それは、規制委が原発の安全性を審査しているのだと
    その審査を合格した原発は安全なんだと、みなさんに刷り込みたいがためです。
    ちょうど安倍首相が『安全性が確認された原発はどんどん再稼働させる』と
    言っているのと、実は軌を一にしているのです。
    どうか、マスコミに騙されないでください。」

元安橋に帰ってきてデモ終了。
チラシは2~3人の参加者用しか残りませんでした。
結構、正月なのにもかかわらず手ごたえがありました。

哲野「結局僕は、今日は1枚も渡さなかった。
    でもプラカードを見ているひとが多かったんで、奨めたら受け取るなと思う人が目立ったね」
Kさん「網野さんのスピーチ中もチラシくださいって来た人がいましたよ」
網野「私もスピーチ中にチラシ求められて手持ちのを渡した。」

あとプラカードですが、やはり「正月から野暮でごめんなさい・・」が
結構見られていました。
何者だこの人たちは?という感じなんでしょうか。

デモのあと、恒例の立ち話で40分くらい。
今日は先週に比べると暖かだったのです。
以上ご報告いたします。

以下各人のスピーチです。

◆じゃけえ

ご通行中の皆様、商店街の皆様、新年早々アーケードをお邪魔しております。
毎週金曜日恒例の広島2人デモです。
本日で81回目になりました。

原発に反対したい一心で個人が集まり
みなさんに知っていただきたいことをスピーチしながら歩いております。
毎週チラシを作成し、お配りしております。
公式に発表されたものを元に作成しております。
テレビや新聞では大々的に報道されないような内容ですが事実です。
是非お手にとってご覧ください。

日本の原発は事故を起こさないということで稼働してきましたが
福島第一で原発苛酷事故は起ってしまいました。
原発は事故を起こさない、それが前提だったので事故を想定した対策は何もありませんでした。

福島で事故が起こってからの日本では
原発は事故を起こすもの、ということが前提になりました。
原発は事故を起こすことが充分にあり得ることが前提で再稼働が進められています。
みなさんチェルノブイリ事故は御存じでしょうか?
フクシマでも事故が起こりましたが
チェルノブイリで事故が起こった時、被曝の危険性を軽く見て
被曝対策を怠りました。
その結果、出生率も下がり、死亡率は上がって行きました。
去年日本の人口は急激に下がりました。
出生率が下がり、死亡率が上がりました。
事故前から出生率は下がり、死亡率は上がってきましたが
2011年の事故前とは傾向が違います。
チェルノブイリでは死亡率を下げるために
被曝の危険性に気が付き、被曝対策を行い、やっと死亡率を止めることができました。
それでも子どもたちの80%が健康に問題を抱えています。
健康な子どもは2割しかいません。
私たちはチェルノブイリに学ぶことができます。
しかし(政府は)それをしようとしていません。

チェルノブイリで犯した罪をまた繰り返そうとしています。
日本は放射能汚染食品の規制を行っていますが、厳正な規制もなく
違反したことに対する厳正な処分もありません。
規制値はありますが全く実施されていません。

規制基準値を見てもドイツの放射線防護協会が推奨する制限値からすれば
とても高い基準になっています。
基準値内ならいくら食べても安全ですと言っていますが
放射性物質は身体の中に蓄積されていきます。
少量の放射性物質でも体内に摂りこみつづければ
重大な疾患が現れてきます。
症状の現れ方は個人によって様々です。
重度もばらばらであって、放射性物質が原因であると明確にわかるものではありません。
放射性物質がどうして危険なのかというと
放射能は放射線を発する能力のことです。
その放射線に当たってしまう事を被曝と言います。
被曝には内部被曝と外部被曝があり
内部被曝とは放射性物質を身体の中に摂り込み慢性的に被曝し続けることです。
少しでも摂りこめば、身体の中で多大な被曝をしてしまいます。

