プロフィール

コンテンツ

記事一覧

第93回広島2人デモ 3月21日報告

ファイル 279-1.jpgファイル 279-2.jpgファイル 279-3.jpgファイル 279-4.jpg

みなさま

第93回広島2人デモのご報告です。
▼今回のチラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140321.pdf

今回のチラシは、伊方原発特集です。
3月17日から25日の予定で伊方原発の存在と危険を広島市民に集中的に広報すべく
広島の繁華街、本通りで街頭広報活動を
「広島市民の生存権を守るために伊方原発再稼働に反対する1万人委員会」
(略称)「広島1万人委員会」が実施しております。

http://hiroshima-net.org/yui/1man/index.cgi

私も哲野も、この広島1万人委員会のメンバーで、活動に参加しています。
この街頭活動では、次のようなチラシを配布しています。

http://hiroshima-net.org/yui/pdf/20140323.pdf

この広島1万人委員会の活動は毎日18時から19時ごろまで
各人、伊方原発の存在と危険性について交代でスピーチしながら
チラシを撒くという単純なもの。
スピーチは例えばこんな具合です。

「広島市民のみなさま、ご通行中の皆様、商店街の皆様、うるさい事で申し訳ありません。
 私たちは、普通の、当たり前の、皆様と全く変わらぬ広島市民です。
 広島から最も近い原発は中国電力島根原発、ではありません。
 広島から最も近い原発は、四国は愛媛県、広島から直線わずか100km、
 遮るものとてない、瀬戸内海をはさんで佐田岬半島の付け根にある、
 四国電力伊方原発でございます。
 広島から最も近い原発は、四国電力、伊方原発です。
 直線わずか100kmしか離れておりません。

 つい先週、伊予灘沖で大きな地震がありました。
 その震源地は伊方原発からわずか40km。
 また、中国電力が今、懸命に建設しようとしている
 周防大島から近い上関原発予定地からわずかに10km強の地点でした。

 今お配りしているチラシに、その伊方原発と先日の伊予灘沖地震の震源地の
 位置関係を記載したマップを掲載しております。
 どうか、チラシを受け取って、お手にとって位置を、
 広島から最も近い原発、四国は愛媛、四国電力伊方原発の位置を
 どうかご確認ください。

 また、マップをご覧いただけるとわかるのですが
 伊方原発が南海トラフの震源域にあること
 また、伊方原発前面海域約4kmのところに
 世界有数の巨大活断層帯、中央構造線が走っていることも明示してあります。

 原発に賛成の人、原発に無関心な人、
 原発にあまり興味の無い人、
 原発に反対な人
 どうか、チラシをお手にとって、広島から最も近い原発、伊方原発が
 どこにあるかをご確認ください。
 伊方原発が広島から最も近い原発であることを知っておくことは
 賛成・反対・無関心に関わりなく、広島市民として基礎的な知識でございます。」

なぜ、こんなことを長々とやらねばらならないかと言うと、
多くの広島市民は、広島から一番近い原発が伊方原発、
直線わずか100kmしか離れていないことを知らないのです。
これを知ってもらわないといかに伊方原発の危険を説明してもピンときません。
ですから、危険の説明の前に位置の説明を必ず入れると、こういうことになります。

この広島1万人委員会の街頭活動にテーマを合わせようと言うことで、
今回チラシのテーマになりました。
なお、街頭活動は18時からと決めていたんですが
広島2人デモの時間とコースが重なりますので
この日だけは街頭活動を1時間だけずらしてもらい
デモ後の19時から街頭活動としてもらいました。

もちろんデモが終わったあと、私たち2人も参加しました。

さてデモの報告です。
この日は物凄く寒い日でした。
昼間は晴れて少し暖かかったのに、デモ直前で空が雲に覆われ
冷たい雨になりました。

▼今日のデモ前。祝日なので平和公園は遊歩道になっています。

集合場所で待っていると、警察の方がきていつも通り指令書の確認。
警察「今日は東北の方は雪で、記録的な積雪もあったらしいです」
出発前、雨模様になってきたので、時間まで哲野やじゃけえさんは商店街アーケードに移動していてもらいました。

音楽が鳴って出発です。

プラカードはテーマに合せて伊方原発問題一色。
最初のスピーチはじゃけえさんです。

じゃけえさんのスピーチがはじまるとすぐ、大歳さんが合流。
計4人。ところが、少し行くと、森本さんが参加。
計5人。

じゃけえ「広島から一番近い原発は愛媛県にある四国電力伊方原発です。
     原子力規制委員会の全国原発放射性物質拡散シミュレーションと
     原子力災害対策指針を合わせ読むと
     もし、伊方原発で福島並みの苛酷事故が起こったら
     広島市は1週間で4mSvの被曝、4mSvは一時移転の対象になります。
     一時移転とはいいますが、それは避難と同じことです。
     いま伊方原発の再稼働に反対しないということは
     黙っていることは賛成したことと同じです。
     伊方原発再稼働に賛成するということは
     規制委員会のシミュレーション通りのことがおこって
     広島が放射能に覆われる、そしたら避難する
     避難してもかまわないと言っていることと同じになります…」

じゃけえさんのスピーチが終わりかけのころ、久々に森本さんが参加。
すかさず哲野が森本さんに
哲野「次、きみやってよ。」
森本さんは、しばらく網野と一緒にプラカードを持って先頭を歩きます。
網野「お忙しいでしょう、よく来れましたね」
森本「ええ、仕事も忙しいんですけど、今は子育てが忙しいんですよ。」
お子さんが生まれて11か月。今一番大変な時です。
で、森本さんのスピーチです。

森本「今から3年前、福島原発事故が起こりました。
    福島原発事故が起こった時、私は出張で千葉にいました。
    それまで原発は安全だと、事故を起こさないと信じていましたし
    マスコミの報道も正しいものだと思い込んでいました。
    千葉で福島原発が爆発したと聞いて、これは大変なことになったと思いました。
    広島に戻ってきて、それから一生懸命情報を集めいろんな勉強をしました。
    そして、原発はいらない、原発をやめさせなければならないと思うようになりました。
    いま、日本の原発はすべて止まっています。
    電気も足りています。
    でも、広島から最も近い原発、四国電力の伊方原発が
    再稼働しようとしています。
    福島原発事故を出張中の千葉で体験した私は
    もう二度とあのような恐ろしい思いをしたくありません。
    四国電力伊方原発がもし事故を起こせば
    私たちは広島から避難しなければなりません。
    こんなバカな話はありません。
    四国電力伊方原発の再稼働に、みなさん反対してください。」

