▼第77回A4版
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20131206_A4.pdf
▼第77回A3版
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20131206.pdf
みなさま
毎度お騒がせしております。
第77回広島2人デモのお知らせです。
18時から元安橋東詰スタートです。
チラシが出来ました。
今回は内部被曝特集です。
では歩いて参ります。
広島で毎週金曜日18時から、元安橋東詰をスタートして歩いています。(休止中)
▼第77回A4版
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20131206_A4.pdf
▼第77回A3版
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20131206.pdf
みなさま
毎度お騒がせしております。
第77回広島2人デモのお知らせです。
18時から元安橋東詰スタートです。
チラシが出来ました。
今回は内部被曝特集です。
では歩いて参ります。
みなさま
第76回広島2人デモ11月29日の報告です。
参加者は6人、
哲野、網野、じゃけえさん、Kさん、ツナさん、ツナさんのお子さんでした。
今回は第76回のチラシと伊方署名チラシを一緒に配りました。
原発問題から離れて「警察国家を目指す安倍自民党政権」をテーマにしました。
警察国家というのは、言うまでもなくすでに成立した『国家安全保障会議設置法』と
それとセットの関係の『特定秘密保護法案』が目指す目標です。
「警察国家」は日本ばかりでなく、西側先進資本主義国共通の大きな現象です。
警察国家は原発推進を容易にするばかりでなく
国民に対して被曝強制も容易にします。
「反被曝・反原発」という課題に対しては、「警察国家」は根本的な敵となります。
こういう観点で、プカラードとチラシを作ってアピールして歩いたわけですが
全くの空振りに終わったと言わざるを得ません。
この警察国家の問題は、繰り返し繰り返し続けて市民に伝えていかなくてはなりません。
マスコミは特定秘密保護法案ばかりに集中していますが
これは全体観を見失う危険な兆候だと思います。
▼第76回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20131129_A4.pdf
▼伊方署名チラシ(期日が当初のものですが、現在も集めています)
http://hiroshima-net.org/yui/pdf/seigansho_20130727A4.pdf
じゃけえさんが手伝いに来てくれてチラシの折り込みを済ませ
一緒に元安橋に向かいました。
3人でスタートです。
いつものように各人全文スピーチは末尾にまとめてあります。
哲野の法案の解説は世界経済の流れから俯瞰したものですし
ツナさんのスピーチは被曝についてよく調べてあり秀逸です。
この2人のスピーチは一度是非お目通しください。
今回のチラシは40部用意していきましたが、20部ほど余りました。
あまり売れなかった、という感じです。
マスコミの力の入れ具合とは裏腹に、特定秘密保護法案の問題点
ましてや国家安全保障会議設置法の問題点は
ほとんど反応が薄かった、というのが現状だと思います。
恐らく多くの人は、法案そのものを読んではいないのだと思います。
また仮に読んだとしても、その意味や影響や目的までは理解が出来ていない、
本当の目的はテロ対策や外国からの侵略などではなく、
これから生存権がどんどん侵される日本社会の不安定要因に対処したものだという
本質の理解を、なんとか市民のみなさんと共有していきたいものだと思います。
折り返しを過ぎたあたりでKさんが参加、
続いてツナさんがお子さんと手を繋いで現れ参加しました。
ツナさんはスピーチで
「広島2人デモです、ですが今6人で歩いています」とお子さんも立派に「一人」に数えました。
哲野「はじめ、3人だと思ってゆっくり長めにスピーチしてたんだけど、
あとで人が増えたので原子力規制委員会の『核施設等に対する規制基準』に
全く触れられなかったなぁ。
これは六ヶ所村再処理施設(日本原燃)の将来に
直接関わる重要な決定だったけれどもなぁ」
網野「チラシとプラカードに入れておいからいいんじゃない?
それに説明するとまた長くなるし・・・」
哲野「それもそうだね。」
網野「長い説明のいるテーマが2つもあるんだから欲張らないようにしよう」
と後で会話になりました。
焦らずゆっくり、気長に腰を据えてぶれずにやっていきましょう。
ぶれない幹を持つことが一番大事です。
以上ご報告します。
以下各人全文スピーチです。
◆哲野
原発や放射能被爆とは一見無関係に見えるかも知れませんが
今大きな問題が国会で議論されています。
国家安全保障会議設置法、
英語のNational Security Councilの頭文字をとってNSC法と呼ばれています。
みなさんこの法案をお読みになったことがあるでしょうか?
チラシに簡単に紹介しております。
一言でいうと総理大臣に権限が集中されて総理大臣が国家緊急事態と判断すれば
なんでもできるようなそういう法律です。
この国家安全保障会議設置法をうまく機能させるために
特定秘密保護法案が必要になってきたわけです。
NSC法と特定秘密保護法案はセットの法案です。
2001年9月11日、アメリカで同時多発テロが起こりました。
その年のうちに米国愛国者法が成立しました。
同時多発テロを防止するための法案として当初ははじめられましたが
中身はアメリカ国民を対象にした監視と、
盗聴などを含めた管理を強める法律でした。
共和党の下院議員でロン・ポールという人がいますが
この愛国者法を差して「アメリカは警察国家になった」
Police Stateになったと表現しています。
現実問題として、人を逮捕拘束するにあたっては裁判所の了承が必要ですし
家宅捜索をするにも令状が必要です。
しかしこの愛国者法を適用すると警察やFBIが令状もなしに
独自の判断で人が拘束できる、こういう状況になっています。
特定秘密保護法案は政府、行政機関、関連した機関、
原子力規制委員会や食品安全委員会、もちろん警察
会計検査院までこの法案の対象です。
もしこの法案の第一条、外国からの侵略等の脅威に対するということであれば
これほど幅広い対象は必要ありません。
現実には国家安全保障会議設置法第2条の10に書いてあるように
外国の侵略等の『等』の部分にポイントがあります。
この国家安全保障会議設置法とセットになっている法案が
特定秘密保護法案です。
外国情報に限らず全ての情報を秘密にしておきましょうという
非常に幅広い範囲を含んだ法案です。
一言でいえば安倍さんは日本を警察国家にしたいようです。
この法案はその警察国家にしていく第一歩のように見えます。
恐らく安倍さんが理想とするのは今アメリカで施行されている
愛国者法だとおもいます。
愛国者法もテロ対策を目的としておりますが
中身を見ると広範に警察国家・監視国家を実現する中身になっています。
現実にはテロの疑いがあるという一点で愛国者法では
人が裁判所の令状なしに逮捕拘束することが出来ます。
あるいは裁判抜きに判決を下すこともできます。
アメリカに旅行に行かれた方は、
そのものものしさや非人間性をご経験になったと思います。
もちろん個人の情報は全て登録され
クラウド・コンピュータシステムで適時検索できるようになっています。
いまロシアに亡命しているエドワード・スノーデン氏が暴露したような内容が
監視と管理の対象として使われています。
恐らく安倍さんもそういう社会、そういう国家を作り上げたいのだと思います。
今日お配りしているチラシは、その国家安全保障会議設置法の中身と
それとセットになった関係の特定秘密保護法案の重要な条文を抜き出して
若干の説明を行っています。
考えてみれば衆議院選挙、参議院選挙にみなさん票を入れ過ぎたかもしれません。
自民党は今衆議院でも参議院でも圧倒的多数を確保しています。
今なんでも出来る状態です。
何でもできる状態のうちになんでもやっておこう、数で抑えられてはもう手も足も出ません。
考えてみれば皆さんが票を入れ、自民党を支持したのは
決してこんな警察国家を作ってくれと投票したはずではありませんでした。
長年続いた不景気をなんとかしてくれという意味で
