<参考資料>
華北労働者の満州への誘導募集員別数別及び斡旋先別割当て表
(1941年10月上旬ー12月上旬)
*
この割り当て表は、研究者の王紅艶が、華北交通公社総裁宇佐美寛爾から満鉄撫順炭坑長大垣研あてに出した報告書「満州向工人ニ関スル件」と題する報告書(1941年10月11日付け)に基づいて作成したもの。
*
この計画は工人=労働者は、当時支那方面軍が華北交通公社が運営する鉄道沿線の『愛護村』から中国人を労働者を誘い出し、満州に送り込もうとしたもの。
*
「愛護村」とは支那方面軍が、対中国共産党対策として主要鉄道沿線に設置した戦略村。
*
この表で「満業」というのは鮎川義介が1937年に設立した「満州重工業開発株式会社」のことで、この割り当て表では直接には、満業傘下の「阜新炭坑」「本溪湖煤鉄株式会社」「昭和製鋼所株式会社」の3事業所を指す。また「撫順」とあるのは満鉄傘下の「撫順炭坑」を指す。
*
鉄路とは鉄道路線のこと。対象とする「愛護村」が鉄道路線沿いに設立されたため、この募集の「鉄路」別になったと思われる。
*
表中黒字は王紅艶の原表にあったもの。青字は私が加えたもの。
鉄路局名
割り当て募集員数
単位
募集斡旋先別員数
単位
備考
北京
900
名
満業
540
名
「満業」は満州重工業のことで、具体的には阜新炭坑、本溪湖煤鉄、昭和製鋼所の3事業所を指している。
撫順
360
名
済南
1,200
名
満業
720
名
撫順
480
名
太原
300
名
満業
180
名
撫順
120
名
開封
600
名
満業
360
名
撫順
240
名
合計
3,000
名
満業
1,800
名
撫順
1,200
名