<参考資料>トリチウム (2013.5.9)
訂正更新:2015.3.27
   
 <参考資料>日本の発電用原子炉トリチウム放出量
(2002年〜2012年度実績)
※2015.3.27訂正
表「日本の発電用原子炉トリチウム放出量(2002年〜2012年)」の伊方原発2012年が18兆ベクレルになっておりましたが、1.8ベクレルの計算ミスでした。
誤:18兆
正:1.8兆

1.8×1012が元の表のデータでしたが、一桁計算ミスをしておりました。お詫びして訂正いたします。

なお、原子炉が稼働せず、運転状態なら、これくらいの放出量になるということでもあります。

原子力施設運転管理年報24年度版・25年度版に掲載されている日本の商業用原子炉(実験炉・原型炉を含む)から放出されている液体の形でのトリチウム放出量である。各事業者が計測した数字をそのまま掲載したものだが、加圧水型原子炉の放出量には驚かされる。

特に九州電力玄海原発の放出量は、カナダの重水炉CANDU型原子炉の放出量に匹敵する。これで付近住民に健康被害が出ていないと考える方がおかしい。さらに、敦賀湾に液体の形で放出されるトリチウムの量は厖大である。通常、ガス(水蒸気ガス)の形で放出されるトリチウムの量の方が多いと考えると、この付近一帯にはどれほどのトリチウムが拡散しているのだろうか?さらに四国電力伊方原発が瀬戸内海に流すのトリチウム量もCANDU型のおよそ半分の量となっている。

(なお、表は画像とHTMLを用意した。HTMLデータはコピーしてエクセルで再利用できる)






