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第11回伊方原発再稼働反対デモ 1月26日報告

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◆画像説明
1.第11回伊方デモチラシ表
2.第11回伊方デモチラシ裏
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20130126.pdf
3.プラカード1・2
4.プラカード3・4

みなさま

お疲れ様です。
まず、主催者原田さんの報告が届いていますので、転載します。
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広島の原田です。
(Bccで失礼します)

昨日(1月26日)行った、第11回目の 元安橋東詰めー本通りー金座街往復コース 伊方原発再稼働反対ウォークの報告です。

1月26日(土)15:00に、元安橋東詰めをスタートしました。
出発時は4人でしたが、途中で弓場さんが子どもさん3人と4人連れで参加してくださり、さらに、Kさんが駆けつけてくださいました。結果、9人で のウォークとなりました。

今回のチラシは、添付のようなものです。「変えよう!被曝なき世界へ 市民アライアンス」の哲野さん、網野さんに作成していただいています。

参議院選挙が終わり、原子力規制委員会の新基準が決まれば、原発再稼働の嵐が訪れるであろうこと、原発の新規建設計画も再燃する可能性があること をふまえて、
「原発に包囲される100万都市広島」を見出しとし、裏面は原子力規制委員会の事故時の避難基準の問題を取り上げました。

今回は、次のようなことを訴えました。
「広島市から一番近い原発は、広島市から100キロの四国電力の伊方原発です」
「広島市から130キロのところには、中国電力の島根原発があります」
「広島市から80キロの山口県上関町にも、中国電力の原発建設計画があります」
「広島市は3つの原発に囲まれようとしています」
「今、福島市では、おおよそ1時間あたり1マイクロシーベルト、放射線管理区域レベルの放射線量の中で、人々が生活することを余儀なくされていま す」
「歯医者さんのレントゲン室の中が一番放射線量が低いという皮肉な状態になっています」
「ところが、原子力規制委員会が新たに決めようとしている基準では、原発事故が起こった場合、1時間あたり500マイクロシーベルトの線量になっ てはじめて人々を避難させることになっています」
「福島市の500倍の線量です」
「このような線量の中にいれば、たとえその瞬間に命を失うことはなくても、ほとんどすべての人が放射線被曝が原因で命を失うことになるでしょう」
「原子力規制委員会の新基準は、人間を人間扱いしていません」

弓場さんにマイクを渡しました。突然でびっくりされたようですが、
親戚の方が被爆されたことに触れ、
「広島の人たちは放射能の怖さをよく知っているはずです」
「広島から、すべての原発を無くそうという声を上げてください」
と訴えてくださいました。

Kさんは、前回に続いて、福島で、小中学生たちが起こしたふくしま集団疎開裁判について話してくださいました。
「福島では、子どもたちが、『年間1ミリシーベルト以下の環境の中で、安心して生活し学びたい』と裁判を起こしました」(*「年間1ミリシーベル ト」は1990年ICPR勧告の「一般公衆の線量限度(=「受け容れることができないレベル」の被曝線量と「進んで受け容れることはできないが耐 えることはできる(我慢できる)レベル」の被曝線量との境界)」です)
「子どもたちが、『私は、おとなになっても子どもを生めないだろう』と話しています」(悲し過ぎます)

前回に続き山陰からかけつけてくださった 廃炉マトリョーシカさんは、福島原発事故で放置され、やがて屠殺され、解剖された29頭の牛の話をしてくださいました。
また、「私は島根県から来ています」と、島根原発で事故が起こった場合、数十万人の人たちを避難させることになっているが、1本しかない国道9号 線を使って、これだけの人たちを避難させることは事実上不可能だということを、実感を持って語ってくださいました。

