【参考資料】ヒロシマ・ナガサキ・フクシマ 2014.3.3

<参考資料>「四国電力伊方原発3号機の再稼動反対決議」を求める
請願趣旨説明 2013年9月26日



 広島から直線でわずか100kmの瀬戸内海に浮かぶ佐多岬半島に四国電力伊方原発が位置する。2013年7月も終わり頃、すでに原子力規制委員会の原発再稼働のための「新規制基準」が施行され、具体的に伊方原発3号機の規制基準適合性審査申請もファイルされ、同3号機の再稼働が日程化しはじめた頃、私たちは広島市議会に「伊方原発再稼働反対決議」求める請願を提出することに決めた。

 いいだしたのは伊方再稼働反対運動のリーダー格である原田二三子である。当初私はこの案には消極的だった。広島市議会に請願を求めることになると相当な時間と労力を取られる。私個人の戦略としては100万広島市民を相手にいかに効果的な説得工作を展開するかであり、それは「低線量内部被曝」の危険を地道に説くことであり、厖大な精力と時間を費やす仕事であることがわかっていた。極めて限られたマンパワーでそれを展開するためには、企業用語でいえば「限られた経営資源の選択と集中」が必要、と考えていた。またスローガン的に「原発反対」と練り歩くだけでは、市民が動かないこともわかっていた。市民が求めているのは、「原発に反対しこれをどうしても葬り去らねばならない」証拠(エビデンス)なのだ。その証拠も、健康や生命、自分の生活に密接に関連した数々の証拠である。この証拠の提示が最優先の仕事であり、やらなければならない主題が山ほどある。私個人は、精力を分散したくなかった。

 しかし私たちのグループの運営原則は、民主主義である。議論を闘わせた上、賛同者が多ければそれに従わなくてはならない。こうして、共同請願人を募る活動を始めると同時に広島市議会に請願書を提出した。

 話は少し先走るが、後に私の考えの一部が誤りであることが判明した。実は広島市民の大半が原発再稼働に反対といわないまでも、深い疑念を持っていることがわかった。市民の大半が原発問題に無関心、という把握の仕方も誤りであることがわかった。関心はあるのだが、その関心と疑念を積極に反対行動に駆り立てる“事実”の提示が圧倒的に不足していることも確認できた。(この点は私の掴み方は正しかった)

 ともかくも、私たちの請願は広島市議会の「経済環境観光委員会」という常任委員会の一つで担当することになった。担当委員会が「経済環境観光委員会」という事実からも、広島市議会が原発問題を「エネルギー問題」の一分野、と捉えていることがわかる。

 2013年9月26日は、同委員会が私たちの請願の審査を行う初会合である。(もちろん同委員会の審議内容はこの日たくさんあり、私たちの請願もワン・オブ・ゼムに過ぎない)ただ初会合なので、請願人が委員会の場で請願趣旨説明を5分程度開陳することが「許さ」れる。たまたま代表の原田は仕事で休みが取れない。私が趣旨説明を行うことになった。

 以下がその時に準備し、配布した説明趣旨書である。なお今日現在(2014年3月3日現在)この共同請願人の数は2050人を越えた。共同請願人は広島市議会の決議を求める以上、広島市内の有権者でなくてはならない。この請願はまだ委員会で継続審議中である。

広島市議会 経済環境観光委員会
「四国電力伊方原発3号機の再稼働反対決議」を求める請願趣旨説明(2013年9月26日)