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広島2人デモのお知らせ


広島2人デモ、4月3日はお休みです
来週4月10日より再開します

広島2人デモ、しばらくお休みのお知らせ

広島2人デモ、しばらくお休みのお知らせ

毎度金曜お騒がせしております、広島2人デモですが
また3月末までお休みいたします。
(3月20日・27日)
4月初旬には再開したいと思っておりますが、少しずれる可能性もあります。
再開のお知らせは、またweb、メール、ツイッター等でお知らせします。

理由は生活費のためのお仕事です。
なるべく早く仕事を済ませ、帰ってきたいと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。

広島2人デモ
哲野イサク
網野沙羅

第 126 回広島 2 人デモ 2015年3月13日報告

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みなさま
(いくつかのメール・メーリングにお知らせします)

毎度毎週お騒がせいたします。
第126回広島2人デモ3月13日の報告です。

今回、例年通り3月11日特別デモをしたため
まる1週間、3月6日(金)、3月11日(水)のチラシ作りに追われ、大変な一週間でした。

3月13日のチラシテーマは、みたとたん、「これでいこう」と決めていました。
今審尋中の大飯・高浜原発運転差止仮処分命令申立事件で
債権者(申し立てをした市民グループ)が提出した第6準備書面のことです。

http://adieunpp.com/karisasitome.html

哲野「これは、面白い。すこぶるつきに面白い。」
網野「何が面白いの。」
哲野「いや、裁判の準備書面が、こんなに面白いとは。
   いやね、これね、読み物になってるのよ。
   裁判長の質問に答える形の準備書面なんだけど、
   関西電力のこれまでの手口、あるいは例の国会事故調の報告の中にあった『規制の虜』の具体例、
   それから、前からわからなかった東電福島第一原発の基準地震動対応補強工事の実情、
   これ、第2苛酷事故のことを考えると決定的に重要なデータなんだけど、これも書いてある。

   それから、悪質極まるのは、基準地震動だ。
   基準地震動の評価を上げれば、それに対応した耐震補強はやると思うよね、誰だって。
   ところが関電はそうじゃない。
   評価だけ上げておいて、これは最大裕度の範囲です、とうそぶいて、それに対応した耐震補強はしない。
   地元の人たちは、基準地震動が上がった、より安全性が増したとほっとするよね、そりゃ。
   ところが、関電は基準地震動が上がったことだけはバッチリ宣伝しておいて
   それに対応した耐震補強はいたしません、とは一言も言わない。
   これ、詐欺行為。
   
   僕が一番勉強になったのは、免震重要棟の重要性。
   新潟県の泉田知事が例の中越沖地震の時の柏崎刈羽原発の経験に学んで
   柏崎刈羽原発に免震重要棟をつくるように強硬に申し入れて実現したこと、
   これがきっかけになって東電福島第一原発に、免震重要棟が出来上がったのが、事故の8か月前。
   もし、福島事故の時、免震重要棟がなかったら、
   それこそ東日本全体が避難対象になってたかもしれない、という話。

   仮処分申立の結果がどうあれ、この第6準備書面を広く紹介しない手はない。
   もちろん、関係者や訳知りの人には常識のことばっかりなんだろうけど
   多くの人に是非知ってもらいたい。
   ま、とにかく面白いの一言よ。
   なんでもかんでも面白がるのは僕の悪い癖だけど」

ということで、第6準備書面紹介に焦点を当てたチラシを作ることになりました。

▼第126回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150313.pdf

▼タイトル
「大飯・高浜原発 運転差止命令仮処分申立事件
原発の息の根を止める歴史的宣言が、厳かに、今、日本から、出されようとしている…
市民運動の一打必殺パンチに、今やKO寸前の関西電力」

▼トピック
1.高浜原発運転差し止め仮処分命令は、3月中に・・・
2.とことん追い詰められる関西電力
3.「規制の虜」(国会事故調報告)の一端を説明する第6準備書面
4.福島第一原発の地震に対する脆さ
5.大飯・高浜原発基準地震動-ほとんど詐欺師に近い関電の振る舞い
6.関西電力はクリフエッジを引き上げるのか
7.免震重要棟がなぜ死活問題なのか
8.“免震重要棟なしに再稼働がみとめられるべきでない”

