【お詫びと訂正】広島2人デモ:2014年7月25日配布チラシに重要な誤りがありました。
広島2人デモの2014年7月25日配布チラシに誤りがありましたので、心からお詫びすると共に以下のように訂正いたします。
▼第104回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140725.pdf
(1) 誤りの個所は、同チラシ12頁、『各原発100km圏でも避難レベルの被曝』の記事中、添付図7の『福島原発事故並の苛酷事故時想定 放射性物質拡散シミュレーション』の中で、下段『高浜原発』と『大飯原発』データが入れ替わっておりました。正しくは下段左側が大飯原発のデータで、100km地点の被曝線量は10mSv、下段右側が高浜原発のデータで、100km地点の被曝線量は9mSvとなります。
(2) これに伴い本文中(12頁同表示項目文中の半ば頃)、
「美浜に比べてはるかに多い高浜原発では100km地点の予測被曝線量は10mSv(約100μSv/h)、同様に大飯原発では100km地点で9mSv(約90μSv/h)ととんでもない数字が予測されています。」
とありますが、この個所を、
「美浜に比べてはるかに多い大飯原発では100km地点の予測被曝線量は10mSv(約100μSv/h)、同様に高浜原発では100km地点で9mSv(約90μSv/h)ととんでもない数字が予測されています。」
と訂正いたします。
(3) このデータは原子力規制委員会のサイトに『拡散シミュレーションの試算結果(総点検版)』が掲載されており、
(トップページ→『政策課題』→『原子力災害』→『原子力防災』→『原子力防災対策』→『地域防災の強化』)
http://www.nsr.go.jp/activity/bousai/data/kakusan_simulation1.pdf
この資料を抜粋引用したものであり、抜粋引用の際、大飯原発データと高浜原発データを取り違えて掲載し、取り違えたデータを参照しながら本文記事を記述したため、本文記事も誤ったといういきさつでした。
(4) 同シミュレーションは、その初期条件を、
○放出量及び時点:福島第一原発1~3号機の3基分の総放出量(もしくは発電所の出力比に応じた放射性物質量)が一度に放出したと仮定。
(総放出量というのは、日本国政府がIAEAへ報告した放出量(ヨウ素131とセシウム137の合計をヨウ素換算して77万テラベクレルとなる多様な核種の放出を想定)
○放出継続時間:放出量が最も多かった福島第一原発2号機の放出継続時間(10時間)と仮定。
(ここでいう放出継続時間は、初期大量放出の継続時間を指しており、現在同原発が放出を止めているという意味ではありません。現在もこの3つの原子炉からは1時間に合計1000万ベクレルのセシウム(134と137の合算)が放出し続けているとみなされています)
○放出高さ:地表面近傍の濃度が大きくなる0m(地上放出)と仮定
○被ばく推定値は、外部被ばく及び内部被ばくの両方を考慮
としております。(以上原子力規制庁『放射性物質の拡散シミュレーションの試算結果について』2012年10月による)
簡単に言うと、福島第一原発の1-3号機が炉心にもつ核燃料が事故初期時、受けた損傷の割合でもって、各原発が運転中に炉心にもつ核燃料が損傷した、という仮定でこのシミュレーションが成立していることになります。つまり、各原発の放射線物質の拡散量の大きさは、各原発が運転中に抱える核燃料の多さに依存することになります。
(5) 各原発が運転中に炉心に抱える核燃料の多さはすなわち各原子炉の電気出力に比例しているわけで、電気出力が大きければ大きいほど、拡散放射性物質も多くなり、より遠くに放射能汚染が拡がることになります。
(6) 大飯原発は4基の原子炉を抱え、その電気出力はそれぞれ117.5万 Kwで合計470万kW、一方高浜原発は同じく4基の原子炉を抱えてはいますがその型式は古く、従って電気出力も82.6万kW(1及び2号機)、87万kW(3及び4号機)で合計339.2万kWであり、両原発が東電福島第一原発事故並(同じ炉心損傷割合の事故)を起こせば、当然大飯原発がより大きな放射性物質拡散を起こすはずです。
(7) 記事作成中に、当然私は以上のことを知っており、100km地点の予測被曝線量が大飯原発で9mSv、高浜で10mSvというデータが示されたなら、当然これはおかしい、とその時点でデータの取り違えに気づくべきでしたが、恐らく徹夜作業で朦朧としていたに違いありません、今日チラシを見直すまで気がつきませんでした。
(8) なお蛇足とはなりますが、東電福島第一原発はその建設時期が古く、1号機出力が46万kW、2・3号機がそれぞれ78.4万kWと日本の商業用原発原子炉平均出力90万kWをはるかに下回っており、その分放出拡散放射性物質の量も小さかったといえます。よく「東電福島原発事故並の苛酷事故」といいますが、それが同じ炉心損傷割合で、という意味なら、次に「東電福島原発事故並の苛酷事故」が起これば、その放出放射能は「フクシマ事故」をはるかに上回り、日本の少なくとも半分(起こる場所にもよりますが)は、壊滅状況となるだろう、と私は思います。
以上心からお詫びの上訂正いたします。(哲野イサク)