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No.29-1 |
2010.6.13 |
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「5・23岩国大集会」の後、新聞で広島市長と廿日市市長が連名で国に対する要請書を出したことを知った。(<http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/
0000000000000/1274773824267/index.html>)
広島市が、「米軍再編」に伴う「岩国基地機能強化」に関して「要請文」を出したのは、広島市のWebサイト「日本政府への要請文・コメント」を見る限りこれがはじめてである。
短いので全文引用しておこう。
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫 様
外務大臣 岡田 克也 様
防衛大臣 北澤 俊美 様
我々はこれまで、在日米軍再編に伴い岩国基地の機能が増強される問題に対し、離発着訓練や低空飛行訓練の増加による騒音問題や事件・事故の発生など、住民生活への影響が懸念されることから、一貫して反対の意思を表明してきました。
また、最近、普天間飛行場の移転問題が関係自治体との十分な議論がなされないまま進む中、広島市内では同基地の機能増強に反対する署名活動が行われ、岩国市内では反対集会が開催されるなど、住民の不安はますます大きくなっています。
このような中、今月27日に臨時の全国知事会が開催され、政府から沖縄の基地負担軽減に向け、普天間等の基地機能や訓練の分散移転について協力を求める予定であるとお聞きしています。
岩国基地に関して言えば、普天間飛行場からの空中給油機の移転や厚木基地からの空母艦載機の移転の方針は、国において既定路線であるとしても、周辺住民は起こり得る様々な被害も含め了承している訳ではありません。仮に、この上、新たな負担が増えるようなことになれば、住民生活に極めて甚大な影響を及ぼすものであり強い危機感を持っています。
核兵器廃絶と世界恒久平和を目指す聖地ヒロシマにおいて、そのシンボルである平和記念公園の上空を軍用機が飛行し、米軍関係の事件や事故が発生するようなことは断じて許されるものではありません。
また、軍用機の騒音によって、世界各国から年間約350万人の観光客が訪れる世界遺産の島、宮島の歴史ある文化や静穏な環境に影響を及ぼすことがあってはなりません。
政府におかれましては、我々の声を真摯に受け止め、これ以上、在日米軍再編に伴う岩国基地の機能・軍備の増強や、新たな負担を強いることのないよう強く要請します。
2010年(平成22年)5月25日
広島市長 秋葉 忠利
廿日市市長 眞野 勝弘 |
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この要請書は、
1. |
岩国基地機能強化に対して「住民生活」に対する悪影響の観点から一貫して反対してきた。 |
2. |
岩国大集会や広島市内署名活動など住民の不安はますます大きくなっている。 |
3. |
日米ロードマップに基づく米軍再編は国の既定路線としても、それに伴う被害の増大まで了承しているわけではない。 |
4. |
聖地ヒロシマの上空を軍用機が飛来する状況は許されない。 |
5. |
世界遺産「宮島」に悪影響があってはならない。 |
6. |
「在日米軍再編に伴う岩国基地の機能・軍備の増強や、新たな負担を強いるのないよう強く要請」する。 |
という内容になっている。
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この短い要請文は誰が書いたのかはわからないが、若干論旨に混乱がある。要するに「要請書」の立場は、「岩国基地機能強化」に反対なのかどうか、判別できない、ということだ。
それは、「6.」で「岩国基地の機能・軍備の増強や」を受ける述語がないことに大きく起因している。「1.」で「岩国基地機能強化に一貫して反対してきた。」といいながら、これまで広島市として「岩国基地機能強化に反対してきた」痕跡がないこと、「3.」で「米軍再編は国の既定路線」だとあっさり認めてしまっていること、が「岩国基地機能強化」に反対なのかどうかを判別しにくくしていることに拍車をかける。
全体としていえば、国のやること(「米軍再編」や「米軍岩国基地機能強化」)に口出しをするつもりはないが、それに伴う「安全・安心な生活」を脅かす要因が増大することには反対する、といっているように読める。
「安全・安心な生活」を脅かす要因としてこの「要請文」は「騒音」「米軍関係の事件・事故」をあげている。
私はここで、若干クビをかしげる。ここには、「被爆地ヒロシマ」固有の理由が全くない。
あえていえば、「4.」の「聖地ヒロシマの空を軍用機」が飛来することは許されない、と言う点だろうか?