いま日本の原発は全て停まっていますが、電気は足りています。
日本の原発は今全て停まっていますが、再稼働申請は次々と出されています。
事故を起こす事が充分あり得る原発の再稼働最有力候補が
私たちの住む広島から一番近い、四国にある愛媛の伊方原子力発電所となっています。

広島市議会に広島から一番近い伊方原子力発電所再稼働反対の決議を求める請願をしています。
賛同署名を募ったところ、1739筆の署名が集まりました。
署名は追加で提出することができます。
伊方原発再稼働反対に賛同いただけましたら署名のご協力を宜しくお願いいたします。

◆哲野

お正月の3日から野暮な話で申し訳ありません。
毎週金曜日歩くと決めておりますので、今日は3日の金曜日なんですけど
やっぱり歩くことにしました。

広島2人デモと申します。
今は5人で歩いております。
普通の一般市民です。

厚労省が年の背も押し迫った12月31日に平成25年、2013年の人口動態統計の推計を発表しました。
日付けは1月1日になっております。
実は私は、この人口動態統計をずうっと注目しております。
2013年の詳しい確定数字は、これから半年後、今年の6月に確定するんですが
昨日発表されたのは推計です。

なぜこれを私が注目しているかというと
チェルノブイリ事故後、放射線被曝で出生が激減し死亡が激増しました。
ウクライナでは650万人の命が失われた、これはウクライナ政府の報告書にそう書いてありました。

やはり一番心配なのは福島原発事故の日本でも同じようなことが起こるんではないか
これがやっぱり一番心配だったわけです。
頼るのは厚労省の人口動態統計。
今年の3月でやっと3年ですから、はっきりしたことは言えません。
お配りしているチラシにその数字を書いておきましたけれども
2012年に続いて2013年に死亡が増え、出生が減りました。

チェルノブイリ事故の時のウクライナやベラルーシと今の日本の決定的な違いは
日本はすでに2005年から死亡と出生の逆転現象が起って
人口減少の過程に入っているということです。

1986年のチェルノブイリ事故の時のウクライナやベラルーシは
まだまだ人口増加の傾向にありました。
事故が起こって、特に低線量内部被曝に対してあまり大きな対策を採らなかったために
事故が起こってウクライナやベラルーシでも人口の減少、つまり逆転現象が起こりました。
ウクライナの人口減少は著しくて、人口統計学者の間では、「人口統計学上の大惨事」と言われております。

私が日本でそういう状況がまた起こるんではないかと心配するのは当然と言えば当然
そして2012年に続いて2013年も人口減少は止まりませんでした。

本来、死亡は減ってもいいはずなんです。
というのも、2011年、東日本大震災で死亡・行方不明者を含め約2万人出ています。
この2万人が2012年、2013年にはない、つまり不慮の事故死2万人がないわけですから
本来であれば死亡が減ってもいいはずです。
ところが、不慮の事故死を超えて死亡が増えている
2013年の詳細な中身はまだ出ていませんが
2012年の死亡の中身は細かく発表されています。
いろんな観点からこのデータを眺めることが出来るんですが、
一つ特徴的なことは、5歳階級の死亡というのがあります。
0~5歳、5歳~10歳というふうに段階を分けて100歳以上まで
死亡数が出ています。

2011年、東日本大震災で死亡した人、或いは行方不明の人、約2万人以上
不慮の事故では年齢に全く関係なく襲ってきますので
2011年の不慮の事故死は全ての年齢階級で死亡が増えている。
これは当然のことですね。

2012年、80歳未満の階級では死亡が減っている。
当然です。東日本大震災の2万人がないわけですから
本来なら死亡は減らなきゃいけません。

ところが、80歳以上の階級では死亡が増えている。
特に85歳から89歳の階級では1万2000人くらい死亡は増えている。
2011年、東日本大震災でこの階級の死亡も増えました。
それをさらに上回って死亡が増えている。
死亡原因を見ると老衰が非常に増えている。
だいたい日本の統計では老衰する人は年間だいたい4万5000人くらいでした。

