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第122回広島2人デモ 2015年2月20日報告

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みなさま

お久しぶりにお騒がせいたします。
第122回広島2人デモ、2015年2月20日のご報告です。
今回の参加者はじゃけえさんと哲野、網野の3人でした。

チラシは15部用意しましたが、今回から中綴じチラシです。
綺麗に開きます。

▼新兵器を導入しました。中綴じの出来るステイプラです。

ヘッドが90度回転し、中綴じが出来ます。
中綴じだと2か所止めで十分なので、驚きました。
印刷屋さんは、業務用の中綴じ製本機械を持っていますが、
私たち用だと、かなり高いと思っていました。が・・・

なんと、100円ショップで売っていました。
あるだけ買い占めて帰ろうと思ったら、1個しか残っていませんでした。

15部のチラシは全部なくなりましたが、決して市民の関心は高いとはいえません。
ただし、プラカードの注目度は非常に高い、と言えます。

網野の分析:
再稼働問題は、やはり新聞などのマスコミ報道がどこかおかしいと感じている。
そのおかしさは、審査書が出ただけで規制基準合格なのか、
あるいは規制基準に合格すれば、再稼働できるのか、
それでは広域避難計画との関連はどうなるのか、
なにより、福島原発事故以降、そういう規制当局の審査だけで再稼働できちゃうのか、
そういった問題に漠然と疑問を感じている、
で、プラカードの文言に注目して、「ああ、やっぱり、そうなんだよね」という興味だったと思います。
ただし、川内原発にしても、高浜原発にしても、広島から遠いので、あまり切迫感や実感がないので
チラシまで手を伸ばして知りたいとまでは思っていない、ということではないか

▼本日のプラカード

▼第122回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150220.pdf

タイトル
「原発再稼働の法的プロセス
川内原発・高浜原発はいつ再稼働するのか?」

トピック
1.気になることがいっぱい…でもやはり原発再稼動問題
2.原発再稼動には法的要件が最低限2つある
3.原発再稼働許可までの法的手続きフローチャート
4.原発立地自治体の同意は法的要件
5.再稼働地元同意の法的仕組み
6.伊藤鹿児島県知事、川内原発再稼動同意表明は無効
7.このままでは九州電力も再稼動の要件を満たさない
8.川内原発規制基準適合性審査は今どうなっている?
9.マスコミ報道では何もわからない-大本営発表記事
10.再稼動の見込みが立たない高浜原発
11.30km圏自治体同意は果たして取りつけられるか?

準備作業が手間取って、出発が遅れ、18時ギリギリだなぁと車を走らせていったところ
いつもより早く着いてしまいました。
現場に行くと、すでにじゃけえさんが一人で待っていたので哲野が車を降りて合流。
駐車を終えた網野が集合場所に大荷物を抱えてやってきました。

5週間ぶりの広島2人デモ。
陽が落ちるのがとても遅くなっていたのにびっくりしました。

いつも立てるプラカードも、完全に懐中電灯なしで見えます。


警備の警察の人と指令書を確認して18時を待ちました。
警察「あと30秒です。」
哲野「もう、音楽チャイムは直ってるだろうなぁ…」
網野「そりゃ、1か月以上経ってるから、直ってるでしょ。」

ところが、まだ直っていませんでした。
県庁などからかすかに聞こえる音楽で18時を知り、出発。

スピーチのトップバッターはじゃけえさんです。

本通りの商店街のお店の方が、「来た」と言う雰囲気で、表に出る人が少なからず数人いました。
「来ないから、もうやめたのかな、と思っていたら、おお、来た来た。」という感じです。
けっして、悪印象ではなかったところを見ると、
なんやわけのわからんやつが歩いてるけど、やっぱり誰かが原発問題を採りあげ続けていることに
一種、安心感を持たれたのではないでしょうか。
これは商店街の方だけでなく、周りの雰囲気もそうだったと思います。

じゃけえさんは、おおよそ次のようにスピーチしました。

じゃけえ「しばらくお休みをいただいておりました。
     5週間ぶりの広島2人デモです。
     毎回チラシを作成し、お配りしております。
     今日のテーマは、『原発再稼働の法的プロセス 川内原発・高浜原発はいつ再稼働するのか?』です。」