▼プラカード

平和公園元安橋東詰めの集合場所にいくと
じゃけえさんもちょうど到着。
警察の人を待っていると、遠くから「久しぶりです」と登場したのがSさん。
Sさん「こないだ来てみたんだけど、お休み中だったんですかね」
哲野「そう。1月終わりから2月は2週休んだのよ。
    こればっかりやってて、飯が食えなくなっちゃこまるからね」
Sさん「じゃあ、仕事もけっこう、忙しいんですね。」
哲野「いや、ま、そういえば聞こえはいいけど。
   本当は去年の年末までに片付けとかなきゃいけない仕事だったのよ。
   もうちょっと金になる仕事に身を入れないといけないんだけどね」
網野「しょうがないよね、金もうけに興味ないんだから。」
哲野「そういうことじゃないだろ。広島2人デモ、反原発運動、反被曝運動、
   これは一生の仕事である、と、こういうことじゃないか」
ということで、金もうけの下手なことを一生懸命合理化しておりました。

Sさん「今日はボク参加できないんですよ。次に仕事があって。
    どうしてるかと思って寄ってみだたけ。チラシください」
ということで、今日は3人で出発になりそうです。

警察の方が来たので、指令書の確認。
音楽を聞いて出発です。

▼今日の元安橋(もとやすばし)

▼建物補強工事中の原爆ドーム

▼プラカード表面


▼プラカード裏面

トップバッターはじゃけえさんです。

じゃけえ「毎度毎週お騒がせしております。
     毎週金曜日に歩いております広島2人デモです。
     今日で126回目になりました。

     今日のチラシのテーマは
    『大飯・高浜原発 運転差止命令仮処分申立事件
     原発の息の根を止める歴史的宣言が、
     厳かに、今、日本から、出されようとしている』です。

    どういうことかというと、大飯原発の再稼働は、
    250km圏住民の人格権を侵害する可能性があるということで
    昨年5月に、福井地裁から大飯原発運転差止判決が出ました。
    この裁判は、現在名古屋高裁金沢支部に舞台を移して係争中です。
    この判決が出たにもかかわらず、まだ確定していない、として
    関西電力は大飯原発の再稼働へ向けて準備を進めています。
    そこで、この裁判を起こした福井を中心とする市民たちは
    今度は大飯・高浜原発運転差止め仮処分命令申立をしました。

    この決定が出ると、関電は否応なく、大飯原発・高浜原発の再稼働ができなくなります。

    昨年出た福井地裁判決とどう違うかと言うと、
    今回は仮処分申立ですから、運転差止め仮処分命令が出ると
    この命令はただちに効力を持ちます。
    つまり、福井地裁判決のなりゆきがどうあれ、権利保全命令ですから
    原発を動かすことができなくなります。

    司法が現実に、原発の運転を差止めるケース、
    司法が現実に原発を止める、恐らく日本で最初のケースになるんじゃないでしょうか。

    この審尋が3月11日、福井地裁において行われ、決定は出ませんでしたが
    高浜原発については、恐らくは3月中に差止めの決定がでるのではないか、
    との期待が高まっています。
    また、大飯原発については、5月20日に次の審尋が行われることが決まりました。
    どうなるか、全く予断を許しませんが、高浜原発については
    今月中にも運転差止決定の出る公算が非常に高いのが現状です。」

じゃけえさんのスピーチ中に、仕事帰りの原田さんが参加。
哲野と一緒にチラシまきに回ります。
次に哲野がスピーチです。

哲野「いま、福井地裁で大飯高浜原発の運転差止仮処分命令出してちょうだいよ、と
   こういう裁判が行われております。
   これ、珍しい裁判でもなくて、昔マンションが建っちゃうと、陽が当たらなくなっちゃうと、
   これは日照権の侵害になると、現実にマンション建ち始めたよと、
   日照権侵害はまだ現実のものではないけれど、権利侵害は明らかなので
   裁判所にこの権利を保全してちょうだいと、
   そのためにはマンション建設を差し止める仮処分命令を出してください、と
   こういう裁判がよくありました。
   仕組みは全くこれと一緒です。
   今回の場合は、侵害される権利は大飯・高浜原発から250km圏住民の基本的人権、
   これ、人格権というんだそうですけど、権利侵害の恐れがあるのは関西電力よ、と
   こういう中身です。
   反原発の人たちが、この手法を使って原発運転仮処分命令を申し立てるケースは
   これまでも数多くありました。
   申し立てはこれまですべて却下となってきました。
   しかし、今回は福井地裁がこの申し立てを却下するのが非常に難しい状況、
   逆に言うと、日本で初めて、原発運転禁止の裁判所の仮処分命令が出る公算が非常に高い。
   というのは、申立側が使っている根拠、この根拠が他ならぬ福井地裁判決、
   昨年5月に出された、大飯原発の運転差止命令を出した福井地裁判決だからです。