イサクさんは、「来年7月以降、まっ先に再稼働されるのは、広島から一番近い原発、四国電力の伊方原発です」ということを、繰り返し強調してくだ さいました。

弓場さんの子どもさんたちの大活躍もあったのですが、今回は本通りの人たちのものすごい関心を感じました。70枚のチラシはすべてなくなってしま いました。
みやげ物店に入っている大勢のお客さんたちが、広島と瀬戸内海と伊方原発・島根原発・上関原発の位置関係を示した地図を貼り込んだ「原発推進政権 誕生で伊方原発・島根原発、中電上関原発の着工・完成・稼働開始が迫っています」というプラカードを食い入るように見ていたことには驚きました。

次回は、2月9日(土)15:00~ 同じコースで行う予定です。

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応援参加の私どもからも補足報告いたします。

出発は原田さん、哲野、網野、島根からやってきた廃炉マトリョーシカさんの4人。
今日は4人のウォークかなと思ったら
すぐに弓場さんと子どもさん3人が参加。
哲野「ああ、チラシを受け取ってもらえますか?」
弓場「ええ。今日は参加ですよ。」
哲野「あ、すみません、子どもさんチラシ撒き部隊に回ってもらえますか?」
弓場さんがすぐに子どもたちにチラシ撒きをお願いね、と声をかけていました。

見たところ、一番上のサトシくんが10歳くらい、2番目のタカシくんが8歳くらい、3番目の子が6歳くらい。
このチーム弓場が大活躍するのですが、それは後の話。

このあとすぐにKさんが登場。
Kさんは手慣れたもので、哲野からチラシをとってチラシ撒き部隊に加わります。

▽今日のチラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20130126.pdf

▽今日のプラカード
上の画像をご覧ください。

原田さんのスピーチは報告の通りです。

驚いたのは、チラシのハケの良さです。
見てると、チーム弓場のサトシくんがどんどん、どんどん、手渡していきます。
テーマが広島市民に身近な上に、かわいらしい男の子がチラシを持ってくるわけですから
みんな受け取ります。
哲野「よくわかるねえ、チラシを受け取ってくれそうな人が。」
サトシ「うん。看板(プラカードのこと)をじっと見てるひとがいたらうけとってくれるよ。」
哲野「!!!」
観察の鋭い、頭のいい子です。
将来頼もしいです。

次にマイクが弓場さんに変わります。

弓場「こんにちは。私は、3.11の福島原発事故後、原発の実態を知り、その危険度の大きさに、
   怖くていてもたってもいられない気持ちになっています。
   また、その危険な原発が、地震大国の日本に50基もある異常さを感じます。
   確かな資料とともに原発の危険性を訴える学者さんが今までもたくさんいたのに、
   さらには今まで事故が何度も起きていたのに、
   おかしなへりくつをこねて原発を続けてきたのはなんでなんだろう。
   人の命をなんだと思っているんだろうか、と疑問と怒りも感じています。

   様々な利権や核兵器保有の思惑があるようですが、
   福島などの海や大地をめちゃくちゃにして、
   何万人もの人生を根こそぎにしてもなお、
   今まで通り原発を維持しようとする姿勢に対しては、
   もはや人の心を持っているとはとても思えないです。

   福島原発からは今も放射能がもれ続け、
   汚染食材の流通や汚染廃棄物の利用などは広がるばかりです。
   今、この瞬間も、線量の高い地域で、
   汚染食材を食べ続けている子どもたちがいるのだと思うと、本当に胸が痛いです。

   もし、島根県や愛媛県にある原発が過酷事故をおこせば、
   広島やその周辺の子供たちにも同じように被害を与えてしまいます。
   私は、わが子だけではなく、全ての子供たちに不要な被ばくをさせたくありません。
   どうかみなさんも、「原発はもう嫌だ。」と声をあげてください。
   被ばくの恐ろしさをよく知る広島から、大きな声を上げることは、とても大切だと思っています。 」

次がKさん。
Kさんは2人デモの時と同じように、ふくしま集団疎開裁判のことを話しました。
後で哲野に聞くと、Kさんが
   「フクシマ事故や放射能の影響で今の子どもたちは
    放射能を心配し、怯えて暮して行かなければなりません。
    子どもが無事に大人になれるんだろうか、
    いつまで生きていられるんだろうかと心配する
    そんな社会はおかしいと思います。」
と話しているときに、通りすがりの中学生や高校生がじっと聞き耳を立てていたことが印象的だったそうです。

