(2009.5.13)

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<参考資料> 外交問題評議会 
     (Council on Foreign Relations―CFR) 註


正式法人名はCouncil on Foreign Relations, Inc である。
新聞、テレビで報道されるニュースや情報をわれわれは正しく受け止め解釈しなければいけない。しかしそのためには、われわれの側にそれらを正しく受け止めるための一定の素養が必要だ。「外交問題評議会」に関する知見も、恐らくはそうした素養の一つを形成するだろう。
アメリカの外交問題評議会は極めて特異な組織である。明らかにアメリカの諸政策形成、世界の世論形成に大きな影響を与えてきたにもかかわらず、「アメリカを支配している」という証拠は見つからない。「アメリカ帝国」が世界を支配していた時代、「影の世界政府」という言い方をされた事もあった。ともかくわれわれ地球市民は、外交問題評議会について、基礎的・一般的知識を持っておく必要はあるのだろう。そしてその機関誌「フォーリン・アフェアーズ」(Foreign Affairs)を通じて漏れてくる彼らの議論を詳細に検討できるだけの知識と素養を身につけておく必要がある。
外交問題評議会についてはこれまで夥しい本が書かれている。われわれメシを喰わねばならない一般市民は、こうした本にすべて目を通すわけにはいかない。また、「売らんかな」の出版社が出すおどろおどろしい著作や、逆に「世界平和に貢献する外交問題評議会」式の礼賛本を読んで、分かったつもりになっていてもいけない。そうすると、やはりWikipediaの記述に依存せざるを得ない。特に英語Wikipediaの記述は優れているし、第一私たちの当面の要請、すなわち「外交問題評議会」に関する基礎知識・一般知識の獲得、という目的に合致している。

(無料でこれだけの記述をしてくれる良心的な学者や研究者にわれわれは本当に感謝しなければならない。)
以下は、英語版Wikipedia「Council on Foreign Relations」
<http://en.wikipedia.org/wiki/Council_on_Foreign_Relations>の訳出を中心とした記述である。といっても、英語使用市民には常識的なことがらでも、われわれ日本語使用市民にはまるでなんのことか分からないこともあり、またアメリカ市民にはよく分かるが、日本市民には分からないといった事柄もある。この記述は、明らかにアメリカ市民、特に知識や素養もあるアメリカ市民を念頭において書かれているので、その間の乖離は大きいと言わざるを得ない。だから、その間の乖離はできるだけ註という形で補ってみた。

 私の註は(*青字)で表記されている。
日本語Wikipedia「外交問題評議会」<http://ja.wikipedia.org/wiki/外交問題評議会>も優れた記述である。しかし物足りない。物足りない最大の理由は、「人物」の記載が少ないことだろう。「外交問題評議会」による支配体制(もしそんなものがあるとしての話だが)の確立と実行は、法や公的な約束事によってなされているのではなく、政治家・官僚・産業人・学者・研究者・法律家などアメリカを代表する人物群の間の私的な相互交流と合意形成でなされている。だから、どんな人物が関わっているかを知ることが決定的に重要になる。その点で英語Wikipediaが遙かに優れている。
なお、外交問題評議会のサイトは次。<http://www.cfr.org/>
見出し(黒)は原文の見出しであり、見出し(青)は私が自分のためにつけたもので、原文にはない。以下訳出である。
1回の記述が長くなるので分けることにした。
記述全体は、以下のような項目になる。

外交問題評議会の使命 その1
早期の歴史 その1
組織について その1
モルガンとロックフェラーの関与 その1
外交政策における影響 その1
メンバーシップ その2
外交問題評議会理事会 その2
企業メンバー その3
国際諮問委員会とメンバー その4
国際問題評議会著名メンバー その5
歴代会長リスト その6
歴代理事長リスト その6
国際問題評議会に関する争論 その6




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