プラカードにもあるように、現行原子力規制法体系では、再稼働の法的要件は最低限2つあります。
①規制委員会 規制基準適合
②最低限30km圏自治体の同意

①については、どの時点で合格とみなすかについてマスコミ報道が少し先走りすぎていると言う問題がありますけれど
全体としていえば国民的認識です。

ところが、②については、法的要件であることが国民的認識になっていません。

経産省や電力会社などは国会の場ではしぶしぶ法的要件であることを認めていますが
一般に対しては法的要件ではないと知らせています。
マスコミは法的要件ではない、という立場です。
今重要なのは、法的要件であるかないかという事実関係よりも
法的要件であることを私たちが知る事です。
知らなければ、法的要件ではないとして、再稼働に①の要件だけで突っ走る構えをみせています。
ある意味、今が私たちにとっての正念場かもしれません。

騙されるのはもう、こりごりです。

じゃけえ「3.11以降、原発を取り巻く状況は大きく変わりました。
    原発は事故を起こすことが一般共通認識になりました。
    福島原発事故のような苛酷事故を起こさない、とは誰も言えなくなりました。
    原子力規制委員会の規制基準も、苛酷事故を前提として、規制規則が組み立てられています。
    それに伴い、原発地元の範囲も大きく変わりました。
    原発から半径30km圏自治体が新たな『原発立地自治体』として
    これら自治体の同意なしには再稼働できないと言う風にかわりました。
    チラシに詳しく説明をしているので、どうかお手にとってご覧ください。」

30km圏自治体に広域避難計画を義務付けているのは、
規制委の施行した、原子力災害対策指針(2013年9月5日全部改正版)ですが
30km以外の被害想定区域(PPA)については現在規制委専門家会合で議論中です。
PPAの放射線防護対策がきまり、一定条件で避難が義務付けられれば
30km圏自治体はさらに拡大することになります。

じゃけえ「しかし、福島原発事故をみてわかるように、いったん苛酷事故をおこせば
    避難区域は30km圏と限るわけにはいきません。
    30km圏の外でも、避難させられたケースは現に存在しますし
    今現在60km離れた飯舘村の人たちのなかには、いまだに故郷に戻れない人も多いのです。
    原発苛酷事故には、人間が決めた距離制限はありません。
    原発は日本全国に点在しています。
    その意味では、日本全体が原発立地地元、
    わたしたち一人一人が再稼働に同意しなければ、
    原発は動かすことができなくなっているのです。
    私たちには、原発の再稼働を決める権能があるのです。」

じゃけえさんのスピーチ中に、中年の自営業者風の男性が、哲野のところに
「これ、もらえるんですか?」と言いながら、近づいてきました。
哲野「ええ、ええ。そのために作ったものです。持ってってください。読んで下さい。」
といいつつ手渡しました。
しかしチラシの受け取りは、いつもに比べれば低調だったという感じです。
(みんながもう少し熱心に奨めれば違うかもしれませんけど)

次に哲野のスピーチです。

哲野「なぜ私が原発再稼働に反対するのか。
   私の理由をお伝えしたいと思います。
   チラシの1頁にもありますように、原発は事故を起こさなくても大量のトリチウムを環境に放出しています。
   たとえば、九州電力の玄海原発は1年間に100テラベクレルも放出していましたが
   稼働をやめるだけで、それが2テラベクレルに一挙に下がります。
   放出している放射性物質が、トリチウムだけのはずはありません。
   クリプトン85、放射性キセノンなど、希ガス状の物質が大量に放出されています。
   もちろん、事故を起こせば、こんなものではすみません。
   もっと危険な核種が大量に放出されます。
   クリプトン85、トリチウムなどが、安全かというとそんなことはありません。
   確実に私たちの健康を損ない、時には死に至らしめます。
   福島原発事故で、大量の放射能が日本の社会・環境に放出され
   重要な核種はまだほとんど減衰していません。
   その日本の社会にこれ以上、新たな人工放射能を付け加えるべきではない、というのが
   私の理由です。
   原発は、CO2を排出しないので、クリーンな発電手段だと宣伝されていますが
   とんでもない話です。
   CO2よりもっと危険な放射線核種を環境や社会に放出しています。
   このことをどうかみなさん、頭の中に焼き付けておいてください。」

次にまたじゃけえさんにマイクを変わり、歩いて復路で本通り電停にさしかかったところ
今日で50回を迎えた「さよなら原発ヒロシマ」さんが、街頭宣伝をしていました。
私たちが知った顔も多く、チラシを取りに来られる方が多く、ここで一挙にチラシがなくなったという次第です。