次にマイクは大歳さんに渡ります。
大歳「・・・というわけで、四国電力の伊方原発は危険な原発です。
    それでは事故を起こすから危険なのか?
    いやそうではありません。
    伊方原発は事故を起こさなくても危険な原発なのです。
    伊方原発が稼働中の10年間に瀬戸内海に放出したトリチウムは
    約550兆ベクレル。
    1年間平均50兆ベクレル以上です。
    原子力業界や電力業界はこの程度のトリチウムなら無害だと言っておりますが
    本当でしょうか?
    トリチウムがトリチウム水(HTO)のままであれば、あるいは電力業界の言うとおりかもしれません。
    しかし、HTOは人間や植物、動物などの生体の中に入れば
    生体内の有機物と化合して、有機結合型トリチウム、OBTになります。
    人間の身体のなかでOBTとなったり、OBT化したものを食品・飲料の形で摂取すれば
    これは大変なことになります。
    OBTは様々な理由で人間の細胞を物理的にも、化学的にも破壊していくからです。
    確かに、HTOのままであれば、10日くらいで体外に排出されますが
    いったんOBT化したトリチウムは、体内滞留時間がHTOの20倍から50倍程度となり
    なかなか体外に排出されません。
    つまり慢性被曝状況になるわけです。
    このトリチウムを大量に瀬戸内海に放出している伊方原発は、
    事故を起こさなくても危険な原発と言えるでしょうし
    事故を起こさなくても瀬戸内海を汚染し、私たちの生活を脅かしていると言えるでしょう」

大歳さんのスピーチの時には、もう折り返し地点です。

次に哲野にマイクが渡ります。
哲野「今から3年前の3月11日、福島原発事故が起こった直後
    午後7時3分、当時の菅直人総理大臣は福島第一原発に関わる
    原子力緊急事態宣言を発令しました。
    法律用語では内閣総理大臣告示というそうです。
    それから3年後の今日も、この緊急事態宣言は解除されておりません。
    3月12日、こんどは福島第二原発の圧力抑制機能が失われたとして
    福島第二原発に関わる原子力緊急事態宣言が発令されました。
    この緊急事態宣言は第二原発の危険が相当程度低下したとして
    2012年12月22日、当時の内閣総理大臣野田佳彦名で解除宣言が出されました。
    ところが、申し上げたように第一原発については今なおかつ、緊急事態宣言中です。
    なぜ緊急事態宣言中なのか?
    それは、緊急事態宣言が出された直接の理由、
    つまり、福島第一原発施設外へ大量の放射能が放出され
    国民生活が危機に陥り、
    なおかつ、現在も避難中の住民が多数存在するからです。
    少なくとも、敷地外への放射能放出が法令で定める限度以下になり
    かつ、避難中の住民が避難解除、と言っても今の時点で帰還することは難しい地区も出ていますが
    少なくとも避難指示解除準備区域の避難が解除されるまでは
    福島第一原発による原子力緊急事態宣言は解除することはできません。
    みなさん、今日本の社会は福島第一原発事故による原子力緊急事態宣言中です。
    このことをしっかり頭に入れておいてください。
    そして、この緊急事態宣言中の日本で、
    広島から最も近い原発、直線わずか100kmの伊方原発がまさに再稼働されようとしている。
    これが異常な事態である、という認識はしっかり持っておいてほしいと思います。
    これが正常な生活感覚だと思います。」

次にじゃけえさん変わりました。
じゃけえ「・・・以上申し上げたように、伊方原発が苛酷事故を起こせば、私たちは広島にいられなくなります。
    今現在私たちは広島市議会に伊方原発再稼働決議をするように請願しております。
    現在、共同請願人は2082人となりました。
    (2014年3月2日現在。集計は済んでいないが、現在はこれを上回っていることは確実)
    所定の署名用紙に署名していただくことで共同請願人になっていただくことができます。
    出来るだけ多くの共同請願人を集め、広島市議会に圧力をかけ
    伊方原発反対決議を出して原発再稼働の今の政権に対し
    政治的プレッシャーをかけたいと思っています。
    原発の再稼働に賛成の方は、黙っていてもいいんですが
    反対の人は反対とはっきり意思表示しなければなりません。
    というのは、今の政治の仕組みの中では、
    原発に対して何も言わないことは、賛成だとみなされてしまうからです。
    伊方原発の危険を知って、広島の生存権を守ろうと思っていらっしゃる方は
    ぜひとも共同請願人になってください。」

じゃけえさんのスピーチ中、プラカードと拡声器を抱えたさとうさんとバッタリ。
哲野「どうしたんです、今日は?」
さとう「今日私仕事が休みなもので、横川駅近辺からここいらへんまで
    ところどころの街頭で原発反対のスピーチをしながら来たんです。
    2人デモさんに会うかなぁと思いながらいたら、やっぱり会っちゃった。」
哲野「最後まで一緒に歩きますか?」
さとう「ええ、もう。ここまでくれば最後までご一緒しましょう。」
ということで合計6人になりました。

次は網野のスピーチです。
網野「申し上げたように、今日本は原子力緊急事態宣言中です。
   原子力災害対策特別措置法によれば
   原子力災害に対応するため内閣総理大臣に強力な権限が集中します。
   原子力緊急事態宣言中は内閣総理大臣はオールマイティーの権限を持ちます。
   これは、目の前の原子力災害を最小化して早期に終わらせるための措置です。
   ところが全く残念なことに、前首相野田氏も、現在の首相安倍晋三氏も
   自分に与えられた権限を全く使おうとしておりません。
   菅首相は、今から考えれば、自分に与えられた権限をフルに使おうとしたことろを
   原発推進勢力がマスコミを使って引きずりおろされた、と言えるでしょう。
   特に、現在の安倍首相は悪質です。
   法律上自分に与えられた権限を使わず
   福島原発事故という原子力災害を最小化するための責任も果たさず
   原子力災害対策特別措置法の理念とは全く逆の、原発再稼働を推し進めています。
   法律などはあってなきがごとしです。
   また本来、この点を痛烈に批判すべきマスコミも
   気が付いているのかいないのか、まったく知らんぷりをしています。」