ところが2011年、2012年と老衰する人が増え
2012年にはついに6万人に達しました。
これはいろんな分析が出来ると思います。

私はこれは、福島放射能危機と関連付けて考えています。
というのは、高齢者の人は放射能につよいんだと
あまり影響されないんだという話がありますが、
これは全くの誤解です。

確かに高齢者の人は放射線感受性が低い。
細胞分裂が少ないわけですから。
これはまぁ、当然です。
しかし放射能に強い、放射能に弱い、相当個人差がありますけれども
これは放射線感受性に強い、弱いだけでは決まりません。
というのは、放射線被曝の影響は、細胞と細胞のネットワークに対する攻撃です。
細胞のネットワークの大きな機能の一つは、免疫監視機構、
外からやってくる外敵をチェックしてこれを潰していくという機能、
免疫監視機能ですね、重要な細胞ネットワークの大きな役割です。

放射能は人間の免疫監視システムを壊します。弱めます。低下させます。
老化するということはこの免疫監視機構も当然弱まってますから
低くなっている免疫監視機構に悪影響を及ぼす。
80歳以上の人にとってはこれが最後の一突きになっていく。
こうした理由で2012年には老衰死が通常の4万5000人台から6万人に増えた、
こう考えることが出来ると思います。

申し上げたように、2013年の統計の詳しい中身は、6月になって発表されます。
その時に私がいま想像しているような、推測していることが原因かどうかは
もう少しはっきりしてくると思います。

こうして毎年毎年分析してみて
『あ、やっぱり放射能の影響だったんだ、ウクライナやベラルーシと日本は同じ道を辿りつつあるんだ』
こうわかるのは、はっきり確認できるのは恐らく10年後でしょう。
しかし10年後に低線量内部被曝で死亡する人が増え、出生が激減したとして
いったい何の意味がありましょうか?
私たちはウクライナやベラルーシで起こった事を研究して
そこから学んで同じ轍を踏まないと言う事が出来る。
ところが、フクシマ放射能危機で10年後、15年後に
ウクライナやベラルーシで起ったことと全く同じことが起こった、
実際に発生した、これがわかったとして、何の意味があるでしょう?

多くの人が死に、死ななくてもいい人が死に、生まれてくるはずの子どもが生まれてこない
あるいは小さな子どもたちが病気になっていく
このことが10年後に確認できたとしても大きな意味はありません。

大きな意味があるのは、今そういう事態に立ち入るかもしれないと充分に予測して
充分な対策をとって、10年後、15年後に
ウクライナやベラルーシで起こったことを日本で起こさない、
こうでなくてはならないと思います。

そういう観点から見ると、今の自民党安倍政権は全く逆のことをやっている。
今やらないといけないことは、被曝を最小化する政策です。
お配りしているチラシにいくつか書いておきました。
中でも、食品安全基準を厳重に守らせる、食品汚染基準を守らないで
市場に出荷した人は厳しい罰をもって臨む、罰金を取る。
放射能に汚染された食品かどうかはメーカー、流通段階、
最終的に消費者が買う、購入する段階でしっかり検査をする
消費者がどれくらいの放射能に耐えられるかは自分で判断して決める、
少なくともこのようなことはすぐ実施しなければなりません。
ところが安倍自民党政権は、ただでさえ放射能で汚染されている地域に
人を帰還させる、復興と称して帰還させる、
本来は絶対に動かしてはならない原発、というのは原発からは
事故を起こさなくても放射能が出ているからです。
これ以上社会に被曝要因を付け加えるようなものはやめる、
被曝を最小化する、こうした政策を採らなければならないところに
安倍自民党政権はアベノミクスと称して全く逆のことをやっている
私はあの人は、10年後、20年後の日本は、もう、全然考えていないんじゃないかと思います。
これが日本の首相であれば、日本が、我々の大きな不幸です。
なんであんな人を選んじゃったんでしょうねえ。
みなさん反省しないといけないと思います。
ま、とりあえず、今私たちが10年後、20年後のことを考えてやんなきゃいけないことは
反被曝の色んな対策です。
もちろん、これ以上社会に放射能を付け加えない、
こういうバカげたことは一切やめなければなりません。

