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更田豊志
(ふけだ とよし) |
原子力規制委員会委員 監視・評価検討委員会唯一人の規制委員。規制委員会側のこの問題に関する責任者。
ほぼ、日本語ウィキペディア『更田豊志』の丸写しとなる。
1978年4月 |
東京工業大学入学 |
1987年3月 |
東京工業大学大学院理工学研究科機械物理工学専攻博士課程修了、工学博士(宮内敏雄教授研究室) |
1987年4月 |
日本原子力研究所入所 |
2001年4月 |
日本原子力研究所 企画室調査役 |
2003年4月 |
日本原子力研究所 安全性試験研究センター原子炉安全工学部燃料安全研究室長 |
2005年10月 |
日本原子力研究開発機構 安全研究センター原子炉安全研究ユニット長
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2005年12月25日、佐賀県主催で開かれた玄海原子力発電所3号機プルサーマル計画についての公開討論会に原子力安全委員会原子炉安全専門審査会委員の立場でオブザーバーとして出席。 |
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2009年2月 総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会原子炉安全小委員会安全評価ワーキンググループ委員。 |
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2010年4月 |
日本原子力研究開発機構 安全研究センター副センター長
・ |
2011年11月 原子力安全・保安院高経年化技術評価に関する意見聴取会委員 |
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2012年4月 |
日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究部門副部門長 |
2012年9月19日 |
環境省原子力規制委員会委員 |
経歴をみると、ほぼ核施設推進の立場から「原子炉安全工学」を研究してきた学者だといえる。これまで様々な会合(公開討論会)で核推進の立場から発言を繰り返している。
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【外部専門家】 |
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阿部弘亨
(あべ ひろあき) |
東北大学金属材料研究所 教授。
福島県生まれ。放射線や電子顕微鏡を利用した材料開発が専門研究分野。総合科目授業で『原子力エネルギーと国際社会』を受け持っている。原子力安全基盤機構(JNES)の『再処理研究会』の委員の一人。「有識者自己申告」では、「(株)グローバル・ニュークリア・フュエル(GNF)」から2008年から2011年度の4年間、『燃料被覆管挙動』を研究テーマに年間100万円の委託研究を受けている。GNFは、GE、日立製作所、東芝の合弁会社で、「沸騰水型原子炉(BWR)燃料に関する開発、設計、製造及び関連エンジニアリング」を主業務としている。GNFは、日本に「グルーバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン(GNF-J)」(本社工場神奈川県横須賀市)とアメリカに「グルーバル・ニュークリア・フュエル・アメリカス」(本社・ノースカロライナ州ウィルミントン)の2つの子会社をもっている。GNF-Jは2010年6月「燃料体製造8万体」を達成した。早く原発が再稼働してくれないと商売に差し支えることだろう。また共同研究では、原子力安全システム研究所(INSS)から、『原子炉圧力容器鋼イオン照射脆化研究』で、2012年度に100万円、また日本核燃料開発から、『燃料被覆管イオン照射挙動』でやはり2012年度に50万円の委託研究を受けている。INSSは本社・福井県美浜町で関西電力100%出資の子会社。「第三者的な立場で客観的に研究を行い、関西電力に対して建策・助言を行うとともに、その研究成果を広く国内外に公開して社会の発展に幅広く貢献することを研究所の理念」としている。また日本核燃料開発は本社茨城県大洗町で「原子炉燃料の研究・開発」「照射済み燃料・金属材料の輸送業務」などを行っている。東芝と日立製作所の折半出資子会社。
