広島1万人委員会(広島市民の生存権を守るために伊方原発再稼働に反対する1万人委員会)より転載します
広島市議会12月議会で請願を採決へ
みなさま
みなさまにご協力いただきました、広島市議会に伊方原発再稼働反対決議を求める請願について、広島市12月議会の「経済観光環境委員会」において、月村俊雄さんから採決の提案がされますので、ぜひ傍聴においでください。
日時:2014年12月16日(火) 午前10時~
議場:広島市役所議会棟(本庁南側の4階建ての建物)4階 全員協議会室
直接議場に行けば、傍聴席が用意してあります。
何かあれば、議会棟1階の市議会事務局でお尋ねになると、案内してもらえると思います。
【請願について】
この請願は、昨年(2013年)9月17日、広島市議会に広島市在住者1542名の連名で提出した「四国電力伊方原発3号機再稼働に反対する広島市議会決議を求めることについて」(受理番号36)です。
この請願の趣旨は、ひとことで言えば、「広島市民の生存権を守るために伊方原発3号機再稼動に反対してください」というものです。
その根拠として、伊方原発の危険を示す資料「伊方原発危険報告」を、ともに提出しました。
請願の内容は、広島市議会市議会のHPでご覧になることができます。
→http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1000000000002/1380682161092/index.html
紹介議員は、田尾健一さん(安佐南区/市民連合)、山本誠さん(西区/市政改革ネットワーク→地域デザイン)、馬庭恭子さん(中区/市政改革ネットワーク)、清水良三さん(佐伯区/市民連合)、山内正晃さん(安佐北区/市民連合)、月村俊雄さん(西区/市政改革ネットワーク)です。
また、現在、共産党の3名の議員さんが、紹介議員に加わるという意思表示をしてくださっています。
「経済観光環境委員会」に付託されました。
【これまでの経過】
2013年9月26日の「経済観光環境委員会」でこの請願の審査がされました。
請願者が趣旨説明を行い、馬庭恭子さんが質問を行ってくださいましたが、この問題については、専門的知識・知見を含めて幅広い視点から論議する必要があるということで、
請願については「継続審査」ということになりました。
この「経済観光環境委員会」に先立って、当時の委員長の豊島岩白さんが、広島市当局の見解を求めました。
それに対して、広島市の「環境局温暖化対策課」が資料を提出しました。
そこに示されていたのは「本市としては、原子力発電の再稼働については、国及び関係当事者において判断されるものと考えています」という、当事者意識のまったくない、広島市の見解でした。
その後、2013年10月16日の広島市議会決算特別委員会で、田尾健一さんが、原子力規制委員会の「放射性物質拡散シミュレーション」と「原子力災害対策指針」を踏まえて、四国電力伊方原発が苛酷事故を起こした場合の広島市への影響について、市当局の認識を質しました。
これに対して、市当局(環境局温暖化対策課)は、「広島市は即時避難や一時移転対象区域に含まれていない」という、明らかに重大な誤りを含んだ回答をしました。
(原子力規制委員会の「放射性物質拡散シミュレーション」では、伊方原発で福島原発事故並みの苛酷事故が起こった場合の100キロ地点の予想被曝線量は、めやすとして、1週間で約4ミリシーベルト〈遮蔽効果を計算に入れ、1時間あたりの空間線量率に直すと、約40マイクロシーベルト/時〉となります。
一方、「原子力災害対策指針」では、空間線量率20マイクロシーベルト/時が1週間継続すれば、「一時移転」〈=避難。おそらく帰還は無理〉の対象、と定めています。)
さらに、2014年3月7日の広島市議会予算特別委員会で、田尾健一さんは、エネルギー基本計画の政府案提示を受けて、「原発ゼロ社会実現に向けて、広島市は国への積極的提言をすべきではないか」と市長の考えを質しました。
これに対して、市長に代わって答弁した環境局温暖化対策課長は、「エネルギー政策は国が決定すべきもの。広島市は国の議論を注視したい」と答えました。
さらに、2014年6月26日の広島市定例市議会一般質問で、田尾健一さんは、大飯原発運転差止命令判決を受けて、「広島市は、明確に原発再稼働反対の表明をすべきではないか」と市長の見解をただしました。
これに対して、市長に代わって答弁した環境局長は、「1.福井地裁判決に関しては、国の対応を見守りたい。2.判決の中の人格権についての記述はしっかりと受け止めていただきながら、国民の暮らしと安全を最優先した、責任あるエネルギー政策の立案・実行を国に求め続ける」と答えました。
一方、当初、広島市在住者1542名の連名で請願を提出しましたが、現在、この請願への参加者数は、約4900名(広島市在住の人の数。重複は除いている)となっています。
【現在の広島市の姿勢の問題点】
この請願に関連したこれまでの市議会でのやり取りで明らかになってきたのは、
国の原子力規制委員会の「放射性物質拡散シミュレーション」と「原子力災害対策指針」に照らせば、広島市は「一時移転」の対象区域になっているにもかかわらず、
また、政府の「エネルギー基本計画」によれば、原子力災害に対する防災計画の立案・実施は、地方自治体が第一義的に責任を持つべきもの、となっているにもかからわず、
広島市が、原子力災害から市民を守るという責務について、当事者意識を完全に欠いているということです。
ただし、私たちが望むのは、広島市による伊方原発3号機苛酷事故に対する防災計画立案ではありません。
伊方原発3号機再稼動に対する明確な反対の意思表示です。
原発苛酷事故に対する有効な「防災計画」など存在し得ません。
伊方原発で苛酷事故が発生するということは、その時点で、広島市の都市としての生命が終わるということです。
その時点で、広島市民はすべてを失ってしまいます。
【12月議会での採決提案へ】
この請願は「継続審査」となっています。
一方、来年には広島市議会の解散・議員選挙が予定されています。
このまま採決を求めないままでいくと、この請願は結局、市議会解散とともに取り下げを求められることになります。
そこで、解散になる前に、広島市12月議会でこの請願について採決を行っていただきたいという私たちの意向を紹介議員さんにお伝えしました。
これを受けて、12月議会の「経済観光環境委員会」で、紹介議員で経済観光環境委員会所属の月村俊雄さんが、この請願について、採決の提案を行ってくださることになったわけです。
現在の広島市議会においてこの請願が採択される可能性―それ以前に、採決を行うことになるという可能性は、残念ながらあまり高いとは言えませんが、
ぜひ、多数で傍聴に行き、月村俊雄さんの採決動議に、経済観光環境委員会所属の議員さんたちがどう答えるのかを見極めたいと思います。
広島市議会の姿勢も、これまでの広島市当局の姿勢と同様のものなのか?
それとも、広島市議会は、広島市民の生存権を守ろうとする姿勢を示してくれるのか?
ちなみに、現在、経済観光環境委員会に所属している議員さんは、次の方々です。(敬称略)
竹田 康律(委員長)(安佐南区/市政改革ネットワーク)
山路 英男(副委員長)(東区/自民党)
宮崎 誠克(佐伯区/自民党)
豊島 岩白(西区/自民党・保守クラブ)
安達 千代美(安佐南区/公明党)
熊本 憲三(安芸区/自民党)
佐々木 壽吉(東区/自民党・保守クラブ)
酒入 忠昭(南区/市民連合)
月村 俊雄(西区/市政改革ネットワーク)