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今年最初の第 120 回広島 2 人デモ 2015年1月2日報告

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みなさま

毎度お騒がせしております。
今年最初の第120回広島2人デモの報告です。

正月2日のデモとあって、実はやや引け目を感じておりました。
日本人にとって正月とは、“ハレ”の日であり、あらゆる日常から解放されて
仕事も家庭の問題も全て忘れて楽しむ時です。
そこに原発問題などという、極めて深刻な話題を持ち込むことに
引け目を感じていたのです。
考えてみれば2014年の2人デモは1月3日でした。
3日ならば、まぁ、許されるか、翌日は仕事始めだし・・・と考えて
実施しましたが、今年は1月2日で弁解の口実すらありません。

時間も18時からスタートということで、本通りのシャッターが閉まったアーケードを、
まばらな人通りを眺めながら歩くことになるのだろうか、と想像しつつ
頭の中にはアーケードにむなしく響くスピーカーの音まで想像しておりました。

事務所で原田さんと合流、
原田さんが来てくれたおかげでプラカードとチラシがなんとか間に合いました。

集合場所の前に来て3人が「えっ!どうしよう」
雪が物凄く降り始めたのです。

▽元安橋東詰め交差点の様子(右側がいつもの集合場所の花時計前)

▽花時計前

集合場所で待っていると、じゃけえさん登場。
哲野「あれ?今日は正月の振袖どうしたの?」
じゃけえ「もともと振袖じゃなかったけど、着物で来るつもりで準備万端だったのに。
     この雪で着替えてきました。」
哲野「僕も。今日は正月だから、きちんとした服装で来ようと思ったんだけど、
   ほら見て、この頭。床屋にも行ってない。網野も美容院すら行ってない」
ということで、全員防寒服で正月らしからぬいでたちでした。

警察の方が登場。網野は雪景色の撮影中。開口一番、警察の人
警察「今日は本通り、人通り多いですからね。通行に気を付けてください」
哲野「やっぱりそうですか。正月2日だから、がらがらだと思って来たのに、
   アーケードの方は人通りが多いし、駐車場も最後の1台になんとか滑り込んだんですよ。」
警察「正月の様相も毎年大きく変わってきてますよね。」
哲野「そうでしょう。去年は3日だったけど、こんなに人通りは多くなかったな」
てな話をしていると、網野が「お待たせして申し訳ありません」と戻ってきました。
正月の雪って珍しいものだから、平和公園を撮影していました。

▽修復中の原爆ドームも雪化粧

▽花時計の周りの植え込みもすっかり雪をかぶって「雪時計」に

▽花時計前の植え込みに立てるプラカードも今日は雪に囲まれました。

今日はたぶん県庁と市役所から聞こえてきた音楽で18時を知り、出発です。
網野と哲野が先頭でプラカード、じゃけえさんがスピーチで原田さんがチラシ撒き。
哲野がチラシまきに行こうとしたので、網野が哲野と原田さんが入れ替わるように指示。

▽第120回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150102.pdf

▽タイトル

原発再稼働に許可を出すのは他ならぬ私たち1人1人です
法体系もそれを支持しています
原発再稼働に発言権がないなどとはトンデモない話です

▽トピック
1.原発再稼動、クリアすべき難関は突破したのか?
2.繰り返しますが、30km圏地元同意は再稼動の法的要件です
3.再稼働地元同意の法的仕組み
4.「広域避難計画」は誰も審査、許可・認可しない
5.旧立地自治体概念に基づく原子力安全協定
6.「30km圏自治体同意権」より安全協定を重視する毎日新聞
7.再稼動のための2つの絶対条件がまだ満たされていない川内原発と高浜原発
8.原発再稼動、各原発申請・審査状況-原発各社の頑強な抵抗
9.北海道電力-どう見ても本気とは見えない泊1・2号炉
10.関電大飯3・4号機再稼動を妨げるのは地元同意と「差止仮処分命令」
11.基準地震動Ss-1最大の懸案が片づいた四電 伊方原発3号機
12.全体まとめに入る九州電力玄海原発3・4号機
13.柏崎刈羽原発の審査結果にお構いなく経営改善を進める東電
14.東通原発再稼動が絶望的な東北電力
15.中国電力の本命は未申請の島根3号機
16.巨大地震発生の懸念がある中部電力4号機
17.もう企業の体裁をなしていない日本原子力発電-東海第二
18.ほとんど無謀に近い電源開発(Jパワー)の大間原発
19.重要棟直下に活断層の疑いがぬぐえない志賀原発

▽本日のプラカード

じゃけえ「新年早々お騒がせしております。
     毎週金曜日恒例の広島2人デモです。
     お正月の楽しい気分のなか、無粋な事を言うようで大変申し訳ございません。
     広島2人デモ、もちろん今日も原発の話をスピーチしながら歩いています。
     毎回チラシを作成し、お配りしております。
     原発問題について考える前に色んな情報を知ったうえで考えてみてください。
     チラシはその参考にしてみてください。
     過去のチラシは全てwebでご覧いただけます。
     広島2人デモで検索してみてください。