次に哲野です。
哲野「広島から一番近い原発は中国電力島根原発ではありません、四国の伊方原発です。
    わずか100kmしか離れていません。
    広島から福山の距離です。
    7月の参院選で自民党が大敗しない限り、稼働することを覚悟しておきましょう
    特に3号機はプルトニウムを使っています。
    私たちは時限爆弾と一緒に暮らしているようなものです。」
を繰り返し、繰り返しスピーチ。

その後原田さんにマイクがわたり同じように原子力規制委員会の非人間的な非難基準案を訴えました。
その時、2人連れの中学生の女の子がだいぶ離れたところからプラカードをじっと見て原田さんの話を聞いていました。
哲野がチラシを渡しにいこうとすると、チーム弓場のサトシくんが2人にチラシを渡しにいきました。
中学生の女の子の一人が頭を下げてチラシを受け取っていました。
哲野と原田さんが顔を見合わせて、「!!!」

次にマイクが渡ったのが廃炉マトリョーシカさんです。
   「広島市民のみなさん、こんにちは。
    島根からやってきました、シカです。
    今日は三頭の仲間たちの声を伝えたいと思います。
    どうしても伝えなけれればならないと思います。

   まず最初は、多くの命を人間の手によって奪われたウシさんです。
   あの福島第一原発事故によって、半径20km圏に設定された警戒区域内に
   置き去りにされ、揚句の果てに殺された、川内村と南相馬市の79頭のウシさんたちのことです。

   あれは、2011年8月29日から11月15日のことでした。
   臓器別のガンマ線を放出する放射性物質の濃度を計測するためでした。
   殺して手に入れたデータを、人間が読み上げます。

   「セシウム137とセシウム134の放射能濃度は、ほぼ1:1で検出。」
   「肝臓、放射性銀110m。腎臓、テルル129m・・・」
   「上記、半減期の比較的短いものが特異的に集積。」
(銀110mもテルル129mもそれぞれの元素の同位体。もちろん不安定な同位体ですから、核崩壊をして放射線を出します。セシウム137は決して物理的半減期が短い放射性物質ではありません)
   「回帰解析の結果、臓器中の放射性セシウム濃度は、血液中濃度に比例。」

   さらに声は続きました。
 
   「放射性セシウム濃度は、胎児で1.2倍。子どもで1.5倍。」

   シカはその話を1月21日に聞きました。
   東北大学加齢医学研究所(http://www.idac.tohoku.ac.jp/index.ja.php)です。
   (以下の東北大学のサイトでこの報告を読むことができます。
   『福島第一原子力発電所事故に伴う警戒区域内に残された牛における人工放射性物質の体内分布を明らかに』
   http://www.idac.tohoku.ac.jp/ja/activities/info/news/20130124 /index.html

   でも、本当はもっともっとたくさんのウシさんたちが飢えて死んでいったり
   放射能で死んでいったのです。
 
   次に因幡の白ウサギさんの言い伝えを。
   「昔も昔、大昔、平安時代の前期、人間の年号で言うと西暦869年。
    貞観三陸地震というのがあったそうな。
    津波も被害も甚大でな。
    マグにニュード8.3以上はあったらしい。
    それから今度はその18年後、887年の仁和地震。
    それ、あれじゃ。人間が今、騒いでいる南海トラフや三連動とかいうやつじゃ。
    880年の出雲地震、言い伝えはここから。
    くにびき。くにびき。赤い目の白ウサギ。」

    シカの一言。

    1993年には昭和三陸地震が起きました。
    1936年には宮城県沖地震、1943年には鳥取地震、1946年には昭和南海地震。
    日本は昔から地震の国です。
    こんな国に原発を作ってはなりません。」