   この判決では、大飯原発の運転(再稼働)は250km圏住民の人格権を侵害する
   現実的な危険性がある、ということで関西電力に運転差止を命じました。

   それと全く同じ論理構造で、今回仮処分命令申立が行われていますので
   逆に言うと福井地裁としては、この申し立てを認めざるを得ない、と、こういうことになります。

   オマケに担当する裁判長が、昨年福井地裁判決を出した、樋口英明裁判長ですから
   自分が出した判決と矛盾する決定を出すのがなかなか難しい。
   残る問題は、人格権侵害が緊急に保全しなければいけない権利なのかどうか、
   マンション建設とおなじように、日照権侵害が現実の保全を必要とするほど
   緊急なものなのかどうか、という点になります。
   この点も、今すでに高浜原発に限って言えば、原子力規制委員会から
   原子炉設置変更許可が出ていますので、マンション建設に例えれば
   もう計画中ではなくて、工事着工して半分くらいまで建っちゃいましたよと
   これは緊急に保全しなくてはいけませんね、とこういうことになる可能性が非常に高い。」

  「みなさん、これ非常に面白い裁判。
   というのは、訴えられているのは関電。
   中国電力の2.5倍くらいの売り上げを持つ、東電没落後、日本の電力会社のチャンピオンです。
   ボクシングに例えると、カシアス・クレイの3倍くらいの腕力を持つ巨大企業です。
   一方、訴えているのは、福井の市民たち、我々と全く変わらない、力も名声もない、普通の市民です。
   ボクシングに例えれば、蚊トンボ級のやせっぽちの無名の見るからに腕力のなさそうな、痩せこけたボクサーです。
   これがリングに上がって、さぁ勝負。
   結果を見るまでもなく、蚊トンボ級のボクサーが一発でノックアウトになるだろうことは明らかです。
   ところが今回はそうじゃない。
   蚊トンボ級のボクサーが繰り出した、必殺パンチが、関電の急所にヒット、
   もう、関電フラフラ、裁判官忌避とか、コーナー際に追い詰められている、
   いま10カウントアップ中です、カウントアップが始まったのが、2月半ばくらいからでしょうか、
   今現在、7、8、数えている感じでしょうか、10カウントで終了ゴングが鳴るのが3月末という見通しです。
   司法が現実に原発を止める、この歴史的な事件に、私たちは今、遭遇しようとしています。
   マスコミが騒がないので、みなさんピンと来ないかもしれませんが、
   現実にこの決定が下りれば、やっとマスコミもわかって大騒ぎ、となることは請け合いです。
   みなさん、大飯・高浜原発運転差止仮処分命令申立事件、
   この事件のことを頭に入れておいてください。」

次は原田さんです。

原田「みなさん、司法が現実に、即刻に原発を止める、このようなことが現実になる、
   その時が近づいてきています。
   関西電力高浜原発に運転差止めの仮処分命令が出される見通しとなっています。
   原発にもう未来はありません。
   原発を推進する人たちは、まだなお、原発再稼働を進めようとしていますが
   原発がもたらす放射能被害がどのようなものか、
   今から4年前の福島原発事故で私たちは思い知ったのではなかったでしょうか。
   原発に、未来はありません。
   事故を起こさなくても私たちの生活空間に大量の放射能を流している、
   その存在自体が私たちの生存権を脅かしているからです。」

最後に網野です。

網野「今日のチラシは、大飯・高浜原発 運転差止命令仮処分申立事件がテーマです。
    3月11日に第2回目の審尋がありましたけれど、結論から言って、
    高浜原発については審理終了、決定を3月末までに出す、
    大飯原発については5月20日に第3回目の審尋を行う、ということです。
    大飯原発と高浜原発の審理が分離された理由は、
    高浜原発には原子力規制委員会の原子炉設置変更許可が下りている、
    つまり保全の必要がある、それに対して、大飯原発については
    まだ規制委員会の審査が続行中であり、緊急に保全する必要があるかどうか
    これは双方の言い分を聞いて見なきゃ判断つかない、とこういうことだと思います。

    公算としては、高浜原発運転差止命令が出る可能性が、非常に強いという状況となりました。

    関西電力は事実上、自分の敗北を認めるような動きをしました。
    3人の裁判官の忌避申し立てを行いました。

    (3人の裁判官の忌避申し立ては3月13日に福井地裁で却下となりました。
     これを受けて関西電力は上級裁判所である名古屋高裁金沢支部に即時抗告。
     現在、金沢支部の決定待ち、という状況です。
     裁判に負けそうで、裁判官を忌避する、これがしょっちゅう認められると裁判が成り立ちません。
     ですから忌避申し立てが認められるのは、非常にまれなケースです。
     今回も、恐らくは金沢支部は却下するでしょう。
     言ってみれば、関西電力の時間稼ぎということになります。
     というのは、今のところ、裁判長の樋口英明氏が3月いっぱいで福井地裁異動となる見通しで
     4月になれば、新たな裁判長のもとでこの審理が進むことになるからです。)

