みなさま
毎度毎週お騒がせしております。
第103回広島2人デモの報告です。
事前のチラシ会議で集団的自衛権の問題をどう取り扱うかが話題になりました。
新聞や世間一般の取り上げ方は、いますぐ戦争に参加するようになる、
若者を戦場に送り込むような国家になる、という観点ですが、チラシ会議ではその観点ではなく
憲法破壊の危機の観点から取り組んでみよう、ということになりました。
というのは、確かに集団的自衛権を解禁すると、自由に兵士を海外に送ることが出来るようになることは事実ですが
そこに至るまでには自衛隊法を改正したり
あるいは日本に徴兵制度を布いたり
かなりの問題の多い法整備必要となってきます。
これも重要な問題には違いないのですが
より緊急な問題は、安倍政権が目の前で堂々と犯している憲法違反行為です。
よく解釈改憲という言葉がありますが
この言葉は一種の欺瞞性を帯びています。
解釈改憲はひとつのフィクションであり、実際目の前で行われていることは憲法違反行為です。
解釈改憲という言葉には、目の前の憲法違反行為を免罪し覆い隠す効果しか持ちません。
今現在緊急の安倍政権による憲法違反行為は
行政の長が憲法の解釈を行い、その解釈を根拠にこれまで50年以上も積み上げられてきた
集団的自衛権を現行憲法の枠内で容認する、言いかえれば憲法が認めているという論理で
憲法違反を犯していることです。
こともあろうに、その論拠に憲法65条、行政権は内閣に属すを使い、憲法の恣意的な解釈は
行政権の一部であると主張しています。
もしこれを認めるなら、他の憲法解釈も行政権の一部ということになり
憲法は根底から破壊されます
確かに橋本龍太郎改造内閣の時の官房長官、村岡兼造氏は
「行政執行において、内閣が憲法を解釈する必要性はある」としつつも
「それは憲法99条の範囲内で行われなければならない」と65条よりも
99条(天皇・国務大臣・公務員等の憲法尊重擁護義務)を優先させました。
堂々と65条を盾に憲法解釈権があると主張した総理大臣は戦後初めてであり最期にしなければなりません。
原発問題は同様に憲法問題であり、
憲法を軸にして集団的自衛権から原発問題へと展開したチラシはつくれないか、という議論になり
今回チラシとなりました。
今回は哲野、網野、じゃけえさんの3人で歩きました。
集合場所に行くとすでに警察の方が来ていました。
指令書の確認をしてチラシをお渡しします。
当日は別な市民グループが原発反対、原発から自然エネルギー転換を訴えるデモもあり
そのデモに参加する人たちともすれ違いました。
その人たちにも、出発前にチラシを渡しました。
私たちが原発問題を生存権問題として捉えるのに対し
これらの市民グループは原発をエネルギー問題として捉え、
その上で原発から自然エネルギーへの転換を訴えるということのようです。
音楽が鳴って出発です。
▼第103回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140718.pdf
▼プラカード
スピーチのトップバッターはじゃけえさんです。
じゃけえ「集団的自衛権に賛成か反対かというのは話が進みすぎています。
内閣は憲法を遵守する立場にあります。
内容を厳しく守る立場である内閣が、憲法を解釈で変えてしまうこと自体が憲法違反です。
集団的自衛権行使についても憲法違反です。
日本国憲法により禁じられています。
憲法違反を容認するということは内閣の暴走を許してしまうということです。
許してしまうと憲法の中で保障されている私たちの権利も簡単に変えられてしまうということです。
次々と変えられてしまう可能性があります。
福井地裁の大飯原発運転差止め訴訟で根拠法になったのは憲法です。
経済活動よりも人格権の方が憲法上何よりも優先されるものである
周辺250km以内の人々の人格権を侵害する可能性がある、
それが根拠になって大飯原発の運転差止めの判決が出ました。
根拠法は憲法です。
私たちの権利を守ってくれているのは憲法です。
憲法を勝手に解釈されたら、私たちの生活や生存権を守るために
原発の差し止めをするということが出来なくなってしまうかもしれません。
憲法は私たちの権利を守るためにあります。
内閣が簡単にかえてしまうということは
私たちの権利が脅かされるということです。
これは明らかな憲法違反です。」
と何度も繰り返し、ほとんど往路はじゃけえさんがスピーチしました。
次にマイクは哲野に渡ります。
哲野「いまから2か月前、福井地裁で大飯原発運転差止め命令が出ました。
裁判長の判決を読むと、おおよそ次のような論理構成になっていました。
①人格権は国の最高法規である憲法の、そのまた最高価値のある権利である。
人格権というのは、これまでプライバシーの保護などの裁判でよく使われた言葉ですが
中身は人間が人間らしくその人の個性を尊重しながら生きていく権利、という意味合いで使われています。
基本的人権の中で最も重要な権利、ということだそうです。
これは私たちがいまあで生存権という言葉でみなさんに訴えてきた内容とほぼ一致します。
②大飯原発は放射能の危険という意味では、万が一にでも住民に影響を及ぼす可能性があってはならず
もし万が一にでもその可能性があるならばそれは住民の人格権、すなわち憲法13条及び25条を侵害する。
大飯原発の場合は万が一どころか、住民に放射能の危険を及ぼす可能性が高く
根拠のない楽観論に基づいている。
③従って、大飯原発の運転は住民の人格権を侵害し、憲法違反行為であることは明らか。
④よって、運転差止めを命ずる。
極めて明快な判断です。
注目すべきは裁判長はここで放射能の危険という意味で明確なリスクゼロ論を展開していることです。
すなわち原発は放射能の危険という意味でリスクゼロでなければ憲法違反としていることになります。
以上のような論拠で、原発の運転一般が憲法違反と判決されたのは、これが初めてではないでしょうか?
