記事一覧

第70回広島2人デモ 10月18日報告

ファイル 211-1.jpgファイル 211-2.jpg

みなさま

だいぶ遅くなりましたが、10月18日に行った
第70回広島2人デモの報告です

▽チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20131018_A4.pdf

秋になって年末に向け、仕事が忙しい時期になりました。
ということで、久しぶりにほぼ40分間、たった2人のデモと相成りました。
後でKさんと原田さんが合流して4人になりました。

これはこれで楽しく歩きました。
というのも、たった2人ですから、チンドン屋状態です。
観光に来ているらしきアジア人グループの人が珍しそうに振り返りながら見たり
周りの人も気にはなるのか、見たりしてましたし
プラカードは相かわらず注目度は高かったです。

いつもながらの威圧感ゼロのデモを通り越して、ユーモア感まで漂ったようで
視線はなかなかに温かいものでした。

それに、このチンドン屋ぶりにも関わらず
全く気にせずチラシを取りに来た人が4人もいました。
最初に取りに来た男性は「私も反対です。頑張ってください!」と衆目の中、大きな声を掛けられました。

折り返して4分の3が済んだところで
Kさんが合流、チラシ撒きに回ってくれました。
そしてしばらくして終わりかけに原田さんも参加。

スピーチは哲野と網野だけ。
哲野がチラシを説明する形でした。
詳しくは全文をご覧ください。

網野は「安全審査ではありません!みなさん騙されないでください」と
しつこくスピーチをしました。
また、放射能の危険性をスピーチしようと
「放射能は重金属の毒物です・・・」とスピーチしましたが
あとで哲野に
哲野「あのスピーチ、マズイよ。正確ではない。
    重金属も危険だけど、それよりもはるかに放射能の毒性の方が強いし
    重金属の毒性だけを言うと、推進派は答えを用意している」
網野「え?そうなの」
哲野「重金属はすべてが悪いわけではない、とね。」
網野「あ、そうか」
哲野「重金属はそれ自体、放射能を持ってなければ、細胞を単独で傷つけないが
    放射能を持った重金属は単独で細胞を破壊する
    それが一番危険でそこがポイントなんだ」

ということで哲野に注意を受けました。
以上簡単ですが、報告いたします。
チラシは20部近く売れました。

▽以下全文スピーチ

◆哲野

金曜日のお勤め帰りの所をお邪魔します。
毎週金曜日のこの時間、本通りをいったりきたりして
原発や放射能についてお知らせしたいことを知らせて歩く広島2人デモです。

広島2人デモですので、現在2人で歩いております。

福島原発事故から2年7か月経ちました。
福島現地で政府は避難区域と言う言葉を使っていません。
帰還困難区域 被曝線量が年間50mSv以上になって恐らく人間が済むことが出来ない区域
居住制限区域 被曝線量が年間20mSv以上で人が住むことができないが10数年以上の単位でもしかしたら戻って住めるように

なるかもしれない
避難指示解除準備区域 今現在は20mSvだけど下がるだろう、その時には避難を解除するので準備しておきなさい

ごたごたと飾った言葉を取り払ってみると政府は20mSvを避難の基準としているようです
1年間で被曝するか、1年以内で20mSvに達するという予想被曝線量です。

どう求めるのかというと元になってるのは空間線量率です。
空間線量率は一定空間における1時間あたりのガンマ線の量です。

本来物理量を表す1Gyを使うのですが便宜上1Svと表示しています。
地表面から1mが標準の計測地点としています。
ですから空間線量率に基づく被曝線量というのは
外部被曝だけを問題にしていることを頭に入れておいてください。

なぜ外部被曝だけ問題にすればいいのかというと
政府の考え方は外部被曝も内部被曝のリスクも同じである、
だから被曝線量だけを問題にすればいいのだ、とこういう考え方をしています。

旧ソ連、ウクライナのチェルノブイリで大きな放射能事故がおこりました。
現在のウクライナ、ベラルーシ、南ロシア
大量の人が放射線を逃れて強制避難、強制移住をさせらせました。
その時の避難基準は今の単位概念に直すと5mSvでした。

チェルノブイリ事故の避難基準が5mSvで福島事故が20mSvなのか
日本人が4倍放射線に強いのか?そんなことはありません。
この理由は難しく考えることはありません。
人間を避難させる、移住させるということは非常に社会的なコストがかかることです。
生活の拠点そのものを動かすわけですから
その費用は莫大なものになります。
チェルノブイリ事故の時にソ連政府は収束のために厖大な費用を出さざるを得ませんでした。
旧ソ連の崩壊の理由のひとつがチェルノブイリ事故での費用負担だったという説がありますし
恐らく当たっていると思います。