元安橋に帰ってきてデモ終了。
チラシは30部用意して、ほぼ全部はけました。

この日は立ち話もなし、デモ参加者全員、このまま広島1万人委員会の街頭お知らせ行動に行きました。
街頭活動に向かう途中、
哲野「寒いね。これ、春なのかね。口が動かないんだもん。
    3月にこれほど寒いのは去年はなかったよ。
    誰が悪いの?」
網野「安倍さんに決まってるでしょ」
じゃけえ「あ、そっか。いいともに出たから・・・」
網野「東北は雪だよ、雪!」
じゃけえ「『安倍首相はいますぐやめてもいいとも』て言ってる人がいました。
     アルタ前は抗議の人が殺到したらしいです。」
なんて言いながら街頭活動の場所に行ってみると、もう一ノ瀬さんが待っていました。

以上ご報告いたします。

▼デモ後の街頭活動。左端はマイクを握る森本さん。右はチラシ配布のじゃけえさん。

第93回広島2人デモ 3月21日報告の件

広島2人デモwebサイト訪問ありがとうございます。

第93回広島2人デモのご報告、少し遅れます。
17日から伊方原発再稼働反対街角お知らせ行動中。

http://hiroshima-net.org/yui/1man/

報告は23日今日~24日明日アップ予定です。
しばらくお待ちください。

第93回広島2人デモ3月21日 及び 伊方原発反対街宣のお知らせ

ファイル 277-1.jpgファイル 277-2.jpgファイル 277-3.jpgファイル 277-4.jpg

みなさま

毎度お騒がせしております。
広島2人デモ第93回のお知らせです。

3月21日(金・祝)18時~
広島平和公園 元安橋東詰め(花時計前)を出発
いつも通り本通り・金座街を往復します。

チラシが出来ましたのでご覧ください。
タイトルは
「原子力緊急事態宣言中の日本で原発再稼働という異常事態
 伊方原発再稼働は100万都市広島の最大リスクです」

今回は主に広島市民向けの伊方特集になっております。
が、他の自治体にも同じことが言えるような内容だと思いますし
なにより原子力緊急事態宣言中の国で、終息に全力注ぐどころか
再稼働という愚かしい行為に力を入れています。
宜しければお読みください。

http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140321.pdf

なお、デモ後に17日から続けている
伊方原発再稼働反対・署名活動の街角行動を
デモ後19時から20時まで
本通り電停、叶屋さん前で行う予定です。

昨日は、中高年齢層のビジネスマンが足をとめ
スピーチを聞き、チラシを取りに来てくれました。
一番動かしたい階層が少しずつ興味を持ってくれています。

少しずつですが、伊方原発の認知度と危険性を広めたい
また、原発の話や被曝の話をタブーにしないよう
街に出るべき時だ、と思いを新たにしました。

原発だけの話ではありません。
憲法問題も教育問題もそうです。
おかしいことはおかしいと言いましょう。
裸の王様を堂々と歩かせてはいけません。
「賢い子ども」になりましょう。
議論を起こし多くの人と共感を持ちましょう。
街は「これはおかしいよ」の声を待っています。

1人でも、2人でも。みなさん、街に出ましょう。

私も歩いて参ります。

伊方原発再稼働反対広島1万人委員会が広島市内繁華街で街頭スピーチ

▼配布チラシ
http://hiroshima-net.org/yui/pdf/20140317.pdf
▼請願署名のお願い
http://hiroshima-net.org/yui/pdf/seigan_1-2_20140317-1.pdf
▼請願書・署名用紙
http://hiroshima-net.org/yui/pdf/seigan_1-2_20140317-2.pdf

哲野イサクの地方見聞録 雑観57より転載
「伊方原発再稼働反対広島1万人委員会が広島市内繁華街で街頭スピーチ」
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/zatsukan/057/057.html


伊方原発再稼働反対広島1万人委員会が
広島市内繁華街で街頭スピーチ


広島市議会へ「伊方原発再稼働反対決議」請願

 話をどこから始めればいいのやら・・・。結(ゆい)・広島という市民団体がある。団体といったって、四国電力伊方原発再稼働反対で、再稼働を何とか潰せないかと考えている広島市民4人がメンバーだ。(かくいう私もその4人の1人である)

なお結・広島は昨年末に「みんなの党」から分派してできた「結いの党」とは何の関係もない。大体「結」という言葉を団体名に使用したのは、こちらが半年も前だ。

 広島市から四国電力伊方原発までは直線約100km。間は瀬戸内海だから海上遮るものなし。ご存じの方も多いだろうが、現在すべて稼働を止めている日本で運転中の原発48基のうち、伊方原発3号機は再稼働最有力候補と目されていた。加圧水型原子炉であること、唯一重要免震棟がすでに完成し実際に使用されていることなど様々な理由による。
伊方原発(2012年11月撮影:網野沙羅)

 これに危機感を募らせた結・広島が広島市議会に「伊方原発再稼働反対」の決議を出すようにという請願を出した。
これが2013年の9月頃。広島市議会議員の中では6議員がこの請願の紹介議員になってくれた。
(地方自治法では市民が議会に請願を提出する場合には“紹介議員”の存在を必須としている)

広島市議会議員51名中少なくとも6名がこの請願の政治的意義を認め紹介議員になってくれたわけだ。しかし先は長い。結・広島はこの請願
(請願人は結・広島の代表、原田二三子)
の共同請願人を募った。共同請願人は所定の署名用紙に、住所記載の上本人自筆署名をすればなることができる。広島市の最近のケースでは「学童保育」の充実を、という請願で約13万人が共同請願人となったケースがある。100万人近い有権者のいる広島で13万人の共同請願ということになると強い。これは多くの市議会議員の賛同を得てすんなり広島市当局も学童保育充実のための予算をとった。
 
 「伊方原発再稼動反対決議」の共同請願人署名だが、これは広島市居住の有権者、ということで資格を絞った。広島市以外の有権者や外国籍の人、未成年にも署名をしてもらったのだが、これは参考署名ということで別途市議会に提出することにした。