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井口哲夫
(いぐち てつお) |
名古屋大学大学院工学研究科 教授
以下が主な経歴である。
2001年度~2012年度 名古屋大学 / 工学(系)研究科(研究院) / 教授
1997年度~2010年度 名古屋大学 / 大学院・工学研究科 / 教授
1996年度~1997年度 名古屋大学 / 工学部 / 教授
1996年度 東京大学 / 大学院・工学系研究科 / 助教授
専門研究分野は『計測・制御可能で離散的なエネルギーの粒である量子ビームを計測し、その応用を研究』ということらしい。量子ビームの応用研究ということで次の4項目を挙げている。『量子工学に基づく革新的量子ビーム計測手法の開発と応用』、『微細加工を用いた量子ビーム計測機器の設計・試作』、『量子ビーム計測を用いたシステム診断技術の開発と産業応用』。現在世界各地で核融合炉の開発が進められているが、核融合炉からは分裂炉に比較すると大量の中性子が飛び出す。この原理を軍事的に応用した核兵器が『中性子爆弾』だ。この分野の研究が「中性子発生の時間的および空間的なプロファイル計測、また中性子スペクトル計測は、難しい課題ながら、システム制御に欠かせない基幹技術」ということになる。4つ目の応用分野が『量子ビームのインテリジェント計測情報処理技術の開発』。
原子力規制委員会への『自己申告』を見ると、中部電力から2009年と2010年の2年度にわたって『放射線計測におけるエネルギースペクトル逆進定法の高精度化』のテーマで年間111万3000円の委託研究を行っている。また同じく中部電力から2011年と2012年の2年度『汚染位置検出測定の高度化に関する研究』のテーマで年間111万3000円の委託研究を行っている。大体国立大学の教授というのは、中小零細企業の親父と同じで常に自分の研究室の『売り上げ』を維持しないとやっていけない。こうした委託研究がその売り上げにあたるわけだが、『売り上げ』のない教授は無能呼ばわりされる。だからわからないことはないのだが、井口の場合は中部電力が上顧客だということはいえるだろう。
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大津留晶
(おおつる あきら) |
福島県立医科大学 教授
日本語ウィキペディア『大津留晶』のほぼ丸写し。
長崎大学医学部准教授で、2011年9月まで長崎大病院永井隆記念国際ヒバクシャ医療センター副所長を務めた。2011年3月11日の東日本大震災に続いて発生した福島第一原子力発電所事故後には被曝医療支援で福島県に派遣され、同年10月より福島県立医科大学の教授に就任した。経歴は以下の通り。
1957年 長崎市生まれ、被爆二世
1982年 長崎大学医学部卒業、同第1内科(消化器内科)
1988年 長崎大学大学院(医学研究科 内科系)
1991-2003年 長崎大学医学部助教
2005年6月 韓国ソウル市で在韓被爆者の健康相談にあたる長崎県の医師団の副団長
2011年3月14日 長崎大学から福島県に放射線医療チームの団長として派遣
2011年10月1日 福島県立医科大学医学部教授に就任
(例の山下センセのお弟子筋にあたるのかな?)
『自己申告』を見ると、『電気事業者等』からの委託研究などは過去3年間は実績なし。
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橘高義典
(きつたか よしのり) |
首都圏大学東京 教授(都市環境学部 都市環境学科建築都市コース)
主な経歴は以下の通り。
1976年4月- 東京工業大学 工学部 建築学科
1980年4月- 東京工業大学 大学院理工学研究科修士課程 建築学専攻
1982年4月- 東京工業大学 大学院理工学研究科博士課程 建築学専攻
1992年- 宇都宮大学 助手
1993年- マサチューセッツ工科大学 客員研究員
1993年- 宇都宮大学 助教授
1995年- 東京都立大学工学部 助教授
2001年- 東京都立大学大学院工学研究科 教授
2005年- 首都大学東京(大学名称変更)都市環境科学研究科 教授