みなさんは票を入れたわけですが
実際には、その投票の結果は警察国家のために使われていると
こういうことだと思います。
一般の私たちの生活には無関係だと思われるかもしれませんが
法案の条文をよく読んでみると、私たちの基本的人権だとか
生存権に大きくかかわるような問題を孕んだ法律です。
注目しておいてください。
■2回目
先進国の資本主義社会、先進資本主義国、
一言でOECD諸国と言っても構わないとは思いますが
経済成長が鈍ってきたのはそんなに最近のことではありません。
1970年代にはすでにアメリカもイギリスも低成長時代を迎えていました。
先進資本主義国は成長の伸びしろをどんどん失っていったのです。
アメリカの経済学者を中心にアメリカの経済成長を取り戻す
経済理論と経済政策が考案されました。
それは一言で言って、金融産業を成長のエンジンとしようという政策です。
金融産業主導型経済成長モデルと言ういい方をすることもあります。
日本は長い間、製造業が盛んでした。
そのため先進国、アメリカやイギリスに比べてまだまだ成長の伸びしろがあった時代です。
金融産業を成長のエンジンとするということは
大きな無理を伴います。
それは、実質経済、実体経済と言う言葉がありますが
実体経済と違って、実質経済は仮想経済に対する言葉です。
実質経済の幅(成長)が見られないところに、
金融資本主義の考えが持ち込まれますので
経済の主体は仮想経済とならざるを得ません。
いわゆるバーチャル・エコノミーです。
長い間、欧米諸国はこの金融経済成長モデルをとって
再び経済成長いたしました。
しかしその経済は仮想経済ですので社会の富の配分を変えざるを得ません。
ごく一部の経済支配層のところに富が集まる、そういう仕組みを作り上げてきました。
これが格差社会の本格的登場です。
日本では本格的に格差社会が登場してきたのは小泉政権以降ですが
イギリスではすでにサッチャー時代、
アメリカではレーガン時代にはじまっています。
彼らの政策は一言でいえば新自由主義経済です。
新自由主義経済は強者の自由を保証した経済政策だということができます。
こうして格差社会が現在生まれました。
格差社会においては私たちの生存権
生存権というのは、私たちが人間として安全に、健康に、文化的に
最低限のレベルで生活する権利です。
ワーキング・プアはすでに私たちの生存権を侵しています。
生活保護を受けるのは憲法に保障された権利です。
老人が一人で寂しくアパートで死んでいく、これはすでに生存権が侵されている状態です。
1日15時間、16時間働いて毎月の収入が込み込みで30万円、或いは15万円
これはすでに生存権が侵された状態です。
私たちが毎週テーマとしている反原発、
放射線被曝から私たちの健康を守っていこうという。
原発の存在も被曝による健康損傷も、
最もわかりやすい形での私たちの生存権の侵害です。
一言でいえば先進資本主義国の経済支配層、
日本でわかりやすく言えば3大メガバングを中心にした
ほんの一握りの大企業のことです。
この経済支配層が私たちの生存権を様々なところで侵害しながら
彼らの成長と利益の拡大を行ってきた。
これがここ30年、先進資本主義国で行われている経済成長の実態です。
その経済成長は、必ず生存権の侵害を伴います。
ギリシャで起こっていることも、スペインで起こっていることも
キプロスで起こっていることも、
アメリカのウォールストリートで起こっていることも
いままだはっきり見えてきませんが
日本で起こっていることも
大きく見れば生存権侵害の流れです。
そして各国の経済支配層はこの生存権の侵害、
これに対処するために様々な方策を採ってきました。
ひとことでいえば警察国家をつくっていくこと
監視社会をつくっていくこと
これが大きな流れとなっています。
そして、安倍自民党政権でやっと日本の経済支配層も
警察国家をつくっていく仕事に着手できるようになりました。
それがいま国会で議論されている国家安全保障会議設置法と
ペアの関係にある特定秘密保護法の成立です。
アメリカの状況を見るならば、恐らく
アメリカ流の愛国者法が日本にも導入されることでしょう
黙って知らん顔をしていると、我々の生存権がどんどん侵害されていきます。
もう少し注意して見守る必要があるでしょう。
◆じゃけえさん
毎週金曜日恒例の広島2人デモです。
ご通行中のみなさま、商店街のみなさま、毎度お騒がせしております。
毎週金曜日恒例の広島2人デモです。
原発に反対したい一心で個人が集まり
みなさんに知っていただきたいことをスピーチしながら歩いております。
少しでも耳を傾けていただけると幸いです。
毎週チラシを作成し、お配りしております。
原発問題、社会問題について考える際、是非参考にしてみてください。
政治の問題は自分には関係ないと思っていらっしゃいませんでしょうか?
いま危険な法案が成立しようとしています。
その内容をご覧になったことはございますでしょうか?
そのことについて考えたことはありますか?
そのことを考えるのは政治家の仕事、ではありません。
私たちに直接関係することなのですから、私たちで考えなければなりません。
私たち自身で考え、それを国会に届けるように政治家に働きかけるのが私たちの役割なのです。
役割というか私たちの権利を守るためにやらなければならないことです。
社会に生きていく上でこれは必要不可欠なことではないでしょうか。
日本の原発は事故を起こさない
事故を起こさないから事故を起こした時どう対処するか
そんなことは考えずに稼働してきました。
でも福島で事故は起ってしまいました。
福島で事故が起こってからの日本の原発派
福島で起こったような事故が充分にあり得るということが前提で再稼働されます。
福島で事故が起こってから作られた原発を稼働させるための規制基準には
事故が起こったらどうするか、ということが盛り込まれています。
これからの日本は事故が起こることが前提で再稼働されます。
いま日本の原発は全て停まっていますが、電気は足りています。
日本の原発は今全て停まっていますが、再稼働申請は次々と出されています。
事故を起こす事が充分あり得る原発の再稼働最有力候補が
私たちの住む広島から一番近い、四国にある愛媛の伊方原子力発電所となっています。
私たちが反対ですと声を挙げなければ事故が起こる可能性が充分ある原発は再稼働が進められます。
電気は足りているのに、原発は事故を起こすかもしれないのに
福島の事故は一切終息していないのに
仮設住宅で避難を強いられている人が今も沢山いるのにも関わらず
原発は事故を起こさないと言って推進してきた謝罪も反省も
誰も責任を取らないまま
なぜか原発は再稼働されようとしています。
それが今の日本政府だからです。
反対ですと声を挙げなければ、再稼働容認と勝手に取られてしまいます。
今声を挙げなければ次世代に顔向けすることができません。
広島市議会に広島から一番近い伊方原子力発電所再稼働反対の決議を求める請願を提出しました。
1703名の署名(共同請願人)とともに提出しました。
今日お配りしているチラシと一緒に請願用紙もお配りしております。
是非お手にとってご覧ください。
署名が多いほど政治的なプレッシャーをかけることができます。
広島市民がそのことに問題を感じているということを示すことになります。
◆ツナさん
みなさん、こんばんは。広島2人デモです。
2人デモですが今は6人で歩いています。
放射能のことや原発のことやその他もろもろ、私たちの生きている権利のために
ちょっと是非知っていただきたいことを話しながら歩いております。
現在、東京の空間線量は0.05μSv/h前後です。
福島第一原発事故の影響はほとんどないように見えます。
しかし、これは外部被曝の話です。
東京で現在考えなければならないのは、
放射性物質を体内に直接取りこんでしまう内部被曝です。
そのためには、土壌、食物の汚染について考えなければなりません。
また、食物の汚染はここ広島でも東京とさほど状況は変わらない深刻な状況です。
土壌汚染については、放射線管理区域という法律の定義で考えてみましょう。
放射線管理区域とは、人が不要な被曝を防ぐために設定され、様々な制限が課せられています。
例えばそこには18歳未満の人は立ち入ることはできません。
また、飲食・喫煙も禁止です。
つまり、日本の法律では、放射線管理区域では
人が健康を損なう可能性が充分にあり得ると考えられています。
放射線管理区域とはどのように決められるのでしょうか?
