みなさま
毎度お騒がせしております。
第134回広島2人デモ 9月11日のご報告です。
今回も引き続き、川内原発1号の違法な再稼働にテーマをあてました。
いま考えてみると、2014年11月7日川内原発再稼働同意声明とされる
伊藤鹿児島県知事の記者会見、結構その後の原発推進勢力の
国民をダマしてでも再稼働に引きずり込んでいこうとする
様々なウソ、誤魔化し、詭弁、すり替えの手口が詰まっています。
そこで今回のチラシのサブテーマは
「伊藤鹿児島県知事、ウソと誤魔化しのデパート」と題する
チラシとなりました。
その後の展開を見ると、すでにこの手口は伊方原発再稼働へ向けて
さかんに使われております。
伊藤知事の記者会見を分析すれば、原発推進勢力の再稼働戦略が
ほぼ、輪郭をあらわしてきます。
企画会議の時に、これからのことを考えると
川内原発、違法な再稼働をしっかりやっておこう
問題をしっかり取り出して、検証しておこう、
という話になりました。
で、今回のチラシとなりました。
▽第134回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150911.pdf
▽タイトル
「しつこく繰り返しますが九電川内原発1号機再稼働は違法です」
▽トピック
1.伊藤鹿児島県知事記者会見、原発推進論者のごまかしと屁理屈のデパートぶり
2.「県民の生命」より「政府方針」優先の県知事
3.安倍内閣原子力防災会議の「確認・了承」を楯に、ベント時避難計画の“実効性”を主張
4.「避難計画に完全はない」に潜むトリック
5.原子力災害(放射能災害)の特殊性を無視する伊藤県知事
6.「5μSv」は普通に生活してても良いレベルか?
7.最も重要な「住民の理解」は果たされたのか?
8.すでに福井地裁判決で論破されている再稼働理由
9.原発30km圏自治体同意が「再稼働法的要件」の構図
10.「第5層」の目玉は自治体避難計画の実効性
11.再び、「30km圏自治体同意が原発再稼働の法的要件」
12.九州電力川内1号機の再稼働は9月10日であって8月11日ではない
13.徐々に地方レベルで着実に浸透している反原発の論理
【資料1】2014年5月21日 福井地裁判決 大飯原発3、4号機運転差止請求事件判決要旨 抜粋
【資料2】衆議院 原子力問題調査特別委員会2014年11月6日 菅直人議員 質疑抜粋
【資料3】2014年11月7日 鹿児島県知事 伊藤祐一郎氏 記者会見発言 抜粋
【資料4】福島第一原発事故発生から避難まで-初期の動き
▽本日のプラカード
今日は、Kさんが珍しく金曜日の休み。
ということで、哲野事務所でチラシ作りをお手伝い
一緒に集合場所に向かいました。
▽植え込みにたてたプラカード
▽デモ前の元安橋
▽原爆ドーム
今日は、チラシの話から。
10部しか、持って行かなかったのですが
今日チラシ撒きの名人、Kさんがいることをすっかり計算に入れていませんでした
哲野「あの~出発の時の、どうみても原発なんか興味のなさそうな中年の男性、
一生懸命チラシを読んでたけど、あれ、どうやって渡したの?」
Kさん「あの人ね、植え込みにたてたプラカード、じ~っと見てたのよ。
あ、これは興味ある人だなと思ったんで、よかったら見て下さいといって
渡したらすぐ受け取った。」
哲野「じゃ、出発前に渡したんだ。」
Kさん「そ。」
哲野「いや、しばらく読みながら一緒に歩いてたみたいになったから
いつ渡したのかと思って。」
今日は、哲野がほとんどスピーチ、Kさんがチラシ撒き。
哲野はチラシの様子がぜんぜんわかりません。
