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もうお気づきかも知れないが、このニューヨーク・タイムズの記事の特徴は、具体性に欠けるということだ。「うまく扱えなかった」というがどううまく扱えなかったのか、うまくやったというが、どううまくやったのか・・・。もう一つの特徴は、匿名性である。アメリカの新聞がよく使う手である。「高官によれば」とか「国務省筋によれば」とかいう手である。
これはこの取材チームが直接取材を重ねていないことを意味している。わかりやすく言えば、又聞き情報を重ねていると言うことだ。そしてこのことはリークものの特徴でもある。そしてリーク記事は必ずリークする側の狙いがある。
『その専門家は、イスラエルはイランを標的するに際してアメリカと協力していた、そしてワシントンは「もっともらしい否定性」(“plausible deniability”)が大好きだ、と付け加えた。』
『11月(これは2010年の11月のこと)、イランの大統領、マフムード・アフマディネジャドはイランの濃縮計画におけるスタックスネットの影響に関する沈黙を破って、サイバー攻撃は遠心分離器のいくつかに小さい問題を生じさせたが、幸いにして我々の専門家はそれを発見した、と語った。』
『(イランの濃縮事業に関する)損害でもっとも詳しい情報は、アメリカの民間グループ、国際科学安全保障研究所(the Institute for Science and International Security−ISIS)からもたらされている。先月(2010年1月)、ISISは長文のスタックスネット報告を発表し、ナタンツにおけるイランのP-1機器は2009年の半ばから後半にかけて深刻な不調に苦しんでいる、984台の機器は技術的な困難が絶頂に達し、動作不能になっている、と述べた。そしてこの報告は、この不調は深刻な問題でその犯人らしきものははスタックスネットだと特定される、と述べた。』 |