そのD その危険性、対応策、シェルター、非集中化、民間防衛、積極防衛、結論 追補詳細報告のリスト (原文:http://www.trumanlibrary.org/whistlestop/study_collections/bomb/large/ documents/index.php?pagenumber=44&documentid=65&documentdate= 1946-06-19&studycollectionid=abomb&groupid=) |
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米国戦略爆撃調査 広島及び長崎の原子爆弾投下の効果 (The Effect of the Atomic Bombing of Hiroshima and Nagasaki) 委員長事務局 1946年6月19日 |
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アメリカの諸都市が攻撃されるとどうなるか W. 道標(SIGNPOST) 危険性そしてわれわれに出来ること |
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A.危険性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
調査団の調査担当員は、この研究が進むにつれて、調査員たちの心の内に一つのあがらい難い疑問が自然と形作られたことを知った。「もし原爆投下の目標がアメリカの都市だったらなんとするか?」まことに、調査団の第一義的使命はこれまで要約してきたような事実関係を確かめ、確証するところにあった。しかしながらアメリカ合衆国の市民のために、これら諸々の事実の意味するところに関する結論は、広島や長崎で残されている諸事実を思慮深く調べてきた人たちに逃げようもなくのしかかってくるのである。
これらの結論はこれまでの報告の中で述べてきた数値化できるまた重みのある事実とは異なった種類の効力をもつ。従ってまったく章を改めて示すことにした。しかしながら、この報告が、全体の中でもっとも重要性に劣ると言うことではない。この報告はほとんど確信として述べられている。 日本であろうが合衆国であろうが、全く同じという都市はあり得ない。しかし、地勢、都市の配置、区域割、人口密度、建築物の形式などといった個別の違いをひとつひとつ見ていけば、そこでは自ずと比較が可能になる。アメリカの都市と日本の都市の決定的違いは住宅区域にある。日本の典型的な家で起こったことは直接アメリカの住宅区域にはあてはまらない。しかし、日本の都市では、ブロック造りのあるいは西洋風の木造建築あるいはそれによく似た木造建築が多く見いだされる。また良質で優秀な職人意識で設計された家も多い。調査団の技術者陣の意見では、日本の建物にはアメリカの建物と専門的な類似性が見られ、原子爆弾に対して見せた日本の建築物と同じ反応を、典型的なアメリカの建物もみせるであろう。これらの建築物は(原爆の攻撃に対して)極度に脆弱(vulnerable)なのである。構造材壁をもったブロック造りの複数階建ての建物は、広島では3.6平方マイル(約9.2平方Km)にわたって、破壊されたかまたは深刻な損傷を受けたし、同様な建物で平屋作りのものは、6平方マイル(約14.4平方Km)にわたって破壊されたかまたは深刻な損傷を受けた。産業用または商業用に作られた木造建築は同様な損傷を8平方マイル(約20.5平方Km)にわたって受けた。また日本式の住居用家屋も6平方マイル(約14.4平方Km)にわたって破壊されたかまたは深刻な損傷を受けている。これは広島の話だ。広島では(長崎に較べて)より威力に劣った原爆が使われている! |
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あっという間に陳腐化する数字の羅列 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
こうした数字の意味するところは、アメリカの都市の典型的な木造、ブロック、しっくい造りのアメリカの建物にも起こりうることである。近代的な鉄筋コンクリート製あるいは鉄骨構造の建物は、アメリカでは日本に置いてと同様に(以上のような建物に較べれば)かなりましである。しかし次の表をみると、アメリカの建物がいかに造られているか、衝撃に対して抵抗力をもった建物が以下に少ないかが分かる。
アメリカの建造物のうち圧倒的多数は、原爆の攻撃に対して1マイルまたは1マイル半の間にあるものは耐えられない。 それでは人々はどうだろうか?われわれは、日本のごみごみした都市の高い人口密度を読み過ぎて、(アメリカにおける)人的損害を割り引きすぎてはいけない。アメリカの都市もまた混雑したスラムを多く擁しすぎている。さらにつけ加えるならば、建物は垂直方向に伸びていく傾向にあり、1世帯あたりの生活空間は日本におけるそれよりも大きいとはいうものの、下記に提示した諸都市の人口密度は非常に高くなっている
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核兵器が理解できていない調査団 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この表の人口密度のほとんどは、各市域内の平均値にほぼ等しい。従って、ニューヨーク市の各区と比較するなら、広島では中央部の数字、長崎では都市部の数字である。
広島、長崎の人的損害はマンハッタン、ブルックリン、ブロンクスの密集した人口に対応する。厳しい結論が生ずる。
