(2010.8.19) | ||||||||||||||||||||||||||
【関連資料】核兵器廃絶 |
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1949年から1950年にかけてポーランド・ワルシャワで成立した世界平和評議会(World Peace Council-WPC)が1950年に出した「核兵器廃絶」アピール。1949年8月にはソ連が核実験に成功、アメリカに次ぐ核兵器保有国になっていた。また1950年6月に勃発した朝鮮戦争では、国連軍(事実上のアメリカ軍)総司令官、ダグラス・マッカーサーが核兵器使用を強硬に主張し、中国と北朝鮮の国境に投下すべしと云う議論が公然と行われていた。(のちトルーマン政権はマッカーサーを罷免、核兵器使用は見送られた。) こうした核兵器を巡る騒然とした状況の中で、世界平和評議会は、1950年3月ストックホルム・アピールを発表し世界の人々に核兵器不使用を訴えた。以下が内容。
当時平和評議会の議長は、フランス共産党員でノーベル賞物理学受賞者のフレデリック・ジュリオ・キュリーだった。彼が呼びかけ人代表となった。他に著名な呼びかけ人には、ジェルジェ・アマード(ブラジルの小説家)、ルイ・アラゴン(フランスの詩人)、マルク・シャガール(ロシアの画家)、モーリス・シュバリエ(フランスのボードビリアン)、フランク・マーシャル・デイビス(アメリカのジャーナリスト、詩人)、デューク・エリントン(アメリカのジャズ・ピアニスト)、リオネル・ジョスパン(フランスの社会党政治家、後首相)、トーマス・マン(ドイツの小説家)、イブ・モンタン(フランスの歌手)、パブロ・ネルーダ(チリの詩人)、ノエル・ノエル(フランスの映画俳優)、ジェラール・フィリップ(フランスの映画俳優)、パブロ・ピカソ(スペインの画家)、ジャック・プレヴェール(フランスの民衆詩人。シャンソン“枯葉”の詩は彼が書いた。)、ドミートリイ・ショスタコーヴィチ(ソ連の作曲家)、シモーヌ・シニョーレ(フランスの映画女優)など、学者・文化人・芸術家がズラリと並んだ。アメリカのフランク・マーシャル・デイビスは、このためアメリカのFBIに「反米活動」の容疑で思想行動調査をうけており、このFBI報告書が現在インターネットで読める。 (<http://www.usasurvival.org/docs/Frank_Marshall_Davis_4.pdf>) WPCはこのアピールにもあるように、世界で署名活動を開始し、2億7347万566人の署名を集めた。中でもソ連は総成人口のほぼ全員が署名したとされる。(以上英語Wikipedia<http://en.wikipedia.org/wiki/Stockholm_Appeal>などによる。)「ヒロシマ・ナガサキ」の記憶も生々しい1950年時点で、ソ連社会の市民たちがいかに「アメリカの核兵器使用」に恐怖を感じていたかを推測できる。 (日本語のサイト<http://kotobank.jp/word/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%83%E3 %82%AF%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%83%BB%E3% 82%A2%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%AB>は署名数を5億以上としているが、これは2009年末の累計のようである。) なお前出の国際民主法律家協会は、2010年6月18日・19日両日パリで、「ストックホルム・アピール60周年祝賀国際会議 1950−2010」を開催し、最終日採択した「宣言」で次のように述べている。
アメリカのトルーマン政権がマッカーサーを罷免してまで、核兵器の使用を思いとどまったことに対する「ストックホルム・アピール」の影響は、それはわからない。しかし、もしこうした世界世論の声に逆らって、アメリカが朝鮮戦争で核兵器を使用していたら、それはアメリカの政治的自殺行為だったことは確実だろう。 この宣言は次のように続ける。
またこの宣言は、
と述べ、ブッシュ政権時代と表面打って変わったように見えるオバマ政権に全くごまかされていない。それも極めて単純な真理を並べた、ストックホルム・アピールの立場から世界を眺めているからだろう。 なお世界平和評議会(World Peace Council)そのものは、国連の重要なNGOの1つとして健在であり、「反帝国主義」「非同盟主義」を旗印に現在も活躍している。 (以下世界平和評議会のサイト<www.wpc-in.org>を参照の事。なお、日本のグーグルやヤフーでは、時にこのサイトにアクセスが禁止されていることがあるので注意して欲しい。) |
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