哲野 |
・・・秋葉さんは・・。 |
平岡 |
僕は本当にあの人は死んだ人のことを考えてないなと思う。 |
網野 |
利用してるだけです。 |
平岡 |
利用してるだけでしょ。広島を弄んでおるというね。 |
網野 |
引きずり降ろしたかったです。去年(09年)広島平和記念式典の時。 |
哲野 |
「オバマジョリティ」の時? |
平岡 |
あれは、ホントに、去年は酷かったね。 |
網野 |
酷かったです。引きずり降ろしたかった。ほんっと。私目の前で見ました。恥ずかしい以上に、私のおばあちゃんを利用するなとほんまに思いましたよ。
(網野の祖母の名前も被爆者死没者名簿に加えられて慰霊碑に納められている。) |
平岡 |
だから生き残った人間ていうのはね、やっぱり、死者を食い物にしたっていうのはおかしいけど、他人の犠牲の上で生き残ってるんですよね。 |
網野 |
うん。だからそれを考慮しながら生きなきゃいけないと思うんですよね、同じ事を起こしたりしないように。 |
平岡 |
それはだから反省っていうのが全然ない・・生者の論理でやっていくとやっぱり間違うなと。 |
網野 |
生者というより勝者の論理ですよね。あの人の場合。 |
平岡 |
ウン。そう。自分さえよけりゃいいというね。 |
哲野 |
今年のNPTの再検討会議でNGOセッションが5月7日あって、その時に秋葉さんのスピーチがあった中で、「被爆者の言葉に、“私たちが経験した苦しみは他の誰も味わってはならない”。どうか、“誰も”という表現は文字通り、私たちが敵だと見なしている人々も含んで“すべての人が”という意味なんだ、ということを特筆しておいてください。それが和解の精神であり、報復を為さない精神であります。」と言ったですね。
つまり、秋葉さんにおいては和解とは、報復をしない、全て水に流しましょう、どうもこれ以上の意味はないみたいですね。(笑う)
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平岡 |
それは「あんた」はいいよ。しかしね、水に流せんひとがいるじゃないか。特に死んだ人はね。どうしてくれるってね。アメリカがあれは間違っていたと言えばね、死んだ人が眠れるかもわからない。安らかに。
「原爆投下」は正しかったといったらね、何のために死んだか。何のために殺されたかっていうのが問題になるわけよね。 |
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網野 |
秋葉個人がそう思っているのはいいけど、市長の立場で言っちゃいけない。 |
平岡 |
だから市民を代表してるわけだからね。広島市民がみんなそう思っていると思うじゃない。 |
哲野 |
英語では秋葉もreconciliationという言葉を使ってるんです。マイク・ホンダが2007年に「旧日本軍性奴隷制度非難決議案」を提案したときの彼の言葉ですけども、ホンダも和解と言う言葉を使っているが、ホンダの、「和解」の定義は曖昧さのない形で事実関係を確認する、そういう事実があったということを確認する、これが第一。事実関係を認めた上できっぱりと謝罪をする。これが補償を含むんですが、謝罪をした上でそれが二度と起こらないことへの保証をする。二度と起きないような世代への教育、国際社会への勧奨、この4段階が・・・。 |
平岡 |
それが出来て初めて和解やと。 |
哲野 |
で、これを和解と呼ぶんだとホンダは議会証言でしとるんですけども。いや、マイケル・マコト・ホンダが、この議会証言と、この下院の決議案の中で、彼が執筆した文章から読みとっていくと、水に流しましょ、忘れましょ、という秋葉のね、「和解」の底の浅さといいますか。しかし「和解」がホンダのように、ここまできっちり出来ていると、被爆者は成仏しますよ。 |
平岡 |
ふんふん。そう、それが出来たら。 |
哲野 |
こうこう、こういう理由で落としたんだ、ご免なさい!もうお金では解決できんが、謝罪金を払う、それからこういう事が二度と起こらないようにアメリカ国内で法制的に全部やると、それから世界に対してもこういう事が起こらないようにずっと教育していくよと。だから勘弁してくれ、これだったら成仏しますよねえ。キリスト教風に言えば、昇天できる・・・。
だけど、「水に流す」の秋葉さんじゃ、成仏出来ないですよ。(笑う)
平岡さんも書いておられたけども。だからここまで行けば・・・しかしそれはアジアの諸国に対しても、同じ事が。 |
平岡 |
同じ事じゃないか。 |
哲野 |
和解をしなきゃいけない。 |
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しなきゃいけない。日本としてね。しかし、まだ、やってない。そりゃ談話という形でね、河野談話はあるけれども、ホントにきちっとした形での解決をやってないですよ。事実を、例えば従軍慰安婦でも認めないの、まだ、してない。それが今日まで日本の対アジアに対する姿勢っていうのが出てるわけよね。そりゃやっぱりアジア蔑視と通底してると思う・・・。 |