哲野 |
いままで再三、「65年かけてここまで来た。」という表現がありましたね?それはどういう意味なんです?平岡さんの実感なんですか? |
平岡 |
イヤ、そんなこと、本当言えば、最初から思ってないと、わかってないといけないんだ! |
哲野 |
そのことに気がつくのに65年かかったという意味ですか? |
平岡 |
ウン。そういう意味ですね。これは僕個人ですよ。もっと早く気付いた人が居るかもわからんけども。あの・・・つまりね、安保の問題と向き合わなきゃ、どうにもならんなという。でもそれは避けてきた、実は。だから「核兵器廃絶」を核の傘の下で言ってきた。で、ようやく私も気が付いて、10年・・10数年前に気が付いて、核の傘から出よう!と言い出したんですよね。それまで入っても言わなかったもん。気が付いてたのかな?みんな。でも問題意識としてはあまり持たなかった。 |
哲野 |
93年かな?94年だったかな?平和宣言の中に出てきますね。 |
平岡 |
ええ、ええ。そういう考えはそのころから持っていました。核の傘から出ようっていう言葉を使ったのは。(ちょっと考えて)97年でしょう。 |
哲野 |
そこで今のお話に関連してお尋ねをするんですが、今年の4月ですね、アメリカのオバマ政権が核態勢見直しを発表した。その中で・・・。 |
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平岡 |
あっ!あれはいかん!!あそこでね、ヒロシマが、絶対反応しなきゃいけないんですよ。僕はそう思う。名指しでやったでしょう? |
哲野 |
そう! |
平岡 |
イランと北朝鮮を。 |
哲野 |
そうです。そうです。
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平岡 |
それは使うってことでしょう? |
哲野 |
使う、少なくとも明白な核兵器を使うという脅しですよ。 |
平岡 |
脅し。脅しだけど、「使う」と言う。これは広島はね、いかなる場合も使っちゃいかんと言ったんだから、少なし、抗議せにゃいかんですよ!?本当は。 |
哲野 |
これには、広島は黙ってた。 |
平岡 |
黙ってた。僕は怒っておるわけや。(憤慨している)あれ、名指しにしてね、脅しですよ、要するに。使うぞって言う。 |
哲野 |
威嚇です。で、国際法でも・・・。 |
平岡 |
威嚇はいかんとなっている。(笑う) |
哲野 |
威嚇はいけないと言うことになっている。 |
平岡 |
これは国際法に違反すると。それは広島が言ってきたことだし、事実国際的な常識になっている。国際社会における。それをやっぱり黙って見逃す・・。やっぱりオバマの手先かなぁという・・。 |
哲野 |
私、朝日新聞も中国新聞も、あの時注意して見たんだけども、少なくともそのことに批判的な論調は一つもありませんでしたね。 |
平岡 |
ない。ないです。 |
哲野 |
これは何を意味しとるんですか?「ヒロシマ」のいう「核兵器廃絶」・・・。 |
平岡 |
いや、だから、わからんのですよ、みんな。勉強してない。真剣に考えてない。 |
哲野 |
(笑う)(情けなさそうに力なく)・・・ウーン・・。 |
平岡 |
と、思うんですよ?善意に解釈して。悪意に解釈すると色々ありますけどね。だけどまあ、おそらくね、(大手メディアの記者連中は)真剣に考えてないですよ。今の状況を・・・ずーっと追及してきてる人もいますけどね。だけどほとんどね、担当したら1年、2年で変わるんですよ。 |
哲野 |
被爆者団体から正式な抗議声明が出たとかそういうのは・・・ |
平岡 |
出なかったんですか?広島の平和団体・・・。 |
哲野 |
えーと・・・。 |
平岡 |
出てない? |
網野 |
私の見た中ではなかったですけど・・・ |
哲野 |
浅井さんとかは個人的に怒っておられたけども。 |
平岡 |
そうですか。アメリカの「核態勢見直し」で一番問題はあそこなんですよ。 |