様々な基準があるわけですが、その一つは放射線の一つ、
α線以外の放射能に関しては、4Bq/c㎡を超える恐れがある場所です。
わかりやすく単位を変えてみますと、40000Bq/㎡です
また土壌1kgあたりのBqに換算すると、文部科学省の換算式によれば、
約615Bq/kg以上の土壌汚染がある地域は放射線管理区域相当ということになります。
この基準に照らし合わせ、東京の汚染状況はどうなっているのでしょうか?
文部科学省が出している定時降下物の測定データ
定時降下物とは、原発や核実験などで降る放射能のこと、死の灰のことです。
2011年3月19日から3月31日までの積算で、
東京の新宿では、ヨウ素131、セシウム134及びセシウム137の合計で
46500Bq/㎡もの死の灰が降っています。
つまり、原発事故直後の2011年3月の時点で、
少なくとも新宿は放射線管理区域相当の汚染だったわけです。
テレビではひたすら震災の大変な状況を放送していましたが、
実は、放送の大元の東京も、とても悲惨な状況にあったのです。
さて現時点での汚染はどうでしょうか?
2011年9月6日時点で東京都福祉保険局が新宿の土壌を調査した結果、
セシウム合計で790Bq/kg検出されました。
半年以上、新宿は放射線管理区域だったことになります。
公的機関では土壌汚染を調査してWEB上で発表している機関はほとんどありませんので
日暮里放射能測定所にっぽり館という民間の測定所の調査によると、
文京区の住宅敷地から1282Bq/kgが検出されたとのことです。
放射線管理区域の約2倍です。
ただし、放射能はどうやら均一に降ったわけではなく、
また、雨に風などで流されたりして移動もします。、
なので高濃度の場所がかなり分散してあると考えられています。
10000Bq/kgを超える汚染が、時々、しかし確実に見つかっています。
また、道路にシミのようにへばりついている物、
福島県南相馬市や東京でも発見されています。
これは藍藻と呼ばれる微生物なんだそうですが
放射性セシウムをかなり圧縮するようで
東村山市の藍藻からは2万Bq/kg、
東京葛飾区の水元公園からは28万Bq/kgも検出されています。
さて、これまでの話は土壌です。土です。
アスファルトはどうでしょうか?
アスファルトに降下した放射性物質、死の灰は大半が雨に流され
下水を通して海に流れます。
ですから、普通に都会のオフィスで働いている人たちにとっては
さほど危険はないと言えるかもしれません。
この広島の本通りもそうかもしれません。
しかし学校のグラウンドで体育をし、公園で土にまみれて砂埃を吸いながら
放射線管理区域で遊ぶ子どもたちは、その健康が被害に遭う確率は
相当に高いことが考えられます。普通に考えて考えられます。
そして細胞分裂の盛んな発達・発育途中の子どもたちは
放射線の影響を大人よりも受けやすいということも
考慮する必要があります。
さて、では、放射線管理区域並みの汚染が広がるグラウンドも
高濃度に放射能汚染された藍藻が落ちている可能性が高いアスファルトの道路も、
なぜ法律にのっとって封鎖されないのでしょうか?
答えは簡単です。
新宿は都市機能の中核を担っています。
そこが封鎖されれば機能不全が起きるという大人の事情です。
しかし大人の事情で超法規的阻止が取られる時、
それはあくまで事情を知っている大人による大人の事情です。
大人たちが多少の被害は止むを得ないという時、その被害を負うのは誰でしょうか?
誰が何が犠牲になっているのでしょうか?
そこに痛みと守られる大人の事情にバランスは取れているのでしょうか?
犠牲に見返りは誰に与えられるのでしょうか?
その非対称性に気付いてください。
では基本的な質問です。
放射能は安全でしょうか?
皆さん私たちが言う放射能は危険だという言説に疑いを持っていると思います。
無理もありません。
私たちはこんな地震大国に、まともに耐震設計も津波対策もしてない原発を
ぼこぼこ建ててきました。
電力会社も政治家も科学者も大多数が安全だと信じ込んできたわけです。
特に放射能は危険ではないという意見の人の根拠に、自然界には放射能は存在しており
それに比べると原発事故の放射能はたいしたことないとか
100ミリシーベルトの被曝でがんの発生率上昇はたかだか0.5%だとか
放射能への恐怖心から来るストレスの方が体に悪いとか、などがあります。
では、放射能が本当に安全なのでしょうか。
ここで例え話をします。
人が森の中を歩いていて、たまたま木から大きな枝が落ちてきて、死んでしまいました。
それは運が悪かったとしか言いようがありません。
誰も責めることは出来ません。
しかし、その枝を誰かが拾い上げて、「あいつもこの枝で死んだんだから大したことない」と言って
誰かを殴り殺してしまったら、それはどうでしょうか?
これは、ヨーロッパ放射線リスク委員会の2010年勧告にある例え話です。
自然放射線で人が被曝しているのだから人工放射線で被曝しても大したことはない、
というのは、実は、この例え話と全く同じ論理です。
たとえこの世の中に自然放射線が存在していても、人工放射線で被曝させることは倫理的に悪です。
その被曝で誰かが死ねば殺人です。誰かが健康被害を負えば傷害です。
自然放射線と人工放射線が同じだと言う時に、隠されているのは、
原発事故や核実験が誰かによる殺人であり、傷害事件であるという事実です。
さて、では、太い木の枝で殴られて死ぬ確率は0.05%だから大したことないから、
あなたが見知らぬ人から殴りかかられても安心していいし
その人を罪には問えない。でしょうか?
死ぬ確率は0.05%だったとしても、骨折するかもしれません。
脳挫傷などで重い後遺症に苦しむかもしれません。
納得して殴られるひとはいないと思います。
痛みは0.05%ではありません。
しかし、放射線の場合、なぜかこれ通用するのです。
被曝をすると細胞がダメージを受けるのは、
木の枝で殴られて痛いのと同じく逃げられない事実です。
そして、重要な事は被曝にによる病気はがんだけではないということです。
がんの発生率が0.05%だから大丈夫だと言えるのは、がん以外の症状がほぼ0%の時だけです。
しかし実際には放射能は沢山の健康被害を出しています。
広島に落ちた原爆の被爆者を見てきた肥田舜太郎医師は、
高熱、下痢、嘔吐、口内壊死、紫斑、脱毛などが放射線の急性症状であったと報告しています。
(肥田舜太郎・鎌仲ひとみ『内部被曝の脅威』。)
また、広島と長崎の被爆者では、
腰痛、高血圧、視覚障害、肺炎が一般国民よりも多いことが判明しています。
(今中哲二編『チェルノブイリによる放射能災害 国際共同研究報告書
チェルノブイリ原発事故:国際原子力共同体の危機』)
放射線による人体の影響は人体のあらゆる部位に、あらゆる形での疾患を起こします。
少なくとも高線量域においては、それは事実として証明されています。
ではなぜ低線量域ではがんしか発生しないことにされているのか?
それを、科学的に証明している人はいません。
ただ、がんしか存在しないことになっています。
では実際にがんしか発生していないのか?