哲野「折り返しの時はもう無くなってたろ?」
Kさん「そうねえ。無くなってたよ」
哲野「どんな様子だったの?」
Kさん「プラカードじ~っと見てた人に、渡したんだけど
3人くらい、取りに来たわよ。
それから最後に渡した30歳代くらいのカップル、
奥さんのほうがじ~っと私の持ってたチラシを見てたので
どうぞ、と言って渡したの。
けっこう、プラカード見てた人、多かったからね、今日は。」
哲野「ふーん。ずっとスピーチしてたんで気がつかなかった」
網野「やっぱり、みんなどこかおかしいと思ってたのよね、きっと」
ということで、6時の音楽が鳴って出発です。
哲野「昨日、9月10日、原子力規制委員会は
新規制基準適合性審査の最終段階、使用前検査に
合格したとして、九州電力川内原発1号機の検査合格証を
交付しました。
この、合格証の写しと、定期検査修了証は、
今お配りしているチラシの最終頁にコピーを入れておきました。
九州電力川内原発1号機は、これで晴れて
規制基準適合性審査に合格、引き続きそのまま営業運転に入りました。
つまり、再稼働しました。
あれ、再稼働はもうしてたんじゃないの?と思われる方もあるかもしれませんが
8月11日は検査中の原子炉起動をしたにすぎず、
これを再稼働を呼ぶことはできません。
検査中、すなわち合格前に、再稼働することになるからです。
再稼働は、明白な、原子炉の使用です。
合格前に原子炉を使用することは原子炉等規制法違反になります。
ですから、法的には8月11日は再稼働ではありません。
検査のための原子炉起動です。
ところで、晴れて再稼働と申し上げましたが
これは、再稼働の法的要件のひとつ、すなわち規制基準適合性審査を
合格したという意味で、晴れて再稼働。
もう一つの法的要件、30km圏自治体・住民の同意は得ておりません。
ですから、現行原子力規制法体系の明々白々たる違反行為、
違法な再稼働なのです。
なぜこれが違法な再稼働になるのかは、結構ややこしい話になりますので
お配りしているチラシにその構図を説明しておきましたので
是非、ご覧下さい。
簡単にご説明すると、現在の原子力規制法体系は
国民の生命、健康、身体の保護をその目的の第一に掲げています。
ですから、国民の生命、健康、身体を損なう原発の運営は
全て法体系違反となります。
ところが、現行原子力規制法体系は、原発安全神話時代と違って
苛酷事故を起こすことが前提で規制行政が行われます。
現在の新規制基準も、つづめて言えば、原発の稼働によって
いかに住民の生命、健康、身体を損なわないかということが
全体の基調となっております。
原発は苛酷事故を起こす存在ですから、苛酷事故を起こしても
法体系上は住民の生命、健康、身体を損なってはなりません。
これが、見込まれるようであれば、法体系上原発の再稼働はできません。
それでは、苛酷事故を起こしつつ、
いかに住民の生命、健康、身体を損なわないか。
まるでアクロバットみたいなことをやるわけですが、
このアクロバットの仕掛けが、30km圏住民避難、
そしてそれを確かなものにするための避難計画です。
これ、法令上、義務付けられています。
原発の規制基準では、ことこまかな規則があって
その規則に基づいて、審査し、先ほども申し上げたように
合格証を出すわけですが、
避難及び避難計画、これは審査するしくみになっていません
極めておかしな事ですが、ポイントになる避難計画の
審査のしくみがなければ審査する国の行政機関も存在しないのです
じゃあ、何が決め手でこの避難計画で住民の生命、健康、身体を
損なわないという法的な保障ができるのでしょうか?
