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第133回広島2人デモ 2015年9月4日報告

みなさま

毎度お騒がせしております。
第133回広島2人デモ、9月4日の報告です。

今回参加者は4人、哲野、網野、原田、そして大阪高槻市からのゲスト、坂元さんです。
話の順序が逆になりますが、デモ終了後、近くのファミレスで食事がてら4人でおしゃべりをしました。
坂元さんの京阪神での脱原発の活動ぶりをうかがいました。

哲野と網野と坂元さんとは同じくポスト3.11組。
また、反原発運動はそれぞれの運動が個性的であるべきだ、
自分の持ち味や特徴を活かしながら活動すべきだとする点、
また、自分が住んでいる地域や職場、自分の身の周りから
反・脱原発運動を拡げていかなければならないとする点、
反・脱原発に消極的な層、あるいは無関心な層、あるいは原発賛成の市民に直接働きかけ、
説得していかなければならないとする点、
自ら名乗って一人でも反・脱原発に立ち上がることが重要だという点、
また、運動は気持ちの余裕を持って、楽しみながら続けていくべきだという点など
哲野や網野や原田さんなどの持っている考え方と、かなり一致する部分があり
すっかり意気投合してしまいました。

▽出発前の坂元さん


ちなみに持っているのは、「樋口裁判長、ありがとう」という旗。

▽出発前のプラカード

▽出発前の元安橋

今回の広島2人デモのテーマは引き続き、違法な川内原発再稼働=通常営業運転再開です。
9月10日あるいは11日に、予定されている川内1号の再稼働の違法性を問うものとしました。
以下がチラシです。

▽第133回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150904.pdf

▽タイトル
「今、違法(現行原子力規制法体系違反)な川内原発1号機再稼働が強行されようとしている」

▽トピック
1.政官財学複合体制の構図が見えやすい原発問題
2.おさらいとはなりますが、「3.11後」の劇的変化をもう一度見ておきましょう
3.「3.11後」の原発再稼働のプロセス―本来あるべき姿
4.九州電力川内原発再稼働問題に当てはめてみると…
5.原発30km圏自治体同意が「再稼働法的要件」の構図
6.再び、「30km圏自治体同意が原発再稼働の法的要件」
7.30km圏自治体同意は法的要件ではない、とする電力業界、マスコミ、原発推進自治体の見方
8.30km圏自治体同意とはどういう形をとるのか?
9.マスコミを使って検査のための「原子炉起動」を「再稼働」とする荒技に出た原発推進勢力
10.違法な川内1号機の再稼働に踏み切るつもりの九州電力
11.第2の法的要件対策、早くも伊方原発地元に手を打つ
12.いくら原子力防災会議が「避難計画の実効性」を確認・了承しようとも、原子力防災会議にはその法的権限も機能もない
13.しつこいようですが、住民の生命、健康、身体、財産を守る第一義的責任は自治体にある
14.原発再稼働に関し、国民の正しい理解と議論の深まりを妨げる原子力規制委員会
【別紙1】衆議院 原子力問題調査特別委員会2014年11月6日 菅直人議員 質疑抜粋
【別紙2】2014年11月7日 鹿児島県知事 伊藤祐一郎氏 記者会見発言 抜粋

▽プラカード

8月11日、原子力規制委員会の規制基準適合性審査使用前検査の中の
起動後検査のための原子炉起動をマスコミが大々的に『再稼働』と報じたため
広島市民の圧倒的多数も、川内原発はもう再稼働したんだと思い込んでいる人も多いのですが
実際、再稼働は9月10日ないしは11日、使用前検査合格証を交付され、
そのまま通常営業運転に入る、これが、川内1号の再稼働です。