     2015年最初の2人デモ、今日で120回目になりました。
     今日のチラシは16頁あります。

     ・・・原発の再稼働審査が進んでいます。
     仮に審査に合格したとしても、その原発の周りに住んでいる人たちに
     再稼働してもよろしいでしょうかと聞いて
     ダメだとなれば、その原発は再稼働できません。
     原発規制行政の法体系全体も、そのようになっています。
     詳しい話はチラシにまとめてありますので、どうぞご覧ください。
     考えてみれば、当たり前の話です。
     福島原発事故以降、原発は苛酷事故が前提で再稼働されようとしています。
     原子力規制委員会の規制基準もそのような内容になっています。
     その時、原発のまわりや、私たちが、同意しないまま、
     再稼働などとは許されることではありません。
     日本の現在の法体系も、そのようになっています。
     別な言い方をすれば、私たち一人一人がOKだと言わない限り
     再稼働できない法の仕組みになった、
     これが福島原発事故後の大きな変化です。

     テレビや新聞の報道で、あたかも原発の再稼働が決まったかのような
     ニュースが流されていますが、審査が合格した原発はひとつもありません。
     ましてや、再稼働が決まった原発などひとつもありません。
     
     最低限、30km圏の自治体の反対があれば、その原発は再稼働できません。
     そして30km圏にとどまらず、特に関心の高い周辺自治体も
     反対だといえば、原発の再稼働はできません。
     その意味では、日本の全ての自治体が原発地元なのです。
     私たち国民が反対だといえば、原発は再稼働できません。」

じゃけえさんのスピーチ中の、プラカードを持って並んで歩く哲野と網野の会話
哲野「やっぱり今日は関心薄いねえ」
網野「やっぱりお休みモードなのかねえ」
哲野「うーん、お休みモードというより、正月モードだねえ。
   みんな日常の煩わしさからはすべて解放されたいんだよね」
網野「確かに、休日の方が関心あるね。」
哲野「こういう正月モードの時でも、関心を引きつけるような
   アプローチをしていかないといけないだろうね、これからは。」

次に原田さんにバトンタッチ

原田「明けましておめでとうございます。
   新年早々お騒がせいたします。
   この本通りが100年も200年も300年後もこうやって
   楽しく人々が行きかう街であることを祈って
   お騒がせいたしますけれども、歩かせていただきたいと思います。

   この町を守るためには、
   この町がいまどのような危機に直面しているかということも
   知っておかなければならないと思います。

   今日本中で原発は稼働停止していますけれども
   再稼働に向けての準備が行われております。
   みなさんに知っていただきたいのは再稼働に向けての
   規制基準適合性審査というのを原子力規制委員会がしています。
   この規制基準適合性審査に合格したら
   安全な原発だと思っていらっしゃる方はいらっしゃいませんか?
   これは大きな間違いです。
   現在の原発規制行政では、原発は苛酷事故を起こすことが前提となっています。
   原発は苛酷事故を起こすと言う事を前提としたうえで
   でも再稼働してもいいでしょうかということを、
   いま、実は私たちに問いかけられています。

   この広島から100kmのところにも原発があります。
   四国電力伊方原子力発電所です。
   この伊方原発も再稼働に向けて審査が進められています。

   昨年は嘘がはびこりました。
   日本の規制基準適合性審査は世界一厳しい安全基準で
   これにパスしたら安全という大嘘がはびこりました。
   規制基準適合審査に合格したからといって、安全だとは誰も言っていません。
   審査をしている原子力規制委員会も安全だとは一言も言っていません。

   どうかこのような嘘に今年は騙されないで頂きたいと思います。

   九州の川内原発では原子炉設置変更許可が出ただけで、審査合格し、
   地元同意がとれたという嘘がはびこりました。
   しかし実際には、原発再稼働に至るまでには法的な縛りがあります。
   そして大事なのは地元の同意ですが、最低でも原発が建っているところから
   周辺半径30km圏内の自治体全てがいいですよと言わないと、再稼働できない、
   これが今の日本の原発規制行政です。

   経済活性化のためには原発が必要だとお考えの人がいるかもしれません。
   しかしひとたび原発事故が起れば、その経済の基盤であるこの街自体がなくなってしまう
   そのことを考えていただきたいと思います。」