 なにしろ「広島からもっとも近い原発が四国電力の伊方原発」という事実を知らない広島市民が圧倒的に多い環境の中で、広島市議会が「伊方原発再稼働反対決議」を出すことの政治的意味を理解する人はほとんどいない。地方自治法101条に基づく「地方議会の国への意見書提出決議」との区別もわからない。こんなことを長々書いているとなかなかこの記事の本題に入れそうにないので、かいつまんでいうと、国への意見書提出では国の政策を見直しを要求するだけになってしまう。国の政策とは「原発問題はエネルギー問題」だ。要するにエネルギー問題としての原発政策を見直してくれ、変更してくれというにすぎない。

 私たちの問題の捉え方は全く違っている。原発問題はエネルギー問題ではない、私たちの暮らしや生活、永年築いてきた仕事の基盤や個人的財産、生命や健康を根本から脅かすのが原発だ、つまり「原発問題は生存権問題」という捉え方だ。なにも遮るもののない、瀬戸内海に浮かぶ伊方原発は、根本から広島市民の生存権を脅かしている、広島市民の生存権を守る第一次的責任のある広島市議会が反対決議を出して、体を張って私たちを守る姿勢を示してもらわなければ誰が私たちを守るんだ?こういう趣旨で「伊方原発再稼動反対決議」を求めることにしよう、となった。


共同請願人となることの意味

 さてその共同請願人だが、広島市議会に請願を提出した2013年9月時点で1541人。毎月末に新たな請願人を追加提出しているのだが、2014年月2月10日までに1886人になった。署名のダブりや広島市在住有権者でない人を除いたりする事務作業に手間取るのでタイムラグがある。

 結・広島は、この時点で目標を「1万人」と置いた。1万人の共同請願人のパワーを背景に広島市議会に「反対決議」をせまろう、というわけだ。「1万人」がプレッシャーになるのかならないのかは別として、また広島市議会の「反対決議」が伊方原発再稼働を阻止するどれほどの政治的圧力になるのかどうかは、これも別にして、「1万人」には大きな意味があると考えた。

 第一に、署名して共同請願人になる個人の立場を考えてみよう。広島はまず原発企業・三菱重工業の企業城下町という色彩を戦前から色濃く持っている。現在でも三菱重工業やもっと広く三菱グループ関連企業、その下請け企業、そこから自分の生活の糧をえて暮らしている人は数多い。言いかえれば「原発反対」どころか「原発問題」そのものを話題にしにくい雰囲気がある。次に中国電力が本社を広島に置き、その関連企業が広島で大きなビジネスネットワークを張っているという問題。これも「原発問題」を話題にしない雰囲気作りに一役も二役も買っている。次にあまり表立たないのだが広島銀行の存在。これも中国電力の大株主であると同時に、中国電力に対して大きな投融資をしている。そこから広島銀行は莫大な利潤を吸い上げている。(もとはといえば私たちが支払う電気料金が財源だが)

 つまりは広島地元財界は全面的に原発推進なのだ。推進の理由は明らかでその方が利益になるからだ。そして陰に陽に広島市当局や広島市議会ににらみをきかしている。にらみをきかしているだけではなく、三菱重工業や中国電力の利益代表者を市議会議員として広島市議会に送り込んでいる。

 こうした雰囲気の中で、「伊方原発再稼働反対決議」の共同請願人になるということは、それだけでちょっとした勇気と覚悟が必要になる。しかも実名と現住所まで記入しての行動だ。こういう人が1万人も存在するということの政治的意義は計り知れぬほど大きい。

 第二に、やみくもにおつきあいで署名するわけではない。最低限「伊方原発が広島から最直近の原発で、これまでのいろんな証拠から見て危険な原発」であることを知った上での署名となる。これは「ちょっとした勇気と覚悟」と裏腹の関係であるが、わかりやすく言うと伊方原発の危険に対する認識が「ちょっとした勇気と覚悟」を引き出す関係となる。


広島「1万人委員会」のスタート

 「1万人」を目標とする意味はある、と判断した私たちはたちまち困った。4人の市民グループ「結・広島」ではよくやれて2000人の共同請願人まで、というのが自己判定だ。1万人にするには、グループを拡大する必要がある。そこで2014年1月にグループ拡大を呼びかけた。そこで集まってきて呉れた市民が約10人。その10人で
「広島市民の生存権を守るために伊方原発再稼働に反対する1万人委員会」(代表・原田二三子)をスタートさせた。2014年1月18日のことである。長々しい名前だが、これも参加者で討論を積み上げて決定した名称だ。あまり長いので略称も「広島1万人委員会」とすることも決めた。毎月1回全員参加の総会を開催することも決め、そこで短期的活動方針も決定することにした。

 3月2日(日)は総会の日である。といっても1月18日にスタートしたばかりだから第2回目の総会である。各人過去1か月の活動と成果を報告した。この時代表の原田二三子から共同請願人が2000名を越えて2082人となったことも報告された。それから短期的な活動方針の話題になった。

 メンバーの1人に重広麻緒(あさお)がいる。彼女は、私と私の同僚の網野沙羅が2012年6月から毎週金曜日夕方から実施している『広島2人デモ』の常連メンバーになっている。

 私も網野も『反原発』の市民運動を開始したのは『3.11』の後だ。いわば「ポスト3.11組」である。重広麻尾は「ポスト3.11組」ですらない。彼女が「反原発運動」に身を投じるようになったのはやっと2012年の12月頃である。大体人の煽動に乗らない。自分で考えて納得してから体が動く、というタイプである。それだけにいったん決めるとなかなかぶれない。またそれだけに問題意識が鋭い。年齢はというと今年66歳になる私から見ると、自分の娘以下の年頃だ。最初会った時はてっきり21歳か22歳、と思ったほどだ。

 この重広麻尾が3月の活動方針で「本通り街頭活動」をやろうと提案した。網野の顔を見るとこれも乗り気だ。代表の原田も乗り気である。ほかのメンバーもこの提案に否定的ではなさそうだ。「本通り」というのは広島の中心部にある商店街を中心とした最大の繁華街だ。広島は東京や大阪などと比べると都市の規模が小さく、新宿・池袋・渋谷とか、ミナミ・道頓堀などと繁華街を複数個所もたない。かといって他の地方都市よりも規模が大きい。多くの地方都市では国鉄の駅(今はJRの駅)を中心にして繁華街が形成されたのだが、広島は国鉄広島駅が市の東北端に位置し、国鉄広島駅を中心に一大繁華街は形成されなかった。中心部に位置する本通り商店街を中心に繁華街が形成された。夜の歓楽街、いわゆる広島の「薬研堀(やげんぼり)も「本通り」繁華街と地続きの関係にある。