出発前にこの点を坂元さんに話すと、坂元さんは
「いや、知らなかった。もう再稼働したものだとばかり思っていた」とのことでした。

18時の音楽が鳴って、3人で出発です。

最初のスピーチは哲野です。

哲野「広島2人デモと申します。
   今日は、大阪の高槻からゲスト参加がありますので、現在は3人で歩いております。
   新聞報道などで、九州電力の川内原発のことを、伝えていますので
   川内原発のことをご存じの方も多いと思います。
   実は、川内原発1号は、この9月10日または11日になるかもしれませんが
   原子力規制委員会の最終総合検査を受けて、正式に原子力規制委員会の
   規制基準適合性審査検査合格証を交付されて
   規制基準適合となる見込みです。
   多くの人は、あれ?川内1号は合格したんじゃないの?と思っている人が多いと思います。
   マスコミが大々的にそう報道していますから。
   しかし、実は、そうではありません。
   今日現在、川内1号は規制基準適合審査にまだ合格していないのです。
   適合性審査検査に合格していないからです。
   ところで、9月10日、あるいは11日になるかもしれませんけれども
   なにしろ、検査ですから、九電の期待通りに運ぶかどうかはわかりません。
   ともかくこの検査が終了すれば、川内1号は晴れて合格ということで
   正式に営業運転再開にこぎつける運びです。
   ところが、この、川内1号の営業運転再開=再稼働は、実は、違法な、
   違法なというのは、現行原子力規制法体系に違反するという意味なんですが、
   違法な再稼働なんです。
   プラカードにもありますように、また、お配りしているチラシにもありますように
   3.11後、現在の原子力規制法体系が整備されて以来、
   法的に再稼働の要件は2つあります。
   1つは、規制基準適合性審査に合格すること、
   もう一つは、川内原発から30km圏自治体及び住民の同意を取り付けること
   川内1号はこれで晴れて規制基準適合性審査を合格して法的要件を満たしますけれども
   もう一つの法的要件、自治体及び住民の同意を取り付けるという要件はまだ満たしていません。
   川内原発30km圏には鹿児島市や姶良市、川内原発が直接立地する薩摩川内市など
   九つの自治体がありますが、同意を取り付けているのは、薩摩川内市だけです。
   あとは、全体の総合調整役を務める、鹿児島県が同意を表明しています。
   つまり、30km圏自治体の同意を取り付けるというもう一つの法的要件は満たしておりません。
   ですから、違法な再稼働、ということになるわけです。
   なぜこれが違法になるかという法体系の仕組みについては、
   今お配りしているチラシをご覧下さい。
   また、チラシをお受け取りになれない方は、インターネットで広島2人デモと検索してください。
   サイトにこのチラシのPDFを掲載しております。

   今私たちにとって最も重要なことは、違法な川内原発再稼働の同じパターンが
   次の原発でも使われるだろうことです。
   次の原発はどこでしょうか。それはほぼ間違いなく、広島から最も近い原発、
   わずか100kmしか離れておらず、瀬戸内海にぽっかり浮かぶような形で立地している
   四国電力の伊方原発です。
   遠い九州鹿児島県の話のように思われがちですが、実は私たちに極めて身近な出来事です。

   今私たち広島市民にとって、何が大切でしょうか。
   こうやって、原発反対を訴えてデモをしてあるくことでしょうか
   あるいは原発反対の集会を開くことでしょうか
   デモをして歩いている当人が、これは一番大切なことではないというのも
   おかしな話ですが、今一番私たちにとって大切なことは
   原発再稼働を巡る状況がいったいどうなっているのか、を正確に把握・理解することです。
   何が狙いなのかよくわかりませんが、マスコミ報道は私たちにとって最も重要なこと
   すなわち原発を巡る状況の正確な把握と理解を妨げています。
   マスコミ報道に頼っていては、正確な把握と理解ができません。
   出来ないどころか、理解の混乱を深めるばかりの結果になってしまいます。
   口幅ったいようですが、今お配りしているチラシがみなさんの正確な理解と把握を
   助けることになるんだろうと思います。
   市民として、一番大切なことは、正確な理解をしておくことだろうと思います。」

スピーチの最中に、プラカードをじっと見ている人がいたので、
スピーチを中断して哲野がチラシを差し出しました。
哲野「28ページのチラシなので、ちょっとご負担かもしれませんが、どうぞ。」
中年の女性でしたが、頭を軽く下げて、チラシを受け取ってくれました。

次に坂元さんです。

坂元「私は今日、大阪の高槻からこの2人デモに参加するためにやってきました。
   大阪の高槻市の上牧(かんまき)というところに、私は住んでるんですけど
   実は関電の八木社長も住んでいるのです。
   その上牧駅前で月2回火曜日、アクションをやっています。
   福井裁判にも参加しています。
   そういうことからここの2人デモを聞いていました。
   だいたい原発反対のアクションというのは金曜日が多いのですけど、
   私は火曜日なのであちこちの金曜日行動に参加しています。
   今日は大阪から青春18切符を使って、この行動に参加するためにやってきました。
   さっきもお話にあった川内原発は、私は8月9日から11日まで
   川内の反対運動に参加してきました。
   川内では地元の150名ほどの人達が、公然と自分の名前を明らかにし
   どこどこ町の誰々という住所まで明らかにして
   反対運動を行っています。非常に強力なものだと感じました。
   1号機が再稼働ですか、再稼働いうたら違うみたいですけど、
   (使用前検査の原子炉使用のこと)そういうことになったみたいですけど、
   10月にはまたもう一つの原子炉(2号機)が動くと言われています。
   それについて、この8月にやった運動をさらに発展させる必要があると思いますので
   私はそれにも参加するけど、地元大阪の高槻でも、原発反対の運動をやり
   各地で小さな運動があって、それが大きく全国単位に広がり
   最終的に大きな力に収斂していき、
   原発を止める一つの重要な手立てではないかと思っております。
   そういう意味で、今日もこういう風に参加しました。
   この2人デモを知ったのは、いつも出されているパンフレットで、(チラシのこと)
   非常に、福井の高浜原発反対、その弁護団から
   ここのチラシ、パンフレットは非常に優れたものだというのを聞いて
   参加する気持ちになってやってきたわけです。
   色々話したいことはありますけど、これだけにしておきます。

(哲野が関西圏では反原発運動はどんな感じかと質問)