忌避申し立てについて鹿島弁護士の見解
(大飯・高浜原発仮処分支援の会)

http://adieunpp.com/karisasitome/150313kihi_kasima.pdf

    今日のチラシはそれ以外に、審理の過程で出てきた準備書面の内容をかいつまんで
    みなさんにお伝えしております。

    例えばですね、関西電力の詐欺行為。
    原発の安全性というのは、日本においては地震に強いかどうかは外せないポイントです。
    これ、基準地震動といって、地震に対する耐震性の目安がきまっています。
    基準地震動が上がれば、当然、地震に対する抵抗力は強くなる、と考えるのが普通です。
    大飯・高浜原発も、現在の地震動は旧指針から新指針に変わるときに上げられました。
    耐震性が増した、ということです。
    ところが、基準地震動を上げるということと、それに対応した耐震補強工事をするということは
    別物だと関電は主張するのです。
    基準地震動は上げたけれど、耐震補強工事は必要ないというんです。
    しかも、地元の人たちには安全性が増したと宣伝しておいて、
    耐震補強工事はしませんとは一言もいわなかったのです。
    これって、詐欺ですよね。

    このチラシでは準備書面の内容をかいつまんでご紹介してますので
    是非目を通してください。

    お騒がせいたしました、ありがとうございました。」

元安橋に帰ってデモ終了。
翌日土曜日に、第60回伊方デモを予定しており、
そのチラシをつくろうということで、早々と全員で事務所に引き上げ
チラシ作りにとりかかりました。
それがこのチラシです。
伊方原発から大量に放出される、トリチウムに焦点を当てました。

http://hiroshima-net.org/yui/pdf/20150314.pdf

これもお目通しください。

以上ご報告いたします。   

第125回3.11特別版広島2人デモ 2015.3.11報告

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みなさま
(いくつかのメール・メーリングにお送りします)

毎度毎週お騒がせしておりますが
今週バタバタして3.11特別デモの報告が遅れました。
遅まきながら、ご報告いたします。

広島2人デモをはじめたのは2012年6月23日。
金曜日に歩くことにしてますが、3.11は特別ということで、2013年から必ず歩くことに決め、
2014年、2015年と今年で3回目になります。

問題は、広島のみなさんに、今年は何をポイントに訴えていくか。
同時に、これはチラシの企画でもあります。

哲野「思い切って引いて、遠景から見なきゃいけないよね。
   やっぱり全体を見回して、何が根本問題なのかをしっかり見据えることが今大事だと思うよ。」
網野「それは私も感じる。汚染水流出、作業員の方が生き埋めで亡くなる、
   K排水路から汚染水が流れた、3号機のガレキ撤去で放射性物質が飛散した、
   トリチウム水放出問題で福島の漁民の方々が反対している、
   避難している方々がなかなか戻れない、帰還を諦めた人もかなり出ている、
   そんなニュースが流れるたびに、世間があっちへワー、こっちへワーっと揺れる。
   これが今の実情じゃないか。」
哲野「マスコミにしてもそうだ。一時ぱったり止まっていた福島原発事故ものが
   3.11が近づくに従って記事量が増え、3.11が過ぎれば、またぱったり止まる。
   もう、マスコミ自体、3.11を季節もの扱い。
   広島では有名な「8.6もの(ハチロクもの)」というジャンルが出来上がってしまっているが
   福島原発事故もそろそろ「3.11もの(サンテンイチイチもの)」
   というジャンルになっちゃうんじゃないか。
   しかもほとんどが、美談か、お涙ちょうだいか、どっちかだ。
   だんだん、広島原爆に似てきたね。なかなか本質問題に行かない。
   だからやっぱり、不充分ではあるだろうけど、思い切って引いてみて、遠くから眺めてみて
   その中で個別の問題を見てみたいよね。」
網野「思い切って引いてみて、根幹の問題はなんだろうね」
哲野「やっぱり、事故が継続中だ、ということじゃないか。」
網野「継続中だということは、なぜ言えるか?」
哲野「そりゃ、福島原発敷地の外へ、放射能が出ている、
   しかも計り方によって色々だけども、法律が定めた放出量よりも、10倍の放射能が出ている。
   敷地外に流れている、これだろうね。
   法令が一定量の放射能を環境に放排出することを認めていること自体、おかしいんだけども
   その法令の10倍の放射能が今なおかつ、敷地外へ流れ出している、これがまず根幹だろう。