もしもそうならそれで尊重しなければいけませんが、
現実にはがん以外のあらゆる健康被害が出ています。
それがチェルノブイリ原子力発電所です。
1997年、ベラルーシ科学アカデミーによれば、ベラルーシのブレストという地域で
高濃度に汚染された場所と、そうでない場所の10万人辺りの疾患数を比較しています。
あらゆる病気で汚染地域の方が疾患数が上回っており、
また、広島・長崎の被爆者の健康被害と非常によく似通っています。
またベラルーシの隣のウクライナ、チェルノブイリ原子力発電所がある国ですが
そこでは1987年から1996年までの間に子どもの慢性疾患が2.5倍になっています。
(グロジンスキー『ウクライナにおける事故の影響の概要』)
そして、ここが原発事故の苛酷なところです。
ウクライナでは原発事故以前と比較して、事故直後の1987年では子どもの
慢性疾患羅漢率は1000人あたり786です。
ところが1994年では1000人あたり1651.9です。
すなわち、子ども1人当たり1.6個の慢性疾患を患っています。
1つでは終わらないのです。
このデータは、チェルノブイリから西へ150km離れたナロジチ地区で
被災者支援をした川田医師の報告とも合致します。
ここでは成人の羅漢率は10万人あたり6万、17歳以下の子どもは1000人あたり1900、
子ども1人が2つの疾患を抱えています。
そして、これらの疾患のうちがんや白血病は1割にも満たないのが現状です。
(川田昌東『チェルノブイリと福島』)
では、具体的にどんな症状が被曝症状なのでしょうか?
最も顕著に現れるのが、広島でも原爆ブラブラ病と言われた、全身の倦怠感です。
倦怠感というとみんな、怠けてるなとか思うかもしれませんが
本当に、何もやる気が起こらないんではなく、身体が動かないんです。
医師の診断のしようがなく、原爆ぶらぶら病と名付けられました。
このぶらぶら病は、直接原爆から熱線・爆風とともに放射能を浴びた人だけでなく、
投下後市内に入った入市被爆者にも半分以上の確率で自覚症状として現れています。
(矢ケ崎克馬『隠された被爆』)
また、アメリカの医師ドンネル・ボードマンは大気圏核実験によって
多数の被爆米兵で既存の病気に当てはまらない不定愁訴が多発していることを指摘し、
それを低線量被曝障害であると結論付けています。
(『内部被曝の脅威』)
チェルノブイリで見られた健康被害でついで目立つのが心疾患です。
ウクライナのゴメリという街では突然死した人の病理解剖を行うと
99%に心筋異常が見られた記述しています。
(バンダジェフスキー『内部被曝の脅威』)
また、セシウムの体内蓄積量と心音異常・心電図異常の発生率、
血圧異常の発生率、不整脈の発生率が比例していることが証明されています。
一定以上のセシウムの蓄積は、確実に心臓に異常をもたらす、というのが
チェルノブイリ原発事故の被害の現場での
バンダジェフスキーの研究から導き出された結論です。
実は、膀胱炎も典型的な被曝症状の1つです。
尿から1Bq/リットルでもセシウムが検出されると、
半分以上の確率で膀胱の慢性炎症が見られます。
みなさん。放射能は危険です。
危険な放射能を摂りこまないようにしましょう。
あなたが放射能を摂り込むと放射能を許したことになります。
あなたの被曝が他の人の被曝させます。
自分もこの世界も守りましょう。
◆Kさん
毎週お騒がせしております。
広島2人デモです。
毎週原発に反対して歩いております。
みなさんに考えてほしいことがあります。
福島原発から今も空気中や海中に放射能が漏れ続けています。
もしも自分の住んでいる近くで、もし工場のようなものが爆発して
目には見えない何か化学物質のようなものが出ましたが
すぐに健康に被害が起きる量ではありません。問題ありませんと言われて、
「ああ、大丈夫なんだ」って安心して暮らし続けることが出来ますか?
知らない間に空気や水の中に混ざり、雨と一緒に土にしみこみ
自分達の食べ物の中にもそういう得体のしれないものが入っているかもしれない
それでも毎日毎日空気を吸い、水を飲み、食事をしないわけにはいきません。
そして数か月、数年経って、自分だけではなく
家族や周りに住んでいる友人知人が病気になっていったときに
化学物質は関連はありませんとそう言われて納得することができますか?
今、東北や関東で起きていることはそういうことです
白内障、緑内障、心臓病、脳梗塞、口内炎、じんましん、
皮膚疾患、鼻血、気管支炎、様々ながん。
ごく身近な人たちや自分もなったことのある病気や症状かもしれません。
けれど震災以前に比べ、そういう病気や症状が増えています。
常に体調不良に見舞われる人が増えています。
テレビの報道をみていておかしいと思いませんか?
今年になって今まで聞いたことのない
無菌性髄膜炎、どんな病名とははっきりしていないのに
ずっと体調不良が治らない
アトピー性白内障などいう新しい病名。
今東北や関東のことを考えるということは
自分の身を守る事です。
自分の命や家族の命、これから生まれてくる子どもたちのために
今どうしても皆さんに考えて欲しいです。
色んな報道の中で汚染水が漏れたことと
そのことと健康被害を結びつけることはありません。
今までも知らない間に漏れ続けている放射能に
汚染された水や空気に土よって
福島原発事故以降そういうことが増えています。
どうか他人事ではなく、これから先広島でもいつ起きるかわからない
いつ起きてもおかしくないことだと思って
考えてみてください。
宜しくお願いします。
◆網野
毎週お騒がせしております。
チラシを配りながら歩いております
もしよろしかったらお手にとってご覧ください。
今回のチラシは国家安全保障会議設置法とセットになっている特定秘密保護法案
いま参議院で論議中です。
騒がれている割には・・・新聞より私どものチラシのほうがよく説明できているかもしれません。
法案を読んで分析してみました。
もしよかったらご参考までにお手にとって見ていただけると幸いです。
それと一緒に伊方原発反対のチラシを一緒にお配りしております。
私たち広島市民にとっては、一番近い、たった100kmのところにしかない伊方原発です。
ここで苛酷事故が起これば広島は一時移転の対象となることが予想されるという
こういった原子力規制委員会のほうからシミュレーションが出ております。
なのでこれに黙っていると、私たちは賛成したことになってしまいます。
賛同、容認したことになります。
私たちがなんで逃げなくてはいけないの?ってことで
広島市議会の方に伊方原発再稼働反対の決議を上げてくださいという
請願を提出中です。
共同請願人を募っております。よかったら一緒にご参加ください。
この請願の内容は広島を守りたい
原発は苛酷事故が充分起りうるという想定の元での再稼働は認められないという
この1点です。
原発そのものを否定した請願ではなく
私たちの生活権、生存権を守りなさい
それが出来なければ再稼働をやめなさいという請願です。
この趣旨には原発賛成の人も参加してくれています。
「原発はいいけど、わしらの生活に支障があったら困るよ
なんでわしらが逃げんにゃいけんのんや」
ということで請願に参加してくださっていますし
自民党議員の方からも「個人的には反対なんだが」と
私のほうに直接声をかけて来てくれました。
ですが自民党の議員さんは動けません。
党の方針で動けません。
ですから私たちが共同請願人の署名をたくさん集めて上げると
与党の議員が動くことが出来ます。
一緒に広島を守っていただければと思います。
とにかく私たちが生まれ育ったこの町を離れる、
財産を捨てる、戻れなくなる可能性があると言うこと自体に、
しっかりNOを言うべきだと思います。
みなさま
報告が大変遅くなりました。すみません。
結・広島の土曜のデモの応援や
伊方原発再稼働反対決議を上げてもらうための
市議会へのロビー活動に加え、忙しくなっていたのもあったのですが
急な冷え込みで風邪を引きました。
みなさんもお身体にお気を付け下さい。
11月22日の第75回の参加者は4人でした。
哲野、網野、じゃけえさん、初参加のSさんでした。
集合場所で警察との指令書確認も済ませ
チラシについてじゃけえさんと話していると
Sさんが「今日参加させてもらっていいですか。後ろからくっついて歩くだけですけど」と話しかけてきました。
哲野「ありがとうございます、助かります。ついでにチラシ配ってもらっていいですか」
Sさん「ええ、でも上手くやれるかなぁ。」
哲野「欲しいと言う人に渡せばいいだけですから。」
Sさん「じゃやってみましょう。」
後のことにはなりますが、Sさんはチラシ撒きの天才だということがわかりました。
