支援機構からのあいさつ (Letter from Facilitating Organization) |
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超党派独立で、アメリカの戦略態勢の行く手をしっかり見据えたこのイニシアティブ(「アメリカの戦略態勢」議会委員会のこと)は、2008年のアメリカ議会に由来する。議会委員会は調査・討論の上、その最終報告を仕上げていくのだが、合衆国平和研究所は、その支援機構として働く栄誉を得た。アメリカ議会によって基金を得て設立された国立研究所として、われわれは国際平和に対する脅威を防止し、管理し、そして解決するという仕事において能動的な役割を演じている。それに加えてわれわれは、現代的挑戦に相ふさわしいアメリカの外交政策及び安全保障の実施の採用、という仕事を援助している。独立超党派の国立機関という立場は、われわれの公平・公正な分析、あるいは超党派的行動を育む能力を確かなものにしている。 「世界の核平和」(the nuclear peace of the world)を保障すること以上に、地球的に肝要なことはない。核兵器の適切な役割を評価すること、諸軍備管理イニシアティブ、諸不拡散計画などは、アメリカの戦略態勢を定義する上で決定的に重要である。この報告書は、「脅威」が変化し、世界が拡散へ向けた「転換点」(註2)により一歩近づきつつあるまさにこの時に世に出される。軍事紛争、民族宗教衝突、過激主義、テロリズム、そして大量破壊兵器の拡散、これらはすべて世界的な安全保障と発展に対する重大な挑戦として向かい合っている。核兵器や核技術の拡がりは、こうした地球規模の環境状況に対して危険な局面をさらに追加している。本最終報告で示されている諸提言を実施にうつそうとすれば、厖大な政治的意志と大統領及び関係連邦政府諸省間の協力が要求され、また大衆に対する教育(註3)や彼らの諸政策に対する支持が必要である。合衆国平和研究所が引き続き専門家討議の機会を提供し、これら諸課題に対する大衆教育の枠組み土台を提供し続けることが私の希望である。 私はウィリアム・J・ペリー元国防長官及びジェームス・R・シュレジンジャー元国防長官が、「アメリカの戦略態勢議会委員会」を指導してくれたことに対して深甚なる謝意を表したい。またこの委員会に対して刻苦精励をしめした各委員、ジョン・グレン元上院議員、ジョン・フォスター博士、リー・ハミルトン元下院議員、ジム・ウールジー大使、モート・ハルペリン博士、キース・ペイン博士、エレン・ウィリアム博士、ハリー・カートランド博士、ブルース・ターター博士、フレッド・アイクル博士(註4)に対しても深甚なる謝意を表明するものである。 またこのプロジェクトに参加してくれたスタッフ、それから国家安全保障、軍備管理、核技術、軍事関連事項などでその知識をもって貢献してくれた諸専門家にも感謝したい。とりわけ、委員会執行事務長であり、また紛争分析防止センター(註5)の上級計画担当ディレクターであるポール・ヒューズ(註6)の仕事は特筆したい。またこの野心的な試みに卓越した支援をした国防分析研究所(註7)にも感謝したい。 「アメリカの戦略態勢」に関して合意に達するのは容易な仕事ではない。この問題は、これから大統領、議会、アメリカの人々の課題となるわけだが、この報告書に示された提言や考え方を実行に移すまことに良き機会となるだろう。私はこうした人々が果敢に挑戦するだろうことを疑わない。 |
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敬具 リチャード・H・ソロモン 合衆国平和研究所理事長 |
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