 だから重広の提案する「本通り街頭活動」は正解なのだ。正解なのだが私は内心困ったな、と思った。

その理由はもっぱら私たちのマンパワーが極めて限定されていることに由来する。「1万人」にするには、さまざまな手を打って行かなければならない。第一に労働組合に対する食い込み方が全然足りない。労働組合といってもまるで万華鏡である。最大の労組団体である『連合広島』は傘下に中国電力労組も参加する大企業労組の組合団体である。そのほとんどが企業内組合の集まりであり、内心は「原発推進派」である。まったくあてにならない。が、やはり細かく見ていくと、現業中心の労働組合の中には「原発反対」の気持ちをもった人も多く、説得していけば協力・参加してくれる見通しもついてきた。

 さらに広島市内に居住する外国人の存在もある。戦前からの流れで朝鮮半島出身の外国人(多くは日本国籍がないというだけで、みんな立派な日本人であり、日本人である以前に広島人だ)の人たちは数も多いだけでなく原発には反対の人が多い。既存の利益共同体の同心円から周辺にいけばいくほど原発反対の色彩は濃くなる。さらに外国人といえば、ヨーロッパ系、アジア系の外国人居住者だ。広島には、マツダがフォードと提携関係にあった(現在もそうだが)ことで、ヨーロッパ・アメリカ系の外国人居住者とその家族も多い。もちろん有権者ではないのだが、広報・宣伝に一役買ってくれそうな感触もある。

 また保守の牙城、広島保守政治の土台ともいうべき町内会連合の有力者の中にも、原発の危険、特に伊方原発の危険を知るにつれて「実はオレも反対だ」と言い出す人たちも出てきた。実際に伊方原発がフクシマ事故並の苛酷事故を起こしたら、最大の被害者は、永年広島の地域社会で地主や有力者として活躍してきた、彼ら、町内会の有力者かも知れない。実際にすでに賛同者の数人は地域町内会の有力者だ。

 さらに広島湾を生活の糧とする漁業者、ノリ養殖業者や牡蠣養殖業者の間にも理解者が出ている徴候がある。伊方原発から放出されている大量のトリチウムの話をすると、他の広島市民には見られない独特の鋭い反応を見せる。彼らにはどこかピーンと響くものがあるのかもしれない。

 大体広島市議会工作も満足に進んでいない。現在6人しか居ない市議会内の理解者を拡大していくという工作だ。中にはある公明党議員のように「党中央の方針があるので表だっては君らの動きに賛同できないが、個人的には伊方原発稼働に反対だ。逆に君らが賛同者を増やして呉れればオレたちも動きやすくなる」という人もいる。

 要するに私たちのマンパワーに対してやるべき課題が山積しているのだ。大体網野と私が続けている「広島2人デモ」自体、事前の準備(チラシ作り)と事後の報告でだんだん身動きがとれなくなっている。

 この上「街頭活動」を加えるとなったら・・・と思ったのが、私が内心困ったな、と感じた理由である。

 重広の顔を見た。テコでも動きそうにない。1人でもやる、という顔だ。実際彼女は、昨年私たちが仕事で「広島2人デモ」を中止せざるを得なくなった時(後にも先にもこれ1回切りである。といってこれからもその可能性がある。私たちもメシを食わねばならない)、1人切りでスピーカーとプラカードを持って本通りでデモをした実績がある。「広島2人デモ」ならぬ正真正銘「広島ひとりデモ」である。

 重広の顔をみた。私はあきらめた。そして思い直した。「大体小賢しく『資源の選択と集中』などといった論をぶってみてもはじまらない。やる、といっているんだからやるほかはない。大体世の中が動く時はこんなもんだ。なにがきっかけになるか計算はできない。それにまだまだ広島市民に関するリサーチが足りない。街頭活動でどんな反応をしめすか、どんな話に興味をもってどんな話に興味をもたないか、何が必要な情報なのか、どんな情報を欲しているのか、これをリサーチするいい機会にもなる」と思い直し、賛成した。


バタバタと街頭スピーチ活動へ

 あとは早い。網野と重広が中央警察に行って街頭活動の申請をした。車道上のデモの場合は警備課の管轄だが、歩道上の街頭活動の場合は交通課の担当になる。おまけに歩道を使用する料金として2400円もとられる。(ただし1週間有効)このお金は広島県交通協会の収入になる。広島県交通協会は警察OBの退職後の受け皿で大したことはやっていない。警察OBのメシの足しになるのか、と思うとやや業腹だがやむを得ない。

 というのは、「政治的表現の自由」という憲法で保障された権利を遂行する、ということで無届けで街頭活動もできる。しかし、実際の生活の場はそんな理屈で動いてはいない。宣伝活動をし、チラシ配りをする人間は私たちだけではない。チラシ配りで生活の糧をえている人もいる。私たちはそこに割り込むのだ。せめて「ごめんね、一応許可はとっているから」と弁解くらいはしたいものだ。また「がんがん」にスピーカーの音量は上げる。回りのお店は迷惑だろう。歩いている人も迷惑だろう。迷惑はお互い様にしろ、せめて「一応許可はとってありますから」と弁解のネタくらいはもっておかないと申し訳ない。弁解料2400円と見れば、安いといえないこともない。

 3月17日午後6時からの
街頭活動用の特別チラシをとにかく100枚ほど作って、その他に議会請願用署名用紙兼チラシを100枚ほど用意して、またプラカード2枚アクリルボードに貼り付けたマップパネルを持って現場に行った。私たちが選定した場所が、ちょうど老舗の呉服店の真ん前なので、そのチラシをもってあいさつに行き、小1時間ほどご迷惑をかけること(実際には1時間半近くになったが)、こんな内容の訴えと広報をすることが目的で決して胡乱なものではないことを断った。ご主人は受け取ったチラシを一瞥したあと丁寧な対応を返してくれたので一安心した。
▼プラカード