にっこり笑って差し出すとたいていの人が取っていくそうです。
後での話ですが、
哲野「私よりはるかに多く撒いてますよ」
Sさん「ええ、結構取ってくれるんですねぇ」
Sさんは関東圏から311後にこちらに避難してきて
そのまま住まわれた方だそうです。
ということで6時の音楽が鳴って出発しました。
▼第75回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20131122.pdf
なお、翌日伊方デモ向けの特別チラシを作成しましたので
一緒にご紹介しておきます。
▼特別チラシ11月23日作成
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20131123.pdf
中国電力2号機ニュースです。
今回も、末尾に各人のスピーチ全文を掲載しておきます。
街は、「えべっさん」も済んで、ドリミネーションの飾りつけがされていました。
チラシは40部用意しましたが、ほぼ売れました。
網野がスピーカーとプラカード2枚を持ってチンドンをし、
哲野とじゃけえさんが交代でマイクとチラシ配り
初参加のSさんはチラシまき。
Sさんは「東京に比べると反応がよくない」と思ったそうです。
哲野「静岡を境に、あきらかに危機感が違う」
網野「広島はこれでも反応が良い方です。」
特に広島は毎年8月6日にデモがある関係で、市民がデモ慣れしていて
勢力拡大デモも多かったので最初から警戒する市民が多いと説明しました。
じゃけえさんのツイートの感想から
「昨日の広島2人デモで、哲野さんに声をかけてきた方がいたそうです。
「広島2人デモですか?」と聞かれ「そうです」と答えると「実物、初めて見ました」と仰ったそうです。」
哲野の話では、「誰でも参加できるんですか」と聞かれたそうです。
哲野「ええ。あの、向こうで背の高い男の人が歩いてますでしょ。
あの人もさっき参加していいですかって来られた人ですよ。」
急ぐ用事があったのか、うなづいて「次に参加するかもしれません」と先を急いで行ったそうです。
しかし実物って・・・
この2人デモも75回やってますけどネットでは知られるようになったみたいです。
以上簡単ですがご報告いたします。
以下各人のスピーチ全文です
◆じゃけえさん
毎度お騒がせしております。
毎週金曜日恒例の広島2人デモです。
ご通行中のみなさま、商店街のみなさま、毎度お騒がせしております。
原発に反対したい一心で個人が集まり
みなさんに知っていただきたいことをスピーチしながら歩いております。
少しでも耳を傾けていただけると幸いです。
毎週チラシを作成し、お配りしております。
原発問題について考える際、是非参考にしてみてください。
チラシはwebでもご覧いただけます。
「広島2人デモ」で検索してみてください。
日本の原発は事故を起こさないということが前提で稼働してきましたが
福島で苛酷事故は起ってしまいました。
福島で事故が起こってからの日本では
原発は福島で起こったような事故が起こることが前提で再稼働されます。
いま日本の原発は今全て止まっていますが
再稼働最有力候補となっている原発は
広島から一番近いところにある愛媛の四国電力伊方原子力発電所が
再稼働最有力候補となっています。
原発はすべて止まっていますが電気は足りています。
事故が起こるかもしれないのに原発は再稼働されようとしています。
広島から近い原発が再稼働最有力候補となっています。
原発の再稼働を容認するということは
そこで事故が起こっても構わない
事故が起こったら避難しても構わない。
事故が起これば広島で築き上げたものすべてを捨てて避難しても構わないと
言っていることと変わりません。
伊方原発再稼働を容認しないでください。
これからも広島に住みつづけたいと思われるのでしたら
伊方原子力発電所再稼働反対の声を挙げてください。
黙っていては伊方原発再稼働容認と勝手に捉えられてしまいます。
原発にはなんとなく反対しているけど
声を挙げなくては容認と捉えらえてしまうのです。
それは今の日本の政府が原発再稼働を推進しているからです。
声を挙げなくてはいいように容認と捉えられてしまうのです。
伊方原発再稼働反対にご賛同いただけましたら署名のご協力をお願いいたします。
広島市議会に伊方原子力発電所再稼働反対の決議を求める請願を提出いたしました。
署名は追加で提出することができます。
結・広島で検索してみてください。
日本の原発は事故を起こすことが前提で再稼働されますので
伊方原発が事故を起こすことは充分にあり得ます。
伊方原発で福島のような苛酷事故が起これば
広島は『一時移転』の可能性のある対象区域になります。
伊方原発で事故が起これば私たちは広島に住むことが出来なくなります。
署名は追加で提出することができます。
結・広島で検索してみてください。
◆2回目
みなさんに忘れないでいてほしいことがあります。
福島で起こった事故はまだ終息していません。
放射能は漏れ続けています。
終息しているどころか悪化の一途を辿っています。
原発事故で避難した人たちは今も仮設住宅での生活を強いられています。
厳しい規制もなく、放射性物質は日本全国に拡散されています。
いま世界中の原発が廃炉になったとしても
私たちの世代は次世代に多大な負債を残したまま
この世を去らなければなりません。
日本の原発は安全です、事故を起こしませんと言って稼働してきましたが
それはウソでした。
福島で苛酷事故は起ってしまいました。
事故が起こってからの日本では日本の原発は
福島で起ったような苛酷事故が前提で再稼働されます。
◆哲野
金曜日お勤め帰りのところをうるさくお邪魔します。
毎週金曜日に歩いております広島2人デモです。
今日はたまたま4人で歩いております。
デモというより原発や被曝関係のことでみなさんにお知らせしたいことを
勝手にしゃべって歩いております。
プラカードにありますように、実は今週、福島第一原発の関係の問題で
大きな動きがありました。
18日に4号機プールの燃料取り出しが開始されました。
みなさんちょっとご想像つかないでしょうけども
1533体の核燃料があります。
そのうち約200体が未使用、使ってない核燃料
その他が使用済み核燃料。
使っていない核燃料はまだ安全性が高いと言えます。
しかしいったん使った核燃料は
特に福島原発のような沸騰水型では大量のプルトニウム核種
プルトニウム238、239、240 241
こういった大量のプルトニウムを生成しますので
いわゆる冷温の状態を保たないといけません。
核燃料がプール内や炉内にあれば
いついかなる時でも苛酷事故の原因になります。
大量に発生している汚染水も元をただせば、この核燃料です。
この核燃料を除去して安全に保管しないかぎり
福島原発は常に第2苛酷事故の危険にさらされているということになります。
ですからプールから核燃料が取り出しがはじまったというのは
これは大きな前進だと思います。
福島地元の19日の新聞を見てみますと
福島民報ですが、お配りしているチラシに出しております。
「本格的に廃炉、第二期に意向」
朝日新聞も「廃炉本格化」
日本の各紙は廃炉に向けて順調のように書いております。
4号プールは1533体、1体あたり50本から60本の燃料棒が入っておりますので
1体あたり約200kgくらいの燃料が浸かっていることになります。
新聞各紙があたかも本格的に廃炉がはじまって
順調に進んでいるかのような印象を持たせるような記事を何故書いているのかというと
東電と経産省が廃炉に当たっているわけですが
東電と経産省が合同で作っている「廃炉対策推進会議」
経産省の中に推進会議を置いて、福島原発配置措置に向けた中長期ロードマップ
というのを出しています。
チラシの中にロードマップの内容をおおっぱに書いてますが
それを決めている。
この中長期ロードマップに基づいて新聞各紙が記事をかいている
こういう構造です。
私たちが新聞記事、TVの報道を正しいのかどうかを判断する方法は
この中長期ロードマップが実効性があるのかどうかということになります。
野田政権時代に作られたロードマップに比べると
1年半前倒しになっています。
マスコミが取り上げたのでご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。
これが現在のロードマップの特徴です。
4号機プールの燃料取り出しも12月から始まる予定でしたが
11月に前倒しになっています。
6月27日の翌日、6月28日原子力規制委員会の中に
特定原子力施設評価検討会議というのが開かれました。
これは第13回目になります。
特定原子力視施設というのはどういうことか?