   次に、原子炉内の剥き出しになった大量の放射性物質、これがいつ、なんのきっかけで
   現実的には地震だろうと思うけども、一斉に飛び出してくるか、
   誰も絶対大丈夫だと言えない状態にある、これが2番目だよね。

   3番目は、日本の法律で、具体的には原子力災害対策基本法だけども、
   こういう事態には、日本の国力を挙げて事故終息に向かいなさい、と書いてある。
   そのためには、内閣総理大臣、国の最高権力者にあらゆる権限を集中して
   事故終息に当たれと、そう読めるように書いてある。
   現状、そうなってない。
   内閣総理大臣は、原子力緊急事態宣言中、原子力災害対策本部長として
   全力を挙げて事故解消に取り組め、と読めるように書いてある。
   言ってしまえば、国家の一大事だからね。
   ところが現状そうなってない。
   原子力災害対策本部は、いまや開店休業状態。
   マスコミは福島原発事故を過去の出来事として扱いはじめている。
   大きく引いてみると、これが根幹の問題のように僕は見える。」
網野「私らド素人ですら、そう思うのに。専門家はそれに気が付かないんだろうか。」
哲野「いや、なかなか、どうして、僕らが気が付くんだから、彼らが気が付かないはずがない。」
網野「どうしてそう言えるの?」
哲野「特定原子力施設監視評価検討会ってのがあるだろ。
   もう、32~3回くらい開いてるけど。
   特定原子力施設っていうけど、中身は事故を起こした東電福島第一原発だけ。
   この会合をず~っと読んでると、ポロポロっとその懸念を出席した人が出してる。
   それで僕も、あ、そうなのかと教えられたわけだ。教えてくれたのは彼らだよ。
   ただ、声高に大声では言わない。
   ひとつには、政治的配慮があるんだろうね。そんなこと言えば帰還政策は空中分解だし。
   東京オリンピックなんざ、とんでもないって話になる。
   だから、大声で言わない。専門家同士で話あって、なんか解決策を見つけようと、こういう事だと思うよ。」
網野「つんぼ桟敷に置かれてるのね、わたしらは。」
哲野「ま、言ってしまえばそうだ。
   しかしそれでいいわきゃない。最も肝心な我々が知らない、これが最大の問題ともいえる。
   彼らが上手く処理してくれてるんだったら、それも一方法かなと思う。
   しかし、明らかに事態は悪化してる。
   もう、黙ってちゃいけないんじゃないか。」
網野「でも広島の一介の市民が、何言ったってどうしようもないという考え方もあるよね。」
哲野「そりゃそうだよ。だからといって、黙っていようってなるか?」
網野「ならんなぁ。」
哲野「だろ?今回のチラシのテーマはこれだなぁ」

ということで、極めて不十分ながら、この大テーマに取り組んだのが以下のチラシです。

▼第125回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150311.pdf
▼タイトル

「福島第一原発は今⑧
福島原発事故は継続中、廃炉のメド立たず」

▼トピック
1.福島第一原発による原子力緊急事態宣言と特定原子力施設の意味
2.福島原発 第2過酷事故の危険は全く去っていない
3.やっと見えてきた中期的全体観-リスクだらけの敷地内
4.全体が放射性廃棄物置き場と化している敷地内
5.3号機ガレキ撤去に伴う放射性物質拡散事件
6.2015年2月に明らかになったK排水路汚染水流出事件
7.海水配管トレンチ汚染水問題とは
8.あくまで凍土壁遮水工法に固執する東電・鹿島の320億円
10.本来の強力な権限を使おうとしない原子力災害対策本部長(内閣総理大臣)

ちょっと先走りますけども、例によってチラシページビューのアクセス数を見てみて、
哲野の目が点になりました。
3月11日水曜日のページビューが8,014。
哲野「なんじゃこりゃ?」
網野「3.11チラシのページビューの数だけど。」
哲野「ほお・・・!」
網野「やっぱり、全体観を眺めてみたいと思う人は多いってことだね」
翌、3月12日の同じく3.11チラシのページビューは8,834。
通常、チラシをアップロードした時に、ページビューがわっと上がり、なだらかに下がっていくものですが
このチラシに限っては、2日目のほうが上がっているという現象になりました。
3日目の3月13日は1,284、3月14日は1,953。
4日間合計で20,085。
ひとつのチラシのページビューが、2万を超えたのは初めてです。
やっぱり関心が高い、ということだと思います。
そういえば今日(14日土曜日)、タバコを買いに行ったお店のママさんが、
「私最近思うけど、原発とか、被曝とか、そういう問題に対する関心は高まってると思うよ、前に比べて」
と言っていたのを思い出します。

