(2010.5.5)
オバマ政権と核兵器廃絶 一般関連資料


<参考資料> オバマ、イスラエルの非核兵器化に
本腰を入れる?

 2010年5月5日付けイスラエル・ツデイ電子版に掲載された記事。(<http://www.israeltoday.co.il/default.aspx?tabid=178&nid=21037>)。オバマ政権は、「世界核兵器の秩序」を「平和的原子力エネルギー市場」にまで拡張しようとしている。言い替えれば、「核兵器保有国と非核兵器保有国」があるように、世界を「核技術保有国」と「核技術非保有国」に再編しようとしている。これがこの5月3日から開始された2010年NPT再検討会議の冒頭、イランのアフマディネジャドが「核保有国は、核兵器の独占状態を平和的原子力エネルギーの分野にまで同一化しようとしている。」と非難したことの実態だ。オバマ政権はこの目的のために、「核技術非保有国」であるべきイランのウラン濃縮事業を辞めさせたいわけだが、このためには「イスラエルの核兵器」が邪魔になる。アメリカはイスラエルの核兵器に対して無条件の支持を与えている、というイランの主張に根拠を与え、親アメリカの諸国を含め、中東諸国の支持をイランに集めさせる結果になっているからだ。また「核兵器のない世界」を標榜しながら、「原子力エネルギー市場の独占・体制構築」を推進したいオバマ政権にとって、「核兵器のない世界」推進のリーダーの地位を確保することは必須だ。そのためには「中東非核兵器地帯」の成立は格好の材料だろう。イスラエルに核の保有を辞めさせることができるのはアメリカ・オバマ政権をおいてない。動機はどうあれ、イスラエルが非核兵器保有国となれば、これはオバマ政権の最大の功績だ。世界中がそれを認めるだろう。イスラエルはそうした動きに警戒感を強める。



主要報道によれば、
オバマはイスラエルの核を取り上げたい
(Obama wants to take Israel's nukes, according to reports)

 今週(5月3日から始まる週。5月3日からはNPT再検討会議が始まった。)の幾つかの主要メディアの報道によれば、アメリカの大統領バラク・オバマは、イスラエルが保有していると見られている核兵器敞を撤去する取り組みをエジプトとロシアと密接に進めている。

 もっとも象徴的なのは、ウォール・ストリート・ジャーナルの「オバマ、エジプト提案の中東非核兵器地帯宣言の採用に熱意」とする報道だ。中東非核兵器地帯をまとめる地域会議は、これを守ろうとするすべての諸国に対してかなりな圧力になりうる。

 中東において唯一核兵器を持っていると信じられている国として、イスラエルはそのような動きの明白なターゲットだ。ワシントンはイスラエルに核兵器を放棄するよう圧力をかけながら、イランの反抗的な核計画を辞めるよう説得する願ってもない機会だと(イスラエルに)勧奨している。

 この「観点」は、ニューヨークの国連本部でつい最近開始された核不拡散条約再検討会議で議論される主要議題にもなりつつある。アラブ及びイスラム諸国は、イランから注意をそらせるための努力の一環で、熱心にこの議論に加わり、イスラエルの核計画に関する議論を押し進めようとしている。

 アメリカの元国連大使、ジョン・ボルトンは、オバマはモスリム(イスラム諸国)の思うつぼにはまっている、そしてそれはイスラエルの長期間の安全保証を脅かすことになるだろう、と警告した。

 大統領はイスラエルの核能力に対して不満をもっている。もしイスラエルが核兵器を放棄したなら、(オバマ)大統領は喜ぶだろう。』

 とボルトンはイスラエル軍ラジオ放送に対して述べた。

 現在わかっていないたった一つの答えは、そうするためにオバマがどのくらいの圧力をかけられるか、ということだ。現在かけられるそうした圧力の一環として、中東非核兵器会議の開催の可能性が考慮されている。』

 イスラエルは核兵器を持っているかどうかについては確認も否定もしていない。しかしほとんどは、イスラエルは少なくとも200の核弾頭を保有していると信じている。

 これら核兵器が、もし存在しているならば、イスラエルを侵略し破壊しようとする、その他の幅広いアラブ世界に対する主要な抑止力である。イスラエルが核計画を持つ前には、このユダヤ人国家を絶滅しようと、隣国アラブ諸国は3回の全面戦争を仕掛けてきた。