【参考資料】ヒロシマ・ナガサキ・フクシマ 2012.7.10
<参考資料>
福島県議会「大飯原発再稼働反対」の全会一致採択意見書
2012年7月4日


 福島県議会が2012年6月定例議会の最終日、7月4日の本議会で、「原子力発電所の再稼働について住民の安全・安心の確保を最優先に対応することを求める意見書」を全会派一致で決議採択した。

 この意見書は、

(1) 福島原発事故はいまだ収束しておらず、16万人以上の県民が故郷を追われた状態にある。
(2) 事故原因は検証途上であり究明に至っていない。
(3) 政府が示した「安全対策」も未整備である。
(4) 事故時の放射能被害予測や住民避難計画も立てられていない。
(5) 原子力規制機関の経済産業省からの分離も、ようやく方向性が示されたものの、安全規制体制の確立には至っていない。

 とし、『このような状況の中での国の再稼働決定は、原発事故の被災県としては受け入れ難く、非常に残念である。』と述べ、『政府においては、大飯原発を含め、再稼働の判断に当たっては、福島の悲劇を二度と繰り返さないためにも、福島第一原発事故を十分に検証し、安全規制体制を確立した上で、住民の安全・安心の確保を最優先に対応するよう強く要望する。』と結んでいる。
 意見書本文参照のこと)

 指摘は一つ一つもっともであり、原発事故に苦しむ福島県民の総意として読んでみると、鬼気迫り胸を打つものがある。

 この意見書は6月22日県議会会派の「ふくしま未来ネットワーク」と「共産党県議団」が共同で提出した意見書「関西電力大飯原子力発電所3号機及び4号機の再稼働決定の撤回を求める意見書」が、一部修正を加えられ7月3日福島県議会の企画環境委員会に置いて全体一致で採択され、翌4日の本会議に提出され全会一致の採択となったもの。

 両会派共同提案の意見書と本会議採択意見書を読み比べて見ると、表題が「大飯原発再稼働反対」から「再稼働に際し住民の安全・安心を求める」意見書と変更された他、本文で、

再稼働スケジュールありきの再稼働決定や一連の政府の対応は、あまりにも拙速であり、見切り発車と言わざるをえず、政府が「福島を襲ったような地震津波が起こっても、事故を防止できる」ということは、新たな安全神話にほかならない。』

と政府を激しく非難するトーンや、

原発事故の後遺症に未だ苦しむ福島県民だからこそ、伝えるべきメッセージがあると私たちは考える。大飯原発の現時点での再稼働は到底容認できるものではない。』

 と福島県民の原発再稼働反対の心情が和らげられているものの、骨子はほぼ原提案を取り入れている。(両会派共同提案による原意見書案参照のこと)

 私は国会を含め日本の全ての地方議会が、現状での「大飯原発再稼働反対」決議を全会一致で採択すべきものと考える。

 福島県議会サイト:
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_
ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=24734


 「ふくしま未来ネットワーク」サイト:
http://fukushimamirainetwork.jimdo.com/2012-6%E6%9C%8822%E6%97%A
5%E9%96%A2%E8%A5%BF%E9%9B%BB%E5%8A%9B%E5%A4%A7%E9%A3%AF%E
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 「日本共産党福島県議団」サイト:http://www.jcp-fukushima-pref.jp/