▼マップパネル

 あたりは、販促・呼び込みチラシの配り手で溢れている。中の1人に私たちもチラシ配りをするが、お互いに邪魔にならないようにしようと声をかけて了解し合った。

 第1日目はまったくの手探り。参加者は5人。ちょっと体の不自由な「市さん」を除いて4人が交替でスピーチにたった。
(▼3月17日スピーチする重広さん)

それでもわかったこともある。永年市民運動をやってきたと称する人からは、「デモで歩く時のスピーチは短く簡潔に」、街頭宣伝では「長めのテーマをじっくりスピーチ」できる、と聞いていたのだが、これが大ウソ。実際にやってみると、「スピーチは簡潔に要点を突いて」はいつでもどこでも通用する大法則としても、プラカードもって歩いてスピーチする方が、それだけで注目を集めて、耳目をそばだてる効果をもっているが、街頭スピーチでは突っ立ってしゃべるだけなので、それだけでは注目を集めない。「本通り」からすると見慣れた光景で珍しくもない。どんどん流れている人の耳目を集めるのは「スピーチ勝負」とわかった。それではなぜ永年市民運動をやってきたと称する人は「街頭宣伝では長めのテーマをじっくりスピーチできる」と勘違いしたのか。それも観察しているとすぐにわかった。「長めのテーマをじっくりスピーチできる」のはしゃべり手の勝手な思いこみで、流れている人は誰も聞いていない。つまり聴衆の反応などはお構いなしにしゃべっているだけなのだ。それはチラシの受け取り方ですぐわかる。つまり流れている人は、耳には入ってくる興味ある情報に惹かれて、チラシを受け取るのだ。だからまず興味ある情報を流れている人の耳に届けなればならない。これは考えてみるとかなりな高等技術だ。簡潔であるばかりでなく、内容がなければならない。

 ところがこの「内容がある」ことが曲者だ。往々にして私たちは内容がないことを内容があるように見せかけようとする。勢いセンセーショナルなことを口走りたくなる。結果、誇張してしまったり、やたらと煽動的な話を並べたり、感情にのみ訴えようとする。場合によればはっきりウソとわかる内容になってしまうこともある。これは禁じ手だ。というのは誇張合戦、煽動合戦になれば私たちが負けるのは目に見えている。向こうの方がはるかに「拡声器」が巨大だからだ。金もかかっている。

事務所に帰ってチラシを数えてみると、用意した特別チラシは8枚しか残っていなかった。つまり現場で92枚渡したことになる。別に準備した署名用紙兼チラシは20枚ほどなくなっていた。

 これはチラシの配り手によって、手持ちの特別チラシがなくなったので、たまたま持っていた署名用紙兼チラシを配ったものとわかった。初日の成果として評価のしようもない。大体評価の基準すらまだ作っていないのだから。

 第2日目の3月18日は、初日よりも若干物慣れている。参加者同じく5人。スピーチはもっと短く簡潔にすることを心がけ、申し合わせた。
 テーマは、

1.伊方原発が広島からもっとも近い原発であること。
2.伊方原発が100万広島市民の安全な生活と生命・健康に対する大きなリスク要因となっていること。言いかえれば生存権問題となっていること。
3.このため広島市議会に対し「伊方原発再稼働反対決議」を請願していること。現在共同請願人は2082人であり、この請願人数を1万人にしたいと思っていること。みなさんに参加して欲しいと思っていること。

 街頭スピーチ活動は、この日は1時間ちょっとで切り上げた。持っていったチラシ100枚と前日の残り8枚計108枚はすべてはけていた。その他に予備として持っていった署名用紙兼チラシは20枚ほど使っていた。

 なお最後に残った1枚のチラシは、本通りに自転車乗り入れを規制するためのガードマンの若い男性(本通り商店街が手配しているスタッフらしい)が持っていった。最後に残った1枚のチラシを持っていた私に、ガードマンの若い男性がものもいわずニュッと手を突き出した。目があった。チラシを呉れ、といっている。ものもいわず渡すと、ものもいわずひったくるようにして持っていった。照れくさかったのかも知れない。

 彼は仕事柄20分置きぐらいに現れて商店街アーケードの入り口に立って自転車の進入を監視している。彼のポジションでは否が応でもスピーチが耳に入ってくる。私たちの街頭活動終了とその日の彼の“仕事あがり”の時間がたまたま一緒になったのだろう。彼はチラシをもっていった。

 この日は別に飛び入りスピーチがあった。以前に広島2人デモに参加してくれたことのある人だ。たまたま通りかかったのでスピーチをお願いした。

 まだまだ3月18日も19日も続ける予定だ。
(▼3月18日18時半ごろ本通り電停前交差点 撮影:網野沙羅)

第92回広島2人デモ 3月14日報告

ファイル 275-1.jpgファイル 275-2.jpgファイル 275-3.jpgファイル 275-4.jpgファイル 275-5.jpg

みなさま

毎度お騒がせいたします。
第92回広島2人デモ 3月14日のご報告を致します。

最初に、3月14日未明の地震の話から。
ちょうど、このデモのチラシを作成中でした。
いつも徹夜で朝方までに作るのですが、哲野の机で相談中、揺れ始めました。
急いで湯沸し器の電源を切ったところで大揺れ。
傍にあった本棚が倒れそうに揺れたので支えていました。
棚から本とかビンとか色々落ちましたが・・・・

哲野「今の、どこが震源地だ!?」
網野「調べます!」
NHKも出してない。
網野「気象庁のツイッターのほうが早い!」とツイッターを開き
広島が震度5弱と判明。
哲野「いや、今のは震度5弱ほど強くないぞ。震源地は?伊方じゃないだろうな?!」
網野「・・・出ました!中央構造線から少しそれてますね、祝島に近いです」
哲野「伊方の震度は!」
網野「震度5強です!」
哲野「よし、チラシ作成に戻ろう。5強ならまず耐えられる。」
網野はしばらく、手の震えが止まりませんでした。

地震のたびに家族は大丈夫か?と心配しつつも
原発の心配をしなくてならないのか?
もし原発になにかあったら、被災したうえに不必要な「一時移転」という避難が強いられます。
こんな理不尽なことがあるか?と実感した出来事でした。