前置きが長くなりました。

集合場所に到着してみると、じゃけえさんと原田さんがもう来ていました。
哲野「原田さん、良くこの時間帯に間に合いましたね。」
原田「もう、私は今日、これだけ。仕事は今日は欠勤届を出したの。」
なかなか見上げた根性です。
警察「今日は他にデモがあります。一部コースが重なってますけど
   時間帯がずれているので大丈夫とは思いますが、」
   もし、出会ったら、トラブルのないようにお願いします。」
哲野「え?何のデモがあるの?」
網野「原発反対の3.11デモがあるのよ。
   ほら、原爆ドーム前、もう集まってるよ。」
哲野「去年は3.11はなくて、人の集まりやすい土日じゃなかったっけ?」
網野「うん。でも今年は3.11にやることに決めたようだね。」
哲野「そうかぁ。そうだよなぁ。
   やっぱり、3.11にやってこそ、意味があるもんなぁ。
   本来は3.11は、国民の追悼日に、喪に服す日じゃないといけない。
   休日にしなきゃいけない。
   国民全体が3.11をしっかり考える日にしなきゃいけない。
   やっぱり3.11にやってこそ、意味があるよね。」

警備の警察の方と指令書の確認をして出発です。

▼今日のプラカードは3本、6枚です。

▼植え込みに立てた3本のプラカード

▼出発前の元安橋。晴れた日の美しい夕方でした。

たった4人なのにスピーカーを持って、チラシまきをやって、プラカード3本をどう持つか。
網野がいつものとおり、スピーカーを抱え、プラカード2本、
スピーチをする人間がプラカードを持ちながらスピーチをすると決めました。

トップバッターはじゃけえさんです。

じゃけえ「ご通行中のみなさま、商店街のみなさま、毎度お騒がせしております。
     毎週金曜日に歩いている、広島2人デモです。
     今日は3月11日ということで、3.11特別版広島2人デモを行っております。

     2011年3月11日から今日で4年経ちました。
     東日本大震災が起きた日でもありますが、福島第一原発事故が起きた日でもあります。
     そして、福島原発事故は今も継続中です。
     原子力緊急事態宣言は2011年3月11日に発令され、今も解除されていません。
     日本は今も、原子力緊急事態宣言下にあります。

     福島事故は継続中なのに、3.11を忘れないとか、追悼するとかいうのには
     少し違和感を覚えます。」

▼出発前に撮影しましたが、広島平和公園の雁木(原爆ドーム対岸)で行われていた
 東日本大震災の追悼イベントの様子。

じゃけえ「地震や津波は確かに大きな災害でした。
     その出来事は、大きな爪痕を残し、問題解決に当たらなければならないことは事実ですが
     地震や津波そのものは、4年前の出来事です。
     しかし、福島原発事故は、4年前に発生し、現在進行形の出来事です。

     時間の経過とともに、福島原発事故の放射能の影響は、
     薄れていくと思っておられると思いますが、実態的にはその真逆です。
     環境に対する放射能の影響はますます悪化の一途を辿っています。

     原発事故は終息するどころか、第二の苛酷事故の危険をはらんだままです。
     第二の苛酷事故が起れば、日本の国土の半分に人が住めなくなる、そういう事故です。
     事故発生当時も、最悪の事態であれば、東京首都圏を含んで
     東日本に人が住めない状態になっていたかもしれない、
     いまもなお、その状態になる危険性をはらんだまま、の状態です。

     原子炉内にはまだ大量に核燃料が残っています。取り出せない状態にあります。
     なぜ取り出せないのかと言うと、放射線量が高すぎて、誰も近づけないのです。
     原子炉建屋が壊れてしまえば、中に残っている大量の放射能は
     外気に飛び出してしまします。

     今日は3月11日です。
     福島原発事故が起って4年目です。事故は継続中です。」

プラカードを見る人は多かったように思います。
中には怪訝な顔で見る人もあります。
中には、立ち止まって食い入るように見るおばあちゃんもいました。

次に、原田さんです。

原田「今日は3月11日です。
   4年前の3月11日、同じ日に、日本で2つの大きな事件が起きました。
   ひとつは東日本大震災です。
   地震と津波で多くの方の命が失われました。
   もう一つは福島原発事故です。
   人によって、様々な意味を持っている日だと思います。

   この大災害から受けた喪失感、特に直接被害に遭われた方々の喪失感は
   4年では癒されないと思います。

   今私たちにとって大切なことは、この大災害から学ぶことだと思います。
   学ぶことのなかで大切なことは、いかに災害を避けるか、だと思います。

   地震は地球の動きです。人間がコントロールできるものではありません。
   地震の発生に対して、あらゆることを想定して準備をしておく、
   これ以上に出来ることはありません。これ以外に避けることはできません。