経済産業省総合資源エネルギー調査会臨時委員、経済産業省日本工業標準調査会臨時委員などを現在務めている。コンクリート工学の専門家として知られている。建築の専門家だから“原発”には関係ない、と思われるかも知れないが実際にはそうでもない。原子炉建屋やタービン建屋などは一面コンクリート工学の最先端成果物だという見方もできる。業界トップの鹿島建設が「日本の原発61基(建設中および廃止中を含む)のうち38基を施工」と豪語するのも最先端コンクリート工学技術のたまものである。実際現在建設中の中国電力島根原発3号機も電源開発の大間原発も鹿島建設が受注しているし、事故を起こした東電福島第一原発の1~6号機も鹿島の施工になる。従って鹿島と建築学界の関係も深い。いわば『運命利益共同体』だ。早く再稼働を、と願っているのはなにも電力会社ばかりではない。ところで1960年代から始まった日本の核の産業利用も21世紀に入ってそろそろ『廃炉ラッシュ』を迎える。(ヨーロッパやアメリカではすでに訪れている)そのコンクリート建造物の経年劣化状況を報告した三菱総合研究所の『平成22年度高経年化対策強化基盤整備事業-
技術情報基盤の整備等 -総括報告書』などは鹿島や建築学界が総ぐるみで作成したものだ。もちろん首都圏大学東京の橘高義典の名前も出てくる。
さて橘高の『自己申告』を見てみると、当然『電気事業者等』からの委託研究などは過去3年間実績なし。建設業界は電気事業者ではないからだ。
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高木郁二
(たかぎ いくじ) |
京都大学大学院工学研究科 教授
主な経歴は以下のとおり。
2011年度~ 京都大学 / 工学(系)研究科(研究院) / 教授
2008年度~ 京都大学 / 大学院・工学研究科 / 教授
2007年度 京都大学 / 大学院・工学研究科 / 准教授
2004年度~京都大学 / 大学院・工学研究科 / 助教授
専門は「燃焼プラズマを目指した核融合炉プラズマ対向壁の研究、原子炉燃料被覆管の健全性評価、効率の良い水素吸蔵方法の開発」ということらしい。2010年度『大学共同利用機関法人自然科学研究機構 核融合科学研究所』のLHD計画共同研究事業に高木の『LHD-DD実験にむけた水素透過の実測と壁面漏洩量の評価』が採択されている。「LHD」は“Large
Helical Device”(大型ヘリカル装置)のことである。核融合炉は研究者の夢を刺激するらしく、今世界中で研究が進んでいる。様々な方式や燃料形態が考えられているが、LHD(プラズマ装置による核融合炉。Helicalはもともと“螺旋状の”という意味合いの形容詞である)は日本が独自に進めている方式。その研究を統括するのが核融合科学研究所である。研究所は岐阜県土岐市にあるが、大型ヘリカル型核融合実験装置をもっている。地元からは危険な重水素融合実験に対する反対運動も起こっている。
『自己申告』見てみると、2010年・2011年の2年間にわたって毎年70万円ほど日本核燃料開発株式会社から『研究助成』名目で寄付金をもらっている。日本核燃料開発については、東北大学『阿部弘亨』の項でも登場したのでそちらを参照のこと。さらに共同研究では、同じく日本核燃料開発から2012年に『ジルコニウム合金の腐食と水素吸収・放出に関する研究』で72万8000円の委託研究費を受け取っている。ジルコニウム合金は核燃料(ペレット)の被覆に使われている。さらに2010年・2011年・2012年の3年間、住友金属(現在は新日鐵と合併したので新日鐵住金)から『放射性同位元素を用いた金属腐食挙動に関する研究』の委託を受けている。(委託費は不明。黒く塗りつぶしてある)
なぜ、製鉄会社が?と思われる方があればそれは認識不足である。建設会社、製鉄会社、化学会社など、原発産業はありとあらゆる基幹産業及びその周辺の関連産業を巻き込んで巨大な同心円状の産業構造を描く一大尖端科学技術産業なのである。「原発マフィア」といういい方もあるが、「マフィア」という言葉から連想される「アウトロー」に匂いのする影の産業なのではなく表舞台を堂々と闊歩している。また「原子力ムラ」といういい方もあるが、「ムラ」という言葉から連想される閉鎖的な産業なのではなく、政界・産業界・学界またそれを取り巻く広報機関と綿密に連携した日本のメインストリームをのし歩く巨人である。その意味では『核利益共同体』という言葉の方がふさわしい。
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角山茂章
(つのやま しげあき) |
会津大学 理事長・学長
これはまた凄まじい経歴を持つ人物である。会津大学のサイト『角山茂章』からそっくり引用する。
生年月日 昭和18年12月7日生
学歴:昭和42年 東京大学理学部物理学科卒業
資格:昭和60年 工学博士(自己回帰法による沸騰水型原子炉安定性の推定 東京大学)