しかしこれもまるでとってつけたようだ。というのはこれまでも「聖地ヒロシマ」の空を米軍機は自由に飛んでいたのだから。
要するにこの要請文でいう「聖地ヒロシマ」であるがゆえに「岩国基地機能強化」に反対する独自の理由がないのだ。
別ないいかたをすれば、「聖地ヒロシマ」は「岩国基地機能強化」に対して独自の理論武装ができていないということでもある。
独自の理論武装ができていないということは、原爆投下以来65年間、「核兵器廃絶問題」に関して独自の研究とそれに伴う独自の「核兵器廃絶」の理論構築を怠ってきた、ということでもある。
これはなにも、「秋葉忠利の広島市」固有の問題ではない。
ヒロシマ全体に共通していえる問題である。
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「5・23岩国大集会」を前にして「5・23岩国大集会の成功を!広島キャンペーン」というグループが組織された。「米軍再編問題」に関して「今こそ、岩国・沖縄と連帯しよう!」とする市民グループで、この動き自体は私も大歓迎である。今まで広島は、「岩国米軍基地問題」をあまりにも「自分の問題」として考えてこなかった。
このグループはまだ自身のWebサイトを持っていないようで、従って私はこの記事をグループの配布したチラシを見ながら書いている。
(別添PDFファイル参照のことhttp://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/pdf/2010_523_hiroshima.pdf)
このチラシの「呼びかけ文」は次のようである。
『 |
普天間の見直しが注目される中、日本政府は「沖縄は見直すが、厚木の空母艦載機部隊の岩国基地への移駐は、ロードマップ通りに進める」と岩国市民に説明しており、愛宕山開発事業跡地については、「米軍再編用地として買い取りたい」とし、2010年度予算に愛宕山開発事業跡地の買取費用199億円が計上しています。(原文ママ)これに対し岩国市民は、「岩国市民の人権がないがしろにされている!」「これ以上の基地はいらない!」と反対の声をあげています。
その思いを表すために、来る5月23日、「来るな!艦載機 いらない!愛宕山米軍住宅 連帯しよう!沖縄・全国と 見直せ!米軍再編 5・23岩国大集会」が行われます。
5月29日には岩国基地沖合に新しく造られた新滑走路の運用が始まり、飛行コースが変わるため、宮島や広島市内の上空を戦闘機が今まで以上に飛行することになります。しかも艦載機が移駐されれば、岩国基地が極東最大の基地となり、広島県内での低空飛行が増え、戦場でトラウマを抱えた米兵たちが広島市内で事件事故を起こす可能性も高まります。つまり米軍再編は岩国の問題ではなく、広島に生きる私たちの命と生活の問題なのです。
今こそ、私たちも、岩国市民に連帯し、米軍再編の見直しを日本政府に求め、平和で安全な生活を求めるために、広島からも「5・23岩国大集会」に参加しましょう。』 |
この文章の中にも、先ほどの「要請書」同様、「聖地ヒロシマ」の視点はない。もちろん「広島市民」の要求は盛り込まれてる。これだけでも十分ではないか、という見方もありうる。私もそうだと思う。
しかし「聖地ヒロシマ」の視点が欠落していることは事実だ。このグループの呼びかけ人に岩国基地訴訟弁護団の弁護士(足立修一)、岩国・愛宕山訴訟弁護団長(山田延廣)に混じって「8・6ヒロシマ平和へのつどい2010」代表(田中利幸)、広島県被団協理事長(坪井直)、核兵器廃絶をめざすヒロシマの会共同代表(森滝春子)、別な広島県被団協理事長(金子一士)の名前も見える。
この文章を読む限り、この人たちには、「岩国基地機能強化」の問題と「聖地ヒロシマ」の直接の接点はないかのようである。
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それではそもそも「岩国基地機能強化」の問題と「聖地ヒロシマ」の直接の接点は一体あるのだろうか?それを次に見てみよう。
最初に「核兵器問題」の立場からみて、これまで使ってきた用語を幾つか修正しておかねばならない。
まず「空母艦載機」という言い方。「核兵器問題」の立場から見ると、これは幾分欺瞞的ないい方だ。というのは、「空母艦載機」という言い方は、「空母」(この場合は横須賀のジョージ・ワシントン)が主役であって、「艦載機」(この場合は、厚木の第5空母航空団)は脇役、というニュアンスがあるからだ。(厚木の第5空母航空団の岩国移駐を「空母艦載機の移駐」という言い方を最初にしたのは誰だろうか?)