これらの人的損害は最初に使用された原爆の結果であり、また地上からかなり離れた地点での爆裂の結果だったことは、決して忘れてはならない。もっと改良された原爆は恐らくはもっと効率的であり、もっと死者が出るように改善されているだろう。
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唯一の現実的対策は核兵器廃絶なのに・・・ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
B.われわれに出来ること | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
その危険性は現実である。このことは、調査団の諸発見が疑う余地のないものとしている。同時にこれら諸発見を通してわれわれの生命や財産に蒙る損失の大きさを減ずるために取りうる手段について、そこここに手がかりを見いだせる。もしそのコストが禁止的なものでないとするなら、その手段は今すぐに(* アンダーラインは原文のママ)講ずるかまたは着手するべきである。しかしかし、いかなる危機にも先だって、こうした政策が実施されるとすれば、それは時宜を得た産業施設や医療施設の非集中化、シェルターの建設あるいは青写真作り、生命を救う目的での避難計画の準備作業などを可能とするだろう。ほとんど無防備の、そして完全な驚愕に襲われた日本の都市は、原爆の攻撃から最大限の損失をこうむった。もしわれわれが前もって危険の可能性を察知し、機先を制する行動をとるならば、人的損害と混乱を最小限とし、最悪の状態を免れることは疑いない。
近代科学は、攻撃にもその道を開いてくれるが同時に防衛にもその道案内をしてくれる。このことが、防御的兵器と技術が改良されるだろうという希望の理由になっている。
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シェルターは有効? | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1. シェルター | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
長崎では、これからどうすべきについてもっとも示唆に富んだ事実がある。爆心地近く、2−300フィート(約60−90m)離れていただけだが、そこにいた人は適切に設置されたトンネル型のシェルター(*防空壕)にいて生存したと言う事実だ。注意深く作られたシェルターは、(投下当時は)使われていなかったとはいえ、両市のそこここにあった。疑問の余地なくシェルターは、直接爆撃されない限りは人々の防御になりうる。適切な避難勧告は最大限の人々をシェルターに送り込むことを確実にする。 爆心地から2−300フィート以内にいて生存した人たちに関する保護状況を分析してみると、ガンマ線に対してすら防御していたことが分かる。例えば広島で、爆心地から3600フィート(約1080m)にあったコンクリート製の建物の中にいた人は、ガンマ放射線から、病理学的にはいかなる影響も受けていなかったにもかかわらず、大体同じ距離の木造の建物にいた人は、放射線症にかかっていたのである。必要なコンクリートの厚みは、(放射線の)構成要素や爆発地点からの距離によって変化する。放射線からの人的損害をかなりの程度減ずる適切なシェルターは建設しうるのである。
広島と長崎を訪れた人が常に印象深く感じたのは、焼け野が原に残ってたっている鉄筋コンクリート製の建造物のシェル状の構造部分だ。その周りと言えば泡状になったブロック、や石、木造建築の灰などが夥しく堆積していたのだから。ほとんどのケースでは、(これらの鉄筋コンクリートの建物は)火災によって中身が空っぽになっており、あるいは内部の仕切壁や内装の区分けは剥ぎ取られている。これらの建物はわれわれに取って2重の教則である。第一に、これまで使われた原爆に対してであれば、2000フィートかあるいはそれ以上の範囲で、その建物の内容物を十分保護できるような建築物を、そう大きくコスト高にならない範囲で建設することが可能だ、ということを示している。このような建物の建設は、耐震構造をもった建物の建設とよく似ており、カリフォルニアでの経験から見てみると、通常の建設に対して10%-15%しかコスト高にならない。(長崎や広島の原爆に対して)もっと強力な原爆やあるいはそれらの至近弾に対してすら、こうした建築は損害を減ずることだろう。第二に、(原爆による)建物内部の損傷は、通常の健全な建物であっても、内部の詳細部分からの危険や、火災・ものが飛んできたり落下したりするところからくる惨事を物語っている。燃えやすいものを内部に使わないとか、完全に石造りの壁でできた内部仕切の装備とか、耐火性の階段やエレベータ、防火区画の設定などと言った対策は、火災を、局地化できるだろう。ガラス、タイル、木舞、木の鋲を使ったプラスターボードを使わないなどと言った対策も、ものがとんできるような惨事を軽減しうるだろう。調査団の物理的損害部門もこのような対策の推奨を支持している。 (* ・・・・・・・・・・・・・・・・・。) 長崎において、シェルター部分で生存者があったことは、不等型の地勢を使うことを重要性を示唆している。地面が平坦でないことは爆風効果の一様性を減じ、拡散を減じている。川、公園などの地形的特徴は自然な防火帯であり退避に道を開くことになる。
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やはり密集人口を狙った軍部 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2.非集中化 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