<2回目>

みなさん、トリチウムという放射性物質を聞いたことありますか?
水素です。
水素の同位体には3つあります。
軽水、重水、そして三重水素。この三重水素がトリチウムです。

このトリチウムだけが不安定な同位体、つまり放射性物質です。
12.5年の半減期でヘリウム3という同位体に変わります。
なぜこのトリチウムの話をするかというと
日本の原発はこのトリチウムを液体の形で大量に放出されているからです。
ここ10年の様子を見てみると、九州の玄海原発では年間約100兆ベクレル、
100兆って言われたってわかりませんよね。
東電福島第一原発が事故を起こして27か月間で放出したトリチウムが最大で40兆ベクレルですから
100兆ベクレルが事故を起こした福島原発より2倍以上のトリチウムを出している

広島から100キロしか離れていない伊方原発も年間55兆ベクレル放出している
このトリチウム水は瀬戸内海に全て流れ込んでいます。

トリチウムは危険なのか、危険でないのか
トリチウムは安全なのか、安全でないのか
いまこういう議論がされています。

結論から言えば、トリチウムは非常に危険な
内部被曝から言えば非常に危険な放射性物質です。
お配りしているチラシに内容とデータと根拠をやや詳しく書いておきました。

アーネスト・スタングラスと言う人が「赤ん坊を襲う放射能」という本を出しました。
40年くらい前のことです。
原題はシークレット・フォール・アウト、秘められた放射性降下物という意味になりましょうか。

アーネスト・スタングラスはアメリカで始まった原発、大量に出るヨウ素131の
子どもたちに対する影響を丹念に調べました。
驚くことに、今から40年から50年前、原発がスタートしたその時に
ヨウ素131は人体に無害である、大した影響はないと言われていたのです。
アメリカの原発からは大量のヨウ素131が放出されていました。

シカゴのあるイリノイ州のドレスデン原発から出るヨウ素131は今の単位で言うと
100兆ベクレルから200兆ベクレルを出していた
これ、原発事故にあてはめると完全にレベル7の放射能放出量です。
子どもたちに、特に呼吸器系がまだしっかり出来ていない6か月の乳児たちに
悪い影響を与えないはずがありません。
社会問題になりました。
そして何度かの抗議の末にヨウ素131は危険な放射性物質であるという認識が
40年かけて高まってきました。
今トリチウムのことを考えると、かつてヨウ素131が辿ってきた道を
トリチウムもまた辿っているように思います。

トリチウムの被害が最初に報告されたのはカナダでした。
もう今から30年以上前になります。
カナダの原発は重水炉型、トリチウムを大量に出す原発だったからです。
6か所の原発がありますが、これらが一斉にオンタリオ州周辺に流した。
このために半径30km圏内の地域で被害が起こった。
もう30年以上前に報告されています。
しかし原子力業界は一貫してトリチウムは健康に害がない
トリチウムは自然界にいくらでもある
そういうことを今でも主張していますが
だから東京電力の福島第一原発から放出してもかまわない
日本の原発からトリチウムを大量に放出してもかまわない
こういっています。

30年経ってもトリチウムの被害は本当には評価されていません。
ただ、カナダ、ドイツ、イギリス、こうした国ではそれぞれトリチウムの害の研究が
国家レベル、州レベルでされてきました。
特にドイツのKIKK研究はドイツの原発周辺で出てくる放射能で
どれほど子どもたちに健康被害を与えるか
3年間調べた重要な研究もあります。
トリチウムは無害である、安全である、こういう言い方に惑わされないでください。

