(トルーマンの返信へ)

サミュエル・マクレア・カバートから
トルーマン大統領へ宛てた電報

1945年8月9日

(本文)

合衆国大統領
ヘンリー・S・トルーマン閣下
ホワイト・ハウス

 多くのキリスト教徒は日本の都市への原爆投下に深く心を悩ましております。それは不必要な無差別破壊行為であるからです。また人類の未来に対して、恒久的に極めて危険をもたらすからです。
会議(全米キリスト教会連邦会議)の議長・ビショップ司教とその「正義と恒久平和に関する委員会」委員長・ジョン・フォスター・ダレスは、現在、明日発表するであろう声明を準備中です。
その声明では、原子爆弾は、ヒューマニティへの信頼に関わる問題であり、日本の人たちは、降伏条項と新型爆弾に関する事実関係を十分に検討する時間と機会が与えられるべきだと強固に主張するはずです。またその声明では、同時に、原子爆弾によるこれ以上広範な破壊が、日本の人々にもたらされる前に、最後通告をもう一度考え直すように十分な機会が日本に与えられるべきだ、と主張するはずであります。

全米キリスト教会連邦会議
事務総長
サミュエル・マクレア・カバート


※カバートは原子爆弾の存在を、「ヒューマニティへの信頼」の問題だとし、また人類の将来にとって極めて危険、と問題の本質を鋭く突いている。