広島と長崎が投下目標に選択されたのは、人口とその活動ぶりの集中による。建物が建ち並ぶ都市部における人口密度が、1平方マイルあたり4万5000人以上だったことは、人的損害が大きかったことを一部説明している。
したがって、長崎における死者数がその高い人口密度の割には小さく、広島のおよそ半分だったという事実が重要な意味をもってくるのである。この違いは恐らく、長崎では、建物密集地区がポケットのように散開しており、それぞれ分離されていたと言う点にある。一方広島は、その心臓部では一様な人口密集を見せていた。この点が大きなコントラストをなしている。このように長崎の原爆は、丘、川、あるいは空白地域に阻まれてそのエネルギーの少なからぬ部分を浪費したのであり、一方広島では原爆はほぼ最大限の効果を発揮したのである。 |
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すでにフランク・レポートが論破した非集中化理論 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
広島・長崎における産業地帯の運命をみると、ここでも再び、非集中化の価値の問題として描出できる。広島では主要な工場は市の周辺部にあり、主要な損害を免れている。長崎では工場や船渠は市の南端にありほとんど無傷だった。原爆が爆発した谷に展開していた工場だけが深刻な損害を受けた。両方の市では産業地帯は分散していた。2つの原爆投下のケースを見てみると、1発だけの原爆投下では重要な成果を上げられないと言うことを意味している。 医療機関は、均等に分散していたと言うよりも、市の中心部に固まっていたと言うべきであろう。このことが原爆で医療機関が半身不随になったかあるいは消し飛んでいった理由となっている。広島で一部の医療品が隣接した地域へ移動させたケースだけがあり、これが投下後再び持ち込まれて、最初のほんの2−3日だけ、限定的な治療に使われた。 こうした結果はドイツにおける通常地域爆撃のケースを見るとさらによく分かる。ドイツの諸都市は非常にしばしばその中心部が廃墟と化した。一方その周辺部の産業地帯は生産を続けたのである。そして医療機関はというと(特にハンブルグではそうだが)、負傷者に対する緊急の手当がもっとも必要だったまさにその時に、大きく破壊されていたのである。
アメリカの諸都市においては同様な弱点や損害を減ずる賢明なゾーニングの程度は市によってそれぞれ異なる。国家活動のセンターを再構築したり部分的にでも分散させるのは、非常にドラスティックかつ困難な手段ではあるが、いったんその政策が実施され、実際的な段階を一歩一歩進んでいけば、軍事的にも社会的にも一つの理想型ではある。工場、行政上の中枢部、特に病院などの立地を考えると、非集中化の価値はあきらかであり、その必要性が見えていれば、(非集中化の価値は)非常に安く獲得できる。たとえば、分散する場所を賢明に選択すれば、現在の退役軍人局の病院建設計画遂行の際、追加コストをかけないで、その集中を減少させることが出来る。 重要物質の貯蔵在庫や医療用品などの製品は常に手中に収めておかねばならない。この「常時手中維持」の原理は国の資本財についても当てはめなければならない。鍵となる生産地域は決して単一の権力によってのみ担当させられてはならないし、輸送のルートについても同様である。またかけがえのない物資は適正な生産量の工場からやってくるようなこともいけない。基本的な工業生産品は、それが民間用であれ軍事用であれ、2−3の生産地、あるいは集中した生産地に集中してもならない。そして国のいろいろな地域は、できるだけ自然に近い、バランスのとれた地域経済の発達を見せるべきである。敵がわれわれの国家経済を眺めたときに、原爆の使用でわれわれの生産能力の推進を減速させるようなボトルネックを見いださせてはならない。
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民間防衛は受動的防衛? | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
3.民間人防衛 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
惨劇の規模は、それが発生する地域の地域力を遥かに超えていることは間違いない。従って、国家レベルで地域間の相互援助システムを創設することが肝要である。
そのような国家レベルの組織は常に「非集中化」とともに存在しなければならない。実際のところ、この組織は、ほとんど自立継続的な最大の数の地域力の存在によって支えられるからだ。こうした地域力の共同支援をこの組織が調整する。さらに加えて消火活動、救助活動、清掃や修理の分野で高度に訓練され、装備した移動部隊を育成しなければならない。それはある地域の組織が崩壊するようなまたその管理能力を超えるような緊急事態に対処するためである。もっとも重要なことは、国家レベルの民間防衛組織が、危機に備えて必要な段階ごとの諸計画を準備することである。事前に2つの補足的な計画が研究されるべきである。ひとつは脅威にさらされる都市地域における「不必要住民」の避難計画であり、もう一つは人々が止まるべき適切なシェルターの設置建設計画である。 |
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意図的自家撞着と核兵器保有の正当化 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