新聞テレビが報道しませんのでいったいなんのことかと
思われる方が多いかもしれませんけども。
現在の原子炉等規制法では福島原発は完全に違法な存在です。
放射能は現在でも出しっぱなし
原子炉等規制法に定められた様々な規定は守ろうにも守れない状態。
福島第一原発そのものが違法な状態です。
この違法状態をなんとか合法化するには
福島第一原発は特別であるという法的措置を取らなければなりません。
そしてそれは原子炉等規制法にキチンとそういうことが出来ると書かれてあるので
福島第一原発を特定原子炉に指定して違法状態を開放した
これが第一の目的です。
第二の目的はなんとか終息・廃炉に向けて前進させなければならないのですが
直接の監督官庁は経済産業省です。
監督・命令指揮権は経産省にあります。
しかしこの経産省が本当に信頼できるのか、こういう話が
昔から政府内ではありました。
事故直後からありました。
これに原子力委員会をかまして監視を強めていこう
これで評価会合が立ち上がりました。
しかし原子力規制委員会はあくまで監視・評価・アドバイスをする立場であって
東電福島第一原発に直接命令指揮権はありません。
直接の命令指揮権は内閣総理大臣
そしてその下についている経産省
監督官庁は経産省です。
現在は茂木さんというひとが大臣です。
28日にこの評価会合が開かれました。
この評価委員は外部有識者も入れて
中長期ロードマップについて評価するわけですが
みなさん1回議事録を読んでおいてほしいんですが要するに
絵に描いた餅。全く裏付けがない。
これは専門家でなくてもわかります。
只今中長期ロードマップによれば
廃炉完了は30年から40年後と書いてあります。
専門家でなくてもこんなことは誰も信じません。
事故を起こさない通常原発が廃炉完了がいま約40年です。
例えば1986年に事故を起こしたチェルノブイリ原発は
今まだ解体作業に入れません。
27年間経ってまだ解体作業に入れません。
ウクライナ政府の資料を読むとあと50年はかかるだろう、
つまり事故を起こしてから70年から80年かかるだろうと。
それでも見通しはつかない。
中長期ロードマップが30年から40年後に福島第一原発が廃炉に出来ると
書いてありますが、これは全く根拠も裏付けもありません。
だいたい1号機から3号機の燃料
燃料はいいですがデブリと呼ばれる溶融残骸物を安全に取り出す技術は
今開発中です。
その開発の目処も立っていません。
技術的根拠もない、現状がどうなっているかもわからない
しかし中長期ロードマップは30年から40年と書いてある。
これはそうしたいという希望的観測はわかりますけども
これは希望的観測ですよとちゃんと書いておかなければ
更田委員のコメントですが「あとで騙された気分がする」と
やはりわからないことはわからないと正直に書いてもらわないといけません。
正直に私たちに伝えてもらわないといけません。
これだけの事故ですから、わからないこと、全く未知のことが
数多くあるのは私たちにもよく理解できます。
これから非常に長い時間、福島原発という時限爆弾と
闘っていかなければならないということも良くわかります。
しかしわからないことを根拠もないことを
裏づけも確からしさもないことを
さも、私はわかっています。政府は全部把握しています
これは必ず廃炉にします、40年後に福島原発は廃炉にできます、
こうやって中長期ロードマップに書き込んで国民に示す
これはやっぱりしてはならないことだと思います。
希望や観測は当然あってかまいません。
しかし同時にわからないことや、まだ技術開発が追い付いていないことが
まだこんなに沢山あるんだということを私たちに知らせてくれないといけません。
安倍政権の福島第一原発に対する対応は
もう一つのことを意味しているように思います。
もう一つのことというのは現在の政府が福島原発の廃炉に向けて
非常に軽々しい態度をとっている
もう少し言えば、事態を甘くみたまま。
希望的観測を一方的に述べるのは
希望ですからかまいません。
ある意味嘘をついているということになります。
嘘をついている人間は自分が嘘をついているんだということを
しっかり認識してもらわないと困ります。
今の安倍政権の福島原発に対する対応は
安倍自民党政権自身が国民に対してついている嘘に
自分自身が騙されている状況に見えて仕方がありません。
これが非常に私の不安を書きたてます。
6月27日原子力規制委員会、特定原子力施設監視評価会合で
外部有識者が声をそろえて
こういう中長期ロードマップを出してたんじゃダメだと言っている
彼らの話を、私たちももう少し耳を傾けないといけません。
新聞もテレビも自分達がついている嘘に自分で騙されている状況
東電や政府が出している資料をそのまま右から左へ国民に取り次いで
福島原発が順調に廃炉に向かって進んでいるんだと言う印象を振りまけば
私たち国民は本来もっておくべき警戒感をだんだん失っていきます。
しかし自分たちがついた嘘に騙されようが騙されまいが
危険は現としてそこにあります。
一号機から4号機プールまでウラン換算で約900tの放射性物質が
ほぼむき出しのまま置かれている、
恐らく人類がこれだけ大量の放射性物質を
剥き出しのまま置いているというのはありませんでした
おそらくこれからもないでしょう。
広島原爆で使われたウラン燃料はわずか60kgです。
約900tの放射性物質がほぼむき出しのまま置かれている
これが私たちが知ろうが知るまいが、そこにある現実です。
はっきりいって、いつ何が起こってもおかしくない。
第2福島事故はいつ起きてもおかしくない状態です。
最近福島県の浜通りを中心とした地震が多い
震度が3とか4とか
さほど大きな地震ではないと思いますが、結構揺れますよ。
そういう地震があるたびに私たちは大丈夫かいなと思ってしまう。
台風が来た、もしフィリピンを襲った台風30号、風速80mという風が吹いたそうですが
これが福島原発を襲ったらどうなるか。
もう考えて見なければならないことがたくさんあります。
ほぼむき出しになった約900tの放射性物質が福島原発敷地内にある
そしてこれがどういう状態になっているのか
いまだにわからない。
わからないのは人が近づけないからですね。
人が近づけないのでどうなっているのか調べられない。
かろうじて水で冷やして食い止めているのが現在の状況です。
その現実をやはり政府は無責任なことを言うのではなく
やはり現実にしっかり向かい合わないといけないと
私は思います。
一方でもしこの現実に目を逸らしたまま
私たちが政府の言い分を信じて、また何か起こったら
例えば福島第2苛酷事故が起こったら
みなさん、自分たちは政府に騙されていたんだと
飯館村の村長が言うように国を信じてやってきたんだけども
政府に騙されたと言って済ませますか
言って済ませることはできません。
一度騙されるのは騙した方が悪い
しかし二度三度騙されるのであれば騙される方が悪い
私たちが悪い
私たちがもっと警戒感を持って
福島第一原発の現実に向かい合う必要があると思います。
何が本当の危険か
本当の危険はウラン換算約900tのほぼむき出しになった放射性物質である
これは原子力規制庁をはじめとするほんの一握りの幹部の人たちはわかっています。
しかしそのことを国民に知らせたくない
国民の共通認識にしたくない
もし共通認識にしたら政府安倍自民党政権が進めている
様々な原発あるいは放射線防護に関する政策が崩れて行ってしまうからです。
ですから嘘と言えば言い過ぎになるかもしれませんが
政府が一つの虚構、フィクションを国民に言い続けなければならないのです。
それはかまいません、もう。
一番怖いのは、自民党安倍政権が国民に示しているこのフィクションを
自分で信じてしまう、自分の嘘に自分が騙されてしまう、この事態が一番怖い。
もしかして安倍首相は完全に自分でついた嘘に完全に騙されている
そういう風に感じます。
◆2回目
今広島から最も近い原発、四国電力伊方原発再稼働の話をいたしました。
昨日中国電力からメールが入ってきました。
メールサービスを受けておりますので、入ってきました。
本日、昨日ですが、中国電力は島根県と松江市に対して