職歴:昭和42年 日本原子力事業(株)総合研究所入社
昭和50年 米国GEと共同研究のため米国駐在(1年間)
平成2年 東芝原子力研究所 (*)管理部担当部長
平成9年 東芝原子力システム社 技監
平成13年 アイテル技術サービス フェロー
平成14年 会津大学 産学連携センター 教授
平成15年 会津大学 副学長
平成18年 会津大学 理事長・学長、現在に至る
(*)平成2年日本原子力事業と東芝原子力事業部が合併
受賞:昭和60年 日本原子力学会技術賞
平成21年 日本混相流学会業績賞(「混相流研究の新展開と産業応用への先駆的業績」)
経歴
日本原子力学会理事、日本混相流学会会長・副会長・理事、
文部省原子力基盤クロスオーバー研究推進委員、
文部科学省科学技術振興調整費審査部会WG委員、
宇宙開発事業団革新的IT技術開発委員会委員を歴任。
現在、日本機械学会、日本原子力学会、日本混相流学会の正会員。
日本工学アカデミー理事、福島県原子力行政連絡調整会議専門委員。
(これは引用なんてもんじゃなく、コピペだな)
会津大学自体は「コンピュータ理工学部」だけの単科公立大学(福島県の大学法人)だが、2002年に会津大学の産学連携構想によって立ち上げられた産学連携センターに角山が招聘された、ということらしい。
『自己申告』では、当然どこからも金をもらっていない。それはそうだろう。角山は金をもらう側ではなく渡す側に完全に移行してしまっているのだから。
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林 康裕
(はやし やすひろ) |
京都大学大学院工学研究科 教授
経歴は以下の通り。
1977年 私立灘高等学校卒業
1982年 京都大学工学部建築系学科卒業
1984年 京都大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了
1984年~2000年 清水建設株式会社
1991年 京都大学工学博士(論工博)
1999年 日本建築学会奨励賞受賞
2000年 京都大学防災研究所 総合防災研究部門・助教授
2004年 京都大学工学研究科 建築学専攻・教授
京都大学でマスターをとって清水建設に入社し、ドクターをとってから母校に戻って教授になった、というところだろう。日本建築学会奨励賞受賞は『1995年兵庫県南部地震の低層建物被害率に基づく最大地動速度の推定』という論文、また2007年には日本建築学会賞を受賞しているがこの時の論文が『強震動下における建築物の耐震性能評価に関する研究 』。強い地震の揺れに対する耐震構造及びその評価が専門分野なのだろう。清水建設そのものも原子力産業の有力な一角だが、他のスーパーゼネコンと違って、建設ではなく『廃止ビジネス』にシフトしているように見える。前述のようにこれから日本にも原発など核施設の『廃止・廃炉』ラッシュがやってくる。そこに狙いを定めているように見える。現在この分野の実績は、茨城県東海村の日本原子力研究開発機構JRR-3(研究炉)の一括撤去とJPDR(動力試験炉)の解体撤去作業が実績としてある。東電福島第一原発の高さ52メートルある1号機原子炉建屋にカバーを取り付ける作業は清水建設が受注した。
林の『自己申告』では、2010年・2011年の両年ニュージェックから『災害の防災並びに軽減に関する研究助成』を受けている。(2010年100万円・2011年50万円)さらに2012年には同じ名目で竹中工務店から106万円の研究助成を受けている。ニュージェックは事実上関西電力の子会社で総合建設コンサルタント、ということにはなっている。
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東 之弘
(ひがし ゆきひろ) |
いわき明星大学科学技術学部 教授
経歴は以下の通り。
1981年 慶應義塾大学理工学部機械工学科卒業
1986年 慶應義塾大学大学院工学研究科機械工学専攻博士課程修了(工学博士)
1985年10月 – 1986年3月 日本学術振興会特別研究員(優秀な若手だったのだろう)
1986年 明星大学理工学部機械工学科助手
1987年 いわき明星大学理工学部機械工学科専任講師
1991年 いわき明星大学理工学部機械工学科助教授
1998年-1999年 アメリカ商務省アメリカ標準技術研究所 客員研究員
2000年- いわき明星大学理工学部機械工学科教授
2005年- 2011年 いわき明星大学産学連携研究センター センター長
2005年-現在 いわき明星大学科学技術学部システムデザイン工学科教授