4.積極的な防衛 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
防御手段は原爆による荒廃の程度と人的損害を基本的に減ずることが出来る。しかし、原爆によるわれわれに対する攻撃を受け入れなければならないものとするなら、防御的手段だけではわれわれを長期的に防衛することはできないという事実をもまた受け入れるべきである。(防御的手段だけでは)精々出来ることは、初期または継続する部分的な攻撃に対して、損失を最小化し、国家社会の機能を保持することまでだ。 完全なまた継続する原爆攻撃に対しては、(防衛的な手段のみでは)非効率的な一時しのぎでしかないだろう。
防衛的兵器としても、原子爆弾は有効である。毒ガス兵器や生物兵器などと同様に、潜在的は報復を恐れて原爆を使用せず、十分な警告になるからだ。受動的防衛の場合と同様に能動的防衛の使命は、原爆の不意打ち使用の決定をさせないところにある。
賢明な軍事組織は、展開、隠密作戦、防御、そして常に敵の心の内を読むことなどによって、敵からのいかなる単独攻撃あるいは連続攻撃も、同じ方法によって敵の攻撃能力を不随とし、または地上、空、海上からの関連攻撃を撃退することができることを確証するものである。相手の心の内を読むというこの安穏ならざる作業を可能とする手段はなにも新しいものではない。敵にとっての緊急性が増すだけに過ぎない。特に、諜報活動に基づいて行われる表に出ない決定や時宜を得た行動などについてはこのことはよく当てはまる。 原子力エネルギーに関してそれを研究する必要性はほとんど無限である。しかし同時に、原子力兵器に対抗したりそれをもたらしたりすることを推進したり、それを検知する装置、あるいはその他関連技術(の研究)は、全く同様に重要である。 (* ということはこの分野の研究の必要性もまた無限であると言いたいのか。) |
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核保有、核抑止、核実験の三点セット | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
また、いろいろな状況下での核兵器の威力を確認する意味での実験もどうしても不可欠である。(imperative)
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核実験ショー?クロスロード作戦 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
たとえば、予定している「クロスロード作戦」(the Operation Crossroads)では、大気中で爆発させた原爆についてわれわれがすでに知り得ている情報をもっと詳細に確定する貴重なデータが得られるだろう。しかし、この実験は新しい状況の下での実験であり、水面レベルあるいは水面下レベル、それから地中での爆裂からの確実な情報が提供される。別な状況下での(原爆の)効果については十分予測されるとはいうものの、高い蓋然性をもった情報や確定できる知識が得られるかも知れず、これらはこれからの軍事作戦へのはるかに優れた基礎となるのである。
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アメリカの責任を正面から論ずる執筆者 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
結論 (Conclusion) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
これ以上の安全に関する手段は、ほかの手段とともに存在するに違いない。破壊を避けるには、そのもっとも確実な方法は、戦争を避けることだ。これが、ドイツ各都市のがれきの山を見た後の、調査団の勧告だった。ヒロシマの灰を記憶していようが、アメリカの諸都市の脆弱性を考慮しようがに関わらず、先ほどの勧告はまったく同等に真実であることを失わない。 われわれの国家政策は、これまで常に一貫して基本理念のひとつ、平和の維持とともにあった。正義とアメリカの資産の平和的発展という理想に基づいて、この公平無私な政策 (* つまり平和維持の政策)をこれまで強化してきた。戦争から得られるものは、たとえそれが勝利を得たとしても、何もない。ヒロシマとナガサキの廃墟の光景にまさる、平和に関する議論もなければ、平和を希求する国際機関に関する議論もない。この不気味な(ominous)兵器の開発者であり、また利用者(exploiter)として、いかなるアメリカ人といえども転嫁できない責任をわれわれの国家は負った。またその責任は、将来の原爆の使用を妨げるべき国際的保障とその管理を推進し達成するにあたってリードしていく責任でもある。
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添付詳細報告のリスト | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
追補(APPENDIX) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この要約報告は次にリストした特別研究を伴っている。これらは調査団の技術的専門家が完全な文献分析をおこなった成果を包含している。これら報告書を検索するため、これら報告書は米国戦略爆撃調査団のG-2セクション(G-2 Section)の表示がしてあるはずだ。
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(米国戦略爆撃調査団報告 ヒロシマとナガサキ -終了-) |