そして「絶対14日のデモで言ってやる・・・!」と思ったのは
当然私だけではなく、実はデモ参加者全員でした。
なんで地震が起こるたびに原発の心配をしなきゃいけないのでしょうか?
これも「放射線恐怖症」と言いくるめられるのでしょうか?
伊方は廃炉にしなければいけません。
私たちの生活を根本から脅かしています。

今回チラシで上関町のまちづくり連絡協議会の立て看板を紹介していますが
そのメッセージに
「町民の大多数は(原電=原発)建設を望んでいます。
それでもあなたは妨害するのですか?」という文言があります。

上関に原発が出来たとしましょう。
地震がしょっちゅう起きるでしょう。
そのうち苛酷事故に発展するかもしれません。
それでも上関町の大多数は建設を望みますか?
私たちの生活権、生存権を侵害してまで達成される上関町の繁栄とはいったい何でしょうか?
(もっとも、私たちは上関町まちづくり連絡協議会なるものは
 中国電力のお金で運営されていると思ってますが・・・)

(撮影:網野沙羅 撮影日2012年5月14日)

さてデモ報告です。

参加者は
哲野、網野、じゃけえさん、初参加のAkkoさん、Kさんでした。
原田さんがデモ終わりに駆けつけて6人でした。

いつもは集合場所に15分前に行くのですが
出発が遅れて10分前に。
じゃけえさんが集合場所で待っていました。
そこへ警察の方が先に来て待つ形に。

指令書の確認をしてしばらく雑談していました。

▼今日の出発前

そこへ現れたのがAkkoさんでした。
Akkoさんはツイッターで話しかけてきてくれた人です。
一度会っておきたい、と広島を離れる前に来てくれました。
東京に引っ越されるのだそうです。

音楽が鳴って4人で出発。

▼第92回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140314.pdf

本日のプラカードは早速地震を取り上げました。
新聞には震源地が書いてありましたが、伊方原発や上関原発(計画中)との位置関係は
まったくわかりません。
どうしてもこの位置関係を広島市民に知っておいて欲しかったです。

あとでご説明しますが、今日は異常にチラシがはけました。
一つは未明の地震、一つはAkkoさん。

スピーチのトップバッターはじゃけえさんです。
じゃけえ「みなさん、今日の地震は怖かったですね。
     私は地震の揺れですぐに飛び起きて、すぐに原発の心配をしました。
     震源地がすぐにわからなかったので、事故の終息がまだの福島第一原発の心配をしました。
     テレビをつけて、震源地が伊方原発のすぐ近くだとわかって
     今度は伊方原発の心配をしました。
     私たちの住む広島から一番近い、約100kmの位置にある伊方原子力発電所は
     今止まっていますが、止まっていても安全なわけではありません。
     もし事故が起こって原子炉の制御機能が失われたら
     メルトダウンを起こして放射能が大量拡散していたところです。
     今日の地震がもし、東日本大震災並みの地震だったら
     いま私たちは広島市内にいられなかったかもしれません。
     『3.11』が広島だったかもしれないんです。」

じゃけえさんのスピーチ中、チラシまきは哲野とAkkoさんです。
哲野がAkkoさんの手元を見ると、今日用意したチラシがもうそこを尽きかけています。
まだ出発したばかりです。
実は今日のチラシは人数が少ないだろうと思って、25部しか作ってきてなかったんです。
哲野「もう、あまりないですね。」
Akkoさん「まずかったでしょうか?」
哲野「いや、そんなことはありません。もともと撒くために用意してきたチラシですから
    ただ、帰り道のことも考えないとチラシなしで歩くというのは手持ち無沙汰ですからね
    受け取りがいいんですか?」
Akkoさん「ええ、差し出すとたいがい持って行ってくれます。」
哲野「僕は最近はズボラを決め込んで、取りに来た人しか渡さないんですが…」
Akkoさん「あ、そうですか?私もそうしましょうか?」
哲野「いやいやいや、とんでもない。それはちゃんと渡してあげてください。
    それにしても異常ななくなり方だなぁ。地震のせいかなぁ」
と一人ぶつぶつ。

じゃけえ「今日の地震が大きな地震じゃなかったのでとても幸いです。
     そして今日の地震が今日だけで終わるわけではありません。
     これから先も大きな地震が広島の近くで起こるかもしれません。
     東日本大震災並みの大きな地震が西日本で起き、伊方原発で苛酷事故が起これば
     私たちは広島市に住めなくなってしまいます。

     原子力規制委員会が出したシミュレーションと、原子力災害対策指針を合わせ読むと
     伊方原発で福島並みの苛酷事故が起これば
     広島市は4mSvの被曝線量を被り、一時移転の対象になります。
     今日の地震がそんな大きな地震でなくてよかったです。
     でもこれからも、今日みたいな地震という保証はどこにもありません。
     私たちは放射能で広島から離れなければならない可能性は
     ずっとずっと残るのです。
     可能性なんていうものではなく、これは蓋然性です。

     そして今、広島市議会に伊方原発再稼働反対決議を出して
     政治的意思表示をはっきりさせてくれるよう請願をしています。
     現在、共同請願人は広島市内有権者2082人です。
     今これを1万人にしようと共同請願人を募っています。
     みなさんもどうか参加してください」

という話を折り返しまで繰り返し訴えました。
折り返し点に来ると、もうチラシが当然底をついていました。
チラシ袋にある過去のチラシや、伊方の署名チラシをAkkoさんは一人で配っています。
哲野はただ茫然とその様子を眺めるだけでした。
網野がたまりかねて、哲野に「はい、これ、折って!」
哲野「?」
網野「伊方の署名用紙を裏返せば、チラシになるでしょ!」
哲野「あ、そっか。」
網野「折ったらAkkoさんに渡して」
哲野があわてて裏返し折りをはじめたところでKさんが現れました。
哲野はこれ幸いと、Kさんに「これ、折って!」と歩きながら渡します。
Kさん「どうしたの?」
哲野「チラシがなくなっちゃったのよ。
   今、念のために持ってきた署名用紙を折り返してチラシにしようとしてるの」
Kさんは、哲野から束を受け取ると、瞬く間に折り返してしまいました。
哲野「早い!」