マトリョーシカさんがこれで終わろうとするので、哲野が
哲野「駄目ですよ!ちゃんと締めてください。」
シカ「えっ?締めるんですか?」
哲野「そうです、締めてください。」

で、マトリョーシカさんが再びマイクを握ります。

シカ「広島のみなさん、私は島根県からやってきました。
   中国電力島根原発のある島根からやってきました。
   みなさんにお願いがあります。
   もし、島根原発が事故をおこしたら、松江地方20万人、出雲地方17万人、
   合計40万人近い人間が避難しなければなりません。
   広島のみなさんにも受けれてもらわなければなりません。」

(2012年島根県は中国電力島根原発が過酷事故を起こした時の避難計画を発表しました。
 島根原発から半径30km以内の住民はすべて避難の対象としています。
 その数、約36万9000人。島根県の総人口は71万7000人です。)

シカ「みなさん、9号線の狭さをご存知でしょう。
   また中国山地を超えてくる国道54号線の狭さをご存知でしょう。
   1本道です。
   こんな大量の人間が、逃げることなんかできません。
   こんな計画は非現実的です。
   島根の人間はもし事故が起これば、みんな放射能に汚染されます。
   中国電力島根原発を動かしてはなりません。葬りさらなければなりません。
   私たちも地元で努力しています。
   でも、広島のみなさんが動いていただかなければ島根原発は動くでしょう。
   広島のみなさん、お願いです。
   島根原発をなくしてください!」

この時、逃げることは出来ない、とシカさんがスピーチした時
あたりがシーンとなった感じでした。
本通りの有名な地元の食材や乾物を扱うお店にはいつも
観光客の人でいっぱいですが、お店の店員の人も含めて、一斉にプラカードと私たちを見ていることに気が付きました。
プラカードは原田さんも言うとおり、マップのプラカードをよく見ていました。

次に原田さんにマイクが渡ります。

原田「島根の人もこうして参加して、言ってくれたように
    7月の参院選後、島根原発が稼働する恐れが非常に高くなっています。
    このままでは伊方原発も動くことは確実です・・・・」

この時、「私も島根出身です」と言って、チラシを取りにきた女性がいました。

また、本通りの雑貨店から出てきた中学生の女の子2人連れ。
ひとりが、熱心に何かを読んでるので、哲野がみたら、配ってる今日のチラシでした。

弓場さんの配るチラシがよく受け取ってもらえていたようです。
哲野「若い綺麗なおかあさん・・・得だよなぁ。」
Kさん「ホント。不公平ですよね。」

最後まで原田さんが原子力規制委員会の新避難基準案の非人道性を訴えて元安橋まで帰ってきました。

警察の方にお礼を言ってお別れしました。
   
恒例の立ち話ですが、
網野「チラシ何枚残ってますか?」
哲野「ないよ。50枚全部なくなった」
網野「今日は70枚持ってきたんだけど。」
哲野「あれ?50って言ってたじゃん!ねえ、原田さん」
原田「60のはずじゃなかったですか?
    50枚配るけど、Kさんに10枚持って帰ってもらうということじゃなかった?」
網野「みんなに黙って70枚持ってきた。
    だから言ったじゃん、伊方は身近な問題だから100枚がいいって。
    Kさんに持って帰ってもらうぶんがなくなっちゃった。」

あまり寒いの立ち話もそこそこに、解散しました。

事務所に帰る車の中。
哲野「今日は違う感じがする。街が溶けはじめてる感じがする。
    壁が溶けはじめてる感じがする。」
網野「土曜日ってこともあるんじゃないか?
    金曜はネクタイを締めて仕事モードの人が
    土曜日だと父親や夫に戻るんじゃないか?」
哲野「そういえば、Kさんが子ども連れのパパさんがよくチラシを取ってくれたと言ってたなぁ。
    ネクタイを締めてれば、企業戦士だけど
    土曜日でネクタイを外せば、パパや旦那さんに戻るんだろうかね。
    一人の市民が原発推進と、原発反対に分裂しているのかもしれない。」

以上ご報告いたします。