実際は、こんなもの、避難計画が実際に役に立つなどということは
ちょっと考えればありえないことがわかるんですが
話は、実際上のことではなく、法的な話です。
審査する仕組みがない避難計画が、
住民の生命、健康、身体を損なわない保障は
結局は30km圏自治体住民が、これでいい、これで大丈夫、
これで逃げられるときちっと言ってくれることが
唯一の法的保障になるわけです。
ですから、30km圏自治体住民のこれでいいという同意が
原発再稼働のもう一つの法的要件になる、というこういう仕組みです。
先日私、仲間と一緒に伊方原発の地元を訪れました。
その際、伊方原発から10~15km圏の八幡浜市も訪問しました。
市役所も訪れましたが、市民の方々とも色んなおしゃべりをしました。
そのとき年配のご婦人が、伊方原発が事故を起こしても
私は逃げない、いまさらこの歳になって、どこに逃げて暮らせば良いのよ
住み慣れた土地を離れて避難する気はまったくない、
ここで死にます、と言っておられました。
さて、伊方原発が苛酷事故を起こしたとしましょう。
破局的状況、たとえば原子炉格納容器が爆発して
中の放射性物質が全部飛び散る、という状況になれば
四国はもちろん、私たち広島市も全滅です。
全力を挙げてこの破局的状況だけは回避しなくてはなりません。
そのために、政府は四国電力に、福島原発事故の時と同様、
ベントを命じるでしょう。
ベントは、要するに、意図的な放射能放出ですから
これは人為的な行為です。
先ほどの年配のご婦人が、私は逃げませんよ、と
あらかじめ宣言しているわけですから
四国電力もそのことはよくわかっています。
それがわかっていて、意図的な放射能放出ができるでしょうか?
出来ません。
それは、申し上げたように、現行原子力規制法体系のもっとも根幹部分、
国民の生命、健康、身体を損なうからです。
明白に違法行為になるからです。
今は、一人の年配のご婦人ですが、
八幡浜市3万6000人がみんな揃って、私たちは逃げません、
どんなことがあっても、原発事故のベントによる避難はいたしません、
と宣言したらどうでしょうか?
四国電力はいかなる状態にあっても、人為的なベントはできない、
つまり、同意を得られませんから、法的要件を満たせず
再稼働できない、ということになります。
現行原子力規制法体系では
破局的状況を回避するためのベントは、必須の手段として位置付けています。
ベントなしには現行原子力規制法体系は、規制基準は、成立しません。
ですから、再稼働しようとすれば、
八幡浜市住民に、避難することを納得してもらわなければなりません。
避難に同意してもらわなければなりません。
現行原子力規制法体系をよくよく読んでみると
30km圏住民の再稼働への同意が法的要件となるわけですし
田中規制委員長も、何度も
「住民(国民)の皆様の理解、再稼働してよろしいという
ご理解が得られなければ、再稼働は難しいでしょうね」
と言っているわけです。
これはなにも、情緒的、倫理的な立場からの発言ではありません。
現行原子力規制法体系のしくみを、簡単に説明した発言です。
ですから、川内原発周辺30km圏自治体、9自治体の
全部の同意を取り付けていないままの再稼働は
現行原子力規制法体系では、違法な再稼働となります。
この法的なしくみは、
また、衆議院での原子力問題特別調査委員会での質疑などは、
今お配りしているチラシに出来るだけ詳しく掲載しておきましたので
是非、ご覧になってみてください。
今日は10部しか持ってきておりませんので
みなさんお読みになりたいかた全部に行き渡らないと思います
インターネットで広島2人デモで検索してみてください。
今日のチラシをPDFでご覧頂けます。」
折り返し地点まで来ると、なにやら、街頭宣伝をしているようで
大きな拡声器の声が聞こえます。
哲野「あれはなんじゃ?」
網野「連合広島の街宣みたいよ」
哲野「ぬぬ?連合広島」
▽これ
と言うなり、マイクに向かって
哲野「連合広島さん、あなた方は、原発に賛成ですか?反対ですか?
そのバカでかい街宣スピーカーでお答え下さい」
当然、彼らは無視。
哲野「お答えがありませんね。ありませんね。
市民の皆様、私が代わってお答えいたします。
連合広島は原発に賛成です。
傘下の組合に原発推進企業の労働組合を数多く抱えているからです。
労働者の権利を守る、誠に立派なことでございます。
しかし、労働者の権利を守る以前に、
私たち広島市民、国民の人格権を守りきる、という
労働組合であってほしいものです。
労働者の権利も、憲法で保障された、権利でありますが
人格権はそれよりさらに高い価値を持つ憲法上の規定です。」
で、しばらくしてチラシがなくなりました。
Kさんの仕事が無くなりました。
哲野「Kさんスピーチかわって。」
Kさん「こんばんは、広島2人デモです。
毎週金曜日、原発の廃止を訴えて歩いております。
みなさんに考えてほしいことがあります。
自分の命を犠牲にするとしたら、
誰のために犠牲にしますか?