安全協定にもとづき、島根原発2号機の再稼働申請をする、その事前審査を
島根県松江市に提出した、とこういう電子メールでした。
PDFが添付されていて、原子力規制員会 規制基準適合性審査を申請しますという
内容の審査の概要が書かれてありました。
中国電力は島根原発2号機、これが伊方原発3号機と同じく
これからプルサーマルになる計画の原子炉です。
プルトニウムを使う原子炉を再稼働させようということが
電事連の中にあるのかもしれません。
プルトニウムを使わないと核燃料サイクルそのものの事業が
ダメになってしまう可能性があるからです。
伊方原発を再稼働反対と言っている間に
中国電力の島根原発2号機が再稼働するかもしれない
ただし2号機の再稼働はこれはかなり難しい。
現在の規制基準、原子力規制委員会の規制基準に照らしてみれば
中国電力はよく今の内容でどうどうと申請するもんだというほど
条件に欠けています。
まずどうしてもフィルター付ベントをつけなくてはなりません。
沸騰水型に猶予期間はありません。
また免震重要棟もこれから作らなければなりません。
やっと防潮堤の完成が見えてきたと言う段階です。
1号機はもう40年近くになるのでこれにもうお金を使う気はないだろうと思いますが
とりあえず1号機から3号機を適合させるために
約1000億円の投資をすると公表しています。
この内訳はよくわかりません、よくわかりませんが
中国電力の資料を読むと約1000億円使うそうです。
現在中国電力島根発電所は稼働しておりません。
4月に公表された決算書を見ても1kWhも発電しておりません。
にも関わらずランニングコストの高い、不合理な発電手段に
追加投資で規制基準に適合させるために1000億円使おうという投資計画を立てています。
どうも正常な経営判断をしているとは思えません。
経済合理性からこういう決定をしたのではなく
経済合理性とは離れて別な意図でこういう経営判断をしているのだと考えざるを得ません。
伊方原発の話が出ましたが、伊方に続いて島根原発の稼働が近づいております。
前門の狼、後門の虎という言葉がありますが
広島が危険な原発に取り囲まれていく状況がいま着々と進んでいます。
◆網野
毎度毎週お騒がせしております。
広島2人デモです。
毎週金曜日歩いております。
チラシをお配りしておりますのでもしよろしければお手にとってご覧ください。
原発問題に関して調べたことをまとめております。
今日のチラシは東電特集です。
東電の4号機プールの燃料取り出し開始がされ
各紙が大きく取り上げております。
しかし調べてみると、一つ一つの燃料取り出しも大変危険、
しかも一本一本確認しながら人の手で取り出すという状況で
もし核燃料が破損していたらどうするかということ
作業がストップしてしまうことを考えずに
来年度までに取り出せるという話がそのまま載せられております。
東電はそういうことを考えておりません。
東電は来年度までに出せたらいいなという目標という言葉を使っていて
計画になっておりません。
そういうことを合わせまして、政府や経産省、東電や規制委が
どういう議論を元に福島原発の終息を進めているのかという話を
まとめております。
調べてみると、私の感想ですけども
安倍政権が本当に終息に向けて動いていれば
こんなに無駄に専門家の、専門家の能力を引き出すこともなく
無駄な作業をさせることもなく
廃炉に向けて進んでいたであろうなと思う、それが私の印象です。
原子力規制委員会からも有識者からも普通の人間でもわかるような
普通のビジネスマンでも、これはおかしいなとわかるようなことが
次から次へと出ていて
廃炉に向けて順調に進んでいるとはとても思えません。
経産省の出してくる、あるいは東電の出してくる誤魔化し、希望的観測の
資料を毎回毎回出されては、へとへとになるほど批判をしているという状況です
今日たぶん中国新聞でも出たと思いますが
中国電力さんが動き始めました。
そこの記事の中に「安全審査」と言う言葉が使われております。
みなさん、繰り返し申し上げますが
安全審査はありません。
中国新聞の言葉に騙されないでください。
いま進んでいるのは規制基準適合性審査が進められております。
原発は苛酷事故を起こす可能性がある、しかし
苛酷事故の可能性を減らすために技術的な機器を整備しておきましょう
少しでも可能性を下げるために危機の性能を評価しましょう
その性能目標を元に作られた規制基準であって安全基準ではありません。
安全基準はまだ作られておりません。
誰も原発の安全を担保することも審査することも、評価することもできません。
みなさん、原発推進の人、電力業界の人々が使う
安全基準、安全審査と言う言葉に騙されないでください。
安全は誰も保証できません。
規制委も「万歳している」とちゃんと4月3日に言っています。
最初からゼロリスクはないと言っています。
規制委員会の田中委員長自身そう言っています。
安全基準、安全審査はありません。
みなさんに安全だと思われては困るので、わざわざ名称を規制基準に変えています。
原発に安全審査はありません。
騙されないでください。
▼第76回A4版
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20131129_A4.pdf
▼第76回A3版
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20131129.pdf
みなさま
毎度お騒がせします。
第76回広島2人デモ11月29日の告知をさせていただきます。
18時から平和公園元安橋東詰出発です。
チラシが出来ました。
今回は原発とはちょっと離れたように見えるかもしれません。
でも生存権を守る、という点では同じです。
私たちが反被曝・反原発を訴えるのも、生存権問題だからです。
タイトル
「(第 4 期ブッシュ政権)
オバマ政権張りの警察国家(Police State)を目指す安倍自⺠党政権
国家安全保障会議設置法と特定秘密保護法の意味」
トピックは
1.国家安全保障会議設置法(日本版NSC設置法)と特定秘密保護法はセット
2.「警察国家」「盗聴・監視・管理社会」へ
3.警察国家・監視社会への流れを強める先進資本主義諸国
4.核燃料施設(一般原発以外)の規制基準決定
特定秘密保護法案は廃案になったスパイ防止法の変形版なんですね。
▼お忘れかもしれませんが自民党は憲法を変える準備をしてきました。
http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf
最後のページにあまり大きく報道されませんでしたが
一般原子炉以外の規制基準も決定されたことを載せています。
では歩いて参ります。
11月26日(金曜日)18時半から広島市安佐南区民文化センターで
「さようなら原発 安佐南区市民講座」がありました。
そこで、「結・広島」の請願で紹介議員になっていただいている市議会議員の田尾健一氏から依頼を受け、哲野が報告をすることになりました。
(哲野も網野も、「結・広島」の事務局を担当しています。)
▼結・広島
http://hiroshima-net.org/yui/
講演前に少し時間をいただいて、「結・広島」の請願を紹介・お願いの時間も頂きました。
1.現在、広島市議会に伊方原発3号機再稼働反対の決議を求める請願を上げていること
2.この請願は原発全てを否定しているわけではなく、伊方原発3号機再稼働に限定していること
3.原子力規制委員会のシミュレーションによれば、福島並みの苛酷事故を伊方原発が起こせば広島市は『一時移転』の対象になることが現実味を帯びて予想されること
4.反対の意思を挙げなければ容認になること
5.広島を守りたい一点で挙げた請願なので、原発賛成反対関係なく共同請願人が集まっていること。
6.共同請願人になっていただけると嬉しいが、報道が一切取り上げないのでこの危険を知らない人が多い。多くの人にこの危険を知らせてほしい
以上のような説明を行いました。
当日は、約30人の方が集まってくださいました。
1時間の講演のあと質疑に入りましたが、質疑応答が45分、