原発事故で社会的なコストを抑えるためには避難する人を少なくする必要があります。
避難をする、一時移転をする人たちを抑えるほどコストは安く済みます。
国際的に原発を推進する人たちはチェルノブイリの経験を見て避難基準を上げないといけない
社会的に大きな損害を被ることになる、この考え方が2007年ICRP勧告の中に盛り込まれました。

一般に放射能の1年間の許容線量は1mSv、これが国際的な常識になっています。
1mSvでは事故が起こった時に厖大な人間を・・・・
0.2μSv/hくらいになりますからフクシマ事故で言えば
福島県全域、茨城県、宮城県南部、150万から200万人くらいの人を避難させなければいけなくなります。
従って避難をさせるひとは少ないほどいいということで
2007年のICRP勧告では3つの被爆状況を設定しました。

緊急時被曝状況
これは大量の放射能が放出されて多くの人が被曝している状況
現存被曝状況
まだ放射能が出続けていますが大量放出期が終わり1mSvになるまで
計画被曝状況
原発や核施設は必ず放射能を出します。
例えば広島県から最も近い伊方原発は1年間に50兆ベクレル瀬戸内海に流しています。
こうしたデータは原子力安全基盤機構という政府の一つの機関が
原子力運転管理年報というのを出していますがこの中に詳しく書かれています。
ですから事故がなくても原発核施設からは放射能が出ている、これはある程度計算ができる、
ということで3つの被曝状況を考え出しました。

福島のように大事故が起こったら普通じゃない、
緊急時だから上限を高くしてもいいんだ
こういう時は緊急時だからやむをえないという考え方を出しました。
緊急時は20mSvから100mSvの間で選びなさいと
この間はバンドと呼ばれていますが、日本は20mSvを選びました。
学者の中には100mSvを選んでも良かったんだ20mSvを選んだのは間違いだったんだ
国際的に認められているんだからと言う学者もいます。
これが20mSvを選んだ理由です。

しかしみなさん考えてください。

通常1mSvだったものが事故になったら20mSvにしてもOKよと言われても
私たちが放射能に対して20倍強くなるわけではありません。
放射能の影響は個人差があって1mSvでも危険な人は結構います。
放射線被曝は決して被曝の平均値が求められないのが大きな特徴です。
なかなか広島には伝わってきませんけど
福島から避難できていないひとたち
避難されていない人たちの中には
長期的に見て健康損傷をする人がたくさん出てくると思います。

日本政府が国民の健康を害するような政策をするわけがない
日本政府は国民の健康を守ってくれているはずだと
考えている人も多いとおもいます。
しかしそうではありません。

現在の日本政府だけでなく政府というものは国民を消耗品扱いにしてきたという歴史があります。
民主主義だ選挙だと言われても、国民を消耗品扱いし、
税金を取り立てる対象としてしか見ていない政府は
歴史上珍しくありません。

福島原発事故の時の政府や現在の安倍政権もそういう政府だと思います。

こういう政府に対抗するには私たちが一人一人勉強し研究し
政府のこうしたまやかしに対して対抗していくということしか
自分の身を守れないと思います。

今現在、日本では一基も原発は稼働していません。
日本全体で福島原発事故前は54基の商業用発電原子炉がありました。
フクシマ事故で1号から4号機が廃炉になりましたので50機になりました。
福島原発5号機と6号機はもう使わないことが決まっていますので
近いうちに日本の原子炉は48と言う事になります。

いま中国電力の島根原発3号機が事実上完成していますので
もしこれが稼働すれば51になりますが
まだ許可をとっていませんのでまだ建設中ということになっています。

日本全国で商業用原子炉はいま一基も動いていません。
9月15日に大飯原発4号機が止まりましたので一基も動いていません。

原子力規制委員会は原発を再稼働させるための規制基準を作り施行しました。
規制基準適合性審査を受け政府の政治判断を経て再稼働になります。
現在時点で5電力会社14原子炉が審査申請をしています。

7月8日に施行された規制基準で原子力規制委員会は急ピッチで規制基準適合性審査を進めています。
今日10月18日ですけども審査会合はもう35回を重ねています。
平均しますと2日に1度開く急ピッチです。

10月16日、第33回の審査会合だったと思いますが規制委員会は
規制項目について必要な書類提出状況を発表しました。

大きくは27項目あります。
この項目の中に核テロ対策の項目は含まれていません。
核テロ対策の項目は公表されていません。

現在最も審査が進んでいるのは四国電力伊方原発3号機ですが
これも27項目中、提出済みとされた書類は10項目しかありません。
関電の高浜原発にいたっては3つです。
各電力会社が要求された書類を一度も出してないと言う事ではありません。
書類をだしたけど中身がいいかげん
中身が規制基準や規制項目を満たしてないとか
批判されて取り下げになったりやり直しなったりするケースがほとんどです。
書類がでてないと審査自体が進みません。