ヨウ素131は原発事故の大量放出時の初期に
最も警戒しなければならない放射性物質であるということになりました。
トリチウムも同じ経過をたどると思います。

原発業界がトリチウムを安全と言いたいわけは
ほとんど水と一緒で
取り除こうと思えば莫大なコストがかかるからです。
騙されないようにしてください。

◆原田さん

お正月から本当に野暮な話で申し訳ありません。
お正月の気分に水を差すような話ばかりで申し訳ございます。

今日本の原発はすべて止まっていますが
今年は次々と再稼働される予定です。
特に広島から100キロのところにある、伊方原発3号機の再稼働がまじかに迫っています。
ここでみなさんに知っていただきたいことは、伊方原発は大量にトリチウムを放出する原発だということです。
もし苛酷事故が起こったら、広島市は一時移転しなければならない数字になることが
原子力規制委員会のシミュレーションで明らかにされています。

例え事故を起こさなくても、通常の運転でも大量のトリチウムが放出し続けます。
2010年までの10年間で瀬戸内海に放出された液体トリチウムは552兆ベクレルに上ります。

トリチウムについて恐ろしいデータがあります。
いま日本の人口10万人あたりの白血病死亡者の全国平均は5人から6人程度です。
ところが、玄海原発のある佐賀県では10万人あたり8人から9人強に上っています。
原発に近い唐津市では15人、全国の約3倍
原発のある玄海町では38.8人に跳ね上がっています。
玄海原発の周辺では明らかに白血病で亡くなる人が非常に多くなっています。

これは恒常的に放出されるトリチウムの影響だと考えられます。
トリチウムは液体ばかりではく、気体の形で放出され
土壌を汚染し、作物に取りまれ、人間の身体に入ります。

こうした有機物と結合したトリチウムが心配されています。

トリチウムの放射線エネルギーは決して大きくないので
電力会社などは無害であると人々に説明してきました。
しかしそれは事実ではありません。
イギリスやカナダなど、海外でトリチウムと新生児死亡率や白血病などに
有意な相関関係があることが確かめられています。

◆網野

新年早々無粋な話で申し訳ありません。
毎週金曜日に歩くと決めておりますので正月なんですけども
やっぱり歩こうということで毎週金曜日恒例広島2人デモ、今歩いております。

私たちは全く個人の集まりなので、どこの政党団体でも宗教団体でもないんですけども
時々聞かれますので言っておきます。全くの個人です。

一昨年の6月から大飯原発再稼働反対で歩き始めてから今日で81回目を数えます。
私たちは原発や被曝問題に関してどの既成政党の支持もしません。
期待もアテもしません。
マスコミ報道は全く信頼していません。何度も騙されたからです。
そこで私たちは政府関連の資料や原発関連の資料を調べて行こうと決めました。
調べて行くと報道されないことのほうに結構大事なことがあるとわかりました。
それをチラシにしてお配りして皆さんにお知らせして歩こうと決めて
歩き始めたのがきっかけです。

一人一人が考えて立場や思想信条関係なく、正しく情報を見て決めないと
正しい結果は出せません。
私たちはみなさまに情報を提供することが目的のデモです。
どうかチラシを皆様の考える材料にしてくだされば幸いです。

原発再稼働の審査が進んでいますが
これは安全審査ではありません。
原子力規制委員会の言葉は規制基準適合性審査です。
これを略して適合審査と言います。
これは原子力規制委員会に私が直接電話をして確認しました。
安全審査ではありませんし、これは間違っている、しかも不適切であるとのお言葉を頂きました。
確かにそうです。
これは安全基準ではありません。原発の安全を審査していません。
そのことを一般の方々に知ってもらうためにわざわざ名称を去年の4月3日に変更したんです。
ところがマスコミはこれはヤバいと思ったんでしょう、
一斉に安全基準と言いました。
そして審査がはじまれば安全審査と言う言葉を使いました。
原発を再稼働させるためにこれは安全審査なんだという私たちに対する刷り込みなだけで
本当はだれも原発の安全なんか保証できないし審査してないんです。
このことに気が付いてほしくなくて、やたら安全と言う言葉を使います。
でも原子力規制委員会に私が直接電話をして確認しましたので
これは適合審査が正しく、
今行われているのは安全審査ではありません。
どうか皆様マスコミの人たちに騙されないようにしてください。