2010年-現在 いわき明星大学科学技術学部科学技術学科 主任教授
福島県地球温暖化防止活動推進センター理事、福島県中小企業振興審議会委員(福島県)、 地球にやさしい“ふくしま“県民会議副代表などを務めている。
「発電所や自動車からの二酸化炭素の排出量を減少させることが地球温暖化の防止につながるのであれば、石油など化石燃料に頼らない新しいエネルギー創造技術を開発することは、地球を救う技術開発と呼べるはずです。東研究室では,「新エネルギーの開発」・「地球環境問題の解決」をメインテーマとして、代替フロン物質の研究から熱エネルギーの有効利用に関する研究に取り組み、我々の生活を今以上に快適にするための研究を行っています。」とは学生・受験生に対するメッセージだそうだ。
これまでとは筋の違った人物なのかも知れない。(しかしこれまで“温室効果ガス地球温暖化論者”はしばしば“隠れ原発推進論者”だったこともある)
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山本章夫
(やまもと あきお) |
名古屋大学大学院工学研究科 マテリアル理工学専攻 教授 経歴は以下の通り。
1989年-2003年 原子燃料工業株式会社
1998年 京都大学 エネルギー科学研究科 エネルギー社会・環境科学専攻
2003年-2004年 名古屋大学工学研究科原子核工学専攻・助教授
2004年-2007年 名古屋大学工学研究科マテリアル理工学専攻・助教授
2007年-2010年 名古屋大学工学研究科マテリアル理工学専攻・准教授
2010年- 名古屋大学工学研究科マテリアル理工学専攻・教授
出身大学が判然としないが、京都大学で博士号を取得しているので、恐らく京都大学だと思う。京大を出て原子燃料工業に就職し、その間母校の京大で博士号を取得した、ということだろうと思う。その後2003年に名古屋大学からお声がかかり、原子力燃料を退社して名大に移った。原子燃料工業は加圧水型原子炉燃料のメーカーである。親会社はウェスティングハウス電機(東芝子会社)で出資比率が52%、残りを古河電工と住友電気工事が24%をそれぞれ出資している。「グルーバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン」が沸騰水型の核燃料メーカーであるのに対して、原子燃料工業は加圧水型原子炉の核燃料メーカー、といういい方もできるだろう。(ところが東海村事業所では沸騰水型原子炉核燃料も製造している)原子燃料工業はもともと1972年7月、住友電気工業と古河電気工業の原子燃料事業を統合してできた合弁会社。1社でやりきるには余りにもリスクが大きすぎたという見方もできるかも知れない。(どうせ通産の指導があったに違いない)
2009年東芝の子会社となったウェスティングハウス電機が古河・住友から株を譲り受け筆頭株主となって今の形ができあがる。だから山本がいた頃の原子燃料工業はまだ古河・住友の合弁会社だった。
なお原子燃料工業のサイトには『原子炉燃料の紹介』というページがあって、軽水炉核燃料についてわかりやすく説明してある。閲覧をお勧めしておきたい。つい山本の出身会社の説明に力がはいってしまった。日本最大の原子力産業業界団体に『日本原子力産業協会』がある。この『原産協』はまた地域部会をもっている。すなわち北から『北海道エナジートーク21』、『東北エネルギー懇談会』、『社団法人茨城原子力協議会 』、『北陸原子力懇談会』、『中部原子力懇談会』、『関西原子力懇談会』、『中国地域エネルギーフォーラム』、『山口県エネルギー問題懇話会』、『社団法人九州経済連合会 九州エネルギー問題懇話会』である。このうち山本は関西原子力懇談会と中部原子力懇談会からよく講演などでお声がかかるようである。(まさかノーギャラで講演はするまい。)
『自己申告』では、やはり相当に『電気事業者等』とはつながりが深い。申告書が別紙となっている。
①寄付
2009年から2012年の4年間毎年、原電情報システム、古巣の原子燃料工業、原子力エンジニアリングの3社から寄付を受けている。(寄付金額は不明)『原電情報システム株式会社』は日本原子力発電株式会社の完全子会社で「情報処理、ネットワーク設計/運営、情報処理システム開発/保守、情報処理機器/ソフトの販売・リースなど」を主業務とする。日本原子力発電は今話題の福井県敦賀発電所のオーナー運営会社だが、東海発電所(黒鉛減速ガス冷却炉)を廃炉・解体中である。株主は以下の通り。