恐らく各電力会社がこうした書類を12月末になってだしてもそれから審査が始まるので
恐らく今年中に審査が合格する原発はひとつもないということになります。
恐らく審査が終了するのは早くても来年の1・2月くらいになるのではないかと思います。

その間日本の原発は一基も稼働しません。
これは電力業界にとっては困った状況です。
電気がたりないとか赤字になるとかそういうことではありません。
原発のない日本で全く影響がないことがみんなの前に明らかになる
つまり原発は必要がないんだということがみんなの前に明らかになるのが
原発を推進したい人にとって都合が悪い
一刻も早く稼働したい
一刻も早く審査を済ませたいとこういうことになるわけですが
実際には電力会社側が充分な書類を出していない
規制委側が納得するような中身のある書類をだしていない
そのために適合性審査が遅れている、それが現実の姿のようです

例えば関電は一刻も早く原発を稼働させたい
今年の年次計画にも原発稼働を盛り込んだ予算書を出しています。
原発を稼働させないと赤字幅はどんどん大きくなる、こういう事を言っています。
しかし、その関電も規制委員会が要求するような書類を出していない。
なぜこういうことになるのか
規制委員会の議事録を読んでみると、電力会社側が古い原発安全神話に基づいた態度を変えていない
言い換えれば、原子力規制委員会をなめている、甘く見ている
そのために作る書類や調査、研究、計画が、甘くなっている
そこを原子力規制委員会や規制庁に突かれてやり直しになっている。

結局規制委員会の審査が遅れている本当の理由は電力会社の姿勢にある
電力会社自身の原発をなめた姿勢
少々の事故は起っても構わないという姿勢を原子力規制委員会が激しく批判をしている
乱暴にまとめてしまえばこういう事になると思います。

確かに規制基準は新しく施行されました。
しかし電力会社の姿勢や思想はすぐに変わらないようです。
安全を軽視してコスト優先のやり方を続けようとする日本の電力会社に原発を稼働させるというのは
私はやはり危険なように思います。

各電力会社の審査提出書類の状況が○×△で記載された表が載っています。
興味ある方はご覧いただきたいと思います。

◆2回目

放射線被曝は100mSv以下であれば健康に害があるという科学的証拠はない
あるいはもっと進んで放射線被曝が100mSvは安全だと言う人もいます。

福島原発事故の避難基準は20mSv
チェルノブイリ事故の避難基準は5mSv

いったい誰が決めているんでしょうか?

今日本は国際放射線防護委員会ICRPの勧告を100%取り入れて放射線防護体制を作っています。
福島の原発避難区域、或いは食品の安全基準
こうした放射線防護にかんするさまざまな規制行政は全てICRPの勧告を元にして作られています。

それではICRPはどのような研究結果を元にしてそのリスクモデルや勧告を打ち出しているのでしょうか?
多様な研究をして打ち出しているんだろうと、みなさん思われると思います。
ところが実際はそうではありません。
ICRPのリスクモデルや勧告の元になっているのは原爆被爆者寿命調査です
これは唯一の研究ベースです。

広島長崎の原爆被爆者生存者調査、寿命調査がICRPのリスクモデルの基礎になっています。

ではLSSのリスクモデルの研究とはどういうものなんでしょうか?
この研究に対しては様々な批判が行われてきました。
そのうち最も致命的な批判はLSSの批判は1950年1月、すなわち原爆が落ちて4年半経った時の人が対象だ
言いかえれば原爆が落ちて4年半の間に亡くなった人は一切含まれていない
これがLSSの疫学的研究価値としては一番の弱点だろうという指摘が一番大きいと思います。

がんと白血病だけしか低線量放射線被害は出てこない
そして4年から5年たって影響が出てくる
こういう風にICRPは説明しています。

そのベースになった考え方はLSSですが実際は
調べ始めたのが4年から5年経っていたということです。

低線量被曝はがんと白血病だけだとする議論です。
LSSは別にがんと白血病だけだとは言っていません。
LSSが調べたのはがんと白血病だけだった
他の病気は調べていないということです

LSSにおいて被曝とは原爆爆発時の一次放射線の中性子線とガンマ線のみ
内部被曝があったとしても無視ができるレベルだと
つまりLSSは外部被曝に関する研究だということです