活発な質問がありました。
質疑応答というより質疑を軸にした討論になりました。
こういう討論の積み重ねが大事だと思いました。
またこの討論を通じて、私たちも気が付かされたことがありました。
多くの人がまだ、外部被曝・内部被曝の基礎知識や
特に、世界中で進んでいる被曝による健康影響の医科学的解明の成果
最新の研究内容がまだまだ知られていない、ということです。
以下は本日哲野が自サイトに上げた報告及びレジュメです。
網野沙羅
▼哲野イサクの地方見聞録 2013.11.27掲載
『<参考資料>『放射能安全神話の克服』-市民講座への哲野イサク報告 レジュメ』より
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/hiroshima_nagasaki/fukushima/20131126.html
▼以下転載▼
<参考資料>『放射能安全神話の克服』
-市民講座への哲野イサク報告 レジュメ
今日2013年11月26日(火)は記憶すべき日となろう。衆議院国家安全保障特別委員会で政府与党提出(自民党・公明党)の『特定秘密保護法案』(みんなの党、維新の会修正提案)が賛成多数で採決され、そのまま衆議院本会議に送られ、本会議で可決成立したからだ。(賛成:自民、公明、みんなの党、反対:民主、共産、生活の党、棄権:維新の会)
この法案を巡る情勢でいくつか明らかになったことがある。
1. 公明党は完全に自民党の補完勢力に成り下がっていること。公明が自民のいうなりになるには理由がある。恐らくは公明党の実質的オーナーである創価学会名誉会長の池田大作“国会証人喚問”の脅しがいまだに効力を発揮しているのだろう。池田が生きている限り公明党・創価学会は自民党のいうなりである。またマスコミは“鶴ダブー”の呪文と広告・広報記事出稿など一連の鼻薬が効いてこの問題には沈黙を守ったままである。
2. みんなの党、維新の会も基本的には自民党補完勢力であること。
3.マスコミの異様な報道ぶり。マスコミの(特に朝日新聞の)この法案反対のへ力の入れ方自体のことではない。その異様な“バランス”の欠きぶりのことだ。『特定秘密保護法案』は『国家安全保障会議設置法』(日本版NSC法)とセットの法律であり、日本をブッシュ政権以降のアメリカの現状『警察国家=Police State』(ロン・ポール下院議員の表現)に一歩も二歩も近づける目的をもつ。
マスコミは『日本版NSC法』にはさほど大きな反対をせず、『特定秘密保護法案』だけ異様に大きく取り上げて、反対のキャンペーンを張っている。『反憲法』『警察国家実現』の方向性をもつこの法律はセットにして反対しなければならないところを、片方はやすやすと見逃している。「特定秘密保護法」に対するマスコミの異常な力の入れ方には、別な目的があると見て逆に警戒を強めなければならないだろう。
4.しかし何といっても安倍自民党政権はかつての自民党とは全く異なった体質をもつ「ファシズム政権」の本質を露わにしたということが特筆されなければならないだろう。天皇制軍国主義に蹂躙された歴史的記憶をもつ諸国、特に中国が安倍自民党政権に警戒心を強めるのはむしろ当然のことだろう。
5.いずれにせよ、最高裁の「一票の格差違憲状態判決」、「福島第一原発 大本営発表報道」、「ファシズム自民党に対する盲目のアカデミズム」、「教育改悪」など日本を巡る政治情勢は、チェック機能を欠いたまま、私たち庶民の「生存権」が蹂躙される方向へさらに傾斜を強めていることは間違いないだろう。
日本の政治情勢を巡る基本問題は行方の全く見えない『福島第一原発の危険』(崩壊した原子炉内にある、極めて不安定な大量の放射能の危険)と『事故で大量に放出され、今も気体・汚染水という形で放排出されている放射能の健康影響』の2つである。「チェルノブイリ事故の重い負担」が旧ソ連体制崩壊の一因となったように、『フクシマ事故の重い負担』が日本の支配体制崩壊の一因となる可能性は、時間の経過とともに増していくだろう。
安倍自民党政権はこの2つの基本問題の政治的不安定さを、一種の新ファシズム体制で乗り切ろうとしているかのように私には見える。今回の「特定秘密保護法」騒ぎも決してこの2つの基本問題と無関係ではないのだ。
(それにしても不可解なのは大手マスコミの対応だ。2012年原発再稼働問題で日本中が揺れ、東京の首相官邸付近では連日10万人を超える大衆が「原発反対」「再稼働反対」を唱えて集まった。この時マスコミはほとんど報道しなかった。「特定秘密保護法案」では、数千人から1万人の反対デモ・集会で大々的に報じている。「特定秘密保護法」はニュースになるが「反原発」ではニュースにならない、ということではあるまい。
さらに、昨年の反原発デモも今回の特定秘密保護法反対集会やデモも、単に集まって騒ぐだけでは世の中が動かないことも確かだろう。2012年初夏から秋口にかけての反原発の国民的うねりも、安倍自民党政権の「アベノミスク」経済発展のスローガンを掲げられると簡単に目先を変えられ自民党に票を入れた。反原発国会デモに集まった人たちの中で、「アベノミクス経済再生」をスローガンとする自民党に票を入れた人、「東京オリンピック」を掲げる猪瀬直樹東京都知事候補に票を入れた人も少なからずいたに違いない。福島第一原発事故を契機に新しい段階に入った日本の市民運動だが、まだまだ底が浅いことを私たちは知らなくてはなるまい。これも大きな課題だ。情緒的市民運動から、理性的・知的な市民運動への大きな流れを推し進めなくてはなるまい)
この日そんなことを考えながら、「さようなら原発 安佐南区市民講座」の会場である安佐南区民センターへ向かった。小さな規模の勉強会である。たまたま私が報告者となって問題提起をし、そこから質疑応答を通じて問題を深めようという企画である。当日主催者が作成した案内チラシに“ヒロシマ・フクシマは連帯して、放射能汚染のない安心・安全な、生存権が保障された暮らしを実現しましょう”の一文があり、私はこの一文にこころ惹かれた。そうだ、と思った。
経済発展の“伸びしろ”を失った“先進国資本主義”は、「金融産業」を成長のエンジンとして乗り切ろうとして、いわば、「仮想経済」(Virtual Economy)が「実質経済」(Real Economy)を乗っ取る形で、成長を達成しようとした。それは私たちの「生存権」を圧迫する形で実現する他はない。成長のエンジンが仮想経済であってみれば、結局のところ「実質富全体」の配分を変更する他はないからだ。しかしその試みは「仮想経済自体の破綻」、すなわち「リーマン・ショック」という形で頓挫した。が、私たちの「生存権」を圧迫し、制限する方向で乗り切ろうとしている流れには変化が見られない。それを象徴するのが日本においては、「ポスト・フクシマ」の現状だろう。
「経済発展のためには、少々の放射能による健康被害などはとるに足りない」
私にはこの社会を支配する階層がそう考え、タカを括っているように見えて仕方がない。しかし実際は「少々の健康被害」では済まない。それは実は彼らもわかっている。にもかかわらず、彼らは私たちの健康や安全な暮らしよりも自分たちの成長・利益を優先させている。ならば私たちは、「生存権」を守っていく闘いを展開させざるを得ない。「フクシマ放射能危機問題」はその最もわかりやすい、そして私たちにとってもっとも切実な「生存権問題」なのだ。しかも「フクシマ放射能危機問題」では私たち最初の被爆地「ヒロシマ」には特別な使命がある、そう考えながら当日報告のレジュメを作成した。それが以下である。
▼報告レジュメ(PDF版)「放射能安全神話の克服」(約30MB)
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/hiroshima_nagasaki/fukushima/20131126.pdf
▼報告レジュメ(PPT版)「放射能安全神話の克服」(約6MB)
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/hiroshima_nagasaki/fukushima/20131126.pptx