次に哲野です。
哲野は現在再稼働申請が行われている原発の審査状況を
チラシに沿ってかいつまんで説明したあと

哲野「それでは、原子力規制委員会の規制基準に適合したから、
   原発再稼働の法的要件が整うのかというとそうではありません。
   大きくは、半分しか要件が満たされていません。
   あとの半分は地元同意です。
   この地元の範囲も現在の原子力災害対策指針に沿って言えば
   概ね30km圏ということになります。
   現在、この原子力災害対策指針は30km圏外で放射能災害に遭うだろう地域(PPA)の
   防護策を検討していますので、
   この防護策がきまれば、地元同意の範囲はさらに拡がると、こういう仕掛けになっております。
   地元が、現在のところ最低30km圏ですが、
   再稼働OKですよ、この広域避難計画は十分実効性があって、大丈夫ですよ、
   信頼しますよ、と言ってくれなければ、当該原発は再稼働できない
   これが、現在の法体系の定めであり、ルールです。
   ここで大きな問題が起ってきます。
   わかりやすく言うと、私たちは、原発再稼働してもいいですか?と聞かれているわけです。
   答えるのは、私たちの番です。
   やみくもに反対だと言うのも考えものですし
   根拠もなしに賛成だと言うのも考えものです
   賛成にしろ、反対にしろ、私たちは一人一人根拠を持って
   この問題に一人一人が回答を出さねばなりません。
   そんなことは面倒よ、どうせわからないよ、偉い人に任せておけばいいんじゃない、
   こういう態度はもう、なしにしましょう。
   結局、私も含めて、こういう態度が福島原発事故を起こしたのですから。
   原発を推進する人たちも、福島事故から学んでもらわないといけませんけど
   私たちも、一人一人福島原発事故から学ばなければなりません。
   これが本当に福島の人たちに寄り添う姿勢です。
   口先だけの復興、食べて応援、福島の人に寄り添おう、
   こういう話がしばらく飛び交っておりましたが
   これは本当に寄り添うことにはなりません。
   福島原発事故から私たちが本当に学ぶこと
   これが本当に福島に寄り添う事です

   今この本通りを歩いておられるみなさん。
   皆さん一人一人、この問題に答えられるだけの知識や見識をお持ちでしょうか?
   準備は出来ていますか?みなさん、“Are you ready?”ですか?
   今年は、どちらにせよ、この再稼働問題が大きく浮上してきます。
   再稼働問題に答えられる準備をみなさん、一人一人お願いします。
   私たちには、再稼働を認める権利、拒否する権利、があります。
   その権利を有効に使おうではありませんか」

チラシは15部しか持っていきませんでした。
あとで聞いてみると、哲野はゼロ、じゃけえさんは取りに来た人3人に渡したとのこと。
残りは3部しかなかったので、あとは原田さんが手渡したのだと思います。
やはり正月でも取りに来る人がいると聞いて、ちょっと心強く思いました。
次が網野です。

網野「新年あけましておめでとうございます。
   毎週金曜日本通りアーケードを歩いております、広島2人デモと申します。
   原発や被曝の問題について情報提供を行うのが目的のデモです。
   商店街のみなさま、歩いておられる皆様、正月休みを楽しく過ごされておられるところを
   無粋な話で本当に申し訳ございません。

   大事なテーマの話でございますので毎週金曜日に歩くと決めております。
   今年はたまたま、1月2日が金曜日にぶちあたりましたので、ご容赦願います。
   もしよろしかったらチラシをお手にとってご覧くださいませ。

   今日のチラシのテーマは『原発再稼働を許可するのは私たち1人1人です』が
   なぜこういえるのか、日本の原子力規制法体系はどうなっているのか、
   その法体系からなぜこういうことが言えるのか、それをチラシで説明しております。
   私たち1人1人に、原発再稼働を許可する権限、止める権限、それと能力を備えております。
   少なくとも法律はそのことを前提に書かれています。
   私たち一人一人に原発再稼働を巡る権限と能力、権能を持っている、
   このことをどうか忘れずにおいてください。
   
   福島原発事故は収束どころか、継続中です。
   現在只今も、平常時とすれば大量の放射能を出し続けています。
   2011年3月11日に発令された東京電力福島第一原子力発電所による
   原子力緊急事態宣言はまだ継続中です。
   解除される目処もいまのところ立っていません。

  (緊急事態宣言を解除するのは、内閣総理大臣に与えられた権限ですが
   内閣総理大臣は原子力規制委員会の助言に従ってこの権限を行使することになっています。
   原子力規制委員会は現在の避難状況が解消されるまで
   この緊急事態宣言解除の助言をすることができません。
   帰還困難区域はすでに避難地区とみなされていません。)

   現在日本は原子力緊急事態宣言中であることも、忘れないでください。
   実はまだまだ大変な状況が続いているのです
   お騒がせいたしました、ありがとうございました」

雪がまた、ひとしきり降り始めたので、アーケードの切れ目で終了ということになりました。
終わった後、原田さんは雪で帰れなくなることを恐れてすぐに車で帰宅の途へ。
哲野「あたたかいところで珈琲一杯だけ飲ませて!」
網野「そういえば、珈琲今日、全然飲んでない」
ということで網野と哲野とじゃけえさんは、近くのコーヒーショップへ。

あとで気が付いたのですが、人通りが多かったのは
本通りと金座街の一角だけ。
お店が2日から開いていたので福袋とバーゲン、それと久しぶりに会う友人同士の人混みとわかりました。
昨年は本通り商店街もこれほど2日から店は開けていませんでした。
まず、スーパーが正月店を開け、売り上げと取られては大変と、デパートがこれに続き
今年は一般商店も正月売上獲得競争に参加したものと見えます。
それほど消費が落ち込んでいる、という観察も成り立ちます。

以上ご報告いたします。