今福島原発事故以降、私たちが問題にしているのは外部被曝ではありません
だいたいガンマ線や中性子線で健康損傷するには原爆の被害に遭う以外にありません
ほとんどがアルファ線やベータ線を発する核種を取りこんで健康損傷を起こす
つまり内部被曝です

ICRPのリスクモデルはLSSの研究にその基礎を置いている以上、
内部被曝問題や幅広い健康損傷問題を考えるには全く不適切なリスクモデルであり
それを元にした勧告であるということになります

◆網野

みなさん毎度お騒がせしております。
広島2人デモです。
原発に反対して歩いております。
チラシをお配りしております。
ご興味のあるかたはお手にとってご覧ください。
原発被曝問題にかんして調べたことをまとめています。

先日安倍首相の所信表明演説がありました。
福島県産のコメを毎日食べている、消費者のみなさんにも味わってもらいたいと言われました。
しかし基準値以下なら安全というもののいい方、そういう発想での発言は間違いです。
基準値は規制の上限値です
決して安全値ではありません。
少なければ少ないほど、入っていない方が望ましいです。
なぜなら放射能は重金属の毒物です。
放射性物質、セシウムとかストロンチウムとかいう言い方をすると
成分表のように勘違いしてしまいがちですが重金属の毒物です。
入っていない方がいいに決まっています。

また今日、福島の地元の方からの情報なんですけど
2年経って、放射能の汚染食品に対する不安は消えただろうということで
福島県産のコメが大量に出されたそうです。
その出方というのが福島県産として出すのではなく
他の県の米と混ぜて、わからないようにして出しているそうです。
ですのでよく袋の表示、ブレンドしてあるかどうかは表示でわかりますので
小さいお子さん、家族を守りたい方、ご自身を守りたい方は気を付けて購入をしてください。
放射能というのは直ちに健康はありません。
私の身内は被爆者ですから、その影響はよくわかっています。
20年経って若くして脳内出血で倒れる、脳を見ると血の瘤がいっぱい出来ている
何回も脳内出血で倒れて長い介護の上で死んでいく
これは例えばの話です
脳内出血だけではありません。心臓病や循環器系
チェルノブイリの被害でも様々な病例、症例が確認されております。
放射能の恐ろしいところは細胞に対する攻撃なので
放射線独特の病気というものはありません。
一言で言えば細胞を攻撃し老化の促進をさせる、これは非特異老化と呼ばれています。
普段、目にするような耳にするような病気になります。
ただ、それが異常に多くなる、もしくは若くしてそういった病気になる
病気にならないで出てくる症状として
福島や関東圏の方で多くなって、お母さん方が声を挙げているのが
鼻血、倦怠感、こういった症状になって表れています。
広島の原爆でも原爆ブラブラ病というのがありましたけど
ほとんど同じ状態の症例が福島、関東圏でも確認されています。

広島2人デモですけど今は3人で歩いております。

みなさん安全基準、安全審査と言う言葉、を首相も使ってましたしマスコミも使っていますが
これは安全基準、安全審査ではありません
これは規制基準であり、規制基準適合性審査です。

電力会社や原発推進の方々は安全審査と言う言葉を使って
この審査を通れば安全が担保されたと私たちに刷り込みたいようです
しかしこれは安全基準ではないし安全審査ではありません。
これは原子力規制委員会の田中俊一委員長自身が言っています。
安全基準といってこの基準を通れば安全だと一般のみなさんに思われては困る
なので、名称を安全基準から規制基準に変えました。
実際にいまの基準というのは、
原発は重大事故は起る。せめて格納容器や圧力容器が破損しないように
手の付けられない苛酷事故にならないようにせめて設備を整えておこうと言うのが今の基準です
だからまだ安全基準は作られていません。
事故をおこさないように、という安全基準ではありません。
今作られているのは規制基準、最低限苛酷事故に発展しないような設備を整えておきなさいという規制基準です
政府やマスコミが安全基準と言う言葉を使っていますけれども
みなさん騙されないようにしてください
原子力規制委員会の基準を作った田中俊一氏自身が言うように、安全基準、安全審査ではありません。
私たちに審査が通れば安全だと担保されたんだ
最終的に内閣の政治判断で稼働が決まるんですが
この基準は安全基準であってこの審査が通れば安全が担保されましたよ。
だから再稼働します、と言う準備のために
繰り返し安全審査と言う言葉を使っています。
でも安全審査ではありません。
まだ原子力規制委員会、日本の原子力規制行政は安全基準に取りかかっていません。
これは田中俊一氏自身がそう言っています。
どうかマスコミの言う言葉、政府の偉い人の言う言葉、専門家の言う言葉より
自分自身の目を耳を信用してください。