これまで私たちは原発はエネルギー問題ではない、私たちの生存権問題だと主張してきましたが
これからは堂々と原発は憲法違反だと主張できることになります。
みなさん、原発は福井地裁判決がいう様に憲法違反です。
繰り返します。原発は憲法違反です。
憲法とか憲法違反とか、むずかしいことをいう、と考えていらっしゃる人も
今この本通りを歩いていらっしゃる方の中にはいると思います。
しかし、みなさんが憲法を意識しようがしまいが、私たちは憲法に守られています。
たとえば私たちは広島県の公安委員会に届け出をしてこうやって毎週本通りを歩いています。
公安委員会に届けるのは、必ずしも法律で義務付けられたことではありませんが
公安委員会の要請に従って行っています。
しかし、正当な理由がないかぎり、公安委員会は私たちの届け出を拒否できません。
これは憲法21条に保障された権利だからです。
また例えば、私たちは自分の良心に従って、言いたいことを言っています。
これも憲法で保障された権利だからです。
また、この中には生活保護を受けていらっしゃる方もいると思います。
これも憲法25条で保障された権利だからです。
憲法は私たちの基本的人権を二重にも三重にも守ってくれています。
今回その憲法によって明白に原発は私たちの人格権を侵害していることを確認し
大飯原発の運転停止を命じました。
繰り返します。
原発は憲法違反です。」
あとで哲野に聞いてみると、手ごたえがあった、とのことです。
哲野「たぶんあれはパルコ付近だったと思う。
原発は科学技術暴力であり憲法違反です、このことは福井地裁判決でも確認できます。
福井地裁判決で私たちは協力な反原発の法的論拠を手に入れました、
と、スピーチしたときに、怪訝な顔をした人も多かったけど
みんな多くの人がボクのほうを見て聞いてたと思う。」
いつも先頭でプラカードとスピーカーを持って歩いている網野の観察によると、
プラカードも結構見ていく人が多かったように思います。
ある商店街のお店では、いつも看板を持って呼び込みをしている人が
デモが近づくと、呼び込みをやめ、スッとよけてくれました。
初めての経験です。
また、その店のオーナーらしき人が、腕を組んで立って聞いていました。
次にじゃけえさんですが、じゃけえさんは同じように憲法問題と原発問題について
解説をスピーチしました。
次に網野にマイクが渡ります。
網野は目の前の憲法違反行為に触れてスピーチしました。
網野「私たちは、目の前でたくさんの憲法違反行為を見せらせています。
その最たるものの一つが、行政権を盾にとって集団的自衛権行使が合憲だとする安倍首相の憲法違反です。
新三要件を満たせば、すなわち限定容認論を立てれば憲法の認める範囲である、とするものですが
集団的自衛権行使にかんする新三要件そのものがいままで全く議論に出てこなかった
新しい解釈であってみれば、安倍首相が憲法解釈をする、という憲法違反行為になんら変わりません。
一番の問題は、内閣が憲法を自由に解釈する、ということは
憲法が内閣の下にくる、内閣がオールマイティの権限を持つ、ということです。
みなさん、これは安倍政権によるクーデタです。」
元安橋に帰ってデモ終了
チラシは30部用意していって25部はけました。
取りに来る人が次第に増えてきているのが最近の特徴です。
今日は3人でチラシの撒き手が少なかったのでほとんど渡しにいけませんでした。
あと、予定が詰まっていたので、早々に3人一緒に現場を離れました。
以上ご報告いたします。