日本の発電用原子炉トリチウム放出量 (2002年〜2012年度) PBR=加圧水型軽水炉
BWR=沸騰水型軽水炉
会計年度での表示:たとえば2012年度は2012年4月から2013年3月まで
単位は特に断らない限りはテラ(兆)ベクレル(Bq)
汚染水(トリチウム水-HTO)として放出として放出しているトリチウムのみ。 水蒸気ガス排出は含まない。蒸気の形でのトリチウム水も排出されているはずだが、それは計測されていないか、あるいは計測されていても公表されていない。
2014年2月1日現在日本の原発は1炉も稼働していない。年月日は最後の原子炉が稼働停止になった日付。
「申請中」は現在原子力規制委員会に再稼働申請中の原発で、数字は申請原子炉名(2014年2月10日現在)
核施設名 運営組織 所在地 炉型 炉数 稼働停止年月日 申請中 液体放出量単位:テラ(兆)Bq
02年 03年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年 11年 12年 合計
泊原発 北海道電力 北海道古宇郡泊村 PWR 3 2012年5月5日 1・2・3号炉 29 22 19 31 29 27 20 30 33 38 8.7 286.7
女川原発 東北電力 宮城県牡鹿郡女川町及び石巻市 BWR 3 2011年9月10日 2号炉 79億 86億 8億 21億 54億 51億 67億 660億 220億 84億 170億 0.150
東通原発 東北電力 青森県下北郡東通村 BWR 1 2011年2月6日 9.4億 390億 340億 530億 900億 2300億 300億 1600億 450億 0.682
福島第一原発 東京電力 福島県双葉郡大熊町 BWR 6 全炉廃炉 0.78 1.4 1.0 1.3 2.6 1.4 1.6 2.0
福島第二原発 東京電力 福島県双葉郡楢葉町 BWR 4 2011年3月11日 0.91 0.38 0.35 0.96 0.66 0.73 0.50 0.98 1.60 2.30 0.80 10.17
柏崎刈羽原発 東京電力 新潟県柏崎市・刈羽郡刈羽村 BWR 7 2012年3月12日 6・7号炉 0.12 0.83 0.49 0.81 0.88 0.88 0.92 0.54 0.66 0.46 0.26 6.85
浜岡原発 中部電力 静岡県御前崎市 BWR 5 2012年3月22日 0.75 0.69 0.46 0.75 0.68 0.60 0.73 0.64 0.64 0.46 0.30 6.70
志賀原発 北陸電力 石川県羽咋郡志賀町 BWR 2 2011年10月8日 0.065 0.22 0.12 0.18 0.18 0.025 0.076 0.89 0.28 0.21 0.01 2.26
美浜原発 関西電力 福井県三方郡美浜町 PWR 3 2011年12月18日 18 23 16 15 14 20 18 23 13 22 43 225
高浜原発 関西電力 福井県大飯郡高浜町 PWR 4 2012年2月20日 3・4号炉 63 59 63 69 68 60 40 43 65 38 6.8 574.8
大飯原発 関西電力 福井県大飯郡おおい町 PWR 4 2013年9月15日 3・4号炉 64 90 93 66 77 89 74 81 56 56 22 768
島根原発 中国電力 島根県松江市 BWR 2 2012年1月27日 2号炉 0.36 0.52 0.63 0.63 0.30 0.66 0.28 0.22 0.23 0.34 0.13 4.30
伊方原発 四国電力 愛媛県西宇和郡伊方町 PWR 3 2012年1月13日 3号炉 52 54 68 63 46 66 58 57 51 53 1.8 569.8
玄海原発 九州電力 佐賀県東松浦郡玄海町 PWR 4 2011年12月1日 3・4号炉 91 95 73 74 99 86 69 81 100 56 2 826
川内原発 九州電力 鹿児島県薩摩川内市 PWR 2 2011年9月1日 1・2号炉 32 38 51 48 35 38 53 50 30 37 1 413
東海原発 日本原子力発電 茨城県那珂郡東海村 黒鉛減速炭酸
ガス冷却炉
1 廃炉中 650億 370万 N.D 4.1億 2億 10億 13億 7500万 N.D N.D N.D
東海第二原発 日本原子力発電 茨城県那珂郡東海村 BWR 1 2011年5月11日 0.86 0.85 0.61 0.74 0.62 0.58 0.55 0.70 0.42 0.87 0.041 6.84
敦賀原発 日本原子力発電 福井県敦賀市 注3 2 2011年8月29日 14 22 26 9.2 15 13 4.9 15 13 6 0.93 139.0
原子炉廃止措置
研究開発センター
日本原子力
研究開発機構
福井県敦賀市 注4 1 廃炉中 1.5 0.37 0.84 1.0 1.4 0.89 2.6 2.1 0.86 0.86 0.31 12.73
もんじゅ 日本原子力
研究開発機構
福井県敦賀市 注5 1 休止中 930万 4.9億 1.3億 4.7億 2億 2100万 2.1億 2.7億 1.5億 7700億 1.5億
注1 東北電力東通原発は2005年12月商業運転開始。
注2 日本原子力発電の東海原発は日本最初の商業用原発で電気出力16.6万Kw。1998年に運転終了、現在解体廃炉中。英国のマグノックス炉だった。
注3 日本原子力発電敦賀原発は1号機が沸騰水型、2号機が加圧水型原子炉。
注4 (独)日本原子力研究開発機構の原子炉廃止措置研究開発センターの手掛ける「原子炉」とは要するに、新型転換炉「ふげん」である。原型炉段階にある。「世界初のプルトニウムを本格的に利用する炉であり、MOX燃料の燃料数も772本と世界最大である。」というふれこみだったが、2003年に運転を停止、現在解体廃炉中である。「ふげん」は出力16.6万kWだった。現在もトリチウムを出し続けている。
注5 「もんじゅ」は高速増殖炉の原型炉で出力は28万kw。「MOX燃料(プルトニウム・ウラン混合酸化物)を使用し、消費した量以上の燃料を生み出すことのできる」というふれこみだが、2010年に事故を起こし現在休止中。
注6 なお水蒸気ガスでの排出は、2011年度1年間で「ふげん」が720億Bq,「もんじゅ」が3億2000万Bqだった。その他の施設は公表されていない。
注7 中部電力・浜岡原発1・2号機は廃炉中。
注8 福島第一原発の2010年〜2012年は評価中。
注9 100万=106
100億=1010
1兆(テラ)=1012
【参照資料】 『原子力施設運転管理年報』(平成24年度版 2011年4月〜2012年3月までの実績)のPDF版p608掲載「参考資料4.放射性液体廃棄物中のトリチウム年度別放出量]及び平成25年度版p404掲載「参考資料4.放射性液体廃棄物中のトリチウム年度別放出量]」原子力産業協会「日本の原子力発電所の運転・建設状況」(2013年8月)、原子力規制委員会Webサイト「新規制基準適合性に係る審査(原子力発電所)」の「実用原子炉(原子力発電所)」