  関西圏ではいま、関電の本店前の行動、そして福井の原発反対運動が色々あります。
  福井県は嶺北と嶺南に分かれていますけど、実は嶺南の若狭に全ての原発が集中しています。
  嶺北の福井市には西川知事というのが住んで居るんですけど、
  私の住む大阪の高槻よりも、福井市は距離が高浜原発から遠いわけです。
  高浜原発に一番近くて人口が多いのは、京都と滋賀です。
  その京都と滋賀で、京都は地元、滋賀は地元という声が聞かれます。
  京都と滋賀が結びついて、京都の人が今、『若狭の家』という
  原発反対の拠点を作って運動をやっています。
  それで11月13日に、高浜原発仮処分で関電の異議申し立ての審尋が終わるんですけど
  (▽大飯・高浜原発仮処分福井支援の会
  http://adieunpp.com/karisasitome.html
  大飯は審尋が続行、高浜は異議審が続行、次回は11月13日に行われる予定)
  その日に向けて若狭の高浜から関電本店前に11月1日から2週間ほどかけて
  行進をやる予定になっています。
  関西では、高浜原発は止まっていますけど、9月6日にも全国集会があって
  若狭の原発、高浜を止めるために大きく運動を発展させようとしています。」

次に網野がスピーチしました。
網野「チラシの1ページ目にも入れておきましたけれども、現在今日時点
   原子力規制委員会の規制基準適合性審査に合格した原発は一基もありません。
   マスコミ報道で、川内原発合格、高浜原発合格、伊方原発合格と報道してますけど
   正確なところは、再稼働したと報道されている川内原発1号すら
   まだ規制基準適合性審査に合格しておりません。
   なぜマスコミが合格、合格とかき立てるのかは全く不可解ですが
   事実は申し上げた通りです。
   川内1号ですけれども、現在規制基準適合性審査全体の最終段階、
   使用前検査の、そのまた最終版の起動後検査中ですが
   まだ合格しておりません。」

てなことを喋っていると、職場からウン十kmの道のりを車でやってきた原田さんが現れました。
哲野「原田さん、良くこれたねえ。」
原田「今日はどうしてもねえ、顔を出したかったの。」
哲野「原田さん、スピーチ代わってよ」
原田「今日は準備がないからダメ」
ということで、しばらく網野がスピーチしていたのですが
坂元さんが、配布していた「福井地裁判決を読もう」というチラシを見て
哲野がマイクを代わってくれということで哲野が再びスピーチ。

哲野「現在、福井地裁判決を読もう、というチラシをお配りしております。
   実は、福井地裁判決の概要を今日、用意しております。
   頒価は100円です。
   是非、みなさん、買って読んで下さい。
   この概要はインターネットでも無料でダウンロードして読むことができますが
   その手間を考えれば、100円は安いと思います。
   というのは、この福井地裁判決というのは、裁判の判決ではありますが
   日本の歴史上、長く記憶されるであろう、歴史的な文書でもあります。
   また、たぐいまれに見る名文で、綴られてもおります。
   裁判の判決文という以上に、政治社会史に残る重要文書でもあります。
   この判決の中で、樋口英明裁判長は、実に単純明快に
   原発の再稼働が、日本国憲法の中で最も価値の高い人格権を侵害する
   恐れがある、と述べています。
   つまり、樋口裁判長は、原発の再稼働そのものが、
   憲法違反である、と明快に結論付けています。
   また、原発推進勢力の様々な主張をことごとく論破し、却けております。
   たとえば、原発はCO2を出さないが故にクリーンなエネルギーである、という主張に対しては
   ひとたび苛酷事故を起こせば、そこから放出される放射能は
   凄まじく環境を汚染するのであり、史上最大の公害というべきであって
   CO2を出さないからクリーンだというのは甚だしい筋違いである、と一蹴しておりますし
   また、原発を稼働させなければ日本の国富が流出するという主張に対しては
   発電のコストと人格権は決して同列に論じられないのであって
   人格権の方がはるかに上にある、と述べ、さらに
   『多額の貿易赤字が出たとしてもこれを国富の流失というべきではなく、
    豊かな国土とそこに国⺠が根を下ろして生活することが国富であり、
    これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である』
   と述べています。
   日本国憲法を守りきる、という一裁判官の堅い決意が窺える感動的な文書でもあります。
   みなさん、是非ご一読下さい。」

再び、マイクが網野に渡り、伊方原発の存在、またその危険についてスピーチしました。
網野「もし、伊方原発で苛酷事故が起こり、放射能放出という事態になれば
   私たち広島市民も避難しなければならない可能性があることを
   原子力規制委員会の放射性物質拡散シミュレーションは示しておりますし
   豊かな瀬戸内海の幸、牡蠣筏養殖は全滅という事態に至ることを
   どうかみなさん知って置いて下さい。
   私たちは同じ日本に暮らす、同じ広島に暮らす大事な一人一人です。
   放射能災害に、原発賛成も反対もありません。
   みんな等しく被災します。
   私たちの問題なのです。」

で、元安橋に帰ってきてデモ終了。
その後は前述のごとく、4人でおしゃべりしながら食事。
2時間があっと言う間に過ぎました。

ちなみにチラシは10部用意していたんですが、いつの間にかなくなっていました。
以上ご報告いたします。

広島2人デモ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/