東京電力(28.23%)、関西電力(18.54%)、中部電力(15.12%)、北陸電力(13.05%)、東北電力(6.12%)
電源開発(5.37%)、九州電力(1.49%)、中国電力(1.25%)、日立製作所(0.92%)、みずほコーポレート銀行(0.71%)、三菱重工業(0.64%)、北海道電力(0.63%)、四国電力(0.61%)
原子力エンジニアリングは原子炉の炉心管理と検査を主業務とする会社。本社は大阪市だが事業所の所在地が美浜、高浜、大飯とくれば大概の人は「ははーん」となるだろう。ご明察どおり親会社は関西電力(56%出資)で、残りの44%は原子燃料工業がもっている。
②報酬
原子燃料工業(2009年から2012年の4年間)毎年50万円(200万円)、グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン(2010年から2012年の3年間)毎年50万円(150万円)、関西原子力懇談会(2012年の3年間)毎年50万円(150万円)でこの3団体から合計500万円。
③委託研究(共同研究含む。研究名は省略)
テプコシステムズから2009年と2010年(それぞれ314万円で計628万円)、三菱重工業から2009年から2011年の3年間、金額は不明(黒く塗りつぶしてある)。四電エンジニアリングから2009年から2011年の3年間(合計337万円)、原子燃料工業から2009年から2012年の4年間(合計400万円)、中電シー・ティ・アイから2009年から2012年の4年間(合計819万円)研究委託費を受け取っている。欄外の注には「財団法人名古屋産業科学研究所の所員として委託研究を実施」と書かれている。つまり名古屋大学の教授のまま名古屋産業科学研究所の所員としてこれら委託研究を行った、と読める。
『名古屋産業科学研究所』は「産業に関する学術研究を推進し、その成果を社会に還元するとともに、これらの活動に係る情報発信、技術移転、人材育成を通して新たな産業の発展・創出に貢献することを目的としています。」ということで、本部は名古屋市にある。役員・評議員を見てみると、理事長の内藤 進(リンナイ会長)をはじめ名古屋の経済界や学界のお歴々が名前を連ねている。評議員の筆頭は石田 篤志(中部電力株式会社 取締役専務執行役員技術開発本部長)という具合。
さて『テプコシステムズ』はお察しの通り、東京電力の完全子会社。業務は「コンピュータソフトウェアの開発及び保守、コンピュータ利用による各種技術計算、コンピュータ機器による情報処理」など。
『四電エンジニアリング』は、これも四国電力の子会社で古くからの四国電力自前のエンジニアリング会社。『中電シー・ティ・アイ』は中部電力子会社で業務は中部電力グループのコンピュータシステムインテグレーター。
いくらなんでも山本章夫は、東電福島原発を監視する『外部有識者』としてはミスキャストではないだろうか?
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渡邊 明
(わたなべ あきら) |
福島大学大学院 共生システム理工学研究科 教授
多少あらっぽい記述だが経歴は「1967年気象庁採用、福島大学教育学部助手、講師、助教授を経て、1996年同教授、2004年共生システム理工学類教授。理学博士。現在、日本気象学会東北地区理事、地球にやさしい“ふくしま”県民会議代表など。」ということらしい。気象庁出身だということはわかった。専門は『地球物理学・気象学』。東京都立大学大学院理学研究科の出身。ドクターも東京都立大学で取得している(理学博士)。以下は読売新聞の2012年5月29日付けの記事だそうだ。
「福島県内の大気中の放射性セシウム降下量と濃度が約40日周期で高くなる傾向があることが、福島大の渡辺明教授(気象学)の調査でわかった。茨城県つくば市で29日に開かれた日本気象学会春季大会で発表された。渡辺教授は「放射性物質が濃淡を持って大気中に存在し、動いているのか、大気の運動として放射性物質を集める仕組みがあるのかなど、現時点ではわからない」としている。
渡辺教授は、福島県が昨年3月から今年4月まで、原子力センター福島支所(福島市方木田)で計測した放射性セシウム降下量のデータについて解析した。
その結果、時間の経過とともに数値自体は下がっているが、東京電力福島第一原発からの風向きなどにかかわらず、平均値より高い数値がほぼ40日ごとに規則的に見られた。特に今年1月以降は傾向が顕著だったという。」
渡邊の『自己申告』は、拍子抜けするほどなにもない。真っ白だ。(前のが凄かったからなぁ) |