   しかし、原発事故による放射能災害は違います。100%人災です。
   自然災害を受けた方は被災者ですが、原発による放射能災害を受けた方は被害者です。
   原発による放射能災害が、人災である以上、これは人間がコントロールできます。
   避ける方法は、あるということです。

   地震の巣のような日本列島の上に、たくさんの原発が運転稼働している状況を
   心配していた人たちは、福島原発事故前からたくさんいました。
   日本は地震列島であること、原発がどんなものであるか、良く知っている人たちは
   このような原発事故が起るであろうことを、予想していました。

   原発事故そのものは、福島事故前から、色々ありました。
   その日本で最初の原発苛酷事故は、福島で起りました。

   福島原発事故は、東日本大震災による地震と津波で原因のように見えます。
   現象面から見ればその通りです。
   しかし、よくよく調べて見て、また、国会事故調報告など読んでみると、
   東日本大震災による地震と津波はひとつの偶然のきっかけにすぎなかったことがわかります。
   言い換えれば、福島原発事故のような苛酷事故は、どの原発にも起り得るということです。
   次の原発苛酷事故がこの広島を襲う可能性もあるということです。

   広島から一番近い原発、わずか100kmしか離れていない伊方原発、
   伊藤園の伊に、方向の方と書いて、『いかた』と読みます、
   この存在をご存知でしょうか?

   原発事故による放射能災害を避けるためには、どうしたらいいか。
   これは私たち広島市民にとってみれば、伊方原発による放射能災害を避けるには
   どうしたらいいかという問題になります。
   原発事故が、人災である以上、原発事故を避ける方法はあるはずです。
   それは伊方原発の再稼働をしないことだと私は思います。」

原田さんのスピーチの最中に、少し年配の男性がチラシまきをしている哲野と並んで歩き始めました。
少し、お酒が入っているようです。
哲野に、さかんに何か話かけます。
酔っぱらっているので、意味がとれません。
哲野「一緒に、歩いてくれているんですか?」
男性「そうよ!そうよ!僕はあんたと一緒に歩いてるよ!」
哲野「ありがとうございます。原発に反対ですか?」
男性「そうよ!僕は、反対よ!あんなものは、潰してしまわなきゃいかん!」
哲野「僕もそう思います。」
しばらく、哲野にさかんに話しかけていましたが、そのうち
男性「頑張ってよ!頑張ってよ!」
と声をかけながら立ち去っていかれました。
今日の参加者はこの男性を含めて、5人になるのでしょうか?

次に哲野です。

哲野のスピーチは今日は音声ファイルで報告いたします。
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150311_tetuno.mp3

哲野のスピーチ中、あたりは少し静まりました。
また、修学旅行中らしい、高校生の団体がちょうど本通りをあるいていて
何人かの生徒さんが、原田さんにチラシを求めてきました。

次は網野です。

網野「今日は、3.11なので特別に歩かせていただいております。
   商店街の皆さま、ご通行中の皆さま、少々お騒がせします。申し訳ございません。

   福島第一原発敷地からは、放射能が、法外な放射能がいまも出続けています。
   新聞テレビが騒がないので、汚染水ばっかり騒いでいるので、
   もう大丈夫なんでしょ、もう終わったんでしょ、と思っている方、結構多いと思います。
   これは見方にもよるんですが、悪化してるという言い方もまた成り立ちます。
   悪化してるというと、さっきネクタイを締めたビジネスマン風の方が変な顔をしてこちらを見てました。
   なにを馬鹿なことをいうとるんや、4号機のプールから燃料は全部取りだしたじゃろ、
   原子炉建屋にはカバーもしとるじゃろ、順調にいっとるじゃないかと。
   そんな顔をされてました。
   確かに、4号機プールから燃料取り出したと、これは大きな前進です。
   というのは、まず、燃料を取り出すこと、そしてこれを安全に密閉隔離すること、
   これが廃炉工程の第一期ですから、その意味では喜ばしい事なんです。
   それは間違いありません。
   4号機プールから燃料を取り出したのは、核燃料が健全だったからです。
   1~3号炉、1~3号炉のプール、ここから核燃料を取り出すのは、大仕事です。
   メドも立っていません。
   今お配りしているチラシの中に原子力規制庁がまとめた中期マップを掲載してます。
   これ、経産省がつくったいい加減な廃止措置に向けたロードマップとは違って
   かなり、現実味のあるマップです。4号機プールからの取り出しは、これに照らしてみれば
   長い長い第1期工程のほんの手始めにすぎません。