ところが「核兵器廃絶」の立場から見ると、主役は核兵器搭載戦闘爆撃機集団の「第5空母航空団」なのであって航空母艦なのではない。だから、厚木から岩国に移駐してくるのは、核兵器搭載戦闘爆撃機航空団であって、単なる空母艦載機部隊ではない。
核兵器は実際に使用されることをのぞけば、その実戦配備を行っていなければ相手に対する軍事的威嚇効果が薄れる。核兵器の実戦配備を行って、いつでも「使用」できる状態にし、相手を威嚇することが必要である。(このことを核抑止力と呼んでいる。)
核兵器実戦配備には3本柱(Triad)と呼ばれる軍事装置がある。この3本柱の一つが「核兵器搭載爆撃機」である。
2009年5月6日、元国防長官ウィリアム・ペリーを委員長とする「アメリカの戦略態勢議会委員会」(the Congressional Commission on the Strategic Posture of the United States)が、アメリカ議会に対して提出した最終報告「アメリカの戦略態勢」という網羅的な報告書の中に「核態勢論」という1章がある。(<http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/obama/USA_SP/strategic_posture_4-2.htm>)
その章の冒頭に次のような一節がある。
『 |
核態勢は次のような要素から成り立っている。
1. |
実戦配備戦略核兵器の兵器敞 |
2. |
前線配備戦術核兵器の兵器敞 |
3. |
核兵器搬送の3本柱。(陸上基地発射ミサイル、海上基地発射ミサイル、爆撃機) |
4. |
前線配備搬送システム(潜水艦発射巡航ミサイル、通常弾頭及び核弾頭両方を装備できる航空機。いわゆる二重機能航空機) |
5. |
実戦配備予備の核弾頭貯蔵 |
6. |
核弾頭に使用できる核分裂物質 |
7. |
関連した命令・指揮、管理、情報システム |
8. |
以上のような能力を製造するのに関連したすべての基礎構造物。また物理的及び人的資源の両方が、こうした能力の維持には不可欠である。 |
9. |
アメリカの軍事的、国家的安全保障戦略における核軍事力の役割を特徴づける宣言的政策。』 |
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以上の9項目がアメリカの「核態勢」を構成する基本要素である。
上記の要素のうち「3.」の「3本柱」(Triad)の一つが、爆撃機であり、しかもこの爆撃機は「4.」の前線配備「通常弾頭及び核弾頭両方を装備できる航空機。いわゆる二重機能航空機」であることが別個な要素として望ましい。
「3.」と「4.」の要素を満たす戦闘爆撃機が、今厚木を母基地としている第5空母航空団の「F/A18スーパーホーネット」だ。 |
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だから厚木から岩国に移駐してくるのは、「空母艦載機」などといったものではなく、核兵器搭載先頭爆撃機の前線配備部隊なのだ。横須賀を母基地とする航空母艦「ジョージ・ワシントン」は、第5空母航空団を、戦域あるいは戦域付近まで運ぶ「運び屋」にすぎない。
厚木の第5空母航空団は、アメリカ海軍が国外前線基地に有する唯一の航空団である。
ここで簡単にスーパーホーネットを見ておこう。
もともとF/A18ホーネットは、艦上または地上からでも飛び立てる戦闘爆撃機として開発された。(開発メーカーはマクドネル・ダグラス社。現在はボーイング社に吸収合併されて、スーパーホーネットはボーイングの製品になっている。)
ホーネットの最初のモデルはF/A18A(単座)とF/A18B(複座)で、1983年、海軍と海兵隊で運用開始になった。この型番の特徴は艦上からでも陸上からでも離発着できるところにある。
ところが、18Aと18Bは夜間攻撃用機能を持っていなかったため、すぐに18C(単座)と18D(複座)が開発された。この時装着ミサイルの種類も一気に拡がり、攻撃能力を高めた。
その後、ホーネットは爆撃攻撃能力をさらに高め、また航続距離を伸ばす必要に迫られ、18E(単座)と18F(複座)が開発された。この18Eおよび18Fを「スーパーホーネット」と呼ぶ。攻撃力を高めるというのは、いわゆる「スマート兵器」をフルラインで装着できるようになったことと、核爆弾搭載可能になったことをさす。
アメリカ海軍はこのスーパーホーネットを当初1000機配備する計画だったが、議会の予算審議の過程で削減され、現在548機の配備計画となっている。製造コストは1台約6000万ドル。(54億円。1ドル=90円)
現在製造配備計画中で、2009年会計年度、オバマ政権が要求して議会が承認した防衛予算を見てみても、ホーネット及びスーパーホーネットは20億ドル(1800億円)が割り当てられている。
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現在、岩国米軍基地は海兵隊航空部隊基地であり、主力は「12海兵航空群」(Marine Aircraft Group 12)である。
(別表:アメリカ軍岩国基地駐留の部隊と装備<http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/US_JP_ST/iwakuni_2010_6.htm>参照の事。)