それは正しいことですか?
原発が再稼働して、もしも大きな事故が起きたときに
一人一人の命をことを考えず
自分の利益や立場を考える人達のために
自分の命や生活を犠牲にすることができますか?
原発が再稼働すれば自分達の生活や命が
犠牲になるかもしれない危険にさらされる、
そういう可能性が増えるということです。
放射能はにおいがありません。
目に見えることも、触ることもできず
味もありません
細かい粒となって、空気に混ざり、水に混ざり
知らない間に自分の身体に摂り込まれて
自分の身体を蝕んでいくものです。
放射能災害はコントロールすることもできないのに
苛酷事故が起こることを前提に
再稼働を認めるのはおかしいと思います。
どうかお願いです
自分達の生活や命を犠牲にすることができるのか
もし事故が起きたときに逃げることが出来るのか
そういうことを考えて、今回の原発再稼働に疑問を持って下さい
宜しくお願いします」
次は網野です。
網野「・・・私たちの住む広島から一番近い原発は、
愛媛県にある四国電力の伊方原発です。
昨日、九州電力川内原発が再稼働しましたが、これは違法です。
これは法的要件を満たしていない再稼働です。
法的要件を満たしていない再稼働を認めてはいないんですが
なぜ強行を許す形になったのか、
今まで政府や、新聞マスコミ等は、いったいどういう風に言ってきたのか、
また、何を言っていなかったのか、
どんな法的要件があったのに、それを知らせてこなかったのかということを
チラシにしてまとめております。
広島の人間が、なんで川内原発を気にするんだ、というと
違法な原発再稼働までの手口が、私たちにとって非常に勉強になる。
というのは、広島から一番近い伊方原発も
どうも同じ手口を使って、法的要件を無視した根拠のない進め方
詐欺まがいの手口まで使われ、誘導されて進められているようなのです。
私たちは自分の身を守るため、自分の町を守るために
知っておく必要があるのではないかと思います。
もし伊方原発で苛酷事故が起こったら、広島市も避難しなければ
ならなくなるかもしれないという原子力規制委員会の
シミュレーションが出ております。
私たちも他人事ではございません。
原発の推進、反対は全く関係ありません。
どんな思想信条があろうとも、放射能災害はふりかかり
みんな同じように避難しなければならなくなる
これが放射能災害の恐ろしさです。
伊藤鹿児島県知事は原発事故が起こっても
すぐに自衛隊や警察が助けにきてくれるから大丈夫だと言いました。
広島の土砂災害を例に取られたんですけど、違いますよね。
放射能災害は自然災害とは違います。
何が違うか。
放射能が降り注ぐ、放射能災害です。
人が入れない。救助に行けない。
これは実際、福島原発事故でも起こりました。
これが本当の恐ろしさです。
こういったことが伏せられ、再稼働へ突き進んでいるのが現状です。
繰り返しますが、私どもも他人事ではありません。
自分の身を守るため、自分の町を守るために
こういったことをしっかり知って、
対処しておく必要があるのではないかと思います。
お騒がせしました、ありがとうございました。」
元安橋に帰ってデモ終了。
早々に3人で事務所に引き上げると、原田さんがやってきました。
原田「ほんとはねえ、今日も参加したかったんだけどねえ、間に合わなかった。」
4人でしばらく、川内原発再稼働と伊方原発再稼働の阻止で
何ができるか、何をすべきか、と大おしゃべり。
長い、長~い1日でした。
以上ご報告いたします。
広島2人デモ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/
▽町を歩いているときのプラカード
▽デモ中の本通りの様子