   悪化してるというのは、敷地境界線の放射線量が上がっている。
   なぜ上がっているのかというと、敷地内に置かれている低レベルから高レベルまでの放射性廃棄物が
   杜撰に、野積みになっているからです。
   東電は、カバーをかけているとか、箱にいれているとか、言っていますけれど
   本来はキチンと密閉管理しなければいけないようなシロモノです。
   汚染水タンクだって、屋外にそのまま設置なんて、本来ありえません。
   雨風をよける、屋内管理にすべきなんです。
   鉄板一枚ですよ、あのタンク。
   汚染水といっても、中には放射能そのものといっていいくらい、高濃度の汚染水もあります。
   こんなもの、戸外に置くようなものではありません。
   
   本来なら、国が先頭に立って、国費を、惜しみなく使って、
   この状態を解消する、こうしなければなりません。

   今日は、3月11日、4年前に東北大震災が発生した日でもありますが、
   福島原発事故が起った日でもあります。
   そしてこの日、福島第一原発事故による放射能のため、
   原子力緊急事態宣言が、あ、もうすぐですね、午後7時3分に発令されました。
   もうすぐ、7時3分になります。
   これ、いまだに解除されていません。
   いま、日本は、原子力緊急事態宣言中、言ってみれば非常事態継続中です。
   これ、みなさん、どうか忘れないようにしてください。
   忘れるも忘れないも、いまはじめて知ったと言う方もいらっしゃると思います。
   はじめて知った方はその意味をじっくり考えてみてください。

   私たちが、しっかり、監視しておかないと、安倍さんは、あの~首相の安倍さんのことですけど
   ぜんぜん仕事をしません。
   仕事しないどころか、しなくてもいいことばっかり、約束破りなことばっかりしてます。
   私たちが安倍さんに仕事させなければ、福島原発事故はいつまで経っても終わりません。
   安倍さんが出来ないなら、クビにすべきなんですけどね。

   私たちが現状をしっかり知っておくこと、これが安倍さんに仕事をさせるキーポイントです。
   私たちがつくったチラシを、そのための材料の一つに使っていただければ幸いです。

   福島原発が第二苛酷事故を起こす可能性はない、と誰も断言できない状態で
   政府の政策として、福島の人を戻す、というのは、それはないと思います。
   戻る戻らないは、本人の判断です。
   正しい判断のできる、情報を伝えなければなりません。
   だから、苛酷事故の危険はあるけども、それでも戻る、というのであれば
   それは私たちがとやかく言う問題ではありません。
   ですが、そうではなくて、どんな危険がこれからあり得るかと言う事を言わないで
   帰還政策を採るのであれば、それは一種の騙しだと思います。
   
   お騒がせいたしました、ありがとうございました。」

元安橋に戻ってデモ終了。
その後、4人でお茶会となりました。
チラシは15部刷って、残りは1部。
ほとんど取りに来た人でした。

なお、3月13日(金)の第126回デモの報告は近々ご報告します。

以上ご報告いたします。

第126回広島2人デモ 3月13日お知らせ

ファイル 399-1.jpgファイル 399-2.jpgファイル 399-3.jpgファイル 399-4.jpg

みなさま

毎度お騒がせします。
第126回広島2人デモ 3月13日のお知らせです。
いつも通り18時から本通り・金座街を往復します。
チラシができました。
宜しければご覧ください。

▼第126回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150313.pdf

▼タイトル
「大飯・高浜原発 運転差止命令仮処分申立事件
原発の息の根を止める歴史的宣言が、厳かに、今、日本から、出されようとしている…
市民運動の一打必殺パンチに、今やKO寸前の関西電力」

▼トピック
1.高浜原発運転差し止め仮処分命令は、3月中に・・・
2.とことん追い詰められる関西電力
3.「規制の虜」(国会事故調報告)の一端を説明する第6準備書面
4.福島第一原発の地震に対する脆さ
5.大飯・高浜原発基準地震動-ほとんど詐欺師に近い関電の振る舞い
6.関西電力はクリフエッジを引き上げるのか
7.免震重要棟がなぜ死活問題なのか
8.“免震重要棟なしに再稼働がみとめられるべきでない”

先日3月11日に行われた、大飯・高浜原発運転差止め仮処分命令申立
第2回審尋に提出された申立人側の第6準備書面を中心にまとめてみました。

なおチラシには間に合いませんでしたが
昨晩、関電側の裁判所提出資料も
申立人側のwebサイトに掲載されたようです。
是非原文を一読されることをお奨めします。
http://adieunpp.com/karisasitome.html

では本日も歩いて参ります。