12海兵航空群は、4つの飛行大隊から成り立っている。うち112海兵戦闘攻撃飛行大隊は現在、F-35戦闘爆撃機の配備待ちで現在は休眠状態である。また4つの飛行大隊のうち、12海兵航空兵站飛行大隊はその名の通り、戦場兵站大隊で主力装備は、AV-8Bだ。いわゆる「ハリヤーU型」だ。直接の戦闘爆撃機能はない。
残る2つの飛行大隊のうち、「242全天候型攻撃飛行大隊」の主力装備はF/A18Dで、12機装備している。夜間攻撃能力のある「ホーネット」だ。最後の大隊は「115海兵戦闘攻撃飛行大隊」で09年秋に正式に岩国基地に配属になった。しかしこの主力装備は夜間攻撃能力をもたないF/A18A+だ。これも12機である。
しかも岩国海兵隊のホーネットは、どちらかといえば経年劣化が進んでおり、2012年から2014年にかけて、ロッキード・マーチン社のF35戦闘爆撃機に入れ替えが開始される予定だ。
岩国基地の主力装備について長々書いてきたのはわけがある。
現行米軍岩国基地(アメリカ海兵隊岩国ステーション)には、先ほどペリー報告でみた、核兵器実戦配備の3本柱のうちの、核兵器搭載爆撃機は見当たらない、ということを確認したかったからだ。
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日米ロードマップに従って厚木からやってくる第5空母航空団(CVW-5)の主力スーパーホーネットはそうではない。核兵器実戦配備の3本柱のひとつ、核兵器搭載戦闘爆撃機なのだ。
(第5空母航空団(CVW-5)については次を参照のこと
<http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/US_JP_ST/CVW-5.htm>)
しかもスーパーホーネットが搭載できる核爆弾(核兵器)はB61ファミリーと決まっている。
次に「B61ファミリー」核爆弾について簡単に見ておこう。「核兵器アーカイブ」というサイトの「The B61 (Mk-61) Bomb」(<http://nuclearweaponarchive.org/Usa/Weapons/B61.html>)という項目を見てみると、この核爆弾ファミリーは、「中規模の戦略および戦術熱核爆弾」と紹介されている。熱核爆弾とは要するに「水素爆弾」のことだ。
B61ファミリーは1960年代の早い時期から製造が開始されており、モデル0からモデル11まで12モデルが開発された。うち、現在まで現役で残っているモデルは、モデル3(戦術核:出力300トン、1500トン、6万トン、17万トン)、モデル4(戦術核:300トン、1500トン、1万トン、4.5万トン)、モデル7(戦略核:1万トン、34万トン)、モデル10(戦術核:300トン、5000トン、1万トン、8万トン)、モデル11(戦略戦術核:34万トン他)の5モデルである。現在、現役で稼働中なのは、戦術核600、戦略核750だ。
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戦術核とは相手の軍事力を直接攻撃する目的を持った核兵器のこと。これに対して戦略核とは、相手の国民経済・社会を直接攻撃する目的を持った核兵器のこと。つまりは一般市民を無差別に殺傷破壊する目的をもった核兵器のこと。広島型は出力1.2−1.5万トン、長崎型2万トンと今日から見ると超小型だが、戦略核として使用された。戦略核も戦術核も概念上の違いがあるだけで、私から見ると区別は事実上ない。どこで何を使用しようが、市民生活を破壊しない核兵器はないからだ。) |
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アメリカは少なくとも1990年代以降、新たな核兵器製造を行っていない。作りすぎが原因だが、こうした稼働中の核爆弾は当然経年劣化が発生する。いざ使おうとすると(使われては困るわけだが)、こうした経年劣化のため、設計通りの効力を持たなかったり、あるいは不測の事故も起こりかねない。そこでクリントン政権時代からこうした核兵器の、一種の新品再生事業を行っている。この計画の名称はいろいろ変化しているが、ブッシュ政権からオバマ政権まで、この新品再生事業はずっと続いている。
2010年、オバマ政権が議会に提出したこの「新品再生事業」に対する2011年度予算にほぼ20億ドル要求している。(<http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/Economy_of_the_US/12.htm>)。
この20億ドルはほぼ3つの核爆弾ファミリーの新品再生事業のために要求された。その3つのファミリーとはW76LEP(1978年から87年にかけて製造。トライデントT型・U型用の多頭型核弾頭。1発の破壊力は10万トンと比較的小型。それでもナガサキ・ヒロシマの5倍以上ある。)、W78(79年から82年にかけて製造。ミニットマン用のこれも多弾頭型。1発の破壊力は、33万から35万トン。)、そしてB61ファミリーだ。
この3つのカテゴリーの核爆弾は、それぞれ潜水艦発射用、陸上基地発射ミサイル用、爆撃機用と見事に「核兵器実戦配備の3本柱(Triad)」に対応していることが特徴だ。
つまりB61ファミリーは、戦闘爆撃機搭載用の核爆弾として位置づけられていることがわかる。 |
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(以下第2回に続く)
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