プロフィール

コンテンツ

記事一覧

第142回広島2人デモ 2015年11月27日報告

みなさま

毎度お騒がせしております。
第142回広島2人デモ11月27日の報告です。

話の順序は逆になりますが、2人デモの翌日土曜日、
網野も哲野も参加している広島1万人委員会(http://hiroshima-net.org/yui/1man/)の
「伊方原発周知アンケート調査」の話から。

広島1万人委員会はここ約1年、月1回のペースで
広島の繁華街、本通りでアンケート調査をやってきました。

このアンケートは単純で、
伊方原発が広島市から一番近い原発であることを
「知っていた」・「知らなかった」を
シール貼りで答えてもらうスタイルです。

呼び込みも、「質問はたったの1問です」
「ご協力いただいた方にはささやかですがお菓子をひとつ、プレゼントします」
と、伊方原発に関するアンケートであることを知らせません。
質問もボードに近づかないと読めないように比較的小さな文字で表記して
遠くから伊方原発のアンケートであることをわからないようにしています。

伊方原発のことが広島の地方紙でも報道されるようになって
伊方原発の存在自体は以前に比べればよく知られるようになってきました
が、依然として広島からもっとも近い原発であることを
知っているひとはまだまだ少数です。

例えば、「伊方原発を知ってるだけじゃだめなの?」
ボードを持って立っている役目の哲野、
「残念ながら、それだけではダメで、広島から一番近い原発であることを
知ってるかどうかがこのアンケートのポイントなんです」
しかし、以前と比べれば、伊方原発が広島から最も近い原発であることを
知っている人もめっきり増えています。
もともと、広島市内で1万人委員会の広報デモで
伊方原発が再稼働します、と言ってみたところで
伊方原発がどこにあるのか、どんな原発なのか、
広島から最も近い原発であることなどを知らなければ
広島市民にとって伊方原発の存在そのものが他人事なのです。
ですから、周知・告知を兼ねてこのようなアンケートを継続している次第です。

昨日のアンケート調査のときです。
「知ってる」にシールを貼った女性に、哲野が「どうやってお知りになったんですか」と聞いたところ
その女性は「そんなことは、広島市民とすれば常識でしょ?
だって、広島市民にとっての大きな危険なんですもの」
チラシを女性に渡す役目の、広島1万人委員会の仲間の堀江さん、チラシを渡しながら
「そうでしょ!そんなのは常識なんですよね、広島市民としては!
ところがその常識が常識になってない。
だからこうやってアンケートをやって、協力していただいた方にチラシを配ってるんですよ。」
しばし、その女性と堀江さんの熱いトークが展開されました。

原発の問題にしても、被曝の問題にしても、
福島の問題にしても、多くの広島市民にとって自分のことではない、
他人事と言えば言い過ぎとすれば、少なくとも伊方原発や放射線被曝や
現在も放射能が出続けている福島第一原発の問題も
そこから避難してきている人達の問題も、
少なくとも自分自身の問題にはまだなっていない人が圧倒的に多いのが現状です

この現状を変えていくことが
私達の市民運動の大きな目標ということができると思います。

この日の広島2人デモのチラシも、そうした目的で作成したものですが
なかなかブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに掲載された
「たとえ外部被曝でも、低線量でも、長期間被曝し続ければ
過剰ながん死が発生する」という研究を
自分たちの身近な問題、フクシマ放射能危機に直面しているのは
何も福島県民だけではなくて、自分を含めた全ての日本の市民なのだ、
という実感にはなかなかほど遠いのが現状です。

基本的には私達の問題提示の仕方が、まだまだ未熟、
発展途上ということなのですが・・・・

この日も哲野と網野の正真正銘2人デモとなりました。

▽プラカード

▽第142回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20151127.pdf

▽タイトル
長期間低線量外部被曝は過剰ながん死を増大させる
フランス・イギリス・アメリカ3カ国 国際コンソーシアムの研究が意味するもの

▽トピック
根本的に見直しが必要なフクシマ放射能危機の被曝対策
「フクシマ放射能危機」に相対して、全面的にICRP勧告に依存する日本政府と原 子力規制委員会
被曝強制の日本政府“帰還政策”
「低線量被曝は害はない」は正しいのか?
外部被曝でも長期間低線量被曝は、確実に「固形がん」死を増大させるという研究
長期間外部被曝とがん死増大の意味するもの
外部被曝でも見直しが必要な現在の防護基準
仏、英、米の主要核産業機関や組織がデータ提供
この研究でわかったことと提起する問題(まとめ)
長期間低線量率被曝は、短時間高線量率被曝より危険-ペトカウ効果

▽研究原文(BMJ)
http://www.bmj.com/content/351/bmj.h5359

▽年末用イルミネーション仕様(サンフレッチェ祝優勝看板つき)になった本通り

集合場所に行ってみると、なんと警備の警察の人が先にきて私達を待っていました。
顔を合わせるなり
警察「失敗しました」
哲野「どうしたんです?」
警察「コート着てくればよかった。寒いです」
その通りなのです。この日は急激に気温が下がって広島市内でも初雪があったのだそうです。
哲野も網野もコートを着込んで完全に冬支度。
哲野「もう、これ、1年も終わりですよねえ。
   私、何やってきたんでしょうねえ、1年間・・・」
警察「それはみんなそうです。みんなそう思っていますよ」
あれよ、あれよという間に時間だけが経っていきます。

時間が来たので、出発し哲野のスピーチです。
哲野は、今日のチラシをかいつまんで説明するスピーチに徹しました。
途中、網野に交代、網野は右肩にスピーカーをしょって、右手にはプラカード
左手にマイクを持ってしゃべります。
哲野はプラカードとチラシくばり。

網野「ちょうど1ヶ月くらいまえに、イギリスの有名な医学学術誌
    ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに研究論文が掲載されました。
   この論文では、フランス、イギリス、アメリカの核産業労働者30万人以上を対象に
   約60年間の追跡調査を行った結果
   低線量の外部被曝でも、長期間の被曝であれば
   過剰な固形がん死が有意に発生した、という内容です。
   要は、100mSv以下の低線量外部被曝ですら、
   有意に過剰な固形がん死がでた、という内容です。
   これまでフクシマ放射能危機について、日本政府はなんと言ってきたか
   みなさん、ご存じでしょうか
   100mSv以下の低線量被曝では、健康に影響があるとは
   科学的に確認されていない、と言ってきました。
   これで済めばまだましですが、
   これがエスカレートして、例えば厚労省などは
   「100mSv以下では健康に害がない」と断言する始末ですし
   「基準値以下の食品はいくら食べても安全」と
   100mSv以下の被曝は事実上安全だというパンフレットもつくっているほどです。

   今回の研究はアメリカの疾病予防管理センターや
   日本の厚生労働省など、各国の公的機関が資金援助やデータ提供なども
   行っている、なかば公的な国際研究コンソーシアムの研究結果です。
   フクシマ放射能危機に対する日本政府の対応は、根本から見直さなくてはなりません。」

元安橋に帰ってデモ終了。
街の反応ですが、プラカードをみていく人が多かったです。
ただしチラシは、取りに来た人が1人だけでした。

以上ご報告いたします。