次に哲野にマイクが渡ります。
哲野「今朝の地震は怖かったですね。
   伊方の震度は5強だったそうです。
   現在の原子力災害対策指針に従えば、
   原発サイトで震度6弱の地震が発生すれば、
   原発は緊急重大事故対応を取なさい、ということになっています。
   5強ではなく、その一ランク上の6弱だったら、
   伊方は緊急重大事故体制を取っていたということです。
   もうこうなると、苛酷事故が起こるとか起らないとかの問題じゃありません。
   南海トラフの震源域であり、中央構造線のほぼ真上にある伊方原発が
   震度5とか6とか7とか、そんな震度の地震に襲われるのは
   当たり前と考えておかなければなりません。
   そのたびに広島でひやひや、ドキドキ心配する、こんなバカな生活がありますか。
   みなさん、どう思いますか。」

次のスピーチは再びじゃけえさん。
最初にスピーチした内容を繰り返し訴えました。
やがて寒さと疲れで、口が回らなくなりました。
哲野にマイクが渡ります。

哲野「原子力規制委員会の昨日の定例会合で、九州電力の川内原発評価書作成がほぼ決まりました。
   これは、事実上再稼働一番手に川内原発が候補になったことを意味します。
   伊方原発は2番手グループに入ります。
   原子力規制委員会の審査で最後までネックになっているのが
   地震の時の基準地震動です。

   電力各社は原発安全神話時代の地震動を基準として
   原子力規制委員会のもっと厳しくするようにという要請になかなか応じません。
   なぜかというと、基準地震動を厳しくすれば、構造物に耐震強化を施さねばならず
   これがコストアップと工期の長期化に繋がるからです。
   その課題リストは今日お配りしているチラシの最後ページにまとめておきました。
   (といっても、その時点では一部も残っていなかったのですが)

   一昨日の規制委審査会合で、九州電力の川内原発だけがとうとう
   規制委の求めに応じて、基準地震動を大幅に上げることに同意し
   基本問題解決とばかり昨日の規制委会合で承認されたものです。

   しかし、私は裏の政治的な理由が実はあったと思っています。

   田中委員長は2月19日の定例会合後の記者会見で
   確かに手続き上は規制委が適合審査合格をだし、内閣がこれを受けて再稼働許可を出すという
   手続きにはなっているけど、本当に再稼働を決めるのは
   地元を含む国民のみなさんだと言っています。

   つまり、福島原発事故で失った信頼を規制当局が取り戻せるかどうか、
   これが最大のポイントだというわけです。
   そして、もし、それでも地元のみなさんが信頼できないというのであれば
   再稼働にはつながらないかもしれません、と述べています。

   川内原発は伊方原発に比べれば、地元の反対行動、反対意思表示が弱い
   それにくらべて伊方原発は四国地元でも反対運動が強い上に
   周辺の最重要都市、この広島でも反対の意思表示が強くなっています。
   恐らく、規制委が川内原発を選んだ隠れた理由はこれではないかと思います。
   つまり、これからは、私たちの曖昧でない、はっきりした反対の意思表示
   反対行動が決定的に重要になってきている、
   と、こういうことだと思います。」

次にKさんにマイクが渡ります。
Kさん「伊方原発は確かにいま、止まっています。
    しかし、敷地内には特に燃料プール内には使用済み核燃料がぎゅうぎゅうづめに詰まっています。
    今日の地震では大丈夫でしたが、たとえ動いていなくても地震で使用済み核燃料プールが
    事故を起こす可能性は十分にあります。
    動いていないからといって安全ではないんです。

    事故が起これば、ほんの2~3日の間に広島は人が住めない都市となってしまいます。
    今テレビは東北大震災の復興の話ばかり流しています。
    確かに、地震や津波に襲われた地域の復興は大きな問題です。
    しかし、フクシマのような地震や津波だけではない、放射能で汚染された土地は違います。
    復興以前に人が住むことが出来ないんです。
    3年目の3.11直後の今日、地震が起きました。
    これを機会にみなさん、問題をじっくり考えてみてください。お願いします」

哲野のところにモノクロのチラシが20枚くらい渡されました。
それが以下です。


http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140308_shirokuto.pdf

よく見たらプリンターが故障した時に急きょ作成したモノクロのA4 1枚チラシでした。
哲野「たしかチラシ袋の中に1枚か2枚残ってたと思うんだけど・・・こんなにあったかなぁ」
あとで知ったのですが、袋のなかに1枚だけ残っていたチラシを
恐らくはどこかのコンビニに飛び込んでAkkoさんがコピーしたものだと知りました。
それでもこのチラシを人がどんどん受け取って行きます。
Akkoさんのチラシ撒きテクニックも相当高度なものがあるのだとは思いますが
どんどん受け取って読んでいます。

デモも終わりに近づきました。
最後に網野がマイクを握ります。

網野も地震から始めます。
網野「今日の地震は本当に怖かったです。
    まず私は伊方の事を心配しました。
    プラカードを見ていただくと震源地がわかるんですが
    伊方原発から40kmくらいしか離れていません。
    何事もなくてよかったです。
    伊方原発の前面海域約4kmのところには世界有数の活断層
    中央構造線が走っています。
    今回は中央構造線は動きませんでした。
    また、南海トラフの震源域の最北端に伊方原発は位置しています。
    もちろん南海トラフも動きませんでした。

    しかしこれからも動かないという保証は全くないどころか
    予測とすればむしろ動くという予測です。

    原子力規制委員会で伊方原発の審査が行われています。
    一番手ではなくなったようですが、最有力候補に入っていることは間違いありません。
    私たちがこれに反対の意思表示をしない、ということは
    何を意味するでしょうか?
    黙っていることは、反対の意思表示をしないということは
    伊方原発再稼働を容認することとなります。
    いま、私たち一人一人が伊方原発再稼働反対の意思表示をすることが
    決定的に大切です。
    そして、家族や親せき、隣近所で原発や伊方のことを積極的に話題にしていきましょう。
    なかなか勇気のいることです。
    しかし思い切って話してみると、実は原発に反対の人は多いのです。
    また、伊方が広島に一番近い原発であることを知らない人もまだまだ多いのです。
    この事実を知れば、多くの人は伊方原発再稼働反対となるはずです。
    勇気をもって原発のことを話題にしましょう。
    それは小さな勇気かもしれませんが、世界を変える貴重な勇気です。」

元安橋に帰ってデモ終了。
Akkoさんを中心に話題がはずみ、寒さで震えながらも立ち話が長く続きました。

以上ご報告いたします。