最後に網野のスピーチです。

網野「私のところに、川内原発・高浜原発は審査合格したんだよねと聞きに来られた方が3人くらいいました。
   で、私、説明しました。
   いま、川内も高浜も、原子炉設置変更許可が取得されただけで、審査合格ではありませんよ、
   審査合格のためには、工事計画認可、保安規定認可を取得して、その上で使用前検査を終了しなくてはいけません。
   ですから、新聞報道で川内原発も高浜原発も合格と書いているけれども、
   これは正確ではありません。
   もっといえば、これはデマです。
   その方に説明したんですが、じゃあ、審査に合格したら再稼働の法的要件が満たせるのかというと、そうではありません。
   福島原発事故以降、状況ががらっと変わりました。これ、当然のことですけど。
   苛酷事故前提の再稼働ですから、地元の人たちの同意が必要です。これ法的要件になってます。
   わかりやすくいえば、原発再稼働しますけれども、これ、苛酷事故前提です。
   苛酷事故が絶対にないとは申しません、もし苛酷事故が起れば、みなさん、避難してくださいね、
   その覚悟はよろしいですか?覚悟がよろしいのであれば、再稼働させていただきます、と、こういうことです。
   じゃ、地元といった場合にどの範囲が地元なのか、
   それは当然、覚悟を求められている所が地元、原子力規制委員会の言葉を借りれば
   『新たな原発立地自治体』ということになります。
   現在、法的には覚悟を求められているところ、すなわち、避難計画策定・運営が義務付けられているのは
   原子力災害重点区域に定められた30km圏自治体ですから、
   30km圏自治体が、現在のところ、最低限、『原発地元』ということになります。
   じゃあ、伊方原発から100kmのところに位置する私たち広島はどうなるのか。
   法的には、今のところ、原発地元ではありませんが、伊方原発が福島事故並みの苛酷事故を起こせば
   30kmも100kmも避難しなくちゃいけないことは同じです。
   広島を捨てる、住み慣れた土地を離れる、そんな覚悟は私には到底できません。
   ですから、こうやって歩いているんです。
   みなさん、黙っていらっしゃる方が多いんですが、たぶん、このことをご存知ないんだと思います。
   なかには、新規制基準に適合すれば絶対安全なんだと思っていらっしゃる方も多いと思います。
   でも実際にはそうじゃないんですね。
   原子炉設置変更許可を出したあとの記者会見では、必ず田中規制委員長は
   『これで安全だとは申し上げない』と言っています。
   絶対安全な原発は世の中にないんです。
   どんな原発でも可能性として、福島原発事故並みの、あるいはそれ以上の、苛酷事故を起こす、
   それで覚悟してくださいなんて言われても、とても覚悟のできることではありません。
   地元同意は法的要件です。ただし、このことを私たち一人一人がしっかりわかっておかなければ、
   法的要件だからといってその通り同意を求めてくるだろう、と考えるのは大間違いです。
   これが法的要件だと私たちがしっかり主張し、やってることがおかしいじゃないか、と指摘する必要があります。
   うがった見方をすれば、今の原発再稼働は、私たちの無知・無関心・誤解につけこんで
   法的には正しくないプロセスで再稼働させる可能性が非常に強いのです。
   私たちの無知・無関心・誤解を助長させているのがマスコミです。
   一人一人が正しく理解をして、主張すべきことをしっかり主張していくことが今一番大切だと思います。
   そのためには、まず、知ることが重要です。
   原発が苛酷事故を起こして、避難する覚悟のある方は原発再稼働に賛成する選択肢もあると思います。
   私のように、避難なんてとんでもない、そんな覚悟を持てるわけがない、
   第一たかだか電気をつくる手段に、そんな覚悟を持てるわけがないとお思いの方は
   どうか、再稼働に反対してください。
   知らなければ何もはじまりません。どうか知ってください。
   お騒がせしました、ありがとうございました。」

元安橋に帰ってきてデモ終了。
参加者3人なので、事務所に戻ってお茶会にしました。
お茶会の最中、勤め帰りの原田さんがひょっこり。
「ええ?今日から2人デモ再開だったんですか?知らなかった・・・」
そのあと4人で長い間、色んな話題についておしゃべりしました。

なお、昨年同様、3月11日に広島2人デモをいたします。
18時から広島平和公園元安橋東詰め出発し、いつものコースを歩きます。
チラシのテーマはシリーズ化している「福島第一原発は